晴れ
●急に寒さが厳しくなった。霜が降ったりはしないが、すぐに体が冷える。
●「ゆうメール」のスタンプを買いに日吉商店街へ行ったが、売っていない。仕方なく、郵便局に封筒を持って行ってスタンプを押して帰った。切手やレタックス、スマートレターも購入。
●「角川俳句」12月号には、クローズアップに髙橋句美子の新作7句「冬の星」が掲載された。
同じ号に「日本語の美学」と題して言語学者の金田一秀穂氏と玉藻主宰の星野高士氏の採録対談が載っていた。司会は星野高士氏の娘の星野愛氏。星野高士氏は、ホトトギス派(虚子一門)なので、「季題先立て」の方法で句を作られ、対談でも下に引用した発言があった。季題先立ては、季語や季題を重視し、それを軸にして句を作ることで、季題や季節を強調し、自然の美しさを詠う。
星野氏は次のように言っている。「俳句は花鳥諷月や季語、季題からみて何を発想するか。私にはそれが永遠のテーマです。ところが今はいろいろな場所で俳句会をしていると、みんな現地で考え、まず言葉がでてからどの季題にしようと考えている。吟行でも歳時記を開いている人がいると、それは駄目ですよと言います。そういう風に作ると、当てはめているような句が多いんですよね。成功すれば問題ないですが。」
しかし、一方で作句の方法には、「後付け」の方法もあって、独自の魅力があり、観察や体験を大切にすることで、より個性的で新鮮な句が生まれることもある。同じ人がどちらの方法もとって作句することもある。星野氏の「それは駄目ですよ」と言ってしまうのは問題を孕んでいる。「成功すれば問題ないですが」とは言っているものの。星野氏はホトトギスの後継者として著名ではあるけれど、「私の流派では」の断りがあってもよかったのではと思った。そうしないと、初心者は俳句は「季題先立て」で作るものと思ってしまう。総合俳誌は俳句を勉強したい初心者に熱心に読まれているから注意が必要と思われる。
また、「後付け」の方法をとる場合の「観察や体験を大切にする」というのは、観照の態度や心境のレベルなどを含めて、仏教的、哲学的次元などが考えられる言葉で、それは詩の根本をなすものなので、受け流してはいけない。
この対談はほかにも面白いテーマがあった。それは、のちほど折に触れて書きたい。
晴れ
大学の銀杏黄葉の奥から散り 正子
銀杏黄葉の坂の上なる校舎まで 正子
改札の中に一葉の大紅葉 正子
●循環器の定期受診。診察室にクリスマスの花が箱に入れられていたので、担当医師に「かわいいですね」というと、嬉しそうに「ありがとう」と。病院も季節感を大切にしている。
●病院に行っただけなのに、疲れて何もできなかった。今日はいい天気で、昼間も冷え込んだでいるので、体が冷えた感じ。暖房をしっかりして、音楽を聞いた。年賀状は喪中明けなので、仕舞にされる方もいると思いながら、夜中近くなって書いて、すぐ投函した。
●Yさんからはがき。シニア施設に入居され、そこはホテルのようで快適な様子。しかし「自分の俳句ができないのは予想外」と書いてある。すぐに彼女の住所録を書き換え、返事を書いた。
晴れ
●夕方、アップルパイと、おかずを句美子の家へ持って行く。帰ってから夕食。日曜9時のクラッシック番組、今日は途中から、シューベルトのザ・グレートを聞く結果となった。指揮は97歳のブロムシュテット。あとでYouTube で小澤征爾指揮、サイトウキネン・オーケストラで聞いた。同じのを前にも聞いていたが、2楽章と3楽章の間の長さ、いつも何かを思う。58秒ある。普段「調」はよくわからにので気にしないで聞いたいたが、3楽章を聞いて「これがハ長調というものか」と初めて認識した。
●花冠1月号正子の俳句日記に校正ミスを見つけた。書いたその時に間違えないようにするのが最善。本日より気を付ける。
晴れ
初富士を見むと上りぬいつもの丘 正子
一品のお菜食べたく慈姑炊く 正子
●月例ネット句会の賞品を送る準備をする。それには、入賞者の表をつくる。表は統計となっているので、一目瞭然、私的な感情を入れず、誰がいい句を作っているのかわかる。真ん中あたりは、優劣つけがたいこともわかる。
