7月16日(火)

曇ったり、小雨だったり
プラムの粉さながら深き霧に似る 正子
青芝を踏めば沈みぬ身のふあん  正子
白芙蓉花を透かせる風を得ぬ   正子
●花冠No.371(7月号)を校了。病院から帰ると、再校用の電子ブックが届いていた。すぐ校正したくても、あまりにも眠い。眠すぎる。30分ほど休んで校正。校了。20日夕方に届くと印刷所からメール。12日に入稿して、3連休があって、20日には、出来上がって届く。

●病院の待ち時間に本屋に寄る。俳句関係の本を見るが、魅力的な本も新刊本もない。大歳時記の刊行に合わせて改訂された角川季寄せ(2400円)で「夕映え」を見た。この季寄せには掲載されていない。

■7月月例ネット句会入賞発表■

■7月月例ネット句会入賞発表■
2024年7月15日

【金賞】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
誰にでもわかる易しいことばと、率直な詠み方に俳句の本質を見る句と思う。採れたての真っ赤に熟れたトマトを、勢いよく流れる水の下で洗い、水滴のあるままそれを丸かじりする。ずばり、トマトのおいしさが伝わってくる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田 晃
朝、今年はじめて、ひと声鳴く蝉の声を聞いた。その新鮮な驚きと、夏が来たと言う実感が「艶やかに」に洗われている。蝉の姿まで艶やかに思われる。(髙橋正子)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
空に広がる夕焼雲を押し上げて富士山の山頂が現れる。力強い富士山と夕焼雲のある景色があきらかに目に見えて来る。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
谷水を汲もうとしているのか。ほととぎすの鋭い声が、谷水を響かせるように聞こえる。谷水とほととぎすの声のある景色に山気を感じて涼しいそうだ。(髙橋正子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
今私のベランダにも青紫蘇がこんもりと繁っているが、毎日数枚を採って料理に楽しんでいる。美知子さんも日々の厨ごとに何かにつけて、青紫蘇を使っ使い薫らせている。清々しい日々の暮らしがいい。(髙橋正子)

34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏
日中のテレワーク中は、窓を閉め切ってクーラーをかけている。根詰めていたテレワークの仕事が終わり、窓を開ければ星が涼しそうに輝いている。星の美しさを実感し、ほっとするひとときだ。「テレワーク」はコロナ禍を経て日常化した言葉。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
家庭菜園で採れたトマトやナス、胡瓜を水桶に漬けて居ります。その中の真っ赤に熟れたトマトを丸かじりすれば、至福の美味しさです。 (桑本栄太郎)
夏の盛りに、みずみずしい真っ赤な大きなトマトを丸かじりしながら、したたる果汁を拭う情景が想い浮かぶ。「真っ赤な」と表現したことが、水の青色とトマトの赤色のコントラストが清々しい。(弓削和人)
よく熟した瑞々しいトマト。一番美味しい食べ方は、やはり「丸かじり」でしょう。率直な言葉選びで、情景がダイレクトに届きます。 (川名ますみ)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
夕焼け雲が切れて富士山が見えるようになりました。「雲を押し上げ」と富士山自身が意志を持っているようです。夕焼け空の中に聳える神々しいまでの富士山の姿です。 (多田有花)
28.押し上げるという表現で富士山の力強さを感じると共に厳かな光景が目に浮かびます。(西村友宏)

16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
ホトトギスの鳴き声を「テッペンカケタカ」と表現するが、実際の声は丸みを帯びた可愛らしい声であり、青葉繁る谷にその声を響かせる。涼しい風を感じさせてくれる。(吉田晃)

32.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田晃
34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏

【髙橋句美子特選/7句】
01.小燕の店番となり道の駅/弓削和人
小燕の声が挨拶のように賑やかに思います。みちの駅も旅行客で賑わっている様子がうかがえます。(髙橋句美子)

11.大聖火向かうはパリや夏旺/廣田洋一
大聖火は無事にパリに到着し市内をめぐってるようです。夏の盛りのオリンピック、世界が少しでも明るい未来へとひらかれるよう、アスリートの方々の
活躍を見守りたいですね。 (柳原美知子)

03.六月の樹々雨音を迎えたり/弓削和人
新樹にとって雨は必要不可欠なもの。喜んで雨と雨音を迎えたことでしょう。絵本を見るようです。 (柳原美知子)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮/髙橋正子 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
15.海沿いを走る電車に夏の雨/高橋秀之
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ

