■10月月例ネット句会清記
2017年10月8日
15名45句
01.雲走るままに照らさる月今宵
02.十五夜の月に祈るは国の末
03.ビル影の高きにありぬ望の月
04.名月がやがて出る空仰ぎけり
05.雲きれて名月すっきり山の端に
06.秋空のなかで建設作業中
07.流星やメモせぬ俳句消えやすし
08.新蕎麦や山湖の店の古暖簾
09.木道の野末や尾瀬の秋の雲
10.山霧が立ちこめるかな秋の雲
11.障子戸を向こうに見やり虫の声
12.明け方の枯野の色の散歩道
13.輝ける銀杏黄葉(いちょうもみじ)の樹下に入る
14.秋行くやトランペットの「千の風」
15.辛夷の実鳥も食はないグロテスク
16.名月や穂すすき軽くゆれており
17.オランダの孫にメールを十三夜
18.生憎の無月なるかな十三夜
19.風の織る薄紗生(ア)れきて天高し
20.特攻も飛びし空なり赤とんぼ
21.草刈の音遠くして秋真昼
22.夜明け前ひと雨過ぎて秋祭り
23.祭りあと月高々と町空に
24.月上り母の背眠る法被の子
25.ホームから残業帰りの十三夜
26.通天閣の先に大きく鰯雲
27.秋の夜自販機明るく道しるべ
28.握りたる手の暖かき良夜かな
29.酒飲まぬ友の酌にて良夜かな
30.伸ばす手の反りの美しきや風の盆
31.吾亦紅主張している束となり
32.冬瓜の艶めく色も転がされ
33.水落とす少年の手にシャベル
34.中天に雲伴わず望の月
35.酔芙蓉二階から鳴るジャズピアノ
36.ほろ酔いの色して夕べの酔芙蓉
37.窓を開け月光少し入らしめぬ
38.コスモスに雲がゆたかに寄り集う
39.上りつめ坂の上なる金木犀
40.秋冷の闇の奥から少しの風
41.さわやかに朝日射しくるパソコンに
42.独り居て夜気爽やかに今日終える
43.いのこづち籾殻着けて猫帰る
44.秋晴れやどこかで山羊が鳴いている
45.間引菜の土とかがやき抱え来る
※互選を開始してください。雑詠から一人5句、その中の一句にコメントをつけてください。選句は、この下のコメント欄にお書きください。
●十五夜句会(10月月例ネット句会)投句案内●
①投句:当季雑詠「秋の句(十五夜等)3句」
②投句期間:2017年10月4日(水)午後1時~2017年10月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:10月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:10月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、10月9日(月)正午~10月12日(水)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
★みずひきの朱が試験期の図書館に 正子
みずひき草は、俳句を作るようになって、自然に知った花だと思う。上のみずひきの句は、大学生のときの句だが、図書館にさりげなく活けてあった。大学構内のどこかにあるのを司書の方が摘んできたのかもしれない。砥部の家の庭にも植えたのか、自然に生えたのかわからない形で、初秋のころから赤い糸を引くように咲いた。みずひき草が咲くと、やはり活けたくなって、切り取って玄関に活けた。みずひき草は、「澄んだ空気」とよく似合う。だから、空気と似合うように活けて自己満足する。
みずひき草には赤だけでなく、白い「銀みずひき」というのもある。蕾のときは、白さがよくわからないが、先日は、買い物の途中で、あの細いみずひきが満開になっているのを見た。それだけで済ますにはもったいないので、家に帰りカメラを持って出掛けた。小さな泡の粒粒が空気に浮かんでいるように見えたが、これもきれいだ。(自句自解)
○今日の俳句
★水滴に秋の日かがやきミント摘む/高橋句美子
