■8月月例ネット句会清記■

■8月月例ネット句会清記■
2021年8月8日
12名(36句)
01.大利根の八十瀬の瀬尻鮎を掛く
02.八千草の雨上がりたる草いきれ
03.みんみんや朝の浅間の褪せゆける
04.金メダル獲りて引退夏の果て
05.炎天と云えば忘れじ草田男忌
06.八月や哀しきことの多かりき
07.地を這うて西瓜の花の黄が伸びる
08.和蝋燭溶ける匂いの夏座敷
09.森遠ければ蝉音涼しき風となり
10.夕焼けや明日も良き日となりそうな
11.海風のことに涼しき部屋にいる
12.鉄塔を離るる雲や夏終わる
13.苦瓜にコツンと触れて水運ぶ
14.採れるものみな青物ばかり夏野菜
15.子メダカをバケツに入れて渡しくる
16.真っ青な空がくっきり夏の山
17.今日はよく揚羽と出会う散歩道
18.夏休み家族が揃う夕餉どき
19.老先の短しと知る秋来たる
20.あの人も見ているかしら大夕焼
21.晴天にぐいと伸びたる花カンナ
22.改札を抜けて空には天の川
23.靴ひもを緩めて食らうかき氷
24.うたた寝し弁当箱に夏の蝶
25.渦の花間近に潮の香あび凉し
26.播磨灘はも漁の船に朝の星
27.原爆忌家居の猫と黙祷す28.
28.布袋草花あわあわと浮きにける
29.百日紅咲き継ぐ花に塵もなし
30.台風一過雨水甕をあふれけり
31.扇風機ひとり立ち居て横向きに
32.夏終わる机上の写真の孫の顔
33.冷茶飲む机上の写真に孫も居て
34.法師蝉森のアーチに響く音
35.雨上がり夏の森より雫落ち
36.蒲の穂の静かに立ちて池真ん中
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

8月月例ネット句会ご案内

■8月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(夏の句・秋の句)3句
②投句期間:2021年8月2日(月)午前6時~2021年8月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:8月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:8月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、8月9日(月)正午~8月12日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■7月月例ネット句会/入賞発表■

