★芽木若葉たちまち空の蒼に和す 正子
今、落葉樹の新芽がどんどん出ています。いろいろな色合いの芽が出て空それが頭上に広がっていきます。それを「空の蒼に和す」と詠まれ、新芽の勢い、生命力を感じます。(多田有花)
○今日の俳句
★はくれんや青の戻りし空に咲く/多田有花
はくれんには、やはり青空が似あう。雲が去り、青空が広がるとはくれんの白い色がひと際あざやに目に染みる。「青の戻りし」によい工夫がある。(高橋正子)
○木蓮
★木蓮の風のなげきはただ高く/中村草田男
★ひらくよりはや傷づけり木蓮は/堀 葦男
モクレン(木蓮、木蘭、Magnolia quinquepeta もしくは Magnolia liliiflora)は、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、これは花がランに似ていることに由来する。今日では、ランよりもハスの花に似ているとして「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになった。原産地は、中国南西部(雲南省、四川省)だが、英語圏に紹介された際に、Japanese magnolia と呼ばれたため、日本が原産国だと誤解されている場合がある。形態は、小型で樹高3-5m程度。葉は互生で、広卵型、長さ8-10cm、先は尖る。花期は春。花は濃い紅色から桃色で、花弁は6枚、がくは3枚、雄しべと雌しべは多数が螺旋状につく。上品な強い芳香を放つ。ハクモクレンとは異なり、花びらは舌状で長い。実は赤い。
◇生活する花たち「桜・木蓮①・木蓮②」(横浜日吉本町)

★はこべらの花を撮りつつバスを待つ 正子
○今日の俳句
すかんぽの穂が揺れ畦に赤く揺れ/桑本栄太郎
すかんぼは、ふるさとの野や畦、幼い頃を思い出させてくれる。すかんぽの穂の茶がかった赤は、まさに野の赤の色である。「揺れ」がいい。(高橋正子)
○勿忘草
★奏でる海へ音なく大河勿忘草/中村草田男
★勿忘草光りて呼ぶはちさき水面/香西照雄
ヨーロッパ原産の伝説とロマンに富む多年草。高さ30センチくらいで、日本に野生はない。春から初夏にかけて咲き、梢頭にかれんな藍色の花をつける。白、桃色等もある。
「forget-me-not」と英語で言う。勿忘草は、英語からの翻訳か。高校生ぐらいになると、教科書にこういう単語が例語として出てくる。実際の花は知らず、先にこの英語を知って、いろいろと想像を巡らせ、ヨーロッパの風景に憧れもしたものだ。花の藍色も花の形も、まさにヨーロッパ色と形という感じがする。
★植えつけて勿忘草に空映る/高橋正子
◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

★柳青むふるさと遠く住みたれば 正子
柳の新葉が瑞々しく青む頃になってきました。思い出の多いふるさとは遠くなりましたが、新しい地に住まわれ、充実した日々を送られています。ふるさとを想うお気持ちと共に、新しい生活への喜びや希望が伝わってまいります。 (藤田裕子)
○今日の俳句
しゃがみてはタンポポのわた吹きし児よ/藤田裕子
タンポポのわたを見つけては、駆け寄って吹いてみることを繰り返す幼子の仕草がかわいい。子どもながら、けっしてタンポポの茎を折り取らないところ。あるがままをそっと野におく心があることは、素晴らしい。(高橋正子)
○ネットテレビ②
俳句総合雑誌「月刊俳句界」のネットテレビで「花冠」が紹介された。「花冠」の俳句の在り方をシンプルに取り上げて、解りにくいことを解りやすく映像にのせた。取材撮影をされたのは、月刊俳句界新進気鋭の石橋尚彦さんでした。お世話になり、ありがとうございました。
▼多田有花
信之先生、インタビュー拝見しました。インターネットを結社全体で有効活用しているということ伝わってきました。。草創期からネットの可能性に着目され、地道にHP、ブログ、twitter、facebookと活動の幅を広げてこられた賜物と思います。
▼小川和子
信之先生、正子先生、月刊「俳句界」のインタビュ-何度もくり返し見せて頂きました。音声が少し聞きとりにくく、
耳を傾けて見せて頂きました。ありがとうございました。
▼津本けい
インタビュー拝見いたしました。長きに亘って熱意を絶やさず、ご努力を重ねてこられたこと、敬服いたしました。お蔭様でネットで便利に俳句の勉強、交わりが出来ます。感謝いたします。
▼高橋秀之