ミントの葉に如露の水か、水滴が付いて、それを静かな秋の日が輝かせている。そのきれいな水滴の付いたミントの葉を摘むゆっくりとそして爽やかな時間が若々しく詠まれている。(高橋正子)
秋明菊が咲き始めるころになった。イギリス旅行したときも9月の終わりだったが、この花がよく咲いていた。今年は鉢植えの秋明菊が蕾をたくさんつけて花を楽しみにしていたのに、根元から急に枯れてしまった。原因はよくわからない。(2015)
○台風のこと[過去]
10月6日、台風18号が浜松に上陸し、横浜のお寺が潰れる被害があった。台風はわが家のあたりをほんの30分ほどで通り抜けた。そのあと、ぴかぴかの天気となった。吹き返しの風も吹かない。
松山や福山で暮らしたときの台風は、横浜の台風とは全く違う。横浜に来るのは台風というより、暴風雨だ。横浜の台風は、予兆というものをほとんど感じさせない。もっぱら天気予報で台風の来襲を知っている現状だ。台風は、もっと季節感がある。台風が来る予兆というのがある。肌身で台風の近付くのを感じるのだ。蒸し暑く、風の吹き方も少しずつ変わってきて、雲も暗く大量に空を覆う。海の色もどす黒く、波がぴちゃぴちゃと異様な音を立てる。今、沖縄あたりにいる台風は、今夜来るか、夜明けかなど、来る時間を想定し、雨戸を閉め、鉢植えなども大きなものは、風の当たらない陰へ移す。停電に備えて、懐中電灯や蝋燭を準備する。窓を開けるとカーテンが大きく風で膨らむのを見ると、窓をぴったりと閉め、来るべき台風を神妙に迎えるのだ。そして、台風が過ぎたあとの吹き返しの風が収まるのを待つ。吹き返しの風の涼しいが、やはりまだまだ台風なのだ。台風の後は、庭の落ち葉掃いたり、壊れたところはないか見回りをする。雨がはね上げた泥を流したりもする。これでさわやかな秋空が広がれば、「台風一過」となる。
台風来つつある夜の卓の丸い梨 正子
○桜蓼(さくらたで)

[さくらたで/東京・向島百花園]
★食べてゐる牛の口より蓼の花/高野素十
★一枚の洗ひ障子や蓼の中/瀧春一
★寺門出てそこが畦道蓼の花/稲畑汀子
桜蓼(さくらたで、学名:Polygonum conspicuum)は、タデ科タデ属の多年草。
北海道~九州の水辺に生える。根茎は地中で長くのび、枝を分けてふえる。茎は直立し、高さは50~100cmになる。葉は披針形で長さ7~13cm、短い葉柄がある。両端はとがり、両面に短い毛がある。鞘状の托葉は短い筒形で、ふちに長く堅い毛がある。秋に、うすピンク色のきれいな小花が咲く。花序は1~3本に分枝し、花穂は細長く、やや密に花をつけ、上部は垂れ下がる。花被は深く5裂し、長さ5~6mmで淡紅色を帯びる。花は直径約8mm。花には長花柱花と短花柱花との2型がある。雄しべは通常8個、雌しべは1個で柱頭は3岐する。果実はそう果で、長さ3~3.5mmの3稜形、黒色で光沢がない。 花期は8~10月。
よく似た「白花桜蓼(しろばなさくらたで)」もある。花色が白く、花被が長さ3~4mmと小さい。蓼の花には、犬蓼・桜蓼・御蓼・岩蓼・穂蓼がある。
◇生活する花たち「いぬたで・金木犀・やぶまめの花」(四季の森公園)

★いっせいに月を待つべく曼珠沙華 正子
○今日の俳句
早朝の山懐の霧深し/井上治代
大洲盆地らしい私の好きな風景だ。早朝でなくても、松山から峠を越えるあたりから、道は流れるような霧に包まれることもあった。(高橋正子)
○藪豆(やぶまめ)
[やぶまめの花/横浜・四季の森公園]
★藪豆の花と実を見る快活に/高橋信之
★秋の茂りやぶまめの花絡みつき/高橋正子
