10月4日(月)

★いっせいに月を待つべく曼珠沙華  正子
彼岸花は名月のころに咲きますね。曼珠沙華とされたことにより、名月を待つ華やかさが生まれました。今年は異常な残暑で、十月に入ってようやく姫路では花盛りです。名月にも彼岸にも稲刈りにも遅れていまいっせいに咲いています。(多田有花)

○今日の俳句
露草の色に澄みたる野辺をゆく/多田有花
「露草の色に」の「に」によって、景色が大きくなった。露草の瑠璃色があることによって、野辺がりんりんと澄んでくるのである。その野辺をゆく爽やかさ。(高橋正子)

○花冠11月号発送。
○十五夜ネット句会金(光子さん)・銀(康水さん)・銅(秀之さん、洋介さん)各賞の賞品発送。

10月3日(日)

★炊き上がる米の光りにぎんなん混ぜ  正子
銀杏の頃はご飯も新米でしょう。つやつやと光るご飯に、こちらも黄緑に光るぎんなんを混ぜあわせ、秋の味覚の何よりの一品です。(黒谷光子)

○今日の俳句
松手入まず天辺に鋏音/黒谷光子
松手入れの季節。松の木に植木屋がのぼり、まずは、天辺から剪定がはじまった。剪定のはじめの鋏の音が快く響く。「まず天辺に」が命。(高橋正子)

○青蜜柑色づきそめし青のつや 正子
 えのころと小さき花と摘んでくる 正子
 日にいちばん今かがやいて菊つぼみ 正子
 掃き集む日日草の花ばかり 正子
 こぼれつつ咲けるは日日草の花 正子
 
○インターネット俳句コンテストの仕事。本選の審査を依頼。はやくも、審査員の先生お二人から選が返ってきた。

○信之先生の俳句が毎日新聞社の「俳句あるふぁ」に載ることになった。11月13日発売の12・1月号の「光と影の歳時記」。

○栗ぜんざいを作る。八百屋のあずきと栗がおいしいというので、仕入れてきて作ったのだが、出かけた人が「御座候」の大判焼きをお土産に持ち帰る。60周年記念で一個60円というので、行列に並んで買ったとのこと。あまいものが溢れる。

10月2日(土)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて  正子
満ちてくる潮を「触れあいて」とまるで人々がひしめきあって来るように表現されているのが新鮮です。潮騒が聞こえてくるようです。(多田有花)

○今日の俳句
秋野菜色々からり天ぷらに/多田有花
秋野菜の天ぷらがからりと揚がれば、目にさわやか。秋茄子のむらさき、かぼちゃの黄色などが、薄い衣を透ける色を愛でたい。(高橋正子)

○新米に青とうがらしひりひり食ぶ 正子
 おそがけのふるさとの葡萄つめたかりと 正子
  夢に天の川
 水汲みの空に流れて天の川 正子

○コンテストの仕事。
○いただいた新米を息子におすそ分けで宅急便で送る。米の味にうるさいだけに喜ぶ。

10月1日(金)

★円盤の刃に秋草のきらきら散る  正子
近在の田園をウォーキングの時にいつも見掛ける光景ですが、夏草ほど勢いが無くなっても、種を落とす前に処理する為の草刈のようです。彼方此方で草刈機の爽やかな金属音が、風に乗って聞こえて来るようです。
(桑本栄太郎)

○今日の俳句
ほつほつと畝の高きに貝割菜/桑本栄太郎
まだ「ほつほつと」というほどの双葉の芽生え。貝割菜のいとけさなが、「畝の高きに」で強調されている。(高橋正子)

9月30日(木)

★さやけさの中へ起き出し四肢があり  正子
暑く寝苦しい日がいつの間にか去り、今朝の目覚めの何と心地よいことでしょう。すこやかに起き出し、さわやかな一日のはじまりです。 (小川和子)

