2月9日(木)

★梅の香を息に吸い込みあるきけり   正子
梅咲く中、馥郁と清らかな香りを「息に吸い込み」つつ、可憐な花と香りに春を感じる作者を思います。その心身の快さと自然との一体感に、早春のみずみずしさ、季節の喜びが感じ取れます。(藤田洋子)

○今日の俳句
街筋の昼月ほっと梅開く/藤田洋子
街筋の空を見上げれば、白く透明感のある昼の月が浮かんでいる。昼月を遠く梅が開いて、昼月と梅との美しい出会いがある。(高橋正子)

○満作

[ニシキマンサク/東大・小石川植物園]   [アテツマンサク/東大・小石川植物園]

★まんさくに水激しくて村静か/飯田龍太
★満作咲く丘の麓の空晴れて/高橋信之
★満作のひらひら咲くや寒波来て/高橋正子
★森に咲く満作の枝横伸びに/高橋句美子

 ニシキマンサク(錦満作、学名:Hamamelis japonica var. obtusata forma flavo-purpurascens)は、マンサク科 マンサク属の落葉小高木。分布:北海道の西南部、本州の東北地方から鳥取県の日本海側、樹高:5~6m、花期:2~3月仲間:マンサク、シナマンサク、マルバマンサク、アカバナマンサク、アテツマンサク等、同科トキワマンサク属:ベニバナトキワマンサク。多雪地の山地に生える日本在来種マルバマンサクの変種で、日本海側の山地に自生する。前年枝の葉腋から花柄を伸ばし黄色い花を咲かせる。他のマンサクの仲間と同様に、葉の展開より先に開花する。冬芽の表面は、褐色の毛で覆われている。葉は単葉で互生し、葉身は菱形状円形または広卵形で基部は左右の形がちがう。長さ5~11cm。葉縁の先端側に粗い波状の鋸歯があり、基部側は全縁。果実は果で、毛が生えた直径1cmほどの卵状球形、熟すと2つに裂け、光沢のある黒い種子を2個はじき出す。黄色い花弁の基部が、煤けたような、黒ずんだ赤色を帯びる。花弁は4枚あり、長さ1~1.5cm。
 アテツマンサク(阿哲満作、学名:Hamamelis japonica var. glauca)は、マンサク科 マンサク属の落葉小高木。アテツマンサクは中国地方から四国・九州に分布する落葉の小高木。暖帯の中・上部からブナ帯にかけての急傾斜地に生育する。雪の消えた頃から咲き始め、場所によっては2月の中頃から落葉樹林の中で、黄色い花を咲かせて、春の訪れを知らせている。花はおもしろい形であり、4枚のリボン状の花弁がよれて広がっている。アテツは最初に発見された岡山県阿哲地方を意味しており、マンサクは最初に咲くので、「まず咲く」であるともいうが、どうであろうか。満作とか、万作などの漢字をあてると、豊作を期待させるイメージになる。基本種であるマンサクは関東以西から九州に広く分布し、若葉の星状毛は早期に脱落するが、アテツマンサクは褐色の毛が残る点で区別される。

◇生活する花たち「クリスマスローズ・木瓜の蕾・枝垂れ梅」(横浜日吉本町)

2月7日(火)

 東山・法然院
★春寒し木を打ち人を呼び出せり   正子
暦の上では春になったとはいえ、まだ肌に感じる空気は冷たい初春に、木を打つ音が山に響いています。今まで家のなか中心に静かに暮らしていた人々が、その音を聞き外に出てみようかという気持ちになっている情景でしょうか?これから、日に日に暖かくなり人々の暮らしにも活気が出てくることでしょう。(井上治代)

○今日の俳句
早も咲ける菜の花の丈低かりし/井上治代
春も暦ばかりと思えるのに、早も菜の花が咲いて黄色い光を返している。先駆けの菜の花らしく「丈低かりし」であって、実在感がある花となっている。(高橋正子)

○芽柳

[芽柳/横浜・四季の森公園(2012年1月26日)]_[芽柳/横浜・四季の森公園(2012年3月22日)]

2月6日(月)