●年賀状に書く句を考える。
室戸岬
わが白息朝日の色となる岬 信之
初富士を見むと上りぬいつもの丘 正子
●晴れが続いて、空気が乾燥しているせいか、指8本があかぎれ。小さい傷のあかぎれでいつも思うのが、イソップの「ライオンとねずみ」の話。百獣の王のライオンは小さい棘一本が抜けないで困っている。そこへねずみが来て抜いてくれる話。
曇り
冬林檎ひとつは夫に供えけり 正子
●昨日夜中、花冠372号を入稿。今日午後2時前に初校のデータを受け取り、すぐ校正したが、訂正はなかった。12月19日夕方到着予定。20日(金)に発送し、23日(月)か24日(火)に届く予定。
●編集が終わたら、7月号のときのように独りで、打ち上げをしようと思っていた。それが、食べたいものもないし、炬燵でぼうーとしていたいだけ。自分を支えていたものが、幻だった気がしている。狐にだまされたというのは、こういうことなのか。コーヒー、紅茶、お茶を何杯飲んだことだろう。マルティーニの「愛の喜び」なんか聞いて、たんにぼうっとしている。
●発送用の封筒用意。宛名貼り付け。郵便局で料金の確認。
●ネット短信No.430を出す。来年度年会費と維持費納入の案内。
●月例句会の初参加の土橋さんが住所を知らせてくれたので、すぐ、花冠7月号を送った。
12月月例ネット句会にご参加、ありがとうございました。今年も1年間月例ネット句会を続けることができました。多くの方が休まずにご参加くださるので、心強く思います。ご支援、ご協力をありがとうございます。
5月には信之先生の忌日の芍薬忌句会にも皆様のご参加をいただきました。その時の句は仏前に清書て供えています。皆様から芍薬忌の句を頂き、家族も喜んでおります。
また、恒例になりました年末に「みんなで選ぶ今年の最優秀句」も、急なお願いながら、大勢の方に選んでいただき、選出することができました。昨年とは違う顔ぶれでした。最優秀句の句美子さん、次点の晃さんおめでとうございます。
それに今月は土橋みよさんがご参加くださいました。みよ様のコメントの書き込みによりますと、『手袋の色』(髙橋句美子著)からこの月例ネット句会にたどり着かれたとのこと。ありがとうございます。感情豊かな句を投句され、あたたかい思いになりました。第2日曜日が月例ネット句会になっております。ぜひ、次回のご参加もお待ちしています。
今年も月例ネット句会の賞品をささやかながら、お送りしたいと思っています。年末にはお届けできるかと思います。
それでは良い年末をお過ごしください。来年も月例ネット句会をよろしくお願いいたします。これで12月月例ネット句会を終わります。
2024年12月12日
髙橋正子
晴れ
●23時、花冠No.372(1月号)を入稿。表紙の色は緑。出来上がりは12月19日。78頁になった。前号より4頁増えた。中身はびっしり詰まっている。入稿はPDFファイルをドロップすればそれで終わり。編集中の苦労に比べれば、あまりにもあっけないので、一瞬不安がよぎる。多分あす午前中には、校正データが来るだろう4校までしたが、素人なのでまだミスが見つかるだろう。それに、乾燥つづきで、人差し指にあかぎれができ、仕事がはかどらない。紙をさわるとこうなる。
●校正が済めば、1週間でしなければいけないことが待っている。①年会費納入の案内のネット短信、?発送準備。③月例ネット句会の賞品の用意、④お歳暮、⑥定期診療。20日以降は、①花冠1月号の発送、?寿餅会でお寺へ、③ネット句会賞品発送、④正月の買い物、⑤掃除。手抜きできるのは、正月の準備と掃除だけ。
●『角川大歳時記』に信之先生と私の俳句を載せると連絡があったが、まだ確かめていない。角川に載るのは初めてなのに、ちょっと面倒なのだ。
晴れ
●1月号(No.372)の編集が完了したので、読んでいたら、巻頭抄の作品があまりよくない。そんなはずはないと、みんなの投句をはじめから読み直した。巻頭抄の選をやり直すことにした。それと、原稿の順番も変更した。穴埋めにコラムを作っていたが、雑多な感じがするので消した。そのため、ページ数を調整するために、正子の俳句日記を1ページ分削った。時間がかかってしまったが、一日の手間を惜しんでは後悔することになる。睡魔と闘いつつ、頑張りました。
