●5月月例ネット句会ご案内●

5月月例ネット句会ご案内

①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2021年5月3日(月)午前6時~2021年5月9日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:5月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:5月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、5月11日(月)正午~5月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/4月月例ネット句会を終えて

4月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントもありがとうございました。
例年より季節が1週間ほど早く過ぎているようです。桜もはやばやと終わって葉桜、新緑の季節を迎えています。あまりに新緑がきれいなので、当季雑詠に「春の句」としたのも、ちょっとまずかったかなと思うほどでした。
気温の上がり下がりに体調を崩されたかたもおられるようですが、くれぐれもお大事に。
今回、個人的な感想として、内容がよくて、選に入れたいのに定型が崩れすぎて惜しいな、という句がいくつかありました。自戒も含めてですが、声に出して読んでみることも大いに大切なのだと思いました。初心忘るべからず、ですね。
これで4月月例ネット句会を終わります。来月の月例ネット句会は、5月9日(日)・母の日です。たのしみにお待ちください。
主宰・高橋正子

■4月月例ネット句会/入賞発表■

■4月月例ネット句会/入賞発表■
■2021年4月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年4月11日
【金賞】
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
桜と水の潔さを強く感じさせる句。桜、噴水と季語が重なるが、主題は桜。都会的な桜の風景が新鮮に詠まれている。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
桜鯛は、3月~6月ころ鯛は産卵をひかえ内湾の浅瀬にくる鯛は鱗が桜色に染まるのでそう呼び、美味である。季節をたのしむ日本の食に、桜鯛があることはうれしいこと。鯛の鱗は固く、鱗をとるときには、鱗が顔に飛び散ることもある。「うろこ浴びつつ」であるが、それは生きの良さであり、桜の季節の心の華やぎでもあるのだ。(髙橋正子)
08.さらさらと音させ春の種を蒔く/古田敬二
春の種を蒔くのだが、蒔く手から離れるときさらさらと音がする。春の光りと混じりあった小さな種の音が快い。「種蒔く」は、春の季語で、籾種を蒔くこと。蔬菜や花の種を蒔くときは、物種蒔く、花種蒔くとするのが普通だが、「春の種」として、新しい感覚を呼び起こした意味がある。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
大きく捉えたられた港の景色。大阪の港の空を跨いで春の虹がかかった。それをずばり、そのままを詠んで大らかな春の虹となった。(髙橋正子)
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
桜が咲いているが、どんよりした空は冷え冷えとして、気分が重くなるような日、つまり花曇の日。こんな日は嗅覚が敏感になるのか、真新しい教
科書はインクの匂いがした。花曇が感覚的にとらえられている。(髙橋正子)
33.瓶立ての花一輪は透き通る/髙橋句美子
瓶に立てた桜の花の一輪。見る向きによって一輪が透き通っている。それだけのことだが、精神がきりっとしている。瓶の色は桜と合う昏めの透明な青い色か。静物画の小品のような一句。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
新しき教科書はどことなくインクの匂い漂う、まさに気分を新鮮にさせてくれるものを持っています。花曇りと相まって、4月初旬の新入生の雰囲気がありありと浮かんできます。 (高橋秀之)
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
真鯛は春の桜の咲く頃は、産卵のために内海に入って来ます。その時季の雄には腹回りが桜色に染まります。ピンク、青、白の混ざったうろこを浴びながら捌く心弾む作業です。(桑本栄太郎)
18.自転車は花のトンネル押してゆく/祝恵子
満開の桜の並木路を自転車に乗ったまま通り過ぎるのは、もったいないですね。ゆっくりと押して短く美しい桜の季節を味わいたいものです。 (柳原美知子)
32.桜散り若葉明るく一本道/髙橋句美子
桜が咲き始めると落葉樹の芽吹きも始まります。そして桜が散るころには若葉となってまばゆい緑が広がります。桜のころとはまた一味違う明るい一本道の姿です。 (多田有花)
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
33.瓶立ての花一輪は透き通る/髙橋句美子
【高橋正子選/7句】
08.さらさらと音させ春の種を蒔く/古田敬二
心地よい春の日差しの中、春撒きの野菜の種を軽快に畝にまかれている姿が眼に浮かぶようです。日々の生長が楽しみですね。(柳原美知子)
37.谷底まで花爛漫の峠ごえ/柳原美知子
桜が咲きそろった峠を越えていかれました。深い谷の下までいっせいに咲きそろった桜に彩られています。なんと贅沢なひと時でしょうか。 (多田有花)
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
32.桜散り若葉明るく一本道/髙橋句美子
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
【入選/17句】
01.客待ちの舟遊ばせている春の潮/吉田 晃
遊覧船か、あるいはボートかいずれにしても波静かな入り江です。日差しも風もやわらかく、客の姿は無くてもそれもまたよしの風情です。 (多田有花)
05.散る花の一つだに無き山上湖/小口泰與
桜が満開の頂点にあって山上湖を囲んでいます。すぐにその緊張が破れて花が舞い始めるのですが、その一瞬の貴重な瞬間をとどめておられます。 (多田有花)
12.御衣黄の浅黄咲き初む花の冷え/桑本栄太郎
桜の咲く花時は陽気が変わりやすく、薄ら寒さが訪れる事がある。御衣黄桜は淡い緑色、やがて花びらは赤く染まって行くその変化を的確に詠った素敵な句ですね。(小口泰與)
29.自転車のサドルを高く春の道/西村友宏
春を喜ぶ作者の気持ちが、サドルを高くに表現されている。背が高ければ当然サドルの位置も高くなるが、このサドルの高さは作者の心の位置であり作者の笑顔が想像されます。(吉田晃)
30.夕支度きらりと光る春大根/西村友宏
夕方、食事の支度を始めて、材料を色々取り出して並べる中に、春大根が白く光った。日常のさりげない光景だが春大根の光をうまく捉えた。 (廣田洋一)
31.木の芽摘む葉うら葉おもて濃い緑/髙橋句美子
木の芽が芽吹き、いつの間にか濃い緑になって、手の中にある感動が伝わってきます。口調もよく、みずみずしい生命力が感じられます。 (柳原美知子)
34.さくらさくらさくら人なき公園/川名ますみ
公園の桜が満開になっています。けれど公園に人影はありません。もったいないような光景です。このままとどめておきたい、と思いますが移ろっていくからまたいいのですね。 (多田有花)
35.その先のひかりを透かす花曇/川名ますみ
花曇の空にも透けてみえるひかりには、ほのかな香りや華やぎが感じられ、心がやすらぐようです。 (柳原美知子)
38.行く先を落花つぎつぎ染めゆける/柳原美知子
落花を浴びながらの花見、今年もいい花見ができましたね。 (祝恵子)
03.葉桜になりゆく日々の美しき/吉田晃
04.里山の錆びた改札桃の花/小口泰與
07.御嶽の遠くにかすんで桜咲く/古田敬二
11.見上ぐれば青空透かし花万朶/桑本栄太郎
14.山々の躍動はるか木の芽晴/多田有花
16.土を替え肥料を加え春の苗/祝恵子
20.八重桜川面に向かひ枝垂れけり/廣田洋一
36.春陰に小動物を照らす小屋/川名ますみ
■選者詠/高橋信之
25.卓上にいろいろあれどチューリップ
卓上にある一本のチューリップの存在感。お宅に咲いたものなのでしょう。春の明るさと愛おしさを感じさせてくれます。 (柳原美知子)
26.辞書開くことも明るく春の朝
27.赤きばら一輪立てて朝の卓
■選者詠/高橋正子
40.ふりあおぐ空に囀り雲もなし
雲一つない爽やかな春の空に、囀りが加わることで、美しい光景が際立ちます。気持ちのいい作者の心境も伝わってきます。(西村友宏)
42.野蒜咲く川の光を花に得て
川のきらきらした光を浴びた野蒜の生命力を感じます。 (髙橋句美子)
41.八重桜幼な木ながら花ゆたか
■互選高点句
●最高点(5点)
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之