■7月月例ネット句会/入賞発表■
■2021年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年7月12日
【金賞】
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
「群れて」「翔けて」そして「軽さ」と風の風景が巧みに捉えられている。大きく広がる青田の風の景色の躍動感がいい。(髙橋正子)
【銀賞】
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
海峡へと流れる夏潮の水脈の動きが見て取れるようだ。夏潮らしく水脈がきらめいている。「きらめく」に集約された感覚がいい。(髙橋正子)
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
静かな観察が、早苗田の水の平らな柔らかさをよく表すことに成功している。早苗田の畦を行く人は、ただ「影」とのみ表現され、これもうまい。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
去年の採種した朝顔。今年も蒔く準備として、発芽しやすいように種を水に浸けた。水に沈んだ種が、可愛らしくも思えるリアルさがいい。(髙橋正子)
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間/高橋秀之
人となりを表すような大柄な句。梅雨の晴れ間は、どっしりとして、大きく広がる。単刀直入な表現が爽快。(髙橋正子)
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
夕立が今、まさに来る様子がそのまま、リアルに表現されて、緊迫感がある。「一天暗く」に、講談の調子にあるような迫力がある。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
風がまるで少年少女のようです。笑いさんざめきながら何のくったくもなく駆けていく。青田を波打たせ通って行く風の心地よさが感じられます。(多田有花)
青々した田んぼに吹く様を「翔けて」「軽さ」と表現することで、より晴れやかな気持ちの良い光景が浮かびました。(西村友宏)
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
豊後水道を思い起こす。船が引く水脈が夏の光にきらめきながら九州へ伸びている。夏の海峡の逞しさが強く感じられワクワクさせてくれます。(吉田晃)
水脈のきらきらと美しい情景が夏らしいです。(髙橋句美子)
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
「取り置きし」というのがいいです。朝顔を愛おしく思われる優しさが溢れています。 (多田有花)
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
夕立の来る前、空は暗くなり風が吹き付けて来ます。木の葉がざわざわと揺れ、天が暗くなることで、すぐそこまで夕立が近づいている感触が伝わります。 (高橋秀之)
夕立がやってくる一瞬の様相を見事にとらえられています。風と空の急激な変化です。 (多田有花)
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間/高橋秀之
31.朝焼けて草の匂いの芳しき/髙橋正子
【高橋正子選/7句】
09.ひまわりやつのる豪雨にうなだれて/多田有花
向日葵も大分おおきくなってきた。そんな時に梅雨前線が動かぬ為に、狭い地域に豪雨が襲うこととなった。その雨に向日葵もうなだれてしまった。そう言う景色をうまく詠んだと思います。(廣田洋一)
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
15.花南瓜濡れて咲く地を子ら登校/柳原美知子
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
【入選/14句】
01.糸鳴りの響く渓谷大山女/小口泰與
万緑の渓谷での山女釣りの楽しさが伝わってきます。道糸が引っ張られる音が響き、さぞかし大きな山女が釣れたことでしょう。 (柳原美知子)
大山女魚の抵抗に竿が大きくしなり、それに耐えて糸鳴りを起こす。今は疎遠になってしまったあのヒュンヒュンという糸鳴りが何とも懐かしいですね。 (吉田晃)
02.D五一の汽笛の走る夏の川/小口泰與
蒸気機関車が川沿いを走っているのか、広々とした情景が浮かんできます。蒸気機関車の走る区間も少なくなりました。貴重な瞬間です。(高橋秀之)
06.たそがれの闇に香るやまんだらげ/桑本栄太郎
 喘息の薬にもなるというマンダラゲ。蒸し暑い夏の闇に香るという。曼陀羅華とは奇怪な名前ですが、ダチュラというと可愛らしく聞こえます。そんな可愛らしい香りがしたのでしょう。 (吉田晃)
