4月13日(水)

★キーを打つその間も蕗の香指にあり  正子
蕗の皮を剥いた後に、パソコンのキーを打つとその指より蕗の野の香りがして、楽しく仕事ができたことと思います。(井上治代)

○今日の俳句
虎杖の節毎の紅際立てり/井上治代
虎杖の茎にある紅の班、そして節をくっきりとさせる紅。「紅際立てり」に、虎杖のみずみずしさ、野生の力が感じられる。(高橋正子)

◇生活する花たち「チューリップ/ラベンダーと、デージーと、パンジー」(横浜日吉本町自宅)

4月12日(火)


★ポピーの茎の曲線鋼の強さもち  正子
大きくて艶やかな花のわりには、小さい茎の雛罌粟は、たおやかで丈夫のようです。見かけによらず丈夫な姿は、人でも花でも趣を感じます。 (桑本栄太郎)

○今日の俳句
すかんぽの穂が揺れ畦に赤く揺れ/桑本栄太郎
すかんぼは、ふるさとの野や畦、幼い頃を思い出させてくれる。すかんぽの穂の茶がかった赤は、まさに野の赤の色である。「揺れ」がいい。(高橋正子)

◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

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4月11日(月)

★花の塵掃き寄す少女の一心に  正子
満開の桜の花も散り、桜の木の下は花びらで敷き詰められています。この美しい花びらをいとおしむように、少女は一心に掃き寄せています。その少女の姿を見ながら、花の命の儚さを感じられたことと思います。 (藤田裕子)

○今日の俳句
しゃがみてはタンポポのわた吹きし児よ/藤田裕子
タンポポのわたを見つけては、駆け寄って吹いてみることを繰り返す幼子の仕草がかわいい。子どもながら、けっしてタンポポの茎を折り取らないところ。あるがままをそっと野におく心があることは、素晴らしい。(高橋正子)

◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

4月10日(日)

★柳青むふるさと遠く住みたれば  正子
ふるさとを遠く離れて今の横浜に住まわれたころの御句かと拝察いたしますが、柳青む頃の季節感とふるさとへの懐かしさが情緒豊かに詠まれています。人の心に平和な気持と明るい希望を呼び起こしてくれる素晴らしい句です。(河野啓一)

○今日の俳句
蒲公英の種ふと浮び空の詩/河野啓一
野原の蒲公英の絮が、風が来て、ふっと空に浮かんだ。これから広い空を飛んでゆく、蒲公英の種子の旅がはじまる。その心は、「詩」と言える。蒲公英の種子の飛行は、「空の詩」であり、「空の歌」なのだ。(高橋正子)

○花祭りネット句会開催、入賞発表。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/

ご挨拶
花祭ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。大地震のあと余震の続くなか、また、原発事故で放射性物質の拡散が憂慮されるなかで、自然はおおらかにも、花は満開のときを迎えたところ多いようです。花祭は、どなたにも子どもの頃の思い出とし残っておられるのでしょう。また、幸いにも今も行われている花祭があって、例年以上に、投句も多く、内容や質の充実した句が多かったと思います。大災害があった後だけに、古き良きものを大切に、自然に、また見えないものに謙虚であることは大切だろうと思いました。こういう時期に大勢の皆様と句座をともにできましたことをうれしく思います。それぞれの方に選とコメントをいただき、ありがとうございました。運営管理は信之先生に、また互選の集計は洋子さんにいつものように、お世話になりました。ありがとうございます。来月の月例ネット句会を楽しみにお待ちください。(主宰/高橋正子)

○今日の俳句
<花祭ネット句会投句>
甘茶仏甘茶のいろに輝けり 正子
花御堂飾る花にも野のげんげ 正子
石段のゆるびし上の甘茶寺 正子

◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

4月9日(土)

 清澄橋
★ケルンの橋青く塗られて春の橋  正子

○今日の俳句
一山の湧き水清し蝶の昼/小口泰與
俗世を離れた静かで明るい世界が「蝶の昼」として詠まれた。一山から湧いて流れる水は清く、蝶が飽きることなく舞っている。(高橋正子)

◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

4月8日(金)

★稚き葉の白く開きて潅仏会  正子
御子息の御成婚、誠におめでとうございます。弥生三月の佳き日に、穏やかななかにも晴れがましく執り行われた結婚式の様子が伝わってくると同時に、母親として心静かに暖かく新郎新婦を見守られている心情も伝わってくる一句です。(飯島 治朗)

