■12月月例ネット句会/入賞発表

■12月月例ネット句会/入賞発表
■2022年12月例ネット句会■
■入賞発表/2022年12月11日

【金賞】
27.布団干す晴れ渡る日の午餐どき/高橋秀之
「午餐どき」に家族の暮らしの姿が見えて、全てを温和に包こんでくれるような句。よく晴れた日曜日だろうか、午餐どきになってのんびり布団を干す。家族がそれぞれに、過ごして、ゆるく繋がっている家族像が見える。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
17.傘深くさして枯葉の吹く道を/吉田 晃
吹き降りがひどいのであろう。枯葉を吹く風が、雨を斜めに降らせる。濡れないように傘に深く身を入れて道を歩く。今は吹き降りの暗さのただ中にあるが、その先に必ずや明るさがあることが信じさせてくれる句。(髙橋正子)

31.小雪の朝日へつぎつぎ子ら登校/柳原美知子
ちらほら雪が舞ってもよさそうな日。そんな日も朝日は元気よく昇り、つぎつぎに登校してくる子供たちを輝かせている。昔から変わらぬ冬の朝の登校風景でありながら、「小雪」の日は、特別な光景に見える。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.みどり子の生誕待たる十二月/桑本栄太郎
十二月のみどり子の生誕は、イエス・キリストの生誕。今イエスがこの世に生誕するのを人々と共に心待ちにする気持ちがリアルである。(髙橋正子)

15.裸婦坐像銀杏落葉に囲まれて/多田有花
裸婦座像の周りに銀杏落葉が降り敷いている。銀杏落葉によって裸婦座像に想いが生まれてくるようだ。芸術的な風景に人はなにがしか、心が動く。(髙橋正子)

39.からからと笑うヘルパー小春風/川名ますみ
介護を受ける身となれば、ペルパーさんが明るい方であるといい。前向きに明るい方へ事が運ぶ感じがする。小春風のようなヘルパーのからから笑う声がいい。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
12.冬の草触りて息吹感じたり/廣田洋一
冬なお青く、枯残った草が目に染みる。青々とした草が力つよさを感じさせてくれる。(小口泰與)
春に向けて、生命力の躍動を秘めている冬草。観ているだけではなく、触れることで感じ取れる何かを大切にしている。(弓削和人)

23.大学の銀杏黄葉の坂なせり/髙橋正子
大学の銀杏大樹の黄葉が降り輝く坂道。様々な青春時代に思いを馳せつつ、落葉を踏みしめて歩く温かいひとときです。(柳原美知子)

01.みどり子の生誕待たる十二月/桑本栄太郎
17.傘深くさして枯葉の吹く道を/吉田 晃
27.布団干す晴れ渡る日の午餐どき/高橋秀之
31.小雪の朝日へつぎつぎ子ら登校/柳原美知子
39.からからと笑うヘルパー小春風/川名ますみ

【髙橋正子特選/7句】
07.朝明けや空までつづく道に冬/弓削和人
朝一番に仰ぐ空。今日は冬の雲におおわれている。その空まで続いているような登り坂の道も白く冷気が漂っているようだ。本格的な冬の到来に身を引き締める詠者が想像されます。(柳原美知子)

15.裸婦坐像銀杏落葉に囲まれて/多田有花
 美術館の広い中庭だろうか。銀杏の葉が像の周りを黄色く埋めている。その真ん中に膝を崩した裸婦の座像がうつむき加減にある。行く秋に溶け込んで物思いに耽っている静かな姿を想像します。 (吉田晃)

21.升で豆量り売りする冬テント/祝 恵子
師走となり、お節料理のための豆類が売られ、活気づく出店。寒さの中にも生き生きと温かい生活のひとこまです。句のリズムもよく明るさを感じます。 (柳原美知子)

34.クリスマス街の光が夜空へと/高橋句美子
クリスマスの電飾で華やぐ街。その光が夜空にも投影され、幻想的な闇が浮かびあがります。日常とは異なったこの時期の都市の空間を楽しみながらの帰宅です。(柳原美知子)

