6月8日(火)

祭笛山あじさいも街中に  正子
夏祭りが近いのでしょうか。祭囃子の練習が始まり、どこからか笛の音が聴こえてきます。梅雨に咲く紫陽花より少し前に咲く山あじさい。小さめで色の薄い、楚々とした可憐な花です。街中に咲き始めた山あじさいの花が目に楽しく、笛の音が耳にやさしく、梅雨入り前の心潤う一時が感じ取れました。 (後藤あゆみ)

○今日の俳句
まだ青き干草踏めば香の強し/後藤あゆみ
草を刈って半日でも過ぎたであろうか。道などにはみ出した干草を踏むとまだ青臭い草の香が立つ。夏草の勢いが実感でよく捉えられた。(高橋正子)

◇生活する花たち「薔薇」(横浜・港の見える丘)

6月7日(月)

蛍ぶくろ霧濃きときは詩を生むや  正子
霧の世界に蛍ぶくろがふっくりと見えている。蛍ぶくろからどんな詩が広がり生まれていくのでしょうか。(祝恵子)

○今日の俳句
田の一面茄子の支柱は同じ向き/祝恵子
田に一面に茄子が植わり、育っている。支柱がいる時期になり支柱を立てるが、それが同じ向きで、整然として、涼しそうな景色となっている。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじと蜂」(横浜日吉本町)

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6月6日(日)

天草の乾いた軽さを腕が抱く  正子
寒天や心太の原料となる天草。腕に抱きかかえるほど受けとられたのでしょうか。嵩ばるわりに軽い天草に、心境の軽やかさと、透明感が伝わってきます。(小川和子)

○花冠7月号を正午前発送。信之先生と午前中に封筒入れ。俳句界の代金の振り替え用紙も同封。ちょうど宅配に来られたので、すぐさま花冠を持って帰ってもらった。

○祐子さんが、高知の名産の柚子のジュースとゼリーを贈ってくださる。夏場の飲み物として、愛飲されているとのこと。ふるさとの涼しい座敷で、いただくのがもっとも似合いそうな。

○正子の句集花冠を信之先生の指導で、電子書籍にする。年末にはiPadを買わねばならぬだろうと話す。

○夜中、コンピュータの誤作動か、冷蔵庫がしゃべりだして止まらず、電源を切る。朝、スイッチを入れなおし直るも、いささか睡眠不足。今日試験を受ける家人もいて、災難。

○ざざえの刺身を見つけ、涼味ある様子に負けて、夕食に奮発。

○今日の俳句
青芒ひかり合いつつ野を充たす/小川和子
野一面の青芒を「ひかり合いつつ」「野を充たす」と、動きをもって、いきいきと詠んだ。積極的な視線がいい。(高橋正子)

◇生活する花たち「どくだみと鴨足草(ユキノシタ)・芍薬・茄子の花」(横浜日吉本町)

6月5日(土)

 鎌倉街道
昼顔を眸に映し旅ひとり  正子
前書きの鎌倉街道は鎌倉と各地を結ぶ放射状の道路で、私の住む緑区にも残っており、一度歩いたことがある。鎌倉街道を歩くとき、朝顔に似た淡紅色の昼顔を見つめる。昼顔の映っている眸が自分で見えるわけはないが、作者がその眸を見ているような錯覚に陥る中七がユニークであり惹かれるポイントである。(古田敬二)

○今日の俳句
茄子苗の根付きて紫濃くなりぬ/古田敬二
茄子の苗を植え付け、たのしみに水を遣っていると、根付いて、茎も葉もしっかりしてくる。茄子の紫色が鮮やかに、濃くなると、根付き、成長を始めた証拠となる。目にも涼しげで、たのしみな野菜である。(高橋正子)

◇生活する花たち「あじさい」(横浜日吉本町)

6月4日(金)

明易し畳に二つ旅かばん  正子
これからおふたりで旅行に行こうとする様子が、とても楽しげなウキウキ感に感じられます。 (高橋秀之)

○今日の俳句
新緑のうねり触れ合う音軽き/高橋秀之
新緑を風が吹くとうねりができる。新緑と新緑が触れあうと葉の軽やかな音がする。軽やかな音がよい。(高橋正子)

◇生活する花たち「オリーブの花・卯の花・金糸梅」(横浜日吉本町)

6月3日(木)

青年ら鮎を食べんと畳の間に  正子
都会の雑踏を逃れて何処か郊外へ小旅行をされたようですね!。お食事を摂られた場所に、たまたま居合わせた青年達の「畳の間」で鮎を食べる光景に出会い、非日常の鄙びた風情を改めて楽しまれている様子が素敵です。(桑本栄太郎)