ヤブマメは、マメ科ヤブマメ属のツル性一年生草本で、学名は、Amphicarpaea edgeworthii var japonica。北海道から九州、朝鮮から中国に見られ、林縁や草原などに生育する。夏から秋にかけて花を咲かせ、実をつけるが、地中にも閉鎖花を付ける。茎の一部から地中に枝が伸び、土の中で果実を稔らせる。この果実の中には種子は1つしかなく、地上部に形成される種子よりも大きい。地上部の種子は有性生殖であるので多様な性質を持っており、新たな場所へと散布されることを期待している。地下に形成した種子は、単為生殖であるので自らと同じ遺伝子を持っており、まずは来年への存続を確保するという戦略である。このような戦略は、来年もヤブマメが生育可能な立地条件であることがかなりの確度で予想される場合に成り立つ。ヤブマメの生育地は、そのような、来年も一年性のツル植物が生育可能な立地である。 茎は細く,下向きの細い毛がある。葉は3小葉に分かれた複葉で,基部に托葉がある。頂小葉は広卵形または卵形で,長さ3~6cm。2型花をつける。開花する花は8~10月に葉腋(ようえき)から出る短い総状花序に2~8個がつき,紫色の蝶形花で,長さ15~20mm。閉鎖花は花弁がなく,葉腋に1個だけつく。果実は多くは閉鎖花から熟し,地上と地中とにできる。
北海道では山菜として食され、栽培化も試みられた比較的身近な植物になっている。特にアイヌの人たち好まれ、味は”甘栗”のようで炊き込みご飯や煮物にした『アイヌ民族博物館だより』。栄養成分分析によるとカリウムが多く含まれ、ついでリン、マグネシウムほかとなっている『伝承有用植物』。アイヌの人たちがいつ頃から食用にしていたのか分からないが、万葉集(4252)では別れがたい防人の想いをノイバラに絡みつくマメの姿に重ねて歌っており、このマメはヤブマメとされ、昔からその存在は知られていたようだ。
◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて 正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
げんのしょうこは、季語では夏。昨日2011年10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「現の証拠・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★十五夜の箱根山道踏みおりぬ 正子
ドライブウエィーでなく細い山道かと思います。十五夜の頃であれば道の両側には薄も穂を出し月光に耀いていたことでしょう。それにしましても又とない体験をされたものと思います。 (黒谷光子)
○今日の俳句
十五夜の光り差し込む青畳/黒谷光子
藺草の匂いもすがすがしい青畳に十五夜の月の光が差しむと、畳の上はきよらかな月光の世界。畳に踏む月光のすがすがしさと美しさを簡潔な句にまとめた。(高橋正子)
?上野の東京都美術館であるボストン美術館展に行った。10月9日まで開催なので、ぎりぎり。2時から3時45分ぐらいいた。1時に出掛け5時に帰宅。この時間で展覧会が見れるのは、首都圏に住む幸福。
ゴッホのルーラン夫妻の画が揃って展示。「郵便配達夫ジョセフ・ルーラン」、「子守唄(ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ ルーラン夫人)」と英一蝶の170年ぶりに修復をした「釈迦涅槃図」が主な見どころか。現代アートでは、ジャッキーと題したジャクリーンの青い写真があった。ケネディ暗殺後の憂いを含んだ喪服姿の顔部分。セザンヌの「卓上の果物と水差し」、モネの「くぼ地のヒナゲシ畑」があった。エジプト、中国のものも。アメリカの現代美術も。
フェノノサやモースなどのコレクションした日本のものは、アメリカ人好みと思われた。蕪村の吟行図の屏風があったが、あまりいいとは思わない。渋さというか、陰影というか、静かさというか、そういう感じの日本画がなかった。眼鏡を忘れたので、細部が見えなくて残念だった、随分視力が落ちている。
天心の十五夜。真夜中になって雲が晴れて月がくっきり見えた。
寒々と十五夜月を観て戻る 正子
十五夜の月よ深夜は身を冷やす 正子
十五夜の空の青さと白き雲 正子
十五夜月高く遠くの欠けし円 正子