★おしばなの紅梅円形にて匂う   正子
愛らしい紅梅を一輪、おしばなにしてみた。薄く広がって円形になった後でも、咲いていた時のように透き通って、香りが感じられるようだ。心嬉しい一句です。(河野啓一)

○今日の俳句
水音して箕面連山春浅し/河野啓一
「水音して・・春浅し」の感覚がいい。箕面連山を行くと、ころころと水音が絶えずしている。自然に身を入れると、確かに春が来ている。(高橋正子)

○2014年
横浜市の大倉山は梅林で有名。それほど広い梅林ではないが、東横線の日吉駅から二駅目にあるので、昨日2月5信之先生と散歩気分で出かけた。大倉山の梅林は北側にあるので、期待はしなかったが、木によっては満開になっていた。紅梅と白梅があって、そのまざり具合が快い絵のようになっている。梅見の人はほどんどいなく、熱心に写真を撮る人が数人いた程度で、静かに楽しめた。

大倉山へは以前は句会や吟行でよく出かけたが、しばらく来ていない。坂道の途中にベーカリーが出来ていて、「今日も元気にがんばっています!」とポップがあったので、入ってみた。若い人数人が楽しそうに働いて、作業場も見える。入口の吹きさらしのテーブルでは、コーヒーを飲みながら買ったパンを食べている人もいる。聞くとコーヒーは無料とのこと。みんなに倣ってコーヒーをいただいて、買ったパンを食べた。親切にも、ひざ掛けが置いてある。買ったパンは、粒あんパン、メロンパン、クロックムッシュ一個ずつ。二人分で、お土産の紅茶クッキー2枚も入れて720円。

○福寿草「秩父紅」

[福寿草「秩父紅」/横浜日吉本町]     [福寿草「秩父紅」/埼玉県皆野町「ムクゲ自然公園」(ネットより)]

2月5日(日)

★水掛けて春水かがやく仏なる  正子
温かい春の日、観音様をお訪ねになられ、柄杓で水を掛けお参りなされたのでしょうか。観音様は水に濡れる度に益々春の光りに輝きを増されて来ます。私達のこころまで洗われる様な光り輝くお姿を想像致します。(佃 康水)

○今日の俳句
野に覚めし淡きみどりや蕗のとう/佃 康水
「野に覚めし」によって、淡い蕗のとうのみどりが目に強く焼きつく。初めて見つけた蕗の董であろう。驚きと嬉しさを隠せない。(高橋正子)

○蕗の薹

[蕗の薹/横浜日吉本町]

★莟とはなれもしらずよ蕗のたう  蕪村
★ほろ苦き恋の味なり蕗の薹/杉田久女
★蕗の薹おもひおもひの夕汽笛/中村汀女
★猪を炙り蕗の薹まぶしかな/長谷川櫂
 
 蕗は菊科の多年草で山野に自生する。早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。花がほうけたものを蕗の姑(ふきのしゅうとめ)という。 学名:Petasites japonicus、Petasites(ペタシテス)は、ギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」が語源で、葉が広く大きいところから。
 蕗の薹(ふきのとうは、蕗の花芽のことで、天ぷらにするとおいしい。花が咲く前の柔らかいうちがベスト(地面から出てきた直後ぐらいの状態のもの)。春の代表的な山菜。花が咲いてから、地下茎を通じてつながっている葉が大きく伸びて広がってくる。(花と葉が別々につく)。この”葉柄”(葉の茎の部分)がいわゆる「フキ」として食用になる。市販されているものはほとんどが「秋田フキ」と呼ばれる、葉柄2mほどの大型のもの。葉自体は円形。

◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)

■立春ネット句会/入賞発表■


■2017年立春ネット句会■
■入賞発表/2017年2月4日

【金賞】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)

【銀賞2句】
★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
寒明けはすなわち暦の上では春の到来。大空が広がる朝に寒が明け、いよいよ春となる清々しい気持ちが伸びやかに詠まれている。(高橋正子)

【銅賞3句】
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二
春立つ日、蹲の水に添えられた青竹の柄杓が特別に瑞々しく、清々しく思われる。春立つ日が青竹のすがすがしさとよくマッチしている。(高橋正子)