11.探し出し子らに見せたる竜の玉/廣田洋一
27.布団干す晴れ渡る日の午餐どき/高橋秀之
31.小雪の朝日へつぎつぎ子ら登校/柳原美知子

【入選/17句】
02.着水の長き飛沫や鴨来たる/桑本栄太郎
鴨がスムーズに着水する一瞬の出来事を的確に捉えていると感じました。(西村友宏)

04.霜の朝連山我に迫り来る/小口泰與
山に囲まれた土地の冷え込んだ早朝の厳しくも清々しい空気が感じられます。 (多田有花)
朝の山の厳かな雰囲気に偉大さを思います。 (髙橋句美子)

06.昭和の血湧かせ唄うや年忘/小口泰與
忘年会で、歌をうたうとなると、独唱であれ、合唱であれ、歌いなれた昭和の歌を唄うことになる。血湧かせ唄うと、熱唱ぶりを表したのが上手い。 (廣田洋一)

14.薄日差す師走の城を仰ぎおり/多田有花
なにかとあわただしい師走。気がせく日常も仰ぎ見る城は変わらぬ風情を保っている。そんなお城が薄日が差しこむとより悠然と感じ、落ち着きを呼び戻してくれる気がします。(高橋秀之)

20.詰め放題からつき牡蠣を袋詰め/祝 恵子
物価高の歳末です。詰め放題、しかも牡蠣となるとうれしいですね。この日の夕食の献立は牡蠣に決まりです。(多田有花)

25.百万の電飾冬の御堂筋/高橋秀之
御堂筋は大阪梅田より難波まで続く幅44メートルの大阪の基幹道路である。その沿道には大きなビルが立ち並び、ビジネスや商業の中心をなして居る。冬の今頃の時季ともなれば、百万とも云うべき電飾で飾られ、寒さの中にも冬の風物詩として著名である。その景色をすべて名詞で詠われて居り、如何にも冬の街並みの風情が表された。 (桑本栄太郎)

30.新しきペンが滑らか冬の朝/西村友宏
新しい万年筆、少し張り込んで買われたものか、それとも贈り物でいただかれたものか。いずれにしても、ペンの滑らかさは弾む心を表しています。(多田有花)

35.ポインセチア軽き葉色を師へ選ぶ/高橋句美子
クリスマスの季節に欠かせぬポインセチア。赤々しいポインセチアではなく軽き葉色を選ぶ心が優しさを感じます。(高橋秀之)

38.日向ぼこ猫がそうしていた部屋で/川名ますみ
猫が日向ぼこしていた部屋。暖かく日が当たる部屋、今は一人で猫といるような気持になりうとうとしてきました。 (祝恵子)
猫は暖かい場所をよく知っています。猫のいた部屋はきっと暖かい。なので、日向ぼこには最適の部屋なのです。 (高橋秀之)
さっきまで猫がそこで気持ちよさそうに昼寝をしていました。そこで同じようにゆったりと過ごされます。猫がお好きな作者の思いがあふれています。(多田有花)

05.ダム湖へと沈みし村や返り花/小口泰與
08.浮かび咲く八手の花や夕の空/弓削和人
13.城まで歩く銀杏落葉の散る道を/多田有花
18.秋がゆく灯影に白き蛾の戯れ/吉田 晃
19.露草の紫色を溜めて冬/祝 恵
26.絶え間なく続く白波冬の海/高橋秀之
32.子が引いて作りし今朝の蕪のスープ/柳原美知子
37.眉墨をやや長くひく今朝の冬/川名ますみ

■選者詠/髙橋信之
のちほど。

■選者詠/髙橋正子
22.青空にきよらかなりて枯木立
23.大学の銀杏黄葉の坂なせり 
24.包まれてずっしり白菜のかたち

■互選高点句
●最高点(同点3句/4点)
02.着水の長き飛沫や鴨来たる/桑本栄太郎
25.百万の電飾冬の御堂筋/高橋秀之
38.日向ぼこ猫がそうしていた部屋で/川名ますみ
集計:髙橋正子