08.梅雨深し雨音が夜明け連れてくる/多田有花
雨音に目覚める日々の梅雨の深さがよく表されています。豪雨の被害がこれ以上出ないことをお祈り致します。(柳原美知子)
夜中の雨が朝になっても止まない。夜明けは早いがからっとしない。まだまだ梅雨明けは来ない。そんな朝がしばらく続くのですね。 (吉田晃)
11.山門に阿吽の眼風青葉/吉田 晃
何処の寺の山門でしょう?山門に阿吽像のあるほどの名刹のようですが、かっと見開く阿吽像に青葉風が吹き以下にも爽やかな光景が想われます。 (桑本栄太郎)
14.棚田みな青田となりて空に澄む/柳原美知子
山峡の棚田は苗が伸び青青つらなる田の美しさを見事に詠いあげました。空に澄むが素敵な表現ですね。(小口泰與)
16.お待たせとメダカへ順に餌をやり/祝 恵子
人影を見ると餌をもらおうと寄ってくるメダカの群れ。きっといくつかの水槽があるのでしょう。順番に餌をやり、寄ってくるメダカを見ている様子がほほえましい一コマです。(髙橋秀之)
26.キッチンに母娘の小声梅雨の月/川名ますみ
 何ともほほ笑ましい台所での母娘の話、小声がいいですね。 (祝恵子)
25.日々草今日咲くつぼみやわらかに/川名ますみ
初夏から晩秋まで次々と咲いて長く楽しませてくれる日々草。日々の開花を楽しみにつぼみを観察されている様子が伝わってきます。 (多田有花)
28.朝顔の蕾かぞえて夕支度/西村友宏
夕方の朝顔をみて、「明日の朝はいくつ花が開くのかな」と楽しみに夕飯の支度をする。これも夏の楽しみ方の一つかもしれないです。(高橋秀之)
39.紫陽花の色移りゆき淡くなる/髙橋句美子
七変化とも言われる紫陽花の色の移り変わりは、見ていて飽きないですね。淡くなって咲き終わる紫陽花の名残りを惜しむ気持が感じられます。 (柳原美知子)
18.やっと咲くカサブランカは香を放ち/祝 恵子
21.全身で感じる薫風背伸びする/高橋秀之
27.梅雨晴間ひかる舗道を踏みしめる/川名ますみ
■選者詠/高橋信之
34.扇風機見ていて西瓜食べたくなる
35.団扇あおぐことを仕事としている
36.西瓜食らうことを今日の仕事とし
■選者詠/高橋正子
32.寝そびれて遠きしじまの梅雨の星
普段あまり仰ぐことのない明け方の梅雨空。その深い静けさとはるかな星のひそかな輝きが、寝そびれて疲れた心身を癒してくれました。しっとりとした
梅雨の星空に心惹かれます。 (柳原美知子)
31.朝焼けて草の匂いの芳しき
33.みどりからみどりへ蝉の羽音す
■互選高点句
●最高点(7点)
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2021年7月11日
13名(39句)
01.糸鳴りの響く渓谷大山女
02.D五一の汽笛の走る夏の川
03.雷鳴や風の物言い忽と黙
04.待つことの縁の下なり蟻地獄
05.一鉢の取り入れ愛でる月下美人
06.たそがれの闇に香るやまんだらげ
07.きりりと立ちぬ紅の立葵
08.梅雨深し雨音が夜明け連れてくる
09.ひまわりやつのる豪雨にうなだれて
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ
11.山門に阿吽の眼風青葉
12.早苗田の水に畦行く人の影
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす
14.棚田みな青田となりて空に澄む
15.花南瓜濡れて咲く地を子ら登校
16.お待たせとメダカへ順に餌をやり
17.取り置きし朝顔の種水につけ
18.やっと咲くカサブランカは香を放ち
19.早朝にセミの初鳴き目が覚める
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間
21.全身で感じる薫風背伸びする
22.山裾にくっきり浮かぶ合歓の花
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来
24.庭の草知らぬ間に咲き秋近し
25.日々草今日咲くつぼみやわらかに
26.キッチンに母娘の小声梅雨の月
27.梅雨晴間ひかる舗道を踏みしめる
28.朝顔の蕾かぞえて夕支度
29.食卓に鮎が並べば笑みこぼれ
30.風呂上がりファンに合わせて動く我
31.朝焼けて草の匂いの芳しき
32.寝そびれて遠きしじまの梅雨の星
33.みどりからみどりへ蝉の羽音がす
34.扇風機見ていて西瓜食べたくなる
35.団扇あおぐことを仕事としている
36.西瓜食らうことを今日の仕事とし
37.母の作る梅酒の瓶の薄緑
38.雷が一斉に響く休みの日
39.紫陽花の色移りゆき淡くなる
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
 選句は<コメント欄>にお書きください。