★まんさくの花は縮れて風を受く/祝 恵子
まんさくの花は、早春に先駆けてまず開く花とされる。もう咲いたかと見れば、ようやくに花びらを開き始めたばかりで、寒さに縮れたような感じで咲いている。日差しは明るいが、風が冷たく、「花は縮れて」は、実景として印象深い。(高橋正子)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)

【高橋信之特選/8句】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)
今日は折しも立春です。鮮やかな野菜の色に色々取り合わせ、春めいたサラダが嬉しい。春~、朝~、サラダ~、鮮やかとの、あ行の頭韻により立春の明るい日差しが想われます。 (桑本栄太郎)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)

★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★さえずりや湖についと日の奔り/小口泰與
さえずりが湖を渡るように聞こえてくる。日の光がついと湖に奔放に走る。春の訪れである。(高橋正子)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
寒明けはすなわち暦の上では春の到来。大空が広がる朝に寒が明け、いよいよ春となる清々しい気持ちが伸びやかに詠まれている。(高橋正子)

★春立てりマジックショーの人だかり/高橋正子
表現が明快で、平易な言葉が力強い。飾り気がない、いい句だ。(高橋信之)

★赤き芽を白く弾かせ猫柳/高橋正子
中7の「白く弾かせ」がいい。上5の「赤き芽」がいきいきとしている。(高橋信之)

★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二

【高橋正子特選/8句】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)
今日の立春、とてもいいお天気でした。田の仕事も、春になった喜びを感じます。 (祝恵子)

★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★まんさくの花は縮れて風を受く/祝 恵子
まんさくの花は、早春に先駆けてまず開く花とされる。もう咲いたかと見れば、ようやくに花びらを開き始めたばかりで、寒さに縮れたような感じで咲いている。日差しは明るいが、風が冷たく、「花は縮れて」は、実景として印象深い。(高橋正子)

★立春の窓全開へ陽のおどる/佃 康水
立春の声を聞いて、閉め切っていた窓を全開し、風を入れる。日射しが踊るように窓から入り込む。心弾む陽の光だ。(高橋正子)
立春を迎えて窓から入る陽差しも春を感じるようになり、窓も全開したい気持ちになります。(高橋秀之)

★節分会鄙の社も人多し/河野啓一
節分会は、鄙の方が伝統を守って行事を行っている言えるのだろう。鄙の神社に邪気を払ってもらうために人出がある。賑やかであることは、世の明るさでもある。(高橋正子)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二

【入選/4句】
★青空の朝の玻璃戸や春の雪/桑本栄太郎
朝の玻璃戸を透かして見える青空。その玻璃戸には春の雪の降る様子も見える。名残の春の雪が朝の青空で鮮明になった。(高橋正子)

★探鳥会春を呼ぶなり四十雀/谷口博望 (満天星)
四十雀のツッピー、ツツッピーと鳴く声を聞くと寒禽の鳴く季節も終わり、春が来たと思う。探鳥会でいろんな鳥に出会う楽しみも増えることであろう。(高橋正子)

★飛び交いて蜜吸う鳥や梅日和/ 佃 康水
先日、探梅に行きましたが、白梅がぱっちり瞳を開いていて、蕊の奥に蜜がキラキラ光っていました。その蜜を鳥が来て吸っている景は私も見たかったです。谷口博望 (満天星)

★分校の土くれ返る余寒かな/小口泰與
日差しが春めいてきたとはいえまだ寒さの残る校庭で、分校の子供たちの手で、固くなっていた土が掘り起こされ、黒々と蘇った。作業をする子供たちの声が聞こえてくるようで、待春の思いが伝わってきます。 (柳原美知子)

■選者詠/高橋信之
★今日立春という天井の灯を仰ぐ
★立春の湯呑が丸い口開ける
★立春の今年また来て過ぎゆきぬ

■選者詠/高橋正子
★春立てりマジックショーの人だかり
★赤き芽を白く弾かせ猫柳
★飛び移る笹音させて笹鳴きす

■互選高点句
●最高点(4点/同点4句)
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二
★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

