9月ネット句会清記


9月ネット句会清記
16名48句

01.台風の過ぎゆく空の色軽し
02.あこがれる寂光浄土秋桜
03.藪からし小さき花は可憐なり
04.杉の実や戦場数多絶えも無し
05.杉の実や銃弾の数果ても無し
06.竜胆やいろはにほへと九十九折
07去来忌の水嵩ますや渡月橋
08.いしぶみの百人百句や秋の嵯峨
09.落柿舎の裏の塚かな柿ひとつ
10.木の実落つ音の静けさ森の道

11.銀漢に祈るや遠き人の世を
12.秋出水かく激しとは知らざりき
13.筏曳き瀬戸をゆく船いわし雲
14.無花果のネット潜りて捥ぎくれる
15.冬瓜や草を褥に横たわり
16.水澄みて今日を新たに迎えけり
17.秋の昼蕎麦屋の白き暖簾かな
18.目の合ひし秋刀魚夕餉の膳にあり
19.土手道の水音のするほうずきや
20.変わらない椅子に座って虫しぐれ

21.散らばった雲間から出る月仰ぐ
22.瓢箪に並ぶ実の影映りおり
23.友といて京路を歩く白露かな
24.枯山水静かに雨を迎える秋
<剣山登山>
25.湧きいずる霧のまにまに鳥兜
26.洪水の映像を見る天高し
27.秋蝉の声の消えたる森を歩く
28.赤とんぼの群れに真っ直ぐ突入す
29.目の前を右に左に赤とんぼ
30.背伸びする窓から差し込む秋日差し

31.朝顔の閉じゆく刻を母と見る
32.多摩川の嵩増し蒼し颱風過
33.水災の隣に伸びぬ鰯雲
34.瀬戸の航望む丘陵萩白し
35.野の風に枝を重ねて萩撓む
36.ひとしきり萩と吹かれて丘の上
37.無花果に思い出したる瀬戸の空
38.葛の花ふっと匂うは高みより
39.月光の曲にこおろぎ鳴き速む
40.新涼の風に吹かれて喜びぬ

41.さわやかに風吹く森の中を吹く
42.穂絮飛ぶ池の向こうを風が吹き
43.初秋の朝の光の庭に濃し
44.秋刀魚焼く帰りの遅き子にも焼く
45.露天風呂背中と通る風は秋
46.朝の窓鰯雲へと開け放つ
47.鈴虫の声澄みわたる市の奥
48.稲穂垂れ水路一筋黄に光る

※選句を開始してください。

◆9月ネット句会のご案内◆
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(秋の句)計3句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2015年9月7日(月)午前5時~9月13日(日)午後6時
④選句期間:9月13日(日)午後6時~9月13日(日)午後9時
⑤入賞発表:9月14日(月)正午


コメント

  1. 河野啓一
    2015年9月13日 18:56

    9月ネット句会選句
    09 23 36 43 47
    ○09.落柿舎の裏の塚かな柿ひとつ 
    如何にも秋の風情ですね。もう様子は変わっているでしょうが、以前、嵯峨野に去来の草庵を訪ねたことを想い出します。

  2. 桑本栄太郎
    2015年9月13日 18:58

    選句
    06・13・16・25・31

    25)湧きいずる霧のまにまに鳥兜
    今の時季、霧深い山に入れば猛毒で知られる
    トリカブトの花を見る事が出来ます。
    幻想的なうす紫のその花は霧の中に見え隠れして
    いて、妖しくも登山者の眼を奪うようです。
    現場に立つ作者の、高山の霧深い光景が眼の前に
    鮮やかに想起されます。

  3. 佃 康水
    2015年9月13日 19:32

    9月ネット句会選句
    03 07 33 39 47

    03 藪からし小さき花は可憐なり
    藪枯らしは蔓が絡んで繁茂すると藪でも枯れると云う害草と言われています。しかし、あの小さな花はとても害草とは思えないほどに可憐です。嫌な草木にも愛おしむ気持ちが持てる所が俳句の魅力ですね。

  4. 迫田和代
    2015年9月13日 19:43

    9月ネット句会選句
    01,09,14,34それが空の色軽し
    台風の来る前の空は、暗くて重苦しい色ですが、過ぎ去ったとき、それた時の色は、軽いのです。それは実感です。良い俳句ですね。

  5. 井上治代
    2015年9月13日 19:57

    9月ネット句会選句
    08.13.23.29.48
    29 目の前を右に左に赤とんぼ
    涼しい風が吹き始めると、どこからともなく赤とんぼの数がふえて、自由きままな感じで飛びかっています。とんぼが飛び始めると、もうすっかり秋になったという気持ちになります。

  6. 祝恵子
    2015年9月13日 19:59

    9月ネット句会選句
    13 16 30 35 43
    13.筏曳き瀬戸をゆく船いわし雲
    瀬戸の船がいわし雲が湧く中を、ゆっくりと筏を引きながら進んでいる。写真の世界にいるようです。

  7. 藤田洋子
    2015年9月13日 20:06

    9月ネット句会選句
    09.13.24.25.38

    25.湧きいずる霧のまにまに鳥兜
    一面に立ち込める山霧の中、鮮やかに目を引く鳥兜に深山の秋を感じます。美しくも毒草の鳥兜なればこそ、ひときわ強い存在感を放ちます。

  8. 高橋秀之
    2015年9月13日 20:40

    選句
    01.09.13.34.39

    39.月光の曲にこおろぎ鳴き速む

  9. 小口泰與
    2015年9月13日 20:41

    9月ネット句会選句

    01  16  22  35  38

    01台風の過ぎゆく空の色軽し
    台風一過黒々とした雲も無くなり、青空が現れ、空は夕ぐれの淡い素敵な色と太陽の光りに雲も淡い色の中にゆったりと漂っている素敵な景です。

  10. 高橋秀之
    2015年9月13日 20:44

    選句(追記)
    39.月光の曲にこおろぎ鳴き速む

    こおろぎの鳴き声が、月光の幻想的な曲に合わせて速くなると感じるほどに、幻想的な雰囲気の秋の夜なのでしょう。

  11. 川名ますみ
    2015年9月13日 20:46

    選句
    07.13.16.22.42.

    16.水澄みて今日を新たに迎えけり
    美しく澄んだ、秋の水にふれた折の新鮮な心地。曇りのない水、滞ることのない季に、自らの今日も「新たに迎え」る心境になります。

  12. 柳原美知子
    2015年9月13日 21:09

    選句
    13 16 22 25 33

    33水災の隣に伸びぬ鰯雲
    この度の豪雨による水害は、東日本大震災の津波をおもい起させ、自然の猛威を再び思い知らされました。が、自然はまたそのかたわらで、美しい鰯雲や月を見せてもくれます。被害を受けた方々に思いを馳せ、一瞬でも心慰められるようお祈り致します。