十五夜の都電なりけりみな揺られ 正子
吾亦紅すすきが八百屋の店頭に 正子
○十五夜
わが家路ゆく手に満月あおぎつつ 正子
満月のひかり花色照らしだす 〃
満月の葛の花色照らしだす 〃
満月の色やわらかに昇り初め 〃
風邪熱の覚めて月のベランダに 〃
?十五夜句会ご案内
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて 正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
[2016年]
げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★刈り進む稲田の真っ赤なコンバイン 正子
今、当に稲刈りの真っ最中です。黄金に熟れた豊かな稲田を真っ赤なコンバインが爽やかな音を響かせて刈り進んでいる。コンストラストが鮮明でコンバインの勢いと刈り進んでゆく人の収穫の歓びも合わせ見えて参ります。(佃 康水)
○今日の俳句
満月や瀬戸の潮騒高まりぬ/佃 康水
月に左右される潮の干満。満月が昇ると、おだやかな瀬戸もざわざわと潮騒が高まる。潮騒の高まりに、ますます輝く満月となって、臨場感のある句となった。(高橋正子)
○貴船菊
[貴船菊/横浜日吉本町] [貴船菊/イギリス・コッツウォルズ]
★観音の影のさまなる貴船菊/阿部みどり女
「秀明菊」という名前を俳句では使いにくい。「秀明」という漢字が俳句的ではない。ことに「秀」が。したがって「貴船菊」を使うことになる。菊とは言え菊とは別の仲間。一重のものは、花の形が大ぶりながら可愛い。愛媛の砥部に住んでいたころ、近所の上品な夫人の家に一もと白があった。あちこちでも見るが、たいてい数本である。去年9月にイギリスに旅行したとき、コッズウォルズ地方の家々に咲きみだれていた。コッズウォルズで貴船菊に遇うとは、と驚いたのだが、しばらく見ているうちにそれがいかにもこの地方らしいと、納得した。大かたは、ピンク系であと少し白があった。ライムストーンの石壁によく馴染んでいた。コッズウォルズでも貴船菊は生活する花たちである。暮らしにも、家のたたずまいにも密着している。イングリッシュガーデンが日本でも一部で流行だが、一番は色合いが絵画的で、ゆっくりとした透明な時間が流れている。
★小さき村貴舟菊をどの家も/高橋正子
秀明菊は貴船菊ともいう。俳句では貴船菊が多い。多く観られる京都洛北の貴船に由来する。ピンクの花弁は実は額片で中央の黄色は雄蕊、地下茎で増える。
シュウメイギク(秋明菊、学名:Anemone hupehensis var. japonica)とは、キンポウゲ科の植物の一種。別名、キブネギク(貴船菊)。名前にキクが付くが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間である。中国から古い時代に入ってきた帰化植物である。文献上では「花壇綱目」に「秋明菊」の名前で記載が成れていて、日本に定着していたことが窺える。中国では明代末の「本草綱目」には記載はなく「三才図会」に「秋牡丹」の名前で記載されるようになる。「秋牡丹」の呼称は貝原益軒も「大和本草」で使用している。以後日本の園芸書には「秋明菊」「秋牡丹」で紹介されることが多くなり、「しめ菊」「紫衣菊」「加賀菊」「越前菊」「貴船菊」「唐菊」「高麗菊」「秋芍薬」などの多様な別名で呼ばれることになった。花色は赤紫色であるが、近年、他種との交配品種が市販されるようになり、弁数が少ない品種や白色の品種が多く栽培されて名称の混乱が見られる。多年草で開花期は秋、高く伸びた花茎の上に大柄な花をつける。花は多数の赤紫色の花弁状の萼片が目立ち、本物の花弁はない。
◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)

★藤袴スカイツリーのいや真直ぐ 正子
