■3月ネット句会■
■清記/23名69句
01.辛夷の花枝ごと揺れて揺るる空
02.すみれ咲く小さきゆえの濃むらさき
03.春嵐玻璃戸の内のしんかんと
04.青柳や岸辺にぎわす稚魚の群
05.はくれんや本床にある有田焼
06.麗らかや水琴窟に耳を添え
07.鳥の声誘われ見あぐ春の土手
08.数本を摘んでお披露目初土筆
09.うららかや水替えており辻地蔵
10.静けさや目白憩える白き梅
11.角とれて三月の雲ふわり浮く
12.一品は菜の花和えを祝いの日
13.ふるさとの青きを踏んで師の墓参
14.山笑うふるさと恩師の一周忌
15.城の影映る木曽川水温む
16.梔子のつぼみの開く香りかな
17.沈丁花香りが先に届きけり
18.噴水のぶつかり落ちる飛沫かな
19.ふるさとの春田を偲ぶ遠い日や
20.箸置きに桃の花見て節句知る
21.壇ノ浦春潮はやく海狭く
22.たなびいて色即是空春霞
23.緋毛氈しいて飾らる紙ひいな
24.野道行く囀り空に充ち溢れ
25.迷ひ猫捜す貼紙春の風
26.琴の音や白梅薫る丘広し
27.蕗の薹春の気配を天麩羅に
28.碧色の空へと梅の咲きのぼる
29.蝶々の戯れ昼の頂に
30.ベビーカーの足跳ねている暖かし
31.菜の花や煌めく海へ揺れ止まず
32.菜の花や少女二人の画布並ぶ
33.魚跳ぶや紙漉き村の水温む
34.鳥の声明るく澄みて山笑う
35.麗かや賛美歌聴きつつまどろみぬ
36.三月の日記にしるす晴れマーク
37.光散る岸いぬふぐり群生す
38.道脇に人眺めてる黄水仙
39.春風に洗濯物の袖触れ合う
40.古刹へと過ぎる公園柳の芽
41.白椿紅に遅れて咲き始む
42.春驟雨村中総出の道普請
43.イーゼルを据え爛漫の梅を描く
44.野にひかるタンポポの根の揺るぎなし
45.陽気よき谷戸に初蝶見失う
46.盛り上る土に並ぶ芽チューリップ
47.鶯の声に手を置く朝厨
48.箸先にふっと香りて蕗のとう
49.木の下へ一気に走る春時雨
50.うららかな日差しいっぱい物干し場
51.早起きと朝寝の子らの日曜日
52.祈ること日々に増え居り春嵐
53.帰る地のある幸せよ鳥雲に
54.残ること決めてくつろぐ春の鴨
55.陽をうけて古草緑また緑
56.朧月夜歩きをすることもなし
57.門燈の消し忘れあるしだれ梅
58.きらきらと春風を蹴るスニーカー
59.日を掴みひとつふたつと辛夷咲く
60.春服の骨董通りにひるがえる
61.卒業歌調子はずれのトランペット
62.道後の湯へ店頭の雛ながめつつ
63.鮊子の輝き笊に掬い煮る
64.犇めきて花びらの影花びらに
65.今日一日晴れている桜と吾に
66.通学路に沿う花木瓜の今盛りに
67.春光やみなとみらいの煉瓦街
68.つちふるやらんどまーくの空とざす
69.風強し辛夷咲き初む霧笛橋
◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、3月10日(日)午後7時から始め、同日(3月10日)午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、3月11日(月)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、3月11日(月)正午~3月12日(火)午後6時です。
コメント
3月ネット句会選句
選句
NO03 09 18 33 54
◎09 うららかや水替えており辻地蔵
春の日が輝きわたって、万象ことごとく柔らかく明るく美しく見える里山の道筋に鎮座するお地蔵様のお花の水も変えられ清々しい
素敵な気分になり、気持の良い景になりますね。
3月ネット句会選句
選句
02.16.39.55.66
55.陽をうけて古草緑また緑
陽射しの明るさに、青々と萌え出でる古草がことさら瑞々しく、新たな息吹の喜び、再生への願いが感じ取れます。
選句
12、24、42、53、67
24、野道行く囀り空に充ち溢れ
野道には仏の座やはこべなどの花が咲き、春風が優しく頬をかすめます。空からは春の喜びを表わす囀りが聞こえ、生命力溢れる光景です。
選句
06.12.32.43.67.
12.一品は菜の花和えを祝いの日
どのようなお祝い事なのでしょうか?その席に菜の花和が出ました。
あるいはお家で作られたものなのか。菜の花の明るい黄色がお祝いにふさわしいですね。
選句
06、13、31、57、67
31菜の花や煌く海へ揺れ止まず
海べりの菜の花畑であろうか?海水が春の日差しに煌き、菜の花の黄色と相俟って穏やかで明るい春の真っ只中である。
選句
02 04 07 38 52
02すみれ咲く小さきゆえの濃むらさき
野のすみれには小さくても凛とした趣があります。それだけに高貴な濃むらさき色をしているのでしょうね。漱石の「菫程の小さき人に生まれたし」などをふと想い出しました。
3月ネット句会選句
02. 09. 25. 32. 54.
