12月12日(火)

小雨
●深夜2時、合同句集『泉』を入稿。編集に長くかかったので、いざ入稿で、手放すとなると、「いやいや、待て待て」の心情が働く。だが、これ以上延ばすことはできず、入稿作業をネット上で進め、作業完了。表紙の次と、裏表紙の前にいれる遊び紙の色の決定色が思いつかない。「水」を指定したが、今朝になってひらめいて「白茶」に変更のメールを送った。これで落ち着いた。
表紙、裏表紙はペルーラのホワイトに青の箔、遊び紙は白茶。本扉が青と黒の文字。中扉が黒。信之先生の百句の題が「芽吹く木へ」の黒。この一連のイメージで落着。しずかに、しずかに、考えて、「感覚に正直になれ」、これは自分の格言。
●夕方合同句集のゲラが電子ブックで届く。「表紙、本扉、目次、序にかえて、内扉」の5つのファイル全部差替え。両面印刷を指示していながら、空ページを入れてなかった。表紙は、デザインのやり直し。箔押しは追加料金がかかったが、ここに来て変更は無理。記念号だから奮発しよう。
考えてみれば、この5ファイルを丁寧に作業する時間がなかった。それがもろに出た。発行遅延を頭にいれ、なんとかして、表紙のデザインをよくしなくてはいけない。本屋で表紙デザインの本を買っておくべきだった。夜中、なんとか、表紙ができた。残りは明日午前中。午後5時までに初校を送ることにする。

12月11日(月)

晴れ
●12月月例ネット句会入賞発表
●昨日夜中、パソコンのマウスがから滑りをするようになった。入稿間際のこの時に限って。指では作業が捗らない。朝、東急開店と同時ノジマに滑り込み、新しいのを買った。設定要らずの無線のマウス、1500円弱。
●土曜日あたりから、スマホでのメールのやり取りがちぐはぐする。KDDIが通信障害を起こしていたらしい。しかし、この情報は不確か。済んでしまったことだが。
●自民党のパーティー券のキックバック問題で検察の捜査が始まっている。赤旗の電子版でキックバックを知った検察が自民党の派閥にメスを入れる。赤旗で検察が動く。どこの国かと。電子版の力?ネットによる瓦解?

■12月月例ネット句会入賞発表■

■12月月例ネット句会入賞発表■
2023年12月11日
【金賞】
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根/桑本栄太郎
たくあん漬けにする大根を干す光景は、以前はどこにも見られたが今は少ない。海鳴りが遠くに聞こえ、寒風が吹きつける襖のような懸け根は十二月の風物詩でもある。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
29.小雪の樽湯に深く木の香吸う/柳原美知子
小雪が舞いそうな「小雪」の日。大きな樽を湯舟として使う樽湯は湯もやわらかく、木の匂いや温かみがあって、やすらぐひと時である。よい木の香りに「深く」息を吸い込んだのだ。(髙橋正子)

37.街の色変えつつ落ちる冬夕日/髙橋句美子
冬の入日は見る間に落ちてゆく。夕日が差す街の色合いもその変化がわかるほどに早く変わっていく。その景色を詠んだ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
08.手紙出す音の聞こえて冬の路地/祝恵子
近所の人が使う路地。誰かがポストに手紙を入れる音が聞こえる。冬だからこそ、人通りもすくなく、投函する小さな音も聞こえるのだ。(髙橋正子)

24.万両や実の張り詰めて紅々と/弓削和人
万両の実はまん丸で、実は「張り詰めて」いる。その色は真っ赤で輝いている。見事な艶である。「張り詰めて」に緊張感と、万両の可愛い丸さが読み取れる。(髙橋正子)