古来より親しまれた秋の七草と、時代の最先端のタワーとの対照的な存在感ながら、秋空のもと美しく爽やかな景観です。淡紫色の小花の藤袴と空へ真っ直ぐ伸びる巨大なスカイツリーが新鮮に目に映り、風景の広がりを感じさせてくれます。(藤田洋子)
○今日の俳句
幾重にも石積みの畑秋高し/藤田洋子
段々畑は、石を積み上げて猫の額ほどの畑を山頂へと幾段も作った。作物にやる水も下から桶で運びあげねばならず、日本の零細農業の象徴のような存在だが、その景観は美しい。秋空を背にして山頂までの石垣がまぶしい。(高橋正子)
今日午前11時家を出て、横浜市緑区の四季の森公園へ信之先生と出掛けた。
釣舟草と、コスモス、しらやまぎく、野菊が見頃だった。コスモスは見頃とはいえ、今年の天候のせいで花はまばら。しかし、色が鮮やかで、写真にはよく撮れた。園内の草地で持って行った弁当を食べた。爽やかな行楽日和だった。午後2時半帰宅。帰りは公園から中山駅までタクシー1040円也。電話で呼んだから送迎費が加算されてるみたい。
中山駅前で、衆議院選挙演説を、E氏がしていた。「民進党から出馬ですか」と取り巻きに聞くと、「今悩んでるんですよね。当選しなきゃ話にならんから。」ということだった。民進党はあるのか、もうなくなってるのか。
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★藤袴スカイツリーのいや真直ぐ 正子
スカイツリーは真っ直ぐすぎ、高すぎ、姿からすると東京タワーの方が人気があるとききました。藤袴との取り合わせが新鮮です。 (多田有花)
○今日の俳句
さわやかに心を決めていることも/多田有花
この句は、心にきめていることがあって、それはさわやかなものだ、というのみである。体内をさわやかに風が吹く感じだ。(高橋正子)
○白曼珠沙華
[白曼珠沙華/横浜日吉本町] [白曼珠沙華/横浜・四季の森公園]
★白曼珠沙華群れて池への斜面に立つ/高橋信之
★旅すれば棚田棚田の曼珠沙華/高橋正子
日本に自生している彼岸花類では、白い彼岸花 白花ヒガンバナ(アルビフロラ)、黄色い彼岸花 ショウキラン、赤い彼岸花 曼珠沙華、橙色の彼岸花 キツネノカミソリやオオキツネノカミソリ、などがよく知られています。
白花ヒガンバナあるいは白花まんじゅしゃげといわれるものには、花色、花形、葉色の異なるタイプがいくつかあります。花色は純な白というわけではではなく、クリームがかった白、うすいピンクがかった白、濃い目のピンク(アルビピンク、チェリーピンク)などいくつかの変異が見られます。花形は、花弁がやや幅広くてフリルの入るものや、細弁のものなどがあり、いずれも強く反転します。葉色にも濃淡の差があります。
白花ヒガンバナの中で、花弁が幅広くてフリルの入るタイプを「アルビフロラ」、細弁のタイプを「エルジアエ」と言うんだよ、と教えてくれた人があります。一般には、広弁のタイプも細弁のタイプも含めて、白花ヒガンバナ(アルビフロラ)で流通しているようです。「フォーン」は、アルビフロラに似ていますが、クリーム色の広い花弁が波を打ち、力強くてりっぱな花姿です。開花はアルビフロラとほぼ同じで、9月半ばごろになります。
白花ヒガンバナは、黄色のショウキランと彼岸花の雑種といわれています。そうなると、ショウキランの相方はよく実の着く中国産の彼岸花だったのでしょうか。それともショウキランが日本の彼岸花とたまたま巡り会って、白花ヒガンバナが生まれたのでしょうか。いろんなタイプの白花ヒガンバナがあるということは、いくつかの巡り会わせがあったのかもしれません。色彩の世界では、赤と黄色を混ぜ合わせたら、オレンジないしは柿色などを想像しますが、ショウキランの黄と彼岸花の赤とがかけ合わされた結果、白色の花ができるというのも、なんだか不思議な感じがします。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)