高橋信之先生、高橋正子先生。ネットテレビ拝見いたしました。これまで先生が積み重ねてこられたことが実を結び、いつも仰っておられたことが評価されて実践される時代になったことがよく分かります。私たち会員にとっても嬉しいことです。~追記~お名前が誤字でしたね。
▼古田敬二
信之先生、正子先生、インタビュー動画拝見しました。立ち上がりのころから参加させていただき今まで続けてきたことを幸せに思っています。句を作る喜びは自分なりに感じていますがその句で人をも喜ばすことは難しい事ですが、これからも細くとも永く続けようと思います。
▼黒谷光子
信之先生、正子先生、月刊俳句界のネットテレビインタビューを拝見させていただきました。居ながらにして両先生にお目にかかり、お話もお聞きし感激いたしました。 信之先生、正子先生に日々ご指導いただけますことの幸せをあらためて思わせていただきました。今後もよろしくお願い申し上げます。
▼祝恵子
信之先生、正子先生、「俳句界News」のネットTVインタビューを拝見いたしました。両先生にお会いしているようで嬉しくなります。花冠の一員でいる幸せを思っています。ありがとうございました。
▼小口泰與
高橋信之先生、正子先生 月刊「俳句界」のインタビューを拝見させて頂きました。両先生の積み重ねて来ました長年のご努力に敬意を称します。有難う御座いました。
▼安藤智久
インタビュー拝見しました。私自身、インターネット俳句協会のページ、花冠のページがきっかけで今まで俳句を続けられています。先生に感謝です。ネットを通して、明るい俳句、明るい生活を体感している者の一人です。
▼藤田洋子
「俳句におけるインターネット俳句活用術」のインタビユー拝見いたしました。これまでも、信之先生、正子先生の活動は、新聞や雑誌など様々に取り上げてこられましたが、またこのような動画としての配信は新鮮な気持ちを覚えました。あらためて真摯に継続されたご努力を思います。これからの「花冠」の明るい未来も感じさせていただきました。ありがとうございました。
▼佃 康水
ネットテレビを拝見致しました。永年のご苦労が実り、そのお陰を私達が被って居る幸を思う時、益々精進しなければと新たな刺激を受けています。フェイスブックやツイッターは殆ど分からない私ですが懸命に付いて参りたいと思っています。今後共ご指導宜しくお願い申上げます。
▼藤田裕子
信之先生、正子先生、「俳句におけるインターネット俳句活用術」のインタビユー拝見いたしました。これまで積み上げてこられたご努力に感謝申し上げます。いつもご指導いただきましてお礼申し上げます。これからも「花冠」の皆様と勉強してゆきたいと思っております。よろしくお願い致します。
▼石橋尚彦
この度は取材を受けて頂き、またフェイスブックでの告知まで頂き誠にありがとうございました。フェイスブックをはじめ、インターネットの技術で、日本古来の文化である俳句が発展していく事を願っております。
■ネットテレビ「俳句界News」/文學の森:
http://haikukai.tv/
○蛙
★遠蛙ひとりで生くる齢なり/中村草田男
★蛙聞く夕栄の顔持ち歩き/大野林火
田園の春の情趣に逸することができない景物でもある。雨の夜の田圃の蛙、晴れた日の沼、暮れかけた山田、どこで聞く蛙も趣が深い。もっともやかましく鳴き揃うのは、春の交尾期。初蛙は春はじめて聞く蛙。
四国に住んでいたころ、また、広島県の生家のあるところには、春暖かくなり、うつらうつらと眠気がさくころには、蛙がよくないた。蛙が鳴くと雨が降りそうになる。それは子どもにでも予感できた。蛙の鳴き声には、その愛嬌ある顔や姿態とともになじんできた。蛙の声を聞かないとさびしいが、横浜に越して秋が過ぎ、冬が来て、春になったとき、田圃があるはずがない闇のなかから蛙の声が聞こえてきた。じっと耳を澄ましても、たしかに蛙の声にしか聞こえない。やはり、蛙の声だったろうと思う。それからしばらくして日吉本町をあるいて、街中の家の間に田植えをしている田圃があるのを見つけた。ここから聞こえたのかもしれない。
◇生活する花たち「わすれな草・木瓜の花・樒(しきみ)」(横浜日吉本町)
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清澄橋
ケルンの橋青く塗られて春の橋 正子
清澄橋は関東大震災からの復興事業で隅田川の下流に架けられ、ドイツ・ケルンの吊り橋をモデルにしたともいわれます。青一色に塗られた優美な吊り橋は墨田の流れを跨ぎ、まさに春の景であるといえましょう。作者がかって外遊された折のケルンの吊り橋を想起して詠まれたものと存じます。(河野啓一)