●生協の配達にサクッと豚カツがあった。レンジで2分温めればよい。味噌汁と、この豚カツで夕飯に。ラディッシュを酢漬けにしていたら、赤く染まって
美味しくなっていた。これもお菜に。夜になると冷え込んできた。
晴れ
●花冠1月号(No.372)編集完了。80頁になった。80頁になれば、全体を見渡し、誌面にメリハリが要る。イラストとか、囲みとか、記事サイズを変化させるとか。楽しいと言えば楽しい作業だが、一つ間違えるとあちこちが狂う。予定より1日遅れたが、明日入稿の予定。印刷用インクが次々なくなり、買い置きもなくなり、近くのOKでマジェンダを買い足す。何とかしのげた。
●編集中はずっと寒かったが、夜インクを買いに出てからは、全然寒くない。もしや気温が上がった?片頭痛もなおっている。
■12月月例ネット句会/入賞発表■
2024年12月9日
【金賞】
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
「全き雪嶺」に目を瞠る作者の様子が。たちまち思い浮かぶ。朝夕、さまざまな姿を見せる石鎚山は、ことに雪嶺は圧巻だ。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃
愛媛県の西に長く伸びる佐多岬。時雨に降られながら、鳥がしずかに渡ってゆく。さびさびとした鳥の渡りが大きく詠まれている。(髙橋正子)
26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
秋には、鋭い声で鳴いていた鵙も、冬となっては、静かに枝に止まっている。視線の鋭さもいくぶん和らぎ、瞑想めいている。秋、冬と姿を変える鵙だ。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
水鳥が飛沫をあげて着水したと思うと、次の水鳥が又やって来て飛沫をあげる。水鳥も、それを見ている作者も喜々としている。(髙橋正子)
09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
上州の空っ風は、天のすみずみまで塵をはらい、すっきりと晴れ渡らせた。広大な、塵一つない晴れ渡る天への賛歌。(髙橋正子)
12.星空が輝く冬の夜明け前/高橋秀之
星空が最も輝くのは、空気が冷え込んだ夜明け前。多くの人がまだ眠りについているその時こそ、星空はみごとに輝くのだ。それを見届けた作者。(髙橋正子)
【髙橋正子特選/8句】
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
次々と着水する鳥の様子が良く見える。又来たりが効いている。(廣田洋一)
12.星空が輝く冬の夜明け前/高橋秀之
冷え切った夜空に星空が最高に輝き、綺麗な空は夜明け前ですね。冬の未明の頃を歩く、作者が想われます。 (桑本栄太郎)
20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う/土橋みよ
干し柿が冬日に照り、風に乾いて軒先に揺らいでいる光景は郷愁を誘いますね。旅路の果てに想う故郷の景色がいつまでも変わらぬものであるよう祈りたいですね。 (柳原美知子)
24.蜜柑一つ持てば炬燵の暖かき/吉田 晃
炬燵での冬の団らんにつきものの蜜柑。丸くてひんやりとした蜜柑一個の感触が、賑やかで暖かい家族の団らんを思い出させてもくれます。 (柳原美知子)
26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
冬の寒さのなか、今はしんとした様子が感じられます。 (髙橋句美子)
29.ストーブの炎に和む夜の読書/西村友宏
炎だから、ガスストーブか灯油のストーブだろう。炎が小さく揺らめくと手元の影が揺れ、それが疲れと緊張をほぐしてくれる。温かい家庭が感じられる。(吉田 晃)