●立春ネット句会清記●


■立春ネット句会清記

2017年2月4日
11名33句

01.早春や利根の白波あいうてり
02.さえずりや湖についと日の奔り
03.分校の土くれ返る余寒かな
04.目覚めいて夢思い居る朝寝かな
05.立春の日射しを慕う木々の枝
06.青空の朝の玻璃戸や春の雪
07.大空が広がる朝に寒明ける
08.立春の休日外から子らの遊ぶ声
09.来週に受験控えて朝寝坊
10.春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに

11.音階や水琴窟の春の音
12.蹲に青竹柄杓春立つ日
13.探鳥会春を呼ぶなり四十雀
14.春光やオーロラ色に鴨の首
15.銀色に光る鶚や春の堀
16.春立つや万博で子ら雪遊び
17.春寒し遊びに夢中の子らのいて
18.まんさくの花は縮れて風を受く
19.春立てりマジックショーの人だかり
20.赤き芽を白く弾かせ猫柳

21.飛び移る笹音させて笹鳴きす
22.どこまでも耀く瀬戸や春の波
23.立春の窓全開へ陽のおどる
24.飛び交いて蜜吸う鳥や梅日和 
25.窓越しにふくらすずめと昼餉かな
26.あおぞらに紅梅散るを見たきもの
27.節分会鄙の社も人多し
28.立春の日を鋤きこんで田を返し
29.石鎚迫る河岸に光る春の水
30.桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く
31.今日立春という天井の灯を仰ぐ
32.立春の湯呑が丸い口開ける
33.立春の今年また来て過ぎゆきぬ

※選句を始めてください。5句選をし、そのうち一句にコメントを書いてください。

2日3日(金)

★節分寺裏山までも清められ   正子
季節の節目、特に冬を送って春を迎える節分は気分が新たになります。節分にあたり、寺域を清められたお寺の清々しいたたずまいが目に浮かびます。 (多田有花)

○今日の俳句
朝霜に木を切る音の響きおり/多田有花
朝の霜がまだあるうちから、木を切る仕事が始まっている。霜に響く木を切る音が力強い。(高橋正子)

○柊挿す(ひいらぎさす)・柊鰯

[柊/横浜日吉本町]               [柊鰯/ネットより]

2日1日(水)

★大寒の真青な空の実栴檀   正子
空は青空、そこに栴檀の実が高く沢山の実を付け残っている。大寒の空にも栴檀の実をみつけた楽しさ。 (祝恵子)

○今日の俳句
賑わいの境内冬芽あちこちに/祝恵子
賑わいは、前掲句「境内に人の溢れて初弘法」から初弘法と知れるが、そうした境内の賑わいの中に、冬芽もあちこちの木に育っている。冬芽も賑わいのひとつである。(高橋正子)

○立寒椿

[立寒椿/大船フラワーセンター]

1日31日(火)

 鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿   正子
冬の竹林は冷え切っている。そんな中へ入った時見つけた椿の紅。そういえば田舎の竹やぶにもあった風景。なんだか近づいてくる春の足音を聴くような句である。(古田敬二)

○今日の俳句
やや白く割れて万朶の梅つぼみ/古田敬二
寒中の寒さに堪えて咲く梅であるが、咲く兆しが見えると非常に嬉しい。白梅の蕾に白が認められる。しかも万朶の蕾に。待春の気持ちが明るくてよい。(高橋正子)

○寒牡丹

[寒牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮]

1日30日(月)

★竹林に踏み入るところ冬椿  正子
鎌倉の竹寺ともいわれる報国寺。見事な孟宗竹の竹林に入ろうとした時、凛と咲く冬椿との嬉しい出会い。寺苑の澄んだ空気の中、竹林との対比も鮮やかに、心洗われるような美しさの冬椿です。思いがけない冬椿の彩りは、深閑とした竹林を前に、ふと心和らぐあたたかさも感じられます。(藤田洋子)

○今日の俳句
葦原の枯れ尽くしても水の上/藤田洋子
「枯れ尽くしても水の上」は、意表をついて、新しい発見。蓮や菖蒲などは、枯れると茎や葉が折れて水に浸かってしまう。葦原の葦は、枯れながらもまっすぐに立ち、水には影を落とすのみ。なるほど、枯れ尽くしても水の上ある。(高橋正子)

○飯桐の実(いいぎりの実)

[飯桐の実/東京白金台・国立自然教育園]