2月18日(日)

晴れのち曇り
なにもない山が椿の咲く山に  正子
枯草のいのち薄れて下萌える  正子
水いっぱいの春の苺ならば買い 正子
●鳥の北帰行の俳句が投句され始める。
●小西昭夫さんから「100年俳句計画」「雫」秋号が送られてくる。「100年計画」には、小西昭夫さんによる髙橋句美子の
雪山を見渡してから滑りだす  髙橋句美子
を鑑賞いただく。
「雫」には、髙橋信之の三句を近藤ひとみさんに鑑賞いただく。
炎天下踏切の棒下りてくる  髙橋信之
天ぷらがからりと五月の音立てる  〃
雪がふる山のかたちに雪がふる   〃
●鑑賞文は下記アドレスに掲載しています。クリックしてお読みください。ご感想があれば、そこのコメント欄にお書きください。
発行所ブログ:https://blog.goo.ne.jp/kakan100
●句美子が来て、風呂の電気のカバーをつけてくれた。カバーは、ガラスでできている。テーブルに置いていたので、花瓶と思ったらしい。自分が来なかったら、どうしようと思っていたのか、と言う。来ないことは、考えていなかった。
●小澤征爾指揮ウィーンフィルのサントリーホールでの来日公演(2016年)のシューベルトの「未完成」を聞いた。
映画「未完成交響楽」で、シューベルトが「白鳥の歌」の歌詞の読み方を少女に教える場面がある。少女ははじめ散文を読むように読んだ。シューベルトは言った。「普通はそう読みます。でも、歌は強弱をつけて読ます。こんなふうに」。少女は強弱をつけて読み始めた。次第に少女は「白鳥の歌」を歌いだしたのだった。私も学生のとき、そういう風に信之先生から教えてもらったことを思い出した。ドイツ語の俳句はこう強弱のリズムをつけて読むのだと。耳に残っている信之先生のドイツ語が、シューベルト役のドイツ語の音声とあまりに似ていたので、不思議な気持ちになった。シューベルトも信之先生も、この世にいないのに、あきらかに強弱のついたドイツ語が聞こえる。

2月17日(土)

曇り
信楽に草もち桜もちをふたつ      正子
ムスカリの鉢より垂れる水光り    正子
汚れ出てチューリップの芽たくましき 正子
●きのう、浮堂さんからお電話をいただくが、電話が遠くて返事がちぐはぐしたかも。それで今日お葉書をだす。
●確定申告の書類作成中。私のは、「あなたの医療費のお知らせ」でまとめて連合会から書類が来たが、信之先生のは来ない。在宅介護で、いろんな医療をうけたので、いろんなケースの医療費がある。調べて整理しているうちに、いろいろが思い出された。

ご挨拶/2月月例ネット句会

気温が20度を超えるような暖かさになって、驚きます。まだ、2月中旬なのに、この気温です。
2月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。夜遅くまで選をしてくださった方もおられ、ありがとうございます。選句はなるべく選句時間にしていただくように決めてはいますが、全員の選がいただきたいので、お仕事の都合もあるでしょうから、時間外も受け取っています。

合同句集に続き、2月号をお届けすることができ、ほっとしています。月例句会の句が冊子となって出来上がり、花冠の歴史が積み重なっていくのは、うれしいことです。花冠2月号をごゆっくりお楽しみください。ご意見があれば、およせください。

これで2月月例ネット句会を終わります。ご協力ありがとうございました。
2024年2月16日
髙橋正子

2月16日(金)

晴れ
此処と此処に椿の咲ける山を越ゆ  正子
ムスカリの鉢が白かり葉がのびて  正子
●きれいなもの。アカボシゴマダラチョウ、ヨシカモ。オシドリは、「をしかも」と呼ばれていたらしい。その「をしかも」が「よしかも」となって、違うきれいな鴨がヨシカモとよばれるようになった。もし、三渓園に行けば葦鴨が見れるかもしれない。
●丸善から電話。きのう注文した『斎藤史自選歌集』は、手をつくしたが当店では入手できないので、ネットオークションでも探してください、と。「手をつくした」は、本当。しっかり調べてくれた。そうではと思っていたが、気落ち。講談社文芸文庫にあるようなので、探したが、はっきりしない。渡辺一夫の『ヒューマニズムー人間であること』(講談社/1973改定)があった。
●朝から体調がおかしい。悪くなったり、よくなったり。仕事にはならない。本も少し読んでは閉じる。一日シューベルト三昧。
●公司の奥さんから花冠が届いたと電話。「俳句日記」とか、「七里ガ浜に遊ぶ」は、一気に読みました、と。東さんとか懐かしい名前がでていてよかったと。