■4月月例ネット句会清記■

■4月月例ネット句会清記■
2021年4月11日(日)
14名(42句)
01.客待ちの舟遊ばせている春の潮
02.水仙枯れて白き花弁の名残美し
03.葉桜になりゆく日々の美しき
04.里山の錆びた改札桃の花
05.散る花の一つだに無き山上湖
06.遡上せる小鮎の群や淵の色
07.御嶽の遠くにかすんで桜咲く
08.さらさらと音させ春の種を蒔く
09.こんなにも高く欅芽吹きけり
10.奥山の業平ざくらや十輪寺
11.見上ぐれば青空透かし花万朶
12.御衣黄の浅黄咲き初む花の冷え
13.桜咲く中へ噴水あがりけり
14.山々の躍動はるか木の芽晴
15.薄ぐもり源平咲きの桃の花
16.土を替え肥料を加え春の苗
17.鯉は百群れて春川列をなす
18.自転車は花のトンネル押してゆく
19.蝶二頭行きつ戻りつ遊びをり
20.八重桜川面に向かひ枝垂れけり
21.電線に雀の並び空うらら
22.高架から見下ろす並木に桜咲く
23.花冷えの夜に再び布団出す
24.大阪の港を跨いで春の虹
25.卓上にいろいろあれどチューリップ
26.辞書開くことも明るく春の朝
27.赤きばら一輪立てて朝の卓
28.初めての教科書匂う花曇
29.自転車のサドルを高く春の道
30.夕支度きらりと光る春大根
31.木の芽摘む葉うら葉おもて濃い緑
32.桜散り若葉明るく一本道
33.瓶立ての花一輪は透き通る
34.さくらさくらさくら人なき公園
35.その先のひかりを透かす花曇
36.春陰に小動物を照らす小屋
37.谷底まで花爛漫の峠ごえ
38.行く先を落花つぎつぎ染めゆける
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり
40.ふりあおぐ空に囀り雲もなし
41.八重桜幼な木ながら花ゆたか
42.野蒜咲く川の光を花に得て
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

4月月例ネット句会ご案内

4月月例ネット句会ご案内
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2021年4月5日(月)午前6時~2021年4月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:3月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、4月12日(月)正午~4月15日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶

3月月例ネット句会にご参加、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選をコメントもありがとうございました。毎回14名の方が投句してくださって、にぎやかな句会となっております。
横浜の桜はいま五分咲きで、いつもより早い開花となりました。いつもより早く桜前線が北上しているようです。新型コロナウィスルの感染拡大もいろいろ懸念されていて、なかなか収束しそうにもありません。それが日常になった感じです。制約のある中ですが、いろんな句材を見つけ、いろいろに詠んで、居ながらにして行けそうもないところの風物や風景を楽しめた句会でした。
来月の月例ネット句会は、4月11日(日)です。楽しみにお待ちください。
これで3月月例ネット句会を終わります。
主宰 高橋正子