02.すみれ咲く小さきゆえの濃むらさき
すみれの紫の可憐さを詠って、これ以上の分析はないと思います。
選句
23 30 33 42 48
30.ベビーカーの足跳ねている暖かし
暖かくなると外に出ることが大好きな子たち。ベビーカーでも足が自然と跳ねている。なんとほほえましいことでしょう。。
選句
02、13、29、64、67
13 ふるさとの青きを踏んで師の墓参
ふるさとの青々とした草を踏みながら、恩師の墓参りをされました。春の野山に包まれ、遠き日を思い出しながら、いい時間を過ごされたことと思います。
選句
02. 08. 48. 49. 53
53.帰る地のある幸せよ鳥雲に
渡り鳥が北へ帰ってゆく季節。自然とともにある鳥の習性とは言え、一抹のさびしさと、帰る地のある希望とがうかがわれます。
3月ネット句会選句
01、08、20、46、64
46、盛り上がる土に並ぶ芽チューリップ
可愛い花を咲かせてくれるチューリップをお庭で育てていらっしゃるのでしょうか。球根を植える際、つちを耕したり、施肥をしたり、水やりをしたりと手を加え、次第に土が盛り上がって芽が出始めると花の咲く日が待たれます。
選句
29.30.31. 48. 64
31.菜の花や煌めく海へ揺れ止まず
畝を成してまっすぐに延び広がる菜の花。陽の光を集めて黄色の広がるその向こうに、キラキラ光る春の海。そこから吹く風に菜の花畑はゆったりと揺れる。大きな景を想像させる句である
選句
1、3、32,35、47
1.辛夷の花枝ごと揺れて揺るる空
三拍子揃った素敵な句と思います。
辛夷の空へ拳を突き出すような様、枝ごと揺れる
からまるで空が揺れるようです。
選句
17、24、30、48、54
30、ベビーカー足跳ねている暖かし
あたたかい春の日、ベビーカーの赤ちゃんも上機嫌ですね。元気よく足を跳ねているかわいい様子が目に浮かびます。
花冠3月ネット句会選句
3月ネット句会選句
02,12,36,44,65
36 ★3月の日記にしるす晴マーク
何の晴れマークでしょうか?。耕作日
紀でしょうか?。何にしても嬉しいです
ね。
花冠3月ネット句会選句
3, 4, 8, 31, 58
8 数本を摘んでお披露目初土筆
初土筆を摘む喜び、お披露目して春をおすそわけするような喜びにあふれた生き生きとしたお句ですね。
花冠3月ネット句会選句
09.20.39.60.65
09.うららかや水替えており辻地蔵
お地蔵様も春のうららかな日、新しい水に変えてもらってうれしいことでしょう。
花冠3月ネット句会選句
02.12.31.44.56.
12.一品は菜の花和えを祝いの日
お祝いの御膳を調えていらっしゃるのでしょう。今の季節であれば、やはり「一品は菜の花和えを」と思います。春らしいお料理に、明るいひとときが生まれたこと、おめでたい気持ちになりました。
御礼
信之先生、正子先生、月例ネット句会を開催頂きありがとうございました。
洋子さま、集計のご苦労をありがとうございました。
「碧色の空へと梅の咲きのぼる」を信之先生特選にお選び頂きありがとうございます。
秀之さま、宏さまにはコメントを頂戴し、御礼申し上げます。
「蝶々の戯れ昼の頂に」を正子先生特選にお選び頂き、ありがとうございます。
裕子さま、敬二さま、選を頂きありがとうございました。
「ベビーカーの足跳ねている暖かし」に入選を頂き、ありがとうございます。
恵子さま、光子さまには選とコメントを頂戴いたしました。御礼申し上げます。
敬二さま、選を頂きありがとうございました。
三句すべてを選んでいただくという大変うれしい句会となりました。
これも両先生、句友の皆さまのおかげと感謝申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生
月例ネット句会を開催して頂きましてありがとうございます。「山笑う」と「三月」の句を入選にお選び頂きましてありがとうございます。「山笑う」の句に多田有花様のコメントを「三月」の句に迫田和代様の選とコメントを下地鉄様には「麗かや」の句に選をそれぞれ頂きましてありがとうございました。皆様の句やコメントを読んで春になった喜びを改めて感じることができました。藤田洋子様集計等のお世話ありがとうございます。
お礼
信之先生、正子先生
月例ネット句会を開催いただき、ありがとうございました。「春驟雨」の句を入選句にお選びいただきまして有難うございました。
治代様、恵子様には「春驟雨」の句をお選びいただきまして、ありがとうございました。
恵子様、啓一様には同句にコメントをお寄せいただきまして、たいへん嬉しくお礼申し上げます。
お世話になりました皆様、ありがとうございました。
御礼
信之先生。正子先生。3月ネット句会の開催ありがとうございます。スタッフ皆々様にも御礼申し上げます。
陽をうけて古草緑また緑、門燈の消し忘れあるしだれ梅、を入選にお取りいただき、藤田洋子様、桑本栄太郎様、河野啓一様にはコメントをありがとうございます。
また川名ますみ様には朧月夜歩きをすることもなし、に選を頂戴し御礼申し上げます。
来月もよろしくお願いします。