2月15日(木)

晴れ
やぶ椿山に風吹き山の音     正子
もう西に沈みかけてる朧月    正子
 慶大普通部のグランド
普通部の銀杏の枝に巣組あり   正子
●昨日も、今日も、20℃近い。松山では椿祭のときに、いったん急に寒くなり、それから春になると言われている。椿祭は明日16日から18日。植木市があり、毎年好きな木や鉢植えを買って帰ったものだ。やはり、よく言ったもので、明日16日から寒の戻りだという。
●銀行と丸善へ。「俳句」2月号を買い、『斎藤史自選歌集』(不識書院2200円)を注文。斎藤史のは、在庫があるかどうか。
●風呂の電気のカバーがやっと外れて電球を取り換えることができた。ところが、今度は、カバーが嵌らなくなった。また、2,3日置いて試してみる。

2月14日(水)

晴れ
あかつきの椿の花の伏して落つ  正子
白壁も障子も日当たり春の寺   正子
塀に沿う水仙つきて濃く匂う   正子
●土曜日に送った花冠2月号が届いたようだ。関西から届いた書き込み。5名。
夕方敬二さんの奥さんから電話。敬二さんの句が載っていて、大変喜んで声に出して読んでいると話してくれた。
敬二さんに替わると、話し始めてすぐ、「信之先生と話したい」と言われたので、心臓が止まりそうだった。想いの熱い敬二さんのこと、本当に話したいのだろう。
●「俳句」1月号に「俳句の今とこれから」と題して座談会の記事がある。一番若い岩田氏が俳句を読む力をこれからの人は養う必要があると提唱していたが、同感だ。前衛俳句はあまりに恣意的に最もらしく読まれたと思うし、前衛でない俳句も、読めていない気がしている。俳句は誰でも作れるが、読むのはなかなか難しい。
 俳句結社のIT化を進めたいと思っている主宰者は少なくないだろうが、主宰者がITに通じていないと難しいのでは。お膳立てしてもらっている主宰者はこれから務まらないのでは。これが、これからの俳句だと思う。
●昨日、俳壇に原稿を送ったので、きょうから確定申告の書類を作成する。

2月13日(火)

晴れ
白梅の枝がそよぎて輝ける     正子
めぐりつつ日は白梅を輝かす    正子
暖かし仏華の菊がよく開き     正子
●俳壇に明日締め切りの原稿「前書きのある句」をメール。PDFファイルを添付。3時間して、優しすぎる返信あり。
●角川から信之先生の句を歳時記に採録するからと封書が来る。折り返し、すぐに諾と返事した。
わが影の付き来て楽しさ寒き日も 信之
●元希に誕生日のお祝いと、ユーハイムのリングのバウムクーヘンと、モロゾフの猫缶チョコを贈る。誕生日のバウムクーヘンはちょうどよい大きさが品切れ。ひとまわり小さいサイズになった。いく品かは完売です、とある。発注しても届かないとのこと。

2月12日(月)

晴れ
椿赤し藪の一枝手折りてきて   正子
群れあそぶ春の雀のわれを見ず  正子
 N先生の手紙
窓の雪ことばピュアと思いつつ   正子
●2月月例ネット句会の入賞発表。最高点句が同点4句。みんなおんなじに一生懸命ってことです。
●you tube で音楽を聴いていると、ストリートピアノの動画が入る。はじめはそんなことはなかったが、最近はストリートピアノがうるさい。見せびらかしてるのかと思う。ヨーロッパでは、ピアノが街をめぐり、鍵盤も落ちたままのピアノがあるようだが、それでもピアノに合わせて踊り出す人がいて、楽しそうだ。音楽を楽しんでいる。
●「前書きのある俳句」の原稿、締め切りが迫った。書いてはいるものの、今日も一句に訂正を入れた。いくらでも直すところが出てくる。手放す決断と勇気がいる。
●風呂の電球が切れる。取り換えようとするが、カバーがはずれない。LEDにして5年ぐらいもっているが、前はどうだったか忘れてしまう。それに5年もすれば、劣化してねじが回らなくなったり。電気屋さんを頼むしかない気がしてきた。