■3月月例ネット句会/入賞発表■

■2021年3月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年3月15日
【金賞】
28.参道をまっすぐ春の海へ出る/柳原美知子
お参りをしたあとの安らかさが穏やかな春の海と重なって、また、同時に句の景色が素晴らしい。「まっすぐ春の海へ」に迷いがないのがなによりよりだ。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
20.無人駅空に大きく春の虹/西村友宏
無人駅のあるあたりの風景が大きく広がって見える。無人駅に立つ作者は、春の虹が描く弧の真ん中にいて、雨上がりの爽やかさを十分吸い込んで
いるだろう。(髙橋正子)
40.風光る新生児抱く父親へ/川名ますみ
生まれて間もない、抱けば壊れそうな新生児を抱く父親。新生児の白い服が光を跳ね返してまばゆい。無垢で、やわらかな命を育まんとする若い父
親が詠まれている。(高橋正子)
【銅賞/3句】
04.畦切られ土塊浸しゆく春水/吉田晃
田植えの準備が始まる。小川から水を田に引くために畦が切られ、掘り起こされた土塊を浸し、すこしずつ田に広がってゆく。まぎれもなく春の水
だ。丁寧に観察されている。(高橋正子)
08.青饅や開け放たれる大広間/小口泰與
青饅は、わけぎや、あさつきなどを貝類などとからし酢味噌で和えた料理。早春の一時期の葉のやわらかさ、香りの良さが味わえる。旅先での酒宴
だろうか。大広間が開け放たれて、青饅が供される。(髙橋正子)
32.雲切れし空へはくれんの真白/多田有花
はくれんの白さが、際立つのは、背景に青空があるときだろう。大方雲に覆われていた空に、雲が切れて、青空がのぞく。ちょうどそこにはくれんが花ひらいているのだ。雲の動きがはくれんを動かしているような句だ。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
08.青饅や開け放たれる大広間/小口泰與
青饅はたいへん懐かしい食べ物。貧乏だった子どもの頃母が裏の畑で採れたアサツキで作ってくれた。甘酸っぱくシャキシャキした歯ごたえを思い出しています。 (吉田晃)
20.無人駅空に大きく春の虹/西村友宏
春の雨上がり、無人の駅に降り立つと、きれいな虹が出迎えてくれたうれしさ。ほっと安らげるひと時です。 (柳原美知子)
28.参道をまっすぐ春の海へ出る/柳原美知子
海の側の神社、お参りをすませて参道を戻れば明るい春の海が迎えてくれます。穏やかな春の日、海から風にも暖かさが加わり心地よいものでしょ
う。(多田有花)
参道から海へ視野の広がりを感じる句です。春の海の美しさが想像できます。 (髙橋句美子)
高台にある参道なのだろう。それが海に向かって真っすぐに傾斜している。海が春の日にキラキラと光り、穏やかな日のお参り帰りの光景を想像し
た。 (吉田晃)
40.風光る新生児抱く父親へ
新しく生まれた命。それをいとおしく抱く父親に春の風があたる。新しい家庭が始まる。 (古田敬二)
18.春雷や一瞬心はなやがす/髙橋正子
32.雲切れし空へはくれんの真白/多田有花
40.風光る新生児抱く父親へ/川名ますみ
41.葉のうらにましろき莟シクラメン/川名ますみ
【高橋正子選/7句】
04.畦切られ土塊浸しゆく春水/吉田晃
08.青饅や開け放たれる大広間/小口泰與
12.川辺より鶯の声響きくる/祝恵子
20.無人駅空に大きく春の虹/西村友宏
28.参道をまっすぐ春の海へ出る/柳原美知子
32.雲切れし空へはくれんの真白/多田有花
40.風光る新生児抱く父親へ/川名ますみ
【入選/17句】
02.立子忌のお菜となさん土筆かな/桑本栄太郎