○今日の俳句
樹を離れあおき団栗零れおり/小川和子
樹を離れたところにまだ青い団栗が零れている。嵐に吹き落とされたのであろうか。想像をしてみる。青い団栗のかわいらしさと、時季でないのに樹を離れた実へ愛おしさがあって、やさしい句である。(高橋正子)

○第19回インターネット俳句コンテストの作品応募を締め切る。
早速実行委員による予選に入る。

○一日雨が降ったり止んだり。ベランダの日日草が溢れるように咲く。苗をもらったので植たランタナもよく咲き出した。ムスカリと水仙、チューリップの球根を用意。かわいい鉢を探さなくては。

○今朝、天の川の夢を見た。何年も夢など見たことがなかったが、突然天の川が現れた。とてもきれいな天の川で、小さな星の配置などもすばらしかった。いつ自分はこのような天の川の景色を頭にインプットしたのだろうか、という思いにもなった。どこか山にでも行って星が見たいものだ。

◇生活する花たち「アケボノソウ」(尾瀬ヶ原)

9月29日(水)

★手に触れて硬き林檎を二つ選る  正子
「二つ選る」の具象から林檎の触覚、視覚、嗅覚が味覚へとつながって幸せが感じられます。 (矢野文彦)

○今日の俳句
靡くことなくて月下の曼珠沙華/矢野文彦
まっすぐな茎に、華やかな花を掲げ、月下にあって月の光が届いている詩的なところが詠まれている。(高橋正子)

○街を行く人の服装もすっかり秋の装いになった。栗の出盛り、葡萄も梨も、柿に林檎に。秋の果実が勢ぞろい。今年は葡萄をたくさん買ったりいただいたり。それでもまだまだ食べ飽きない。ついには、最近では、ワインの味がすると感じるまでに。今年の果物のグランプリは葡萄に。

◇生活する花たち「イワショウブ」(尾瀬ヶ原)

9月28日(火)

★道端の日に出てみどり濃きバッタ  正子
草むらから道に飛び出し、やわらかい秋の日差しの中で憩うバッタは、草影にいる時の色とはまた異なる美しく深いみどり色であることよ。何気ない言葉の中にバッタの動きや葉の戦ぎ、秋の日差しのあたたかさ、バッタの美しさ、愛しさが思われ、秋の日の静かな安らぎが感じられるお句です。 (柳原美知子)

○今日の俳句
初栗の輝き分け合う職員室/柳原美知子
職員室の教師たちのなごやかな雰囲気が、豊かな季節感をもって詠まれています。初栗に寄せる懐かしさ、暖かさは、人間教師としての一面を見せています。(高橋正子)

○花冠11月号が印刷されて届く。発送用の封筒は宛名シールも貼って用意できているものの、すぐに発送するには、いかにも早い。10月3日の日曜日に、発送予定。コンテストとの兼ね合いもあるし。

○昨日国勢調査の用紙を郵送した。職業の欄は随分詳しく書くようになっている。コンピューターに読み取らせるのかなあ。

◇生活する花たち「ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマワレモコウ」(尾瀬ヶ原)

9月27日(月)

★堰落ちる秋水朝日を満面に  正子

○今日の俳句
括られて朱の鮮やかに唐辛子/渋谷洋介
唐辛子を括ると、唐辛子のあかい色が特につやつやと、鮮やかに目に映る。唐辛子の形、色ともに見て楽しい。(高橋正子)

◇生活する花たち「オゼヌマアザミ」(尾瀬ヶ原)

9月26日(日)

★もろこしのつめたさつまり露の冷え  正子
トウモロコシの実が立派に成長しています。手をかけてみると秋の露がいっぱいに詰まっているような冷たさを感じる収穫の朝です。焼いて食べれば一転、アツアツの秋の味覚になりますね。(河野啓一)

○今日の俳句
大豆干す丹波篠山空青し/河野啓一
丹波篠山は、大粒の丹波の黒豆でよく知られる。収穫した大豆を青空の下の干す光景は、丹波篠山を象徴する風景。「丹波篠山」の語の響きもよい。(高橋正子)