【入選/10句】
05初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ/桑本栄太郎
初夏になると子供のころの懐かしい蝉の声があちらこちらから聞こえてくる。野原を駆け回り疲れた体で一休みしていると、頑張れと蝉の一声に励まされてまた遊びほけた事が思い出される。 (小口泰與)

23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり/吉田 晃
実際には梅雨の中休みの時間に子どもたちが公園のぶらんこを楽しんでいるのでしょうが、ぶらんこの子を主体に捉えた楽しい目線の句を感じます。(高橋秀之)

24.向日葵の鉢の新装喫茶店/吉田 晃
いきつけの喫茶店でしょうか。それとも新しくオープンした店?向日葵の鉢がそこに飾られました。仲間が毎朝集まってモーニングを楽しむ情景を想像します。(多田有花)

27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風/多田有花
朝凪が終わる。風が吹く。今朝の風はその吹き初め。夏がやってきたと感じる朝の一コマがそこにあります。(高橋秀之)

35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり/西村友宏
すごく気持ちが分かります。自然の行動を素直に表現されていると感じます。(高橋秀之)

22.威勢よく草刈る男の腕まくり/弓削和人
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり/桑本栄太郎
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン/小口泰與
08.一本のばらのくずれる朝かな/小口泰與
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり/廣田洋一

■選者詠/髙橋正子
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
蓮は最初に若葉が池の面に張り付くように出てきます。巻葉が水面から立ち上り花托もそれに続きます。初夏から晩夏へと移り変わっていく蓮の生長の瞬間をとらえておられます。(多田有花)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

21.風鈴に風の声聞く盆法会

■選者詠/髙橋句美子
2.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

33.真新しい色の夏帽小旅行
今の夏に新調した夏帽子なのでしょう。小旅行の楽しさと相まって、わくわくする気持ちを感じます。(高橋秀之)

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹

●互選最高点句(8点)
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。
さい。

7月15日(月)海の日

曇り
小さくも盆灯籠の絵のなでしこ 正子
盆灯籠影もまあるく吊られけり 正子
冷えすぎし桃の雫を手に受けぬ 正子

●7月月例ネット句会入賞発表

●日中も27度くらいで涼しい。夕方URの団地を歩くが、涼しい風を満喫。
晃さんの俳壇への寄稿句について相談にのる。
今月のウォーキングは一日平均7455歩。雨や暑さで歩いていない日もあるが、その割に歩いている。頑張っていると言えます。明日の検査日に医者に報告。

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2024年7月14日
36句(12名)

01.小燕の店番となり道の駅
02.威勢よく草刈る男の腕まくり
03.六月の樹々雨音を迎えたり
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり
05.初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ
06.掘割りの鯉の寄り来る?外忌
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン
08.一本のばらのくずれる朝かな
09.豊満な水着の少女湖の辺に
10.白靴を履きたる婦人色白し

11.大聖火向かうはパリや夏旺
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり
14.晴れの日は目覚まし代わり蝉の声
15.海沿いを走る電車に夏の雨
16.谷水に声を響かせほととぎす
17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事
18.梅雨長し青春の地に土砂崩れ
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮

21.風鈴に風の声聞く盆法会
22.初蝉の朝のひと声艶やかに
23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり
24.向日葵の鉢の新装喫茶店
25,浴衣着て今宵は野球応援に
26.夏祭り知らせる朝の町内放送
27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る
29.盆用意ようやく慣れて静かなり
30.紺青のレースを羽織り車椅子

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹
32.ナイターの光夜空を突き抜ける
33.真新しい色の夏帽小旅行
34.テレワーク窓を開ければ星涼し
35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり
36.冷房の音止む夜の静寂さ

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

7月14日(日)

曇り
●7月月例ネット句会
正子投句
あおあおと蓮の花托の葉をぬきぬ  正子
あおあおと蓮の実育ちつつありぬ 正子 
ふる雨の強さにゆれる白睡蓮   正子
睡蓮をゆらして激し雨の音    正子
風鈴に風の声聞く盆法会      正子
風鈴の風にせせらぎ盆法会     正子
●墓所のある寺で3時から盆法会。元と句美子と正子が出席。本堂の外に、風鈴に故人の名前を書いた短冊をつけた風鈴が五十音順に吊るされていた。髙橋姓の多いこと。法会のあとお墓参り。きのう立てたお花の水が半分に減って驚き。墓地に引いてある井戸水を花筒いっぱい入れ挿しなおす。余った花を水が流れる花立に挿しておいたが満開になっていた。
僧衣が涼しげでめずらしい色目がきれい。袖から手が透けて、所作の手は平安時代のように袖から外に出さないで袖の内。供花に向日葵が手向けられていた。
帰りは元が駅まで送ってくれ、横浜線で、私は中山まで、句美子は新横浜まで行き直通電車で帰った。
月例ネット句会の清記発表に間に合うか心配していると、句美子が「年寄りのすることに誰も文句は言わないよ」と言う。運よく互選開始時間の6時に間に合った。