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2022年12月11日
13句(39名)

01.みどり子の生誕待たる十二月
02.着水の長き飛沫や鴨来たる
03.ふるさとの海鳴り想う寒波かな
04.霜の朝連山我に迫り来る
05.ダム湖へと沈みし村や返り花
06.昭和の血湧かせ唄うや年忘
07.朝明けや空までつづく道に冬
08.浮かび咲く八手の花や夕の空
09.冬海に雲段段や波の花
10.道草を食わずに帰る漱石忌

11.探し出し子らに見せたる竜の玉
12.冬の草触りて息吹感じたり
13.城まで歩く銀杏落葉の散る道を
14.薄日差す師走の城を仰ぎおり
15.裸婦坐像銀杏落葉に囲まれて
16.ストーブの古びて首ふる小さな音
17.傘深くさして枯葉の吹く道を
18.秋がゆく灯影に白き蛾の戯れ
19.露草の紫色を溜めて冬
20.詰め放題からつき牡蠣を袋詰め

21.升で豆量り売りする冬テント
22.青空にきよらかなりて枯木立
23.大学の銀杏黄葉の坂なせり 
24.包まれてずっしり白菜のかたち
25.百万の電飾冬の御堂筋
26.絶え間なく続く白波冬の海
27.布団干す晴れ渡る日の午餐どき
28.冬晴れや人が群がる豚汁屋
29.鯛焼きの餡子ふくら頬緩む
30.新しきペンが滑らか冬の朝

31.小雪の朝日へつぎつぎ子ら登校
32.子が引いて作りし今朝の蕪のスープ
33.髪切って11月果つ街の灯に
34.クリスマス街の光が夜空へと
35.ポインセチア軽き葉色を師へ選ぶ
36.寒風を避けつつ乗り換え駅急ぐ
37.眉墨をやや長くひく今朝の冬
38.日向ぼこ猫がそうしていた部屋で
39.からからと笑うヘルパー小春風

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/12月月例ネット句会ご案内■

■2022年/12月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(冬の句)3句
②投句期間:2022年12月5日(月)午前6時~2022年11月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:12月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:12月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、12月12日(月)正午~12月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/11月月例ネット句会を終えて

11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。
入賞の皆さまおめでとうございます。金・銀・銅賞は、信之先生と正子の特選句から決めています。(もちろん、選者特選句と互選句が重なる場合もあります。)入選句は、皆様の互選を頂いた句を入選としています。
今回は俳誌「オリーブ」の創刊同人の木村晴美さんに選をしていただきました。発行所の近所にお住まいで、お貸しした本を返しに来られましたので、選をお願いしましたところ、快く引き受けてくださいました。木村様ありがとうございました。
今回は、私の不手際で、清記を間違った場所にアップロードしてしまいましたが、皆様のご協力で無事、選とコメントを頂くことができました。ご協力ありがとうございました。これから寒さに向かい、インフルエンザや新型コロナの心配もありますが、風邪をひかれませんようにお過ごしください。
来月12月の月例ネット句会は、12月11日(日)になります。楽しみにお待ちください。これで11月月例ネット句会を終わります。
11月17日
髙橋正子

■11月月例ネット句会/入賞発表

■2022年11月例ネット句会■
■入賞発表/2022年11月14日

【金賞】
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
初冬の静かな明るさが詠まれた抒情的な句。薔薇が空を向くというのもユニーク。初冬が「薔薇」「みずいろ」の甘さを引き締めているところがよい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎
朝顔の蔓を引いたのであろうが、たくさんの実がぱちぱちと弾ける意外性が面白い。たくさんの朝顔が咲いた夏の日が追想できる。(髙橋正子)