■7月月例ネット句会ご案内■

7月月例ネット句会ご案内

①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2021年7月5日(月)午前6時~2021年7月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月12日(月)正午~7月15日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶

西日本は、いつもより3週間ほど早く梅雨入りしておりましたが、関東地方は、6月13日に梅雨入りと発表されました。日本列島の長さを思わずにはおれませんでした。
6月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。今回も全員のご参加をいただきました。いつもながら、選とコメントをありがとうございます。おなじような繰り返しの月例ネット句会ですが、季節の移り変わりや、それにともなう暮らしの変化が自然と詠まれていますので、楽しませていただいています。
コロナワクチンの接種も進んでおりますが、これからも、日々気を付けて過ごすようにいたしましょう。ご健吟をお祈りいたします。来月の月例ネット句会は、7月11日(日)です。これで、6月月例ネット句会を終わります。
主宰・髙橋正子

■6月月例ネット句会/入賞発表■

■2021年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年6月14日
【金賞】
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
遠くの峰から郭公の声が聞こえる。峰にかかっていた夏靄だろうか、うすい雲だろうか、次第に晴れて来る。「晴れ来る」の時間の経過に洛西の風景が見える。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
梅雨のころ、風は湿りを帯びて重い。その風に梅の実が落ちる。日本の湿って重い梅雨時期の日本の風土が表現されている。(髙橋正子)
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
はなやかな花の鉢も静かに濡れている。その静かさは梅雨がもたらす、静けさ。しっとりとした奥行きある情趣がいい。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
梅の実には、みどりの色のいくつもの変化がある。落ちてもなお、鮮やかさを失わない梅の実にはっとさせられる。(髙橋正子)
★青梅を洗いし手の香目覚めても/柳原美知子
この青梅は少し色づき始めたものだろうか。梅独特の匂いが発っている。その梅を洗った翌朝も、梅の匂いが手についている。梅仕事のあとの充実。(髙橋正子)
★紫陽花の重たき毬は紫紺色/川名ますみ
紫陽花の花の毬が重そうに、垂れ気味に咲いている。その色は、紫紺色。しっかりと重みのある色だ。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★挿し木から紫陽花一つ初開き/高橋秀之
ご自身で挿し木されたのでしょうか。そこから今年の花が咲き始めたというのは新たな喜びですね。 (多田有花)
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
★立葵花びらがゆれ茎が揺れ/吉田 晃
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
★紫陽花の重たき毬は紫紺色/川名ますみ
【高橋正子選/7句】
★扇風機今年の風を送り初め/多田有花
電力で風を起こす器具の扇風機は、翼を回転させて風を起こす。今年初めて扇風機が回転して新鮮な柔らかい風を送っている。気持ちの良いゆったりとした景が見えてきます。(小口泰與)
★青梅を洗いし手の香目覚めても/柳原美知子
一晩明けても手に青梅の香が残っている、それに気づいて昨日の作業を思い出されたことでしょう。生活の実感に即した、経験者ならではの御句と感じます。 (多田有花)
★夕風呂を終えて今日から夏布団/ 西村友宏
急激に気温が高くなり、すっかり夏めいて来ました。未だ明るい夕方に入浴を済ませ寝室に入ってみれば、如何にも涼しそうな夏蒲団が用意されています。(桑本栄太郎)
今日から夏布団。それを楽しみにしながらの夕風呂。すがすがしくわくわくとした気持ちでお風呂を楽しむひとときです。(高橋秀之)
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
【入選/13句】
★まっ青な海を遥かに花蜜柑/吉田 晃
海の深い青と蜜柑の花の白さのコントラストが綺麗な風景です。 (髙橋句美子)
★田水入る茅花流しの畦濡らし/柳原美知子
この時期特有の風が吹く。景色全体が湿り気の中にあって、田に入る水の揺らぎが想像される。田植えが終わったばかりだろうか。早苗も入る田水に揺れている。「田水」がこの句を動きあるものにしているように思う。(吉田晃)
★水けむり蛍火流る源流に/柳原美知子
人里離れた源流で蛍火を楽しんでおられます。遠い昔の思い出の一コマのようです。 (祝恵子)
★額の花昏るるごとくに藍深む/川名ますみ
紫陽花の藍色が深まる様を昏るるごとくと、夕方の青が深まる空に譬えたのが上手い。 (廣田洋一)
★昏れしごと藍を深める額の花/川名ますみ
額の花の色はさまざまありますが、これは濃い青のもの。それを昏れてゆく空にたとえられました。 (多田有花)
★立葵並んで空を仰ぎ見る/髙橋句美子
真っ直ぐ空へと咲き昇っていく立葵。何本か並んで咲いているときの咲き方はまさにこういうイメージです。 (多田有花)
★葭切や微塵もこびず川筋へ/小口泰與
★卯波立つ遥か沖行く船の影/桑本栄太郎
★バスの影植田にさっと動き消え/祝 恵子
★苦瓜の窓の高さに蔓は延び/祝 恵子
★夏の海隔てて淡路島淡し/多田有花
★南部鉄の重き風鈴軽き音/廣田洋一
★梅雨空にまっすぐ薄く飛行雲/高橋秀之
■選者詠/高橋信之
★黄の百合の大きな花が窓越しに
★笹百合が大きく咲いてすがすがし
★笹百合に朝空高し窓開ける
■選者詠/高橋正子
★若竹のみどり濃くなり雲放つ
若竹がぐんぐん伸びて緑も濃くなり、大空に白雲を放っているかのように煌めいています。明るくすがすがしい夏の景です。 (柳原美知子)
若竹の力強さがみどりの濃さや「雲放つ」という表現で一段と際立っています。 (西村友宏)
★夏鶯シーダの枝に長鳴きす
★山畑のすずしさ雉鳩啄みて
■互選高点句
●最高点(7点/同点2句)
★夕風呂を終えて今日から夏布団/西村友宏
★若竹のみどり濃くなり雲放つ/髙橋正子

