8月25日(木)

★葛咲けり一つの花のその奥にも  正子

○今日の俳句
青柿の並びさわさわ風に揺れ/河野啓一
青い柿の葉のなかにある青い柿の実。風が吹くと青柿がさわさわ揺れ、新涼のさわやかさを目にみせてくれる。(高橋正子)

●「俳句界9月号」の作品鑑賞に6月号に新作3句として掲載された句について、佐怒賀直美氏に鑑賞いただいた。信之俳句の鑑賞は難しいのだろう。しかしながら、今日、追加で一冊注文した。

○小豆の花

[小豆の花/ネットより]            [野小豆の花/ネットより]

8月24日(水)

★朝風のとんぼを運び海へ去る  正子

○今日の俳句
蝉時雨その真ん中に座りけり/福田ひろし
情景は、「蝉時雨が四方八方から聞こえる」なのだが、「蝉時雨の真ん中に座る」と作者の行為を中心に捉えて、作者の存在感が強く打ち出された。(高橋正子)

○溝蕎麦

[溝蕎麦/横浜市港北区下田町・松の川緑道]

◆ご挨拶/8月ネット句会(句会主宰:高橋正子)◆


ご挨拶
8月句会は、リオのオリンピックも終盤に入った21日に開催しました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。11名33句の投句がありました。参加者はいつもより少し少なかったですが、その方らしい秀句があって、楽しく拝読しました。開催してよかったと思いました。
ラジオ深夜便を聞いていますと、七十二候寄せてピアノの曲を弾いてくれます。七十二候について、去年の暮あたりからよく聞くようになりました。七十二候は五日ごとに変わる季節ですから、より細かく季節を感じ、それに合わせた生活を楽しもうという世の中の傾向かもしれません。私たちは意識することなく、季節の微妙な変化を句に詠んでいます。そして、その微妙な変化をよく捉えた句に、感銘を受けたり、感心したりして、句会の面白さになっていると思います。今月の八月ネット句会にもそんな句が多くあったことを喜びたいと思います。選とコメントをありがとうございました。最後になりましたが、入賞の皆様おめでとうございます。来月の句会を楽しみにご健吟ください。これで、八月月例ネット句会を終わります。

8月23日(火)


北海道に台風が立て続けにやって来た。北海道には台風は来ないと地理で習った。それを疑いもしなかったが、今年は違った。
台風9号は、千葉県上陸し、関東地方を北上。
台風が来る前には、松山や郷里の福山で過ごしたときは、台風が来る前の、風の匂いや湿り具合を感じていた。横浜では台風が来る予感が感じ取れない。それがちょっとさみしい。

8月22日(月)


●8月月例ネット句会の入賞発表。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d

いつもなら、句会当日夜10時までに入賞発表できるのに、今回は、知らぬ間に、疲れてたのか、朝まで一度も目覚めず眠ってしまった。それで、入賞発表が今朝になった。

投句者が少なくても、わが月例ネット句会は必ず秀句があると自負している。

月例句会以外にも「自由は投句箱」には、毎日投句されるかたも5名ぐらいはおられる。時々のかたもいて、まったく「自由な投句箱」だ。選は正子が毎日ほとんど欠かさずしている。

「自由な投句箱」の最近の感銘句
★朝顔の遠くを思うときは濃く/祝 恵子

石田波郷に次の句を見つけておどろいた。恵子さんは、波郷の次の句はご存知ないと思う。
★朝顔の紺のかなたの月日かな/石田波郷

◆入賞発表/8月月例ネット句会◆


■2016年8月月例ネット句会■
■入賞発表/2016年8月22日

【金賞】
★一筆を画布に添えけり秋気澄む/小口泰與
秋になると絵心が動く。画布に一筆添えると、秋らしく、色だけでなく、空気も澄んでいる。すっかり秋の景色になった。こちらまで心が澄み、絵を描きたくなる。(高橋正子)

【銀賞2句】
★籾殻に隠れし林檎香り立つ/廣田洋一
木箱に籾殻と一緒に詰められた林檎。箱の蓋を開ければ、すぐさま林檎の香りがしてくる。籾殻に隠れた林檎は、私には昭和の思い出とともに記憶に残っている。(高橋正子)

★啼き合いて秋燕万羽葦の原/ 佃 康水
燕が南の国へ帰るときがきた。それぞれの場所で過ごしていた燕たちは、千羽も万羽もというほど集まって、旅立つ前を過ごす。葦原に集まって啼きあっている。旅立つ前の忙しさと一抹のさびしさを思う。(高橋正子)、