16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
石蕗が咲くころの日の短さが「午後の陽はすぐに傾き」と詩的に表現されて、しっかりと安定した構成の句となっている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
「よべ」が多くを物語って、秋の夜の人の交わりの暖かさが感じられる句。「柿」も里の秋を表して十分だ。(髙橋正子)

29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏
路地裏にも紅葉する木があって、朝の風がさらさらと紅葉を揺らしている。そんな小さなそよぎが、綺麗な朝、混じりけのない気持ちを感じせてくれる。(髙橋正子)

38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子
寄せ鍋に野菜を大ぶりに切ってざくざくと入れる。彩りもいろいろと。忙しいなかでの鍋の支度はざっくりとするのもまたよい。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
 暖かい海辺の地に生ずる草で初冬に黄色の花を咲かす石蕗の花が、午後の冬日に輝いているが、日は早くも没日となり残照の中に石蕗の花の黄色が輝いています。(小口泰與)
 石蕗の花は、いつも日陰に灯るように咲いている印象があります。けれど、日陰を好むわけでなく、日の短い季節に明るい色の花を咲かせるため、そう思わせるのでしょう。冬の陽射しを「午後の陽はすぐに傾き」と詠まれたこと、実感にあふれた表現だと思います。(川名ますみ)
 晩秋より初冬にかけて咲きだす石蕗の花は、日毎に日が短くなり直ぐ薄暗くる時間でも、凛と黄色の花が透き通るように輝いています。その光景が見えるようである。(桑本栄太郎)

22.銀杏落葉朝日浴びつつ散りにけり/廣田洋一
朝日にきらきらと輝きながら散ってゆく銀杏黄葉の美しさは神々しくもありますね。自然の懐にいだかれる豊かな朝のひとときが感じられます。 (柳原美知子)

36.初時雨しろき天井仰ぎみる/川名ますみ
初時雨のふる静かな日、しんしんと冬の訪れを感じながら雨音に誘われて、天窓を見るように思わずしろい天井を仰ぎます。 (柳原美知子)

38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子
ざくざくいろいろとがいいです。具沢山、野菜たくさんのおいしそうな寄せ鍋が食べたくなりました。 (高橋秀之)

10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏

【髙橋正子特選/7句】
25.茎引けば土よりからから落花生/柳原美知子
 畝の茎を引っ張ると鈴なりの落花生が出て来る。丹精の落花生は大粒で思わず頬が緩むのだ。いろいろな料理方法があるが、茹でるのが手っ取り早くて美味しい。引いた落花生の茎を満足げに見ている作者が想像されます。(吉田晃)
 落花生を引き抜いた時のうれしい気持ちが自然と伝わる素敵な句だと感じました。「からから らっかせい」とリズムも楽しい句だと感じました。 (西村友宏)

03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏
38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子

【入選/18句】
06.峠越すこたびは雪や鯉の里/小口泰與
峠を越えると鯉の生産で有名な町に入るのでしょうか。雪を見て、前にこの峠を越したときのことを思い出されました。時間の経過と季節感が相乗効果を生んでいます。 (多田有花)

07.芙蓉咲くお出しの匂う店暖簾/祝 恵子
出汁の香りがする老舗の料理屋。暖簾にも歴史を感じます。その前に芙蓉が咲いています。美味しそうな、暖かい句です。 (多田有花)

08.菊一輪地蔵に一礼線路ぎわ/祝 恵子
線路際のお地蔵様に菊が一輪供えられている。思わずお地蔵さまに一礼してしまった、敬虔な気持ちがさりげなく詠まれている。(廣田洋一)

13.冬暖か小さな花の黄色にも/吉田 晃
寒い日が続く中、穏やかな暖かさがうれしい季節です。小さな草花も暖かさを感じて咲いているのかも知れません。 (髙橋句美子)