○今日の俳句
蒲公英の種ふと浮び空の詩/河野啓一
野原の蒲公英の絮が、風が来て、ふっと空に浮かんだ。これから広い空を飛んでゆく、蒲公英の種子の旅がはじまる。その心は、「詩」と言える。蒲公英の種子の飛行は、「空の詩」であり、「空の歌」なのだ。(高橋正子)
○ネットテレビ
俳句総合雑誌「月刊俳句界」のネットテレビで「花冠」が紹介された。「花冠」の俳句の在り方をシンプルに取り上げて、解りにくいことを解りやすく映像にのせた。
▼ネットテレビ「俳句界News」/文學の森:
http://haikukai.tv/
○諸葛菜
諸葛菜は、オオアラセイトウ (Orychophragmus violaceus) の別名。アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草。ハナダイコン(花大根)とも呼ばれることがあるが、この名前は花の外観が類似した同科ハナダイコン属の Hesperis matronalis にも与えられているため混乱が見られる。
2月頃から成長を始め、3月から5月にかけて開花する。最盛期には50cmくらいまで直立する茎を伸ばす。5月から6月頃に種子が熟し、自然に、散布される。一年草だが繁殖力は強く、花が咲いて種が散布されると、翌年からは定着しやすい。日本には観賞用および油を採取するため、遅くとも19世紀末には導入され、20世紀中頃から各地に広がった。群生して開花する様はなかなか美しいため、庭などで栽培されることも多いが、道端や空き地でも普通によく育つ。若い葉は食べられるため、中国北部では野菜として栽培され、種子からはアブラナと同様に油を採取することもある。諸葛菜は俳句の季語とはなっていないが、春の季節感がある。
★城ケ島に春は行くなり諸葛菜/高橋正子
★城ケ島の春の島渕諸葛菜/高橋正子
◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

★丘の上総身白き花辛夷 正子
古来より、農事暦と深い関係があり、こぶしの花が多いと豊作と言われ、また、芳香のある白い花を咲かせ、丘の上に咲く辛夷は春の先駆けとして、心を和ませてくれますね。(小口泰與)
○今日の俳句
一山の湧き水清し蝶の昼/小口泰與
俗世を離れた静かで明るい世界が「蝶の昼」として詠まれた。一山から湧いて流れる水は清く、蝶が飽きることなく舞っている。(高橋正子)
○第11回(花祭/釈迦誕生日)フェイスブック句会
ご挨拶
花祭句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。最近はお寺で花祭を行っているところをほとんど見かけなくなりました。ご近所のお寺はいかがでしょたのでしょうか。句会の入賞発表までの空き時間に、日吉本町の金蔵寺に出かけましたら、境内の花は八分咲きで、花御堂がしつらえてありました。甘茶はすっかり空になっていただけませんでしたが、花見とお参りで境内は多少賑わっておりました。若い母親は花御堂が何の意味か全く子どもに教えることができないようでした。こういう世間事情ではありますが、花祭句会を開催してよかったと思いました。
また、フェイスブックの使い方にも、少しずつ慣れてこられたご様子をお礼のコメントなどで拝読し、信之先生のご努力も実を結びつつあることを思いました。フェイスブックは日々進化しているとのことですので、分かるところを利用すればよろしいのではと思います。俳句とパソコンの両方をこなして、はじめてできる句会なので、大変とは思います。今回の花祭句会に25名の方がご参加くださいましたことは、大変意義深いと思います。次回は、花冠同人だけでなく、外部の詩や短歌を作っていて、俳句も作られる方にも、奮ってご参加いただきたいものと思います。これで、第11回(花祭)フェイスブック句会をおわります。(主宰 高橋正子)
【金賞】
★振り上げし鍬の高さや春田打/安藤智久
春田の土を起こし、いよいよ苗代作りの作業が本格的に始まる。鍬を振り上げる高さは力。のびやかで、力強い「春田打」の光景が見える。(高橋正子)
【銀賞】
★春筍の先のみどりや土を割り/佃 康水
一見瑣末なことを述べているようであるが、そうではない。桜が咲き、散るか散らないうちに、竹やぶに筍の切っ先のみどりが土を割る。その「みどりの尖り」の強さ、みずみずしさが新鮮だ。(高橋正子)