2月11日(日)

晴れ
●2月月例ネット句会
投句椿活け夜は背ナよりしんと冷ゆ 正子
  春の雪ことば真摯なハガキかな 正子
  .春の雪積もりし量の屋根にあり 正子
 
●湯山の筍と松山あげの筍ご飯とアサリの味噌汁の夕食。昆布と椎茸を佃煮風に炊く。好評。この前句美子に持たせた稲荷ずし、餃子もおいしかったそうだ。街でお惣菜屋をやればすぐ売れるよ、と。それは、それなりに大変。
  

■2月月例ネット句会入賞発表■

■2月月例ネット句会入賞発表■
2024年2月11日

【金賞】
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
岸の白梅には、陽がよくあたっているのだろう。「ぐんぐん」というほど、蕾がふくらみはじめている。どの蕾も、どの蕾もふくらむ勢いがあって、圧倒される。それ以上に作者が「ぐんぐん」と言えるほどに精神に元気があるのが、とてもいい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
春暖かな日差しに木椅子が置かれている。誰が座るのだろう。もう座っているのかもしれない。穏やかな日差しに温まった木椅子。木の椅子が、象徴的に穏やかで明るく、落ち着いた心象を表している。(髙橋正子)

25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃
寒のこやしは、根が動くまえに与えられる。麦の芽がすくすく育ってそよぐほどになっている。畝で吹かれているが、その畝の脇に寒ごやしをやるのだ。力強い句。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
人通りはないのだろう。新聞がポストに落とされて「かん」と音がする。もう、春がそこに来ているから「かん」と言う音がうれしく心に響くのだ。(髙橋正子)

16.曙の雲をまといて春の山/多田有花
清少納言の枕の草子をいうまでもなく、春の曙の雲は、美しいにちがいない。その雲を纏った春の山が座っているのだ。「春の曙」と言わないで、「春の山」と「春」の使い方がうまい。それによって、句に新鮮さがうまれている。(髙橋正子)

34.梅林の賑やかな小さな街/髙橋句美子
梅林のある小さな街。その街が今日は賑やかなのだ。観梅に訪れた人も混じって小さな街は賑わっている。梅見どきの賑わいが春の訪れを伝えている。(髙橋正子)


【髙橋正子特選/7句】
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
 早朝、新聞受けに投函される新聞。その音は「かんと」響きました。まだ春の風色の揃わない、街の空気を鳴らしつつ、新聞が春を連れてくるようです。 (川名ますみ)
 春になったものの、春色はまだ整わない.降雪もあり、木々の芽吹きも間がある頃、朝刊を待ち遠しく待っている。そこに待ち焦がれた新聞が配達された。(小口泰與)

15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
春を最も最初に感じるのは日差しです。その暖かそうな日差しの中に置かれている木椅子。先ほどまで座っていた人の存在も感じられて暖かです。 (多田有花)

23.球音を聞きつつ見上ぐ城二月/ 柳原美知子
球音と言えばやはり野球部、近くに学校があるのでしょうか。選抜高校野球の話題もそろそろ聞こえてくる頃です。見あげておられるのは松山城ですね。 (多田有花)

25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃
農作業の実感が伝わってきます。冷たい風が吹く中でおこなわれる施肥が春からの作物を育てます。 (多田有花)

34.梅林の賑やかな小さな街/髙橋句美子
下五の小さな街で梅林の賑やかさが強調されている。上手い詠み方。(廣田洋一)


07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
16.曙の雲をまといて春の山/多田有花

【髙橋句美子特選/7句】
05.枝先の色づき来たる楓の芽/桑本栄太郎
周囲の木々の枝はまだ冬の姿のままです。しかし、よく見てみると枝先が少し色づいているのがわかります。少しずつ春が歩みを進めているようでうれしくなりますね。(多田有花)

06.あおぞらの風の田面や犬ふぐり/ 桑本栄太郎
この時期になるとまず目につくのがオオイヌノフグリの青い花です。早春の野や田のあぜで星が瞬くような美しい青色をみせてくれます。(多田有花)

08.雪に濡れさくらの枝のほの赤き/川名ますみ
先日の関東地方は思わぬ大雪に見舞われました。桜の枝にも積もった雪が翌日には溶けていきその下から桜の芽が見えてきました。桜はすでに花の準備を終え、気温と日差しがそれにふさわしくなるのを待っています。(多田有花)