【銅賞3句】
★鰯雲白きを見れば旅心/河野啓一
鰯雲が白く空高くに広がるのをみれば、誰の心にも遠くへ、旅へ、出たい気持ちが湧くのだろうと思う。(高橋正子)

★カマキリの怒りは吾へ指差せば/祝恵子
カマキリは攻撃されると大きな鎌を振り上げる。カマキリを指差しただけで、怒りが自分に向かうとは。いよいよ命短くなったカマキリの抵抗か。(高橋正子)

★子らの乗る飛機遠ざかる鰯雲/ 佃 康水
帰省した子供たちが、空港から帰路に就く。子らの乗った飛行機はぐんぐん小さくなって、鰯雲の広がりのなかに消えた。一抹のさびしさをまた会える楽しみに。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★一筆を画布に添えけり秋気澄む/小口泰與
俳句を嗜む人が秋の到来を待ちわびるように、絵を描く事に嗜みのある方も秋の景色の到来を待っているものです。日中はまだ残暑が厳しいながらも、そこはかとなき秋の気配に絵筆を執った作者である。一筆を画布に添えるとの措辞に、その心情がよく表された。 (桑本栄太郎)

★籾殻に隠れし林檎香り立つ/廣田洋一
林檎箱を開けると一杯に詰まった籾殻の中に林檎が整然と並んでいる。その林檎箱を開けると林檎の素晴らしい香りが漂って食欲をさそう。秋の素敵な景ですね。 (小口泰與)

★鯔飛ぶや鷺の佇む被爆川/満天星
★啼き合いて秋燕万羽葦の原/ 佃 康水
★子らの乗る飛機遠ざかる鰯雲/ 佃 康水
★カマキリの怒りは吾へ指差せば/祝恵子
★一本の鉢植え甘藷の葉は繁り/祝恵子
★切り分けて冷えたる西瓜の赤尖る/ 髙橋正子

【高橋正子特選/8句】
★籾殻に隠れし林檎香り立つ/廣田洋一
木箱に入った林檎、籾殻に手を入れ探したものです。懐かしい思い出です。(祝恵子)

★街路樹に秋蝉小さく鳴いている/髙橋句美子
先日、公園の木々で啼いている秋の蝉に初めて遭遇し、とても嬉しく思いましたが、御句の「秋蝉小さく鳴いている」の措辞に小さな秋を見つけた!の思いと、夏蝉から秋蝉に変わったばかりのまだ弱々しい蝉のすがたを見せて頂きました。(佃 康水)

★鰯雲白きを見れば旅心/河野啓一
先日、飛行場で小さな鰯雲をみました。澄んだ青空へ白い鱗が美しく並んでいました。あの一つ一つの白い鱗を見ると秋への移ろいが感じられ、何となく侘しさも有り、何処かへ旅をしたい気持ちも湧いて来ますね。(佃 康水)

★一筆を画布に添えけり秋気澄む/小口泰與
★次次にかなかならしく鳴きにけり/小口泰與
★啼き合いて秋燕万羽葦の原/ 佃 康水
★子らの乗る飛機遠ざかる鰯雲/ 佃 康水
★回覧板持ちゆけば知る地蔵盆/祝恵子

【入選/4句】
★名乗り出で寸暇惜しむや法師蝉/桑本栄太郎
蝉の最後に出て来る法師蝉の鳴き声を上手く表現している。 (廣田洋一)

★木槿咲き客の送迎定食屋/廣田洋一
お好み屋の玄関に木槿が咲いているのを見たことがありますが、同じ情景をうまく詠われていると思いました。(満天星)

★雨上がり晴れたる空に秋の雲/廣田洋一
この時期の雨はわずかの時間にまとまって降るので、雨が上がるときも気持ちいいぐらいすっきりと上がります。その雨上がりの空に広がる秋の雲に、夏から秋へ移る季節が感じられます。 (高橋秀之)

★初鳴きの鈴虫音色がぎこちなく/高橋秀之
草むらではもう鈴虫が啼き始めたのですね。鈴を鳴らすような澄んだリーン、リーンと言う声が聞こえますが、如何にも涼しそうです。まだまだぎこちなく練習中なのでしょうか。本格的な秋ももうすぐですね。
(佃 康水)