【銅賞】
★野に群れて雲雀燕の鳴き交わす/津本けい
雲雀は野に鳴くものであるが、燕も今日は雲雀と野に群れて、にぎやかに鳴き交わしている。春の生き生きとした喜びのある風景だ。(高橋正子)
▲句会場(Facebookページ「俳句」)
http://www.facebook.com/kakan02/
▲入賞発表(フェイスブック句会掲示板)
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d/
◇生活する花たち「桃・曙つつじ・桜」(横浜日吉本町)

★花御堂飾る花にも野のげんげ 正子
たくさんの花で飾りつけられた花御堂。その中には、さりげなく野のげんげも含まれている。華やかな中にも自然の美しさが光っています。 (高橋秀之)
○今日の俳句
石鹸玉空には一番星光る/高橋秀之
石鹸玉は春の季語だが、石鹸玉がこのように詠まれたのはめずらしい。暖かくなり、一番星が出る夕暮れまで外遊びに興じる子どもたち。キラッと光る一番星に石鹸玉がなんとも儚く、この句からは、健やかな子どもの世界が読みとれる。(高橋正子)
◇生活する花たち「桜」(横浜日吉本町・金蔵寺)

★花淡し寺の甍がかがやけば 正子
春の光の満ちあふれ、寺の棟瓦が漆黒に輝く日には、ならび咲く桜は静かに色を押さえ、美しいコントラストを形づくって見えます。黒を明、薄桃を淡と捉えた巧みさに花はますます美しさを増し、全体の景が輝かしいものとなっていきます。(小西 宏)
○今日の俳句
滑らかに水流るるや楓の芽/小西 宏
句意と句のリズムがよく合って滑らかである。楓の芽に水が滑らかに流れる景色は、若楓となったころも合わせて想像させて美しい景色である。さらりと表現したのがよい。(高橋正子)
◇生活する花たち「桜・木瓜・わすれな草」(横浜日吉本町)

★多摩川の奥へと桜咲き連らぬ 正子
○今日の俳句
切り出され杉は春野に積み上がる/安藤智久
伐採された杉の木は深い山を出て、今度は、明るい光の溢れる春の野に積まれる。まだまだ杉の香りも紛々として、春野に積まれることに、あらたな喜びを得たようである。(高橋正子)
○苺の花
★夕風にしきわらみだれ花いちご/久保よりえ
★花の芯すでに苺のかたちなす/飴山 実
バラ科の多年草で、オランダ苺・草苺・蛇苺などの総称。晩春から夏にかけて5、8弁の黄色や白色の小さな花をつける。現在、もっともよく知られているのは、栽培種として明治以降急速に広まったオランダ苺で、春数個の白色5弁の花をつける。
今、ベランダには、苺の花がつぎつぎに咲くので、苺の実を生らさんと、毎朝耳かきについている「ぼんてん」で、花の芯を刷いている。どの花が今朝開いたわからなくなるので、新しいような花は皆刷いておく。けっこう忙しい。今ある苺は、最初買ってきたの苗からいうと、ランナーから根付いた孫株がほとんど。3年以上の株はよく生らないらしい。
★花苺あしたの風のうすみどり/高橋正子
★貝殻のように散りたる花苺/高橋正子
★花いちご夕月かかるころ見えず/高橋正子
◇生活する花たち「桜・馬酔木・花にら」(横浜日吉・鯛ヶ崎公園)

★子らあそばす丘の平地の桃さくら 正子
○今日の俳句
朝桜ふれたき空はうすき青/川名ますみ
「朝桜」と、「うすき青」の二つが繊細な感覚で捉えられている。朝桜によって、空のうすい青は、実際触れたい、そして触れられそうなものとなった。そこに詩がある。(高橋正子)
○Facebookページ「俳句」
<Facebookページ「俳句」>を立ち上げました。インターネットが流行り出したころWebページ作りがブームになり、その後ブログが流行しました。これからはより簡単に作れる「Facebookページ」が当たり前になる時代になるかもしれません。、このように言われる<Facebookページ>を立ち上げたことによって、<フェイスブック句会>は、より簡単に、より楽に参加することができます。フェイスブックに登録していない<外部の方>でも<フェイスブック句会>に参加できます。
<Facebookページ「俳句」>は、<ここ>をクリックしてご覧ください。どなたでもご覧になれますので、お楽しみください。
○新聞を読む
日経(4/5付)を読む。高齢者とインターネットのことで、それも東京ではなく、地方の話である。
▽タイトル
動画中継「憩いの場」に
高齢者ら、趣味など発信
スマホ、新たな担い手生む
▽ニュースソース