14.小春凪鵜の戯れに海光る/吉田 晃
小春の頃の穏やかな海の凪に、数羽の鵜が餌を探しながら戯れている景が微笑ましい。その瞬間に、波打ちながら太陽の光を反射する。鵜の群れを歓迎しているかのような情景に対して、爽快な気持ちになる句だと思いました。(弓削和人)
小春日の濃紺の凪の海に気持ちよさそうに鵜が遊び、波が光っている。潮の香と日差しに包まれて、心温まる浜辺でのひとときです。(柳原美知子)

17.銀杏落葉始まる金色を極め/多田有花
きれいな銀杏の黄金葉が幹を取り囲んでいるのが見えてきました。(祝恵子)

19.冬の富士友と二人で並び見る/高橋秀之
出張されたのか、旅だったのか、いずれにしても友人と会って旧交をあたためられました。二人で語らう向こうに見える晴れた富士。さっぱりとした友情が感じられます。 (多田有花)

28.風呂そうじ終えて最後の柿をむく/西村友宏
一仕事終えて、ご褒美の最後のひとつの柿をむく。よく熟れた柿の色と笑顔が目に浮かぶようです。 (柳原美知子)

01.干乾びて行方定めぬ落葉かな/桑本栄太郎
05.小魚の群来(くき)の岸辺や枯眞菰/小口泰與 
09.赤い靴走りゆく子の十一月/祝 恵子
11.鵙日和尾羽を定めて飛びゆけり/弓削和人
15.梨売りの婆の手が剥く味見梨/吉田 晃
23.鯉の群ゆったり泳ぎ散紅葉/ 廣田洋一
24.冬鷺のつがひ飛び来る街の川/ 廣田洋一
27.菊ひらく朝日の中に友おわす/柳原美知子
34.撫子の花弁を梳いて風静か/川名ますみ
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ/川名ますみ

【特別招待選者 木村晴美特選/7句】(俳誌「オリーブ」創刊同人)
01.干乾びて行方定めぬ落葉かな/桑本栄太郎
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
14.小春凪鵜の戯れに海光る/吉田 晃
25.茎引けば土よりからから落花生/柳原美知子
34.撫子の花弁を梳いて風静か/川名ますみ
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ/川名ますみ
36.初時雨しろき天井仰ぎみる/川名ますみ
■選者詠/髙橋信之
40.夕食の卓に洋梨どっかりと
41.妻の土産桜紅葉をわが机上に
42.真っ赤な葉桜紅葉の土産なる
■選者詠/髙橋正子
31.立冬の空を回れよ観覧車
近頃は各地に大きな観覧車ができています。乗るのもいいですが、回っているのを眺めるのもいいものです。これは横浜の「コスモクロック21」でしょうか。「回れよ」という言葉にさまざまな願いが感じられます。(多田有花)

32.小春日の真昼蟾蜍鳴く声のして
33.白山茶花の垣根長々寺隣り

■互選高点句
●最高点(7点)
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎

集計:髙橋正子
※特別招待選者(木村晴美様)の選は、集計に入れておりません。

お詫び

11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。
「清記」のアップロードの場所を間違えておりました。午後9時45分ごろ、月例ネット句会のブログにアップロードしましたので、選をよろしくお願いいたします。選の締め切りは特に設けませんので、よろしくお願いします。
11月13日
髙橋正子

■11月月例ネット句会清記■

■11月月例ネット句会清記■
2022年11月13日
42句(14名)

01.干乾びて行方定めぬ落葉かな
02.冬蝶のとまどい行くや風に乗り
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす
04.寒月や川面の影の動きける
05.小魚の群来(くき)の岸辺や枯眞菰 
06.峠越すこたびは雪や鯉の里
07.芙蓉咲くお出しの匂う店暖簾
08.菊一輪地蔵に一礼線路ぎわ
09.赤い靴走りゆく子の十一月
10.よく来たと戴くよべの柿二つ

11.鵙日和尾羽を定めて飛びゆけり
12.目が合うとそらす夜寒の車両かな
13.冬暖か小さな花の黄色にも
14.小春凪鵜の戯れに海光る
15.梨売りの婆の手が剥く味見梨
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花
17.銀杏落葉始まる金色を極め
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き
19.冬の富士友と二人で並び見る
20.冬立つ日残業帰りにラジオ聴く