■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2021年6月13日
13名(39句)
01.葭切や微塵もこびず川筋へ
02.山よりの重たき風や実梅落つ
03.鴨の子の身過ぎ各おの水の星
04.大山の山開きとや夜見ヶ浜
05.郭公の峰の遠くに晴れ来たる
06.卯波立つ遥か沖行く船の影
07.タバコ屋の看板ありて七変化
08.バスの影植田にさっと動き消え
09.苦瓜の窓の高さに蔓は延び
10.扇風機今年の風を送り初め
11.海風を受けつつ夏のボードウォーク
12.夏の海隔てて淡路島淡し
13.花鉢の濡れて静かな梅雨に入る
14.まっ青な海を遥かに花蜜柑
15.立葵花びらがゆれ茎が揺れ
16.南部鉄の重き風鈴軽き音
17.落ちてなお色鮮やかな実梅かな
18.さくらんぼ食べたる証種の山
19.田水入る茅花流しの畦濡らし
20.水けむり蛍火流る源流に
21.青梅を洗いし手の香目覚めても
22.夕風呂を終えて今日から夏布団
23.打ち水や子らも仔犬も軒下へ
24.菓子箱の飴玉光る夏の夕
25.挿し木から紫陽花一つ初開き
26.出勤の電車の窓からヨット見ゆ
27.梅雨空にまっすぐ薄く飛行雲
28.黄の百合の大きな花が窓越しに
29.笹百合が大きく咲いてすがすがし
30.笹百合に朝空高し窓開ける
31.夏鶯シーダの枝に長鳴きす
32.山畑のすずしさ雉鳩啄みて
33.若竹のみどり濃くなり雲放つ
34.額の花昏るるごとくに藍深む
35.昏れしごと藍を深める額の花
36.紫陽花の重たき毬は紫紺色
37.夏服に風を通して洗濯す
38.立葵並んで空を仰ぎ見る
39.夏晴れて白い飛行機青空へ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■6月月例ネット句会ご案内■

6月月例ネット句会ご案内

①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2021年6月7日(月)午前6時~2021年6月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月14日(月)正午~6月17日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶

今年の5月は、さわやかな日を楽しむ間もなく、例年より3週間も早い梅雨入りとなりました。「五月雨」を旧暦のことと言わなくてもよいような具合です。
天候不順な折り、お変わりないでしょうか。5月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。選とコメントもいつものことながら、ありがとうございました。今月は発行所のネットが急に接続不良という事態になり、一週間延期いたしました。ご迷惑をおかけしましたが、5月16日に開催することができ、入賞発表も5月17日に行うことができました。ご協力ありがとうございました。
入賞句へのコメントをそれぞれの句にありがとうございました。入賞発表は、みなさんにご覧いただいた様子ですので、これで5月月例ネット句会を終わりにいたします。来月は、6月13日(日)となります。たのしみにお待ちください。ご体調に留意され、ご健吟ください。
5月20日   主宰・高橋正子