33.冬の鵙いまは静かに止まりけり/多田有花
秋の間は青空があれば、どこからでも鋭い鳴き声を響かせていた鵙。冬になって、鳴く声を聞かないが、実は枝に止まっていたりする。性格がかわったように「静かに止まり」の生態を見せている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根/桑本栄太郎
半農半漁の浦の風景だろう。厚い雲覆われ海鳴りの聞こえる村の姿が想像される。風を防ぐための石垣の塀に懸けられた大根は海風に萎び、甘みたっぷりに仕上がる。正月のなますに使われるのだろう。浦の生活が強く匂ってくる好きな一句。(吉田 晃)
景が良く見える。大根を干してる場所は海からはなれた寂しい場所に有るのだろう。何処か遠くに、が効いている。(廣田洋一)

07.踵かえせば冬日まともに眩し/祝恵子
この時期は昼間でも太陽の高度が低く日差しを眩しく感じます。夏は太陽が高いためこういう眩しさはないですね。 (多田有花)

08.手紙出す音の聞こえて冬の路地/祝恵子
通常、ポストへ投函する音を気にすることもなく雑踏の中に流れていく日常の一コマだが、ポストの底のさまざまな手紙類に触れたわずかな響きが冬の冴えわたる凛とした空気を想像させられる。手紙の宛先に込めた祈りにも似た想いが表出したかのようだ。(弓削和人)

23.静かなる雨に水鳥眠りたる/弓削和人
水鳥が集団で眠っています。それを見守るように降る細やかな雨、絵画のような情景です。 (多田有花)

24.万両や実の張り詰めて紅々と/弓削和人
29.小雪の樽湯に深く木の香吸う/柳原美知子
33.冬の鵙いまは静かに止まりけり/多田有花

【入選/17句】
03.鴛鴦や沼も眠たき日のあるや/小口泰與
水面か水辺にじっとして動かないオシドリ。沼も眠っているのではないかという冬の静かな、寂寞とした情景が浮かびます。 (友田修)
鴛鴦といえば、鴛鴦夫婦という言葉があるほどですからつがいのイメージ。仲良く並んで泳いでいるのでしょう。取り囲む沼は風もなく静かで穏やかです。 (多田有花)

09.冬夕焼け豆腐売りの車の声/祝 恵子
昭和40年代あたりを思い起こさせます。全体が夕陽で茜色に染まり、ピープーという豆腐売る独特の間延びした音、のどかです。 (多田有花)

11.江の島や宝石飾る冬の空/廣田洋一
「江の島」だからいいです。「宝石」はイルミネーション?それとも遠くの街の輝く光でしょうか? (多田有花)

13.草の穂の重き実をつけ枯れ果てり/吉田晃
草は枯れても重き実をつけている。野生の生命力に感動します。枯れ果てた草の軽さと実の重さの対比にしみじみと 自然の摂理が思われます。(柳原美知子)

16.病室の窓に打ちつく冬の雨/高橋秀之
病室で聞く冬の雨の窓を打つ音は不安で淋しいですね。入院時は明るい日差しと夜の月光に癒されたものです。1日も早いご快復をお祈り申しあげます。 (柳原美知子)


22.踏切の明滅のこす枯野かな/弓削和人
一面の枯野となったさびしい野に踏み切りの明滅と時々過ぎる電車の音。今年もいよいよ終わり、本格的な冬の到来がひしひしと感じられるようです。 (柳原美知子)

26.切り通し落ち葉と空の高さかな/友田修
切り通しの落ち葉は高く積もり青空にとりどりの色を描いているようです。 (柳原美知子)

30.棚田米餅に搗く音橋わたり/柳原美知子
棚田で稔ったもち米でお餅をつかれています。その音が川の向こうの家から響いてきます。収穫の喜びですね。 (多田有花)

31.冬半ば入日は塔の先かすめ/多田有花
入日には春夏秋冬にその季節に合う、素晴らしい景色を見せて呉れますね?ここ数日穏やかな天候が続き、どんどん沈み行く冬の茜空には高い鉄塔の先端をかすめて居ります。哀愁の籠る時間ですね。 (桑本栄太郎)
冬半ばのこの時期、夏とは違う軌跡で太陽が塔の先をかすめて日の入りします。塔をかすめがその低い軌跡を感じさせてくれました。(高橋秀之)