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
冷えた朝、雲が晴れてると見上げる石鎚山が冠雪していました。朝日に輝く雪の峰に冬本番を実感されたことでしょう。(多田有花)
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃
【髙橋句美子特選/7句】
11.冬の陽が海を染めあげ群青に/高橋秀之
日の光が海全体を照らして鮮やかな光景が一面に広がっている。「染めあげ」と言う表現で、よりスケールの大きい情景が浮かびました。 (西村友宏)
26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
冬の寒さのなか、今はしんとした様子が感じられます。 (髙橋句美子)
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
冷えた朝、雲が晴れてると見上げる石鎚山が冠雪していました。朝日に輝く雪の峰に冬本番を実感されたことでしょう。(多田有花)
09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
16.天竜の川あおあおと冬はじめ/髙橋正子
20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う/土橋みよ
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃
【入選/10句】
01.いにしえの戦は枯野の城址かな/弓削和人
つわものどもが夢の跡はそこが枯野となっても続きます。遠い昔その城をめぐって戦った侍たちがいた、そこに思いを馳せておられます。(多田有花)
25.枇杷の花咲き初む川沿いの道に/多田有花
枇杷の花が白く開き始め、ほんのりと甘い香りが川沿いに漂う散歩道。新たな季節の始まりが実感されます。 (柳原美知子)
28.毛糸帽深く被りてカフェ巡り/西村友宏
私自身もこの季節毛糸の冬帽子を深くかぶるのですが、これが本当に暖かい。冬のカフェ巡りのひとときを温かい気持ちで暖かく過ごす幸せのひとときです。(髙橋秀之)
30.読みかけの図書を返却十二月/西村友宏
借りた本をいつかいつか読もうとしていると、いつのまにか年末になった。あわただしい年の暮れの景観が目に浮かぶ。(弓削和人)
33.冬麗の新たな一歩吾子新郎/柳原美知子
御子息がご結婚されたのですね。吾子との言葉にこれまで育てられてきた万感の思いを感じます。(多田有花)
04.綿虫や想い出遠くなりいたる/桑本栄太郎
07.見事なる赤城のすそ野熊眠る/小口泰與
14.時々は見知らぬ鳥や冬の川/廣田洋一
23.冬銀河見上げ夜業の門を出で/吉田 晃
31.コック像へ冬薔薇の束名店閉ず/柳原美知子
■選者詠/髙橋正子
17.京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
ふりかかる時雨に古都ならではの五重塔や冬紅葉がうっすらと浮かび過ぎる車窓。しとりとした旅情を感じます。(柳原美知子)
16.天竜の川あおあおと冬はじめ
先日お墓参りに帰られた旅の車窓から見えた景色でしょう。天竜川は大河です。ゆったりと初冬の風景の中央を流れていきます。(多田有花)
18.冬港止水のごとく潮が照り
■選者詠/髙橋句美子
34.新しきブーツの音は街中に
新しいブーツの足音を聴きながら歩く街は、また新鮮に思えることでしょう。クリスマスの季節の街を颯爽と歩かれる姿が目に浮かびます。 (柳原美知子)
35.冬帽子編まれた糸のやわらかさ
36.冬夕焼け真っ白な壁に夫婦の影
●互選最高点句(4点/同点3句)
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
16.天竜の川あおあおと冬はじめ
集計:髙橋正子
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