21.紅葉の投稿並ぶエスエヌエス
22.銀杏落葉朝日浴びつつ散りにけり
23.鯉の群ゆったり泳ぎ散紅葉
24.冬鷺のつがひ飛び来る街の川
25.茎引けば土よりからから落花生
26.町変われど秋天仰げば松山城
27.菊ひらく朝日の中に友おわす
28.風呂そうじ終えて最後の柿をむく
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風
30.痩せ細る秋刀魚に憂う温暖化

31.立冬の空を回れよ観覧車
32.小春日の真昼蟾蜍鳴く声のして
33.白山茶花の垣根長々寺隣り
34.撫子の花弁を梳いて風静か
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ
36.初時雨しろき天井仰ぎみる
37.冬晴れの朝の道の工事中
38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと
39.皆既月食慌ただしくて十一月
40.夕食の卓に洋梨どっかりと

41.妻の土産桜紅葉をわが机上に
42.真っ赤な葉桜紅葉の土産なる

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/11月月例ネット句会ご案内■

■2022年/11月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(秋の句・冬の句)3句
②投句期間:2022年11月7日(月)午前6時~2022年11月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:11月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:11月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、11月14日(月)正午~11月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/10月月例ネット句会を終えて

10月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントをありがとうございました。物事を理解するには、長く知っていることが大切だと言われています。会員の皆さまとの交わりもずいぶん長いものになりました。それでこそ、作者の立場に立った選とコメントができるのではないかと思っています。いつもの事ながらありがとうございました。
今月は第1日曜日が2日、第2日曜日は9日になりました。忘れやすい日めぐりなりました。月例ネット句会は、毎月第2日曜日に開催です。よろしくお願いします。
最近急に寒くなりました。気温の変化がとても激しいです。体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。来月の月例ネット句会は11月13日(日)(第2日曜日)です。たのしみにお待ちください。今月の月例ネット句会はこれで終わります。

■10月月例ネット句会/入賞発表

■10月月例ネット句会/入賞発表
■2022年10月例ネット句会■
■入賞発表/2022年10月10日
【金賞】
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
山路を越えるとき、天は高く晴れて澄み渡っている。そんな山路を玄米を提げて越える。新米の玄米を、ともかくも持たせてくれた。感謝とうれしさ。その重さが手に伝わる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
04.農がゆく後ろ手にして刈田道/吉田 晃
刈田となった道を農夫が手を後ろに組んで歩いて行く。その景色がくっきり見える。農村では、日常見かける風景。農夫は若くはないだろうし、田を見まわるのはもう、農夫の習性のようになっている。そういう農村の景色に思うことがさまざま浮かんでくる。(髙橋正子)

10.山からの水の流れや曼殊沙華/祝 恵子
曼珠沙華が咲くのは、畦や湿り気の多い道端。山から水が流れ、あたりに洩れているようなところなど。水の流れのあるところの曼珠沙華は赤い色が水を受けて輝いているような、みずみずしい赤の印象だ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
09.秋の海日差しを載せて静かなり/多田有花
穏やか秋の海。日差しは平らかに海の上に載っているようだ。「日差しを載せて」が瀬戸内海の秋の海を象徴的に詠んでいる。(髙橋正子)

18.影法師踏みつつ帰る秋の暮れ/高橋秀之
学校帰りに、影踏みをしながら帰った人は懐かしさを覚えるだろう。秋の日暮れの影法師は長い。踏まれないように逃げながら帰ったことを新たに蘇らせてくれた句。(髙橋正子)

27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏
私はつねづね日本のビルは瀟洒だなあと思っている。秋空へ、街で一番の高いビルがそそり立つと、ビルの美しさが際立つ。なんだか、誇らしくも美しいビルである。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
稲刈りが終わり、新米を玄米のまま袋に入れて帰る山路。収穫の喜びと充実感に満ちた秋晴れの日です。 (柳原美知子)