立子が、ままごとのお菜は土筆、と詠んだのを受けて土筆を立子忌のお菜にしたのが上手い。(廣田洋一)
03.蘂の黄のあっけんからんと落椿/桑本栄太郎
山道を歩いているといまごろからしばらくの間ヤブツバキがそのままの姿で点々と落ちています。しばらくはまだ枝にある時のように美しいままで
蕊の黄色も鮮やかです。 (多田有花)
05.ふるさとの道の匂いの蓬餅/吉田晃
蓬餅の香はふるさとの道の匂いにつながっていきます。郷愁を誘う句です。 (多田有花)
09.囀りやゼリービンズの色さやか/小口泰與
確かお菓子を扱うお仕事をされていたと記憶しています。にぎやかな囀りと色とりどりのゼリービーンズとの取り合わせが楽しいです。 (多田有花)
10.春の川ポンポン舟の下りゆく/祝恵子
暖かくて穏やかな春の川を、小さな船外機をつけたポンポン舟がゆったり下って行きます。何気ない光景ながらポンポン舟との措辞に、如何にも長
閑な春のひと時が想われます。(桑本栄太郎)
13.啓蟄の篩ひし土を日に曝す/廣田洋一
 プランターに花を植える作業をしておられるのだろう。篩われた土が春の日を受けながら落ちてゆく。ちょっと汗ばんだ作者の顔が見えるようで
す。  (吉田晃)
21.朝寝して夢見心地に雨の音/西村友宏
朝寝はとにかく気持ちよい。まさに夢見心地の心境に雨音のリズムがぴったりと合います。そんな春の一日ののどかな始まりが窺えます。(高橋秀之)
26.青すみれ図書館横に凛と揺れ/髙橋句美子
さりげなく咲いている青すみれを見つけた素敵な日常です。(西村友宏)
29.松影を洗う波音春の潮/柳原美知子
春になると潮の色は淡い藍色に変わって、千満の差がいちじるしくなる。松林の影を洗う岸辺の波の音に春を感じる景が見えて素晴らしいですね。(小口泰與)
海に突き出た松の影、波により影も揺れ、その音が聞こえる。春の、のどかな景が見えてきます。(祝恵子)
19.春雷や手がふと止まる模擬試験/西村友宏
試験の監督をなさっていたのでしょうか。集中して問題にむかっていた生徒たちの手が雷の音に止まりました。その一瞬の教室の空気をとらえられています。(多田有花)
25.伊予柑に偲ぶふるさと瀬戸内海/髙橋句美子
作者は愛媛県出身、高校生までそちらで過ごされています。故郷を離れたいま、伊予柑から思い出されるのは穏やかな瀬戸内海の風景です。(多田有花)
34.卒業式帰りの若人笑み溢れ/高橋秀之
若人ですから、高校生か大学生でしょうか。卒業証書を手に晴れやかな顔で笑いさざめいています。前途に幸多きことを願いたくなりますね。(多田有花)
07.春雷や浮子に当たりの夕まずめ/小口泰與
30.春潮の揺り籠なりし昼の漁船/柳原美知子
33.はや高く咲ける桜を仰ぎおり/多田有花
37.クロッカス三・一一の陽に開く/古田敬二
38.北の地へ飛んで行けタンポポの絮たちよ/古田敬二
3句ともに福島を詠んだ句で、敬二さんらしい優しさ溢れる句だ。名古屋に咲いたタンポポが福島で幸せの黄色い花を咲かせることを願っている。 (吉田晃)
■選者詠/高橋信之
22.早春の朝日を入れて今日が始まる
先生らしい一句であり、お元気なお姿が想像される。昨夜作業を終えられワインを嗜まれたのだろうか。 (吉田晃)
23.卓上に桜を活けて妻が留守
24.桜咲く寺苑に妻と居る時間
■選者詠/高橋正子
17.黄水仙風が吹き分け吹き分けて
水仙と風。たったそれだけの自然であり自然現象であるが、言葉の重なりにより音が聞こえてくるようだ。 (吉田晃)
16.寺の空瞳凝らせば桜咲く
18.春雷や一瞬心はなやがす
■互選高点句
●最高点(6点/同点3句)
20.無人駅空に大きく春の虹/西村友宏
28.参道をまっすぐ春の海へ出る/柳原美知子
32.雲切れし空へはくれんの真白/多田有花
※コメントの無い句にコメントをお願いします。よろしくお願いします。