7月13日(土)

雨のち曇り
あおあおと蓮の花托の葉をぬきぬ 正子
白蓮のかげはみどりに蓮の葉に  正子
風鈴に風の声聞く盆法会     正子
夏霧に濡れつつ山の坂のぼる   正子
ゆれやすき白睡蓮に手水の水   正子
●今朝は涼風。早朝のウォーキングに私の年齢ぐらいの女性に大勢出会った。それぞれ歩くコースがあるらしく、一人に付いて行くともなく後を歩いた。どこかで見失ったが、日吉の隣町箕輪町の大聖院まで足を延ばした。蓮の花が咲いている楽しみがある。
大聖院の門をくぐると芝生が青々として、 手水の水が流れる落ちる水に睡蓮の蕾に白い色がのぞいていた。山裾の陰に例年ならある鉢植えの蓮を見に回った。鉢植えの蓮はなく、小さい池に、今朝は白蓮が一輪開花。紅蓮は雨で傷み散りかけていたが、固い蕾があった。青い実にまだ黄色い蕊がついて実ができたばかり。大聖院から少しの山道を辿ると、霧が出ている。昨夜の雨の残りが枝葉を落ちるのに、雨にあらぬ音を立ててぞっとした。普通部の辺りに出た。赤門坂を下り、帰宅。金蔵寺の近くの家で、草取りをいているショートパンツの女性に声を掛けられ、立ち話。初めての人だけど、庭の月桂樹(ローリエ)の枝を二枝折ってくれた。洗って乾燥させて、うまく乾燥したら料理の風味に使う。
●十時半ごろ墓参に。バス停にはお花をもったお墓参りの人が数人。同じ墓地に行くようだ。お墓ではすぐ後ろのお墓の中年の夫婦と会った。お寺にはあすお盆法会でまた来るが、風鈴の短冊に名号を書いてたくさん吊るしてあった。信之先生のもお願いしている。明日、よく見ることに。
●夜、明日のネット句会の準備。

7月12日(金)

小雨
打上げの鮨にのる貝赤が差し     正子
熱き茶にひとりほっこり涼しき日   正子
なでしこの絵の盆灯籠右に置き    正子
●夕方、4時半ごろ花冠371号を入稿。創刊40周年企画として行った「みんなの選ぶ花冠秀句」の特集があるので、74ページ、37mmになり、背文字を入れることができた。表紙は「オレンジ」。2時間ほどして校正データが返ってきたので、校正して返信。あすから3連休となるので、作業は16日からになるとのこと。
編集作業から解放され、夕食はお鮨でひとり打上げ。お鮨の醤油が夏向きか、とろみがあって、酸っぱさはないけど梅醤油の感じ。
●朝いち番のニュースで、松山の緑町で土砂崩れがおき、1軒が潰されてしまった様子。普段の災害のない、それも街中の土砂崩れなので、何度もそのニュースが繰り返された。城北のようで、お城のすぐ下から崩れている。大学生が1時限目が休講になったと言っていた。明日からは新盆。雨雲が移動しているのでこちらも雨が心配。

7月10日(水)

曇り
●今日も暑さが落ち着いている。クーラーでは冷えすぎ、扇風機でも足が冷えてしまう。若い時には考えられなかったことになっている。
●花冠371号は74ページになった。日記を削るが、削り切れない。五月にいろいろあったこともある。

7月9日(火)

曇り、ときどき晴れ
百日紅きのうも今日も白が咲き  正子
朝顔に流れるほどの水をやり   正子
青紫蘇の繁りも青の深くなり   正子

●きのうより、暑さが少し落ち着く。朝、夕、外を歩く。
●花冠No.371を明日入稿の予定。
●詩歌文学館から花冠寄贈の依頼。
●いなりずしの揚げを炊きかけて、心変わりして、熱々の狐そばを作る。