 御子息の門出を祝し桜咲く 治蝶

○今日の俳句
ふらここの立ち漕ぎ子が風を纏い/飯島治朗
ふらここは、ぶらんこのことであるが、子どもの好きな遊具である。ぶらんこを立ち漕ぎして、大きく揺れて、高く揚がってゆく。「風を纏い」に子どもらしいかわいさが表現されている。(高橋正子)

○花冠6月号投句
はこべら
高橋正子

桃の花まだ咲き残り丘ゆくバス    
丘の上総身白き花辛夷
丘の上遠く桜が咲いている 
はこべらの花を撮りつつバスを待つ
三月の終わりの畑の丘をなす
山吹の花にかかれる日照り雨
日照り雨ゆすらの花にきらきらと
北北西の風のゆすれる黄水仙 
 長男元結婚二句
風なくてふたりの婚は弥生かな
御社へ坂をのぼるも春の婚

○メモ
白砂に椿は一花さえ落ちず
石段のゆるびし上の甘茶寺
花御堂飾る花にも野のげんげ
甘茶仏甘茶のいろに輝けり

◇生活する花たち「馬酔木・れんぎょう・からすのえんどう」(横浜日吉本町)

4月7日(木)

★多摩川の奥へと桜咲き連らぬ  正子
多摩川土手の道に沿って桜並木が続いている。太かった川幅は、上るにつれて両岸を近づけ、やがて源流へとしずかに収束してゆく。多摩川を遡るということは、東京や神奈川東部の者にとっては、歴史や文化、いわば心の故郷を辿ることでもある。
上流に向けて少しずつ距離をなす桜の風景の、奥行きある表現に大きな安らぎを感じます。(小西 宏)

○今日の俳句
滑らかに水流るるや楓の芽/小西 宏
句意と句のリズムがよく合って滑らかである。楓の芽に水が滑らかに流れる景色は、若楓となったころも合わせて想像させて美しい景色である。さらりと表現したのがよい。(高橋正子)

◇生活する花たち「青柳・木瓜・わすれな草」(横浜日吉本町)

4月6日(水)

★花淡し寺の甍がかがやけば  正子

○今日の俳句
切り出され杉は春野に積み上がる/安藤智久
伐採された杉の木は深い山を出て、今度は、明るい光の溢れる春の野に積まれる。まだまだ杉の香りも紛々として、春野に積まれることに、あらたな喜びを得たようである。(高橋正子)

◇生活する花たち「桜・馬酔木・花にら」(横浜日吉・鯛ヶ崎公園)

▼鯛ヶ崎公園案内写真
http://takatan.mods.jp/hiyoshi/No2.htm

4月5日(火)

★子らあそばす丘の平地の桃さくら  正子
丘の上の平らかな地に桃やさくらが咲いています。桃色や淡いピンクの明るい花の下、子供たちが楽しそうに遊んでいます。日本の春の穏やかな光景が目に浮かんできます。(藤田裕子)

○今日の俳句
まんまるい蕾もろとも花菜漬け/藤田裕子
まんまるい、黄色も少し見える蕾もろとも漬物に付け込むには、心意気がいる。日常生活が身の丈で表現された句。(高橋正子)

◇生活する花たち「桜・馬酔木・牡丹の蕾」(横浜日吉本町・金蔵寺)

▼地下鉄日吉本町駅案内
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%90%89%E6%9C%AC%E7%94%BA%E9%A7%85

4月4日(月)

★春水の流るる音をパソコンに  正子
パソコンのディスプレイには、膨大な情報が現れます。言葉はもちろん画像も音声も無数にあって、うっかりすると、自分が何を求めているのか分からなくなるほどです。その中から「春水の流るる音」を選び取る。インターネットの吟行ですね。 (川名ますみ)

○今日の俳句
朝桜ふれたき空はうすき青/川名ますみ
「朝桜」と、「うすき青」の二つが繊細な感覚で捉えられている。朝桜によって、空のうすい青は、実際触れたい、そして触れられそうなものとなった。そこに詩がある。(高橋正子)

○午後、信之先生が一人吟行に出掛ける。東横線の日吉駅から松の川緑道を歩く。3月31日に歩いた松の川緑道の続きである。
歩く。
http://www.youtube.com/watch?v=u-hHD-t2HPk

◇生活する花たち「桜1・桜2・辛夷(こぶし)」(横浜日吉本町・松の川緑道)