時計草異人女性のこのむ花  正子
時計草ほんの少しの青があり 正子

○「俳句界」購読の代金の振込用紙を準備。7名。あわせ、インターネット俳句コンテスト協会の2010年年会費、賛助会費(各2000円)をお願いする。花冠7月号送付の封筒に入れる。

○渋谷洋介さんの句集「葉桜」のあとがき訂正原稿を受け取り、訂正、差し替えなどは、6月15日までと、メールする。

○10時半ごろから、鯛ヶ崎公園あたりへ、信之先生と花の写真を撮りに出かける。昼過ぎ帰宅。

○午後、花冠7月号の発送準備。

○花冠7月号が夕方到着。

○らっきょうをつける。鳴門らっきょうです。
○梅酒を造る。梅は白加賀です。去年も6月3日に梅酒をつけている。梅酒や果実酒用の酒は、35度以上ないと、黴るそうだ。

○今日の俳句
新樹冷ゆぽつかり青き今朝の空/桑本栄太郎
雨上がりの日の翌日など、「新樹冷ゆ」の感じで、朝の青空が新樹の合間に「ぽっかり」とある。「ぽっかり」がよく効いて実景が確かである。(高橋正子)

◇生活する花たち「キンシバイ・トケイソウ・卯の花」(横浜日吉本町)

6月2日(水)

夜空あり虚々実々の心太  正子
「虚々実々」という言葉が不思議な印象を与える句。その背後に何かドラマを感じさせ、想像力を刺激されます。つるんとした心太との取り合わせも絶妙です。 (多田有花)

○柳原美知子さんあて、「正岡子規」を郵送。レターパック。(最近はエックスパックといわず、こういう。500円と350円あり。)

○宮地祐子さんに、預かって帰った、全国俳句コンクールの優秀賞の賞状と副賞を送る。

○今日の俳句
青羊歯や谷ひたすらに明るくて/多田有花
青羊歯の育つ谷が夏らしい光に満ちあふれている。「ひたすらに明るくて」に作者の思いがある。(高橋正子)

◇生活する花たち「アジサイ・八重ドクダミ・アサギリソウ」(横浜日吉本町)

6月1日(火)

朴の花わが身清めて芳しき 正子
朴の花が香りが夏の訪れを告げますが、わが身清めての表現が温かくも厳しくその夏を捉えていると感じます。(高橋秀之)

○今日の俳句
遠き木に風立つ朝や衣更え/高橋秀之
衣更えをした朝は、ひんやりとして身も心も軽くなった感じがする。遠くに見える木にも新しい風が吹いている。それを見る心境がいい。(高橋正子)

◇生活する花たち「芍薬・額紫陽花・つつじと蜂」(横浜日吉本町)

5月31日(月)

 津和野
夏深井酒づくりの水湧きつづき  正子
津和野と前書きがあり、ネットで調べますと、造り酒屋など、趣のある老舗も点在するという町並みがしのばれます。酒づくりには水質が一番に問われるのでしょう。こんこんと湧きつづける井戸水に夏の清涼感と安らぎを感じます。 (小川和子)

○今日の俳句
青紫蘇を水に放ちてより刻む/小川和子
青紫蘇をしゃっきりと香りよく、細く切るためには、水に放して、いきいきとさせて刻む。水と紫蘇の出会いが涼しさを呼び起こしてくれる。(高橋正子)

5月30日(日)

麦焼きの煙遠きを満たしける   正子
一読して、ミレーの、晩鐘の絵画を、連想いたしました。私たちの子供のころは、畑で落穂拾いをした後、もみを、燃やしていました。夕闇の中細くいつまでも、煙がのぼっていました。(遠きを満たしたる)自然の、豊かさを感謝するお句と拝見致しました。 (成川寿美代)

葛飾は薔薇咲き風の吹くところ  正子
葛飾を青葉の寒き日に訪ぬ    正子

○曇。青葉寒といいたい。春もののスーツでちょうどよい。

○葛飾まで用事で信之先生と出かける。日暮里から成田行きの京成線で。堀切菖蒲園の次のお花茶屋で下車。葛飾まで行くのは初めて。堀切菖蒲園の駅ホームには、菖蒲祭りのピンクの提灯がずらり。葛飾は横浜や都心とはちょっと違う雰囲気。

○今日の俳句
花菖蒲かすかに水の動きあり/成川寿美代
菖蒲田であろうか。大らかに咲いた花菖蒲の根元を流れる水のかすかな動き。ここにゆっくりと、動くともなく動く時間がある。(高橋正子)