■選者詠/高橋信之
★じゃがいもときゅうりのサラダ卓に盛らる
散文的で平易なな記述ながら、山盛りで豊かな秋の食卓を感じさせます。ユニークで面白いと思いました。(河野啓一)

★卓上の西瓜が切られ内部の赤
★団らんの卓に西瓜の赤楽し

■選者詠/高橋正子
★切り分けて冷えたる西瓜の赤尖る
真っ赤に熟れた新鮮な西瓜を良く冷やし、雫を滴らせながら頂く味は何とも言えません。切り分けた時のあの尖った部分が一段と美味で、いち早くかぶり付きたくなります。如何にも美味しそうな西瓜が目に浮かびます。(佃 康水)

★クーラーに吾亦紅活け秋呼べり
★薄まりし藍の色なる牽牛花

■互選高点句
■互選高点句
●最高点(5点)
★子らの乗る飛機遠ざかる鰯雲/ 佃 康水

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

8月21日(日)


●8月月例ネット句会開催。
オリンピックも終盤となり、高校野球も決勝戦を待つばかりとなり、テレビ、ラジオもそろそろ落ち着いてきた。落ち着いて投句いただけるだろう。

●「俳句添削教室」の掲示板は有料なので、今日利用料を払って更新した。「俳句添削教室」から花冠に入会された方がほとんど。ネットだけの俳句指導は、歯がゆいところがある。それをネットで俳句を勉強されるかたにわかってもらうのは至難のわざ。

●8月月例ネット句会のご案内●


●8月月例ネット句会のご案内●

①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠発行所にお申し込みください。
②当季雑詠(秋の句)計3句をブログ<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2016年8月18日(木)午前0時~8月21日(日)午後6時
④選句期間:8月21日(日)午後6時~午後9時
⑤入賞発表:8月22日(月)午前10時
⑥伝言・お礼等の投稿は、8月22日(月)午前10時~8月23日(火)午前10時

◆8月月例ネット句会清記◆


2016年8月21日

■8月月例ネット句会清記
11名33句

01.夕日映え東の空に入道雲
02.鯔飛ぶや鷺の佇む被爆川
03.書斎より「サノヨイヨイ」の盆踊
04.次次にかなかならしく鳴きにけり
05.秋の水山間の里走りけり
06.一筆を画布に添えけり秋気澄む
07.名乗り出で寸暇惜しむや法師蝉
08.喫水線の水脈深々と秋の潮
09.秋潮の運河きらめく入日かな
10.籾殻に隠れし林檎香り立つ

11.雨上がり晴れたる空に秋の雲
12.木槿咲き客の送迎定食屋
13.木漏れ日の明るさに見る秋気
14.鰯雲白きを見れば旅心
15.水澄める箕面の谷の楓かな
16.啼き合いて秋燕万羽葦の原
17.リオ五輪見つつ窓辺の遠花火  
18.子らの乗る飛機遠ざかる鰯雲
19.初鳴きの鈴虫音色がぎこちなく
20.仕事終え歩く夜道に虫の声

21.夕暮れの空に茜の鰯雲
22.回覧板持ちゆけば知る地蔵盆
23.カマキリの怒りは吾へ指差せば
24.一本の鉢植え甘藷の葉は繁り
25.切り分けて冷えたる西瓜の赤尖る
26.クーラーに吾亦紅活け秋呼べり
27.薄まりし藍の色なる牽牛花
28.卓上の西瓜が切られ内部の赤
29.団らんの卓に西瓜の赤楽し
30.じゃがいもときゅうりのサラダ卓に盛らる

31.花火の光り河川敷へと落ちてゆく
32.灰色に分厚く満ちる夕立雲
33.街路樹に秋蝉小さく鳴いている
 
※互選を開始してください。

8月20日(土)


●角川俳句年鑑2017年版の住所録掲載のはがきを返信。
信之先生、句美子さん、正子分。

●年鑑掲載の信之先生の諸家自選5句は9月7日締め切り。
●年鑑の「花冠」についての原稿締め切りは9月5日。今日になってもこの原稿依頼がないので、角川に連絡するつもりでいたら、ちょうど郵便受けに原稿依頼の封書が入っていた。うっかりしていると、いつの間にか削除ということになるケースもあるようだし。締め切りまであと2週間。小結社ながら、会員9名の俳句を掲載してもらえるのはありがたい。