○コンテストの作品応募も大詰めに来た。投句の整理等で忙しい。

○インターネット俳句センターのアクセス数が今日、95万を越えました。950034は、27日午前1時16分のアクセス数です。

○一時半ごろ、慶応の日吉キャンパスを散策する予定で信之先生と出かける。市営地下鉄で日吉まで。慶応キャンパス出口を出るとすぐにキャンパス内に。陸上競技場を見て、まだ青い銀杏並木の坂を上り、森へ行くべく、まむし谷と呼ばれる方へ足を延ばす。テニス場などがあって、体育系の部室など施設が、広くないところにある。笹のなかから虫の音が聞こえるばかりの山路。それを下りきるとお寺の屋根が見えるので、お寺の門に回る。境内には、植物らしいものはなく、お地蔵さんが祀って、こぎれいな水色の帽子と前掛けをつけている。本堂の戸がほんの少し開いているので、賽銭箱をさがしていると、その隙間から中年の大黒さんの笑顔が見えた。線香と並んで、飴が置いてあって、「どうぞ」という。いただくほどでもないので、お寺を出て、住宅地の路地を歩く。日吉5丁目とある。新幹線が頭上近くを通る。矢上の理工学部の下を新幹線のトンネルが通っていると聞いていたので、そうなれば、矢上川も近いと思える。風の方向を頼りに、川と思えるほうへ向かう。歩いている人は誰一人いない。やがて、矢上小学校を示す看板に出会い、右手を見ると、橋を車が渡ってくるのが見える。矢上橋とある。川に出た。川を渡ると、川崎市幸区。川の右岸が川崎市、左岸が横浜市。橋を渡り川崎市側の土手を歩く。草葦、たった一本の彼岸花。クコの花、メヒシバやえのころぐさ。水は、澄んでいるが、感心したものではない。次の橋を左岸へと渡る。橋の上から川を覗くとと、鵜が二羽杭にとまってる。この川に鮎がいると看板に書いてあった。食も足りている風だった。鵜の向こうにも嘴のとがった大きい鳥がとまっている。

出発してからかなり歩いた。草が刈られた土手を歩き、土手道が交差する一本橋という橋の袂にきた。そこを右に折れ、綱島街道を目指し歩く。ゴルフクラブのレストランを通り過ぎ、コンビ二に入って、店員にこのあたりは、どこか尋ねる。一本橋から続くこの道をまっすぐ行けば綱島街道沿いのアピタというスーパーの右手に出るという。アピタは普段ときどき利用するので、今いる位置がわかる。何本も通るバスを横目にひたすら歩く。アピタに出たときは、なんだ、ここかという感じだった。駅を出て、四角四方を歩いたようだ。近くのジョナサンで休憩。クリームあんみつ、ビールとジャンボなベイクドポテトを注文。このベイクドポテトは、ミートソースとチーズ、葱がぱらぱらと載って、バターが添えてある。サツマイモほどの大きさに驚くが、あつあつで、おいしい。ジョナサンを出て、風に吹かれてながら家まで20分ほど歩いた。句帳は一度も開かずじまい。天気は、曇で風が少し、長袖シャツが心地よい気温。土手に刈り捨てられた風船かずらを土産に持ち帰り、帰宅は4時半。

◇生活する花たち「ミズギク」(尾瀬ヶ原)

9月25日(土)

★鉦叩いつも奥から遅れつつ  正子
初秋から中秋をすぎたころ、草むらの奥から聞こえてきる鉦叩の鳴き声。涼しげな夜の音色に秋の深まりを感じます。(高橋秀之)

○今日の俳句
秋の蝶空の青さにふと隠る/高橋秀之
秋の蝶は、紋黄蝶などの小さい蝶で、青空を飛んでいても、ふと見失うことがある。それを「隠る」と詠んで、蝶の側に立って、蝶の可憐さ、もろさ、光と実在といったことが、意図せず詠まれている。(高橋正子)

◇生活する花たち「ウメバチソウ」(尾瀬ヶ原)