■3月月例ネット句会清記■

■3月月例ネット句会清記■
2021年3月14日
14名(42句)
01.竹林のこきこき歌う春疾風
02.立子忌のお菜となさん土筆かな
03.蘂の黄のあっけんからんと落椿
04.畦切られ土塊浸しゆく春水
05.ふるさとの道の匂いの蓬餅
06.子の空けて少し黄ばんだ春障子
07.春雷や浮子に当たりの夕まずめ
08.青饅や開け放たれる大広間
09.囀りやゼリービンズの色さやか
10.春の川ポンポン舟の下りゆく
11.転がりし中にチョコありひなあられ
12.川辺より鶯の声響きくる
13.啓蟄の篩ひし土を日に曝す
14.春の夕半円の虹かかりけり
15.雪月花学ぶ館に春雷かな
?寺の空瞳凝らせば桜咲く
17.黄水仙風が吹き分け吹き分けて
18.春雷や一瞬心はなやがす
19.春雷や手がふと止まる模擬試験
20.無人駅空に大きく春の虹
21.朝寝して夢見心地に雨の音
22.早春の朝日を入れて今日が始まる
23.卓上に桜を活けて妻が留守
24.桜咲く寺苑に妻と居る時間
25.伊予柑に偲ぶふるさと瀬戸内海
26.青すみれ図書館横に凛と揺れ
27.花冷えに稲荷の狐雨が降る
28.参道をまっすぐ春の海へ出る
29.松影を洗う波音春の潮
30.春潮の揺り籠なりし昼の漁船
31.春なかばとは雨の日の増えること
32.雲切れし空へはくれんの真白
33.はや高く咲ける桜を仰ぎおり
34.卒業式帰りの若人笑み溢れ
35.朝日浴び緑鮮やか新芽吹く
36.丸々と子雀たちが春の朝
37.クロッカス三・一一の陽に開く
38.北の地へ飛んで行けタンポポの絮たちよ
39.フクシマへ春の風雨のスタンディング
40.風光る新生児抱く父親へ
41.葉のうらにましろき莟シクラメン
42.菜の花の下にサフラン五つ六つ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。 選句は<コメント欄>にお書きください。

●3月月例ネット句会ご案内●

①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2021年3月8日(月)午前6時~2021年3月14日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:3月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:3月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、3月15日(月)正午~3月18日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶

2月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。14名の皆さんにご参加いただきました。選と、コメントをありがとうございました。
日ごと春らしくなっていますが、冬に後戻りするような日もあったり、うららかな春の日を思わせるような日が行きつ戻りつしながらも本当の春に近づいております。新型コロナの感染もいまだに収まっておらず、自由な外出もままなりません。その中でも、身辺を丁寧に観察し、季節の移ろいに感動し、句にし、投句していただき、すぐそこに明るい希望がある思いです。体調に気を付けてご健吟ください。ごれで、2月月例ネット句会を終わります。
3月月例句会は3月14日(日)に開催します。たのしみにお待ちください。(主宰/高橋正子)