32.さんさんと桜冬芽の陽を浴びぬ/多田有花
桜冬芽とともにさんさんと陽を浴びておられる気持ちよさそうな作者の様子が想像されます。 (柳原美知子)

34.落葉積もり落葉の奥に松ぼくり/西村友宏
積もっている落ち葉を踏み分ける音が聞こえてくるようです。その奥に大小の松ぼっくりを見つけ、拾い帰るのも楽しいものですね。 (柳原美知子)

35.星空へ熊手持ち上げ拍手湧く/西村友宏
熊手はもと実用品であったが、今は七福神のような縁起のいいものをつけ、大きな飾り物になった。その熊手を買った人への賛辞を表す大きな拍手が冬空に沸き上がった。年末の縁起の良い景である。(小口泰與)

14.降る雪や奇岩の寺の遠き鐘/吉田 晃
18.実家から届くみかんを籠に盛り/高橋秀之
28.人参の葉の青束ねそっと抜く/柳原美知子
36.電飾の街へ懐炉を手に包み/西村友宏

■選者詠/髙橋正子
21.冬かもめ鴨と泳げば鴨らしく/髙橋正子
冬晴れの池で楽しそうな鴨の群れと一緒になって泳いでいるかもめ。鴨と同じような仕草をして、鴨に同化しているようで、ほほえましく、いつまでも見ていたい光景ですね。 (柳原美知子)

19.潜る泳ぐ鴨いきいきとわが見るに
20.潜りし鴨嘴にたらたら水たらし

■選者詠/髙橋句美子
37.街の色変えつつ落ちる冬夕日/髙橋句美子
午後をとりわけ短く感じるこのごろです。お昼を過ぎるとあっという間に日差しは傾き夕陽となって街を赤く染めます。 (多田有花)
冬日が沈んでいく街の様子が見えてきます。 (祝恵子)

互選高点句
●最高点句(5点/同点3句)
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根/桑本栄太郎
13.草の穂の重き実をつけ枯れ果てり/吉田晃
37.街の色変えつつ落ちる冬夕日/髙橋句美子

集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2023年12月10日
37句(13名)

01.鍋提げて囲炉裏へ向かう漢かな
02.鳴きながら冬翡翠の一直線
03.鴛鴦や沼も眠たき日のあるや
04.満天星の冬の紅葉の火炎かな
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根
06.春待たるモーセの嘆くカナンの地
07.踵かえせば冬日まともに眩し
08.手紙出す音の聞こえて冬の路地
09.冬夕焼け豆腐売りの車の声
10.開戦日半旗掲げるウクライナ

11.江の島や宝石飾る冬の空
12.置き石に枝の絡まる冬の川
13.草の穂の重き実をつけ枯れ果てり
14.降る雪や奇岩の寺の遠き鐘
15.薇の今日終日をあたたかに
16.病室の窓に打ちつく冬の雨
17.冬空に流れる雲と鳥の群れ
18.実家から届くみかんを籠に盛り
19.潜る泳ぐ鴨いきいきとわが見るに
20.潜りし鴨嘴にたらたら水たらし

21.冬かもめ鴨と泳げば鴨らしく
22.踏切の明滅のこす枯野かな
23.静かなる雨に水鳥眠りたる
24.万両や実の張り詰めて紅々と
25.側溝に掃き寄せられし落ち葉かな
26.切り通し落ち葉と空の高さかな
27.柔らかき落ち葉に足を取られけり
28.人参の葉の青束ねそっと抜く
29.小雪の樽湯に深く木の香吸う
30.棚田米餅に搗く音橋わたり

31.冬半ば入日は塔の先かすめ
32.さんさんと桜冬芽の陽を浴びぬ
33.冬の鵙いまは静かに止まりけり
34.落葉積もり落葉の奥に松ぼくり
35.星空へ熊手持ち上げ拍手湧く
36.電飾の街へ懐炉を手に包み
37.街の色変えつつ落ちる冬夕日

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

12月9日(土)