18.影法師踏みつつ帰る秋の暮れ/高橋秀之
影を踏むという言葉に懐かしさを感じます。 (髙橋句美子)

25.鈴虫の音(ね)のする方へ歩く夕/西村友宏
鈴虫の澄んだ音色に惹きつけられ、その在りかをたしかめるように自ずと体が動きます。秋風に吹かれ心やすらぐ夕暮れです。 (柳原美知子)

31.秋の蜂花を探してきらきらと/髙橋句美子
秋光にきらきらと輝く蜂の存在感と秋の花の香り野の香りが感じられる美しい句ですね。 (柳原美知子)

04.農がゆく後ろ手にして刈田道/吉田 晃
09.秋の海日差しを載せて静かなり/多田有花
27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏

【髙橋正子特選/7句】
4.秋風に浸りて歩む土手の道/廣田洋一
「浸りて」に秋風の吹き渡る土手を歩く心地よさが表されていて、自然と一体化しているようです。 (柳原美知子)

24.湯あがりの身の透きゆける十三夜/柳原原美知子
湯上りに十三夜の月光を浴びてるうちに、自らの体を月が透き透るように感じられた。気持ちの良い月夜。(廣田洋一)
十三夜は豆名月の名があり、最後の名月で、名残りの月とも言う。名残りの月に湯上りの身をさらし居る作者の素敵で、ロマンチックな景が目に浮かびます。(小口泰與)

07.北国へ旅立つ支度寒露かな/多田有花
10.山からの水の流れや曼殊沙華/祝 恵子
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏
31.秋の蜂花を探してきらきらと/髙橋句美子

【入選/12句】
22.南瓜豊作どの畑にもごろごろ/柳原原美知子
楽しい俳句に惹かれます。(祝恵子)

23.潮風にぼんぼり揺れて芋煮える/柳原原美知子
海辺の食事時でしょうか。気持ちのいい潮風とのどかな情景が目に浮かびました。 (西村友宏)

03.温め酒渾名呼び合う友の減り/小口泰與
05.捨て畑の石垣畦に花桔梗/吉田 晃
06.十三夜黄ばみ障子の薄明り/吉田 晃
08.秋祭り太鼓の音が風に乗り/多田有花
11.笛太鼓豊作祈る獅子踊り/祝 恵子
12.虫の音を楽しむ散歩夕の風/祝 恵子
15.一日の健康祈り林檎剥く/廣田洋一
17.秋雨の中を静かに出航す/高橋秀之
21.大工の音聞こゆ明りの窓に秋/弓削和人
33.きのこ飯いくつも買って雨の夕/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
34.窓開けて朝の秋空全身に
酷暑の毎日だったが、思いのほか涼しくなるのが早かった。窓を開けると秋の空が飛び込んできて体を包んでくれた。そんな感覚に捉われたのでしょう。先生のお元気な姿が想像できて嬉しい一句である。 (吉田晃)

35.今日があることを知る秋の空
平明な調べの中に、一日を迎えることへの感謝が詰まっています。秋空を見上げながら、生かされていると、思った瞬間を切り取っています。このような気持ちで、秋を過ごしていきたいものです。(弓削和人)
今日がある。当たり前のようであるがこの句のようにそれを意識して知ることは少ない。それを知る秋の空は素晴らしい情景です。(高橋秀之)

■選者詠/髙橋正子
29.宵宮の杜を照らして十三夜
久しぶりの宵宮。こんもりとした鎮守の杜が十三夜
の月光に青く照らされ、幻想的な光景をうかびあがらせています。静かな日本の原風景に祈りと希望の感じられる夜です。 (柳原美知子)

28.杜の樹に提灯かかげ里祭り
30.里祭りふうせん売りの日焼けなお

■互選高点句
●最高点(4点)
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
集計:髙橋正子