情報機器に不慣れな高齢者や地方に住む人が、自分の趣味、地域の魅力などを映像で中継し始めた。インターネットの動画中継サイトを活用。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及で操作が手軽になったことも追い風になっている。映像の分野でも情報発信の新たな担い手が次々に登場し、メディアの構造変化を促す。(林英樹)
仙台の学生が出演するユーストリームの生番組「イフアイアム」。被災地の状況やボランティア活動について報告する高齢者が手がける番組「電脳仙台七夕祭り」「今週はどんな内容にしようか」。兵庫県姫路市で英語塾を経営する柴田将人さんは毎週木曜の配信日が近づくと、仲間たちとの「番組編成会議」でアイデアをぶつけ合う。
▽新春日経マネジメントフォーラム
日経朝刊(2月14日付け)の<新春日経マネジメントフォーラム特集>の記事を思い出した。
1月19日に開催されたフォーラムの<クロージング講演>は、早稲田大学大学院教授の小尾敏夫氏の「情報化社会と超高齢化社会が融合 CIOの責任はより広範囲に」であった。その中に「無資源国家日本が誇れるのは人財と教育である。特に日本の人財活用には、力を活かしきれていない女性、外国人、高齢者の能力を最大限に活用するのが急務。」それには、CIO(最高情報責任者)のリーダーシップの発揮が重要である、としている。このCIOの人材に欠けているか、活かしきれていないという日本社会の構造が問題ではないかと思う。「情報化社会と超高齢化社会が融合」は、花冠が早くから取り組んできた課題で、それなりの成果を上げたと自負している。
○苗代
★苗代にいのち噴かざる籾が見ゆ/山口誓子
苗代(なわしろ、なえしろ)は灌漑によって育成するイネの苗床である。もともとは種籾(イネの種子、籾殻つきの米粒)を密に播いて発芽させ、田植えができる大きさまで育てるのに用いる狭い田を指した。寒冷地や高地での栽培では生育期間の短い早生品種が一般に有利であるが、第二次世界大戦後に考案された保温折衷苗代の普及と共に、それ以降、寒冷地や高地での早植栽培で安定した収穫が見込めるようになった。暖地での早期栽培にも苗代を活用されるが、今日の比較的生産規模の大きな農家ではビニールハウスを利用する場合が多い。
最近では田植機の普及で、稲の苗は箱で育苗されて、苗代をほとんど見かけることはない。苗代ができるころは、風が吹けば寒い。この寒さを「苗代寒」というが、この微妙な季節感。苗代の苗床は「床」といわれるように一段高く、播いた籾が。薄く覆っているもみ殻や燻炭から切っ先するどく芽を出してくる。手で植えるには、20センチか25センチぐらいまで育て、それを抜いて、一握りずつ稲藁で括り苗束を作るが、早苗の緑を手に握るのは快い。手作業で行う農作業は、本来の植物に触れる喜びがある。植物が育つ時期を待つ忍耐は、植物への愛情にほかならない。かつて、日本の母親は子育てが上手だと言われた。稲を育てたりする農業が幸いしていたのであろう。「育てる」ということを植物に学ぶことは多い。それはともかく、種浸し、苗代へと続く、美しい生活がかつて農村にあったことを記憶しておきたい。
★苗代の苗は大田の水口に/高橋正子
◇生活する花たち「桜・馬酔木・牡丹の蕾」(横浜日吉本町・金蔵寺)

★春水の流るる音をパソコンに 正子
パソコンのディスプレイを見ておられる場所から水の音が聞こえます。それをパソコンにも聞かせている、ともに暖かかな春の日を楽しむ、穏やかなひとときが流れます。 (多田有花)
○今日の俳句
朝日はや照らして峰の山桜/多田有花
明けるとはやも朝日が射す山桜がみずみずしい。山気を含み、神々しいほどの桜である。(高橋正子)
○種浸し(たねひたし)
★種かしや太神宮へ一つかみ/其角
★古河の流引きつつ種ひたし/蕪村
★種俵緋鯉の水につけてあり/星野立子
種かし、種浸ける、種浸け、種ふせる/籾つける等のことであり、苗代に蒔く籾種を、俵やかますにいれたまま、発芽を促すため二週間程水に浸すこと。米つくりの中でも大切な作業。
稲作の農作業のうちで、人の目にあまり触れない作業で、籾の発芽を促すものだが、私の記憶では、灰白色の消毒した水に布袋に入れて種もみが浸けてあった。いつまでつけて置くのだろうと思うくらい、長い日日だった。桜が散って、葉桜になるころのことだったと思う。外の光が強くて、外から家に入ると暗く感じ始めるころだった。
★消毒されし水のぬるきに種浸し/高橋正子
◇生活する花たち「桜①・桜②・こぶし」(東京・自由が丘)