17.梅が香に誘われ歩く散歩道/多田有花
真っ先に春を告げてくれる梅の花が咲き始めると、心も浮き立ち、思わずその香りを嗅ぎに出たくなりますね。浅春の日差しの中の至福の散歩です。(柳原美知子)

20.新芽出すホームの隅のプランター/高橋秀之
普段行き来するプラットホームの隅にあるプランターの草木にもいつの間にか新芽が出、春の息吹が感じられたうれしさ。良い一日となりそうです。(柳原美知子)

26.餅黴を削りつつ焼く二月来る/吉田 晃
大きな鏡餅は食べきるのにも時間がかかり、二月にもなると黴が生えてきます。それを削りながら焼いて、しっかりとした昔ながらの歯ごたえのある味を
楽しまれている。懐かしい光景です。(柳原美知子)

15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一

【入選/9句】
02.水底へ春の来ており賑賑し/小口泰與
川面が波立つ底をのぞくと、小魚の影や様々なもの
の影が揺らめき、賑やかに春を告げてくれています。万物の生命の生まれる春が実感されるようです。(柳原美知子)

12.まさおなる空にこぼるる寒椿/弓削和人
透徹した冬空の青さと零れ落ちる椿の真紅の美しさ、寒椿への愛惜の念が感じられ、心惹かれます。 (柳原美知子)
寒椿の明るい朱色が空の青さに映える美しい光景が目に浮かびました。「こぼれる」という表現も面白いを思いました。(西村友宏)

18.その歴史長き国なり建国日/多田有花
折りしも本日2月11日は、我が国日本の建国記念日です。建国以来本年は2683年目になるとも云われ、国家として世界で一番歴史の長い国ですね?もっと天皇家を尊び、国民も誇りを持ちましょう。 (桑本栄太郎)

24.しだれ梅塀歩く猫尾を振って/柳原美知子
民家の庭のしだれ梅であろうか。境界にある塀の上を猫が尾を振り振り(愛想を振り振り?)歩いていく。春の兆しを垣間見る一コマです。 (高橋秀之)

27.牡蠣鍋の牡蠣の一つをすくいけり/吉田 晃
この句を見て、理屈抜きで牡蠣鍋を食べたいと思いました。立春を過ぎましたが、寒いがつつく今日この頃、牡蠣鍋は体が温まります。(高橋秀之)

29.春一番歯医者帰りの頬を打つ/西村友宏
歯医者帰りの頬。ちょうど数日前歯医者に行ったところなのでそれが普段と違う感覚であることを実感しているときにこの句を見ました。頬に受ける春一番の風も玲連とは違う感覚だったことでしょう。 (高橋秀之)

30.春夕べ商談まとまりホットココア/西村友宏
商談がまとまった帰り道。ホッと一息をホットココアでくつろぐ。コーヒーではなくココアというところに、充実と癒しの気持ちを感じます。 (高橋秀之)

21.見上げれば春の大空雲ひとつ/高橋秀之
22.星めぐりの歌の余韻に明日立春//柳原美知子

■選者詠/髙橋正子
31.椿活け夜は背ナよりしんと冷ゆ
 信之先生ご健在の時から、高橋家は大きな花瓶に賑やかに花を飾ることはしない。一輪挿しに、時には野の花であったり、時には散歩で見かけた道の花であったりを何気なく飾っておられる。この椿もそうなのだろう。俳誌の仕事が一段落し椿が一輪、作業机に飾られていて、一息ついた今、二月の冷たさを感じておられるのだと想像する。 (吉田 晃)

33春の雪ことば真摯な葉書きかな/髙橋正子
春の雪が積もり、外出もままならない日に届いた葉書き。ただでさえ嬉しいのに、そこに書かれた真摯な言葉には更に感動が深まります。(柳原美知子)


32.春の雪積もりし量の屋根にあり

■選者詠/髙橋句美子
34.梅林の賑やかな小さな街
下五の小さな街で梅林の賑やかさが強調されている。上手い詠み方。(廣田洋一)

36.立春の風が高く流れゆく
今日から春、という気持ちが「高く流れる風」という言葉に現れています。(多田有花)


35.節分の豆を数えてカラカラと

互選高点句
●最高点句(5点/同点4句)
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃


集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。