晴れ。
●明日句会。吟行場所を思いめぐらして、矢上川へ行くことにした。鴨がいるだろう。慶大の日吉キャンパスから蝮谷を抜けて矢上小学校を目指して歩く。矢上小学校手前の道を「矢上橋」へ出る。橋を渡れば川崎市幸区。いったん渡って土手に座り景色を見るとアオサギが一羽川に。水量は少ない。橋を日吉側に引き返し矢上川の土手沿いに川下へ歩く。次の橋が「はちべえ橋」、オオバンが数羽、次が「一本橋」、次が「矢上川橋」、鴨、オオバン、カモメの群れが混じっている。川は合流地点から大きく蛇行する。次が鶴見川に架かる「鷹野大橋」へ行くため鶴見川の「鷹野人道橋」を渡る。川の景色が素晴らしい。ここまで、だらりだらりと4㎞ほど歩いた。
詳しく書くと、一本橋を過ぎると、川の水が増え、加瀬水処理センタ―をすぎ、鶴見川に合流するまでの矢上川に鴨やオオバン、カモメが二十羽ぐらい群れて、数か所にいる。鴨を見るのはここがいい。加瀬水処理センタ―から放水しているあたりで釣りをする人がいる。釣れる魚を聞くと、「クロダイ」と、耳を疑うような返事。潮がここまで上がってきているようだ。それから下ると矢上川と鶴見川の合流地点にくる。出合の三角地形の広場には鶺鴒が二羽。上から見下ろしてわかる。矢上川土手から鶴見川土手へ道をとり、向こうに見える古い橋、鷹野大橋の銘板をたしかめるために、鶴見川の「鷹野人道橋」を渡る。鷹野大橋の名前を確かめて、引き返す。今日はここまで。鶴見川は横浜の大黒埠頭に注ぐ。
引き返し日吉まで歩こうとすると、バスの姿が見えた。近くをバスが通っている。近所の人らしい老人いバス停を聞くと、5,6m先のバス停を指さしてくれた。日吉駅東口行のバス停。土曜日で遅れたバスが来たので日吉駅まで乗る。東急の店を少し見て、グリーンラインで帰宅。3時間ほどの吟行だった。往復歩けば8km。帰りをバスにして、疲れることもなし。

12月8日(金)

晴れ
●角川俳句年鑑2024年版が届く。
●合同句集、最終校正。日曜日夜に入稿予定。
ペルーラの白を表紙に使う。題名などは青の箔。
●玄関のチャイムがなって、「・・を届けに来ました」と言うので、インターホンのカメラでは宅急便のように見えたし、編集の仕事中だったので、印鑑をもって、あわてて玄関に出た。ところが、新聞の押し売りでティッシュの箱をもっている。言いがかりの口上が人をだますような巧妙な言い方。誠意のかけらもない。そうとう不愉快。頑として断る。新聞の購読者が減っているが、そんなことは、知ったことではない。

12月7日(木)大雪

晴れ。
●夜、洋子さんへ電話する。昼間はお孫さんのお世話や家の用事で忙しそうだが、夜は大きいお家でひとりなのそうだ。そのことはわかっているが、念のため聞いた。
話しているうち、合同句集の入稿準備はほとんどできたが、句集の題名が決まらないというと、信之先生を立てる気持ちはわかるが、私の好きなのでよいのではと言ってくれた。そうは言ってもこれというのが思いつかない。忘れては、思い出し、消えては思い出していた「泉」。ま、これで行こう。仮に決めていた題名を書き換えた。10日(日)夜に入稿できそうだ。予定を5日遅れる。年末の5日が大きいが。」

12月5日(火)

曇り。
●一日自分の句のまとめ。平成15年(2003年)の『花冠』以後の俳句。20年分。読み返していて、「これではなあ」とため息が出る。
●コープからお正月食品の注文がないので、注文を、と電話がある。生協もかき入れ時。喪中なのでと説明。せっかくの電話なので、冷凍の加賀となだ万の棒鮨を四種注文。