■新年ネット句清記
2018年1月2日
6名30句
01.新年の時報とともに着信音
02.元日の定点写真は鳥居前
03.帰省する友を迎えて初詣
04.添え書きに笑みを浮かべし年賀状
05.初売りを買う買わないで初けんか
06.ギュウギュウと押し込む餅の詰め放題
07.床暖房児は素足で遊びおり
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ
09.お元日晴れ賜りて国旗だす
10.青竹より流るる手水初詣
11.初詣杜の落葉のかく踏まれ
12.松飾通りすぎれば松匂う
13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む
14.元日の家路にあがる円き月
15.初詣空の青さの全きに
16.正月の菓子が若草色なれり
17.元日の暮ゆく時の中にいる
18.時移りゆく元日の夜となりぬ
19.天井に今日元日の灯が灯る
20.元日の夜となり天井に灯を
21.元日の満月が高い帰り道
22.初詣石段上り願い事
23.冬の風電飾揺らす並木道
24.注連飾るドアが連なる様々に
25.冬晴れに大掃除の音がする
26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海
27.大年の潮の香溢る魚市場
28.石鎚の冬灯掲げて野は眠る
29.ウインナコーヒー淹れて新春を祝い
30.元日や猫の日課のパトロール
※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。
●新年ネット句会(2018)投句案内●
①投句:当季雑詠(新年か、冬の句)5句
※これまで3句投句でしたが、5句投句といたします。
②投句期間:2017年12月30日(土)午前0時~2018年1月2日(火)午後6時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月2日(火)午後7時~午後10時
②入賞発表:1月3日(水)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月3日(水)正午~1月4日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
賀正 2018年元旦
あけましておめでとうございます。本年も高橋正子の俳句日記をよろしくご愛読ください。
○初詣○
★海よりの長き石段初詣/多田有花
海の近くの寺社。寺社への長い石段は海から続き、海はいかにも穏やかである。長い石段の上からの眺めも素晴らしいことだろう。よい初詣。(高橋正子)
○若水○
★若水のくらきを汲んで手を清む/高橋正子★
○年頭○
★年頭躍筆墨条のみの白馬の図/中村草田男★
正月の床を飾るに相応しく、健康で、力強い句である。俳句の短い詩形、それに白と黒の単純さを生かした、俳句のよさである。(高橋信之)
●賀状の返事を書く。賀状の体裁は2種類用意。
元日の空は遠きに綿雲を 正子
松飾通り過ぎれば松匂う 正子
バラの実の朱もめでたしお元日 正子
正月の黒豆漆黒の艶を 正子
どの家の壁にも初日の強さあり 正子
夜7時15分からテレビのウィーンフィル・ニューイヤーコンサートのライブ中継を見た。指揮者はリッカルド・ムーティ。会場には多くの日本人の顔が見えた。世界90か国以上に配信されたそうだ。終了後すぐ来年の指揮者の発表があったが、聞き逃した。チケットは公平を期すため、ネット販売だけらしいが、1番席4800ユーロぐらい見たい。京大名誉教授でクラッシック通の西村先生が留学中にホルン奏者のすぐ後ろでこのコンサートを聴かれたそうだが、実際に聞くとまるで違うものだったそうだ。
○蝋梅(ロウバイ)

[蝋梅/横浜・四季の森公園]
★風往き来しては蝋梅のつやを消す/長谷川双魚
★蝋梅の咲くゆゑ淡海いくたびも/森 澄雄
★蝋梅や樅をはなるる風の音/古館曹人
★文机に蝋梅一朶誕生日/品川鈴子
★蝋梅咲いて森の正午の空の青/高橋信之
★蝋梅のはじめの一花空に透け/高橋正子
ロウバイ(蝋梅、?梅、臘梅、唐梅、Chimonanthus praecox)は名前に梅がついているためバラ科サクラ属と誤解されやすいが、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。開花時期は、12/25 ~ 翌 3/15頃。お正月頃から咲き出す。花の少ない季節に咲く、うれしい花です。とてもよい香り。中国原産。日本には17世紀頃に渡来。よく見られるのは蝋梅のうちの「素心蝋梅(そしんろうばい)」。花の外側だけでなく内側も黄色いのが特徴。ふつうの「蝋梅」は内側がちょっと赤っぽい。葉っぱは、ふつう花が咲く前に落葉するが、開花時にまだ残っていて徐々に落葉する場合もあるようだ。表面はザラザラした感触。花のあとでできる実は、なんともユニークな形。花の姿からは想像できない。マンゲツロウバイ(満月蝋梅)、トウロウバイ(唐蝋梅)などの栽培品種がある。1月27日の誕生花。花言葉は「先導、先見」。
◇生活する花たち「冬桜・水仙・万両」(横浜日吉本町)

横浜日吉本町・金蔵寺
★除夜の鐘鳴りはじめなる一の音 正子
年越しの準備も整い、家族がくつろいで新しい年を迎えようとするとき、近くのお寺から除夜の鐘がかすかに聞こえてきます。その一の音。すると家の外も中も、いっそうの静寂に包まれます。年を送り新たな年を迎え、また今あることの意味合いをしみじみと思います。(小西 宏)
○今日の俳句
乗り換えの国ざかい駅雪深し/福田ひろし
乗り換えで立ち降りた駅は国ざかい。思わぬ雪の深さに、国を境に、こんなにも雪の降りようが違うものかと感慨も深む。(高橋正子)
●3ヶ日は、だれも来ないので、「三肴と雑煮」を固く守って、それだけで正月をする。
夕方日吉東急に食品の買い物に。東急前の出前郵便局で年賀はがきを買う。銀座清月堂の落し文と、苺、海老天麩羅、洋風惣菜のセットを買う。黒豆、田作りは、手作りした。数の子は今年も生協の無漂白。
年越しそばは出しつゆ濃いめの天ぷら蕎麦を作る。これが美味しかった。惣菜セットは食卓の飾り。
○ユズリハ

[ユズリハ/横浜日吉本町]
★楪のしきりに殖ゆる古葉かな/原石鼎
★楪の日本の家明るき日/高島茂
★父とかはす年賀短かし共に主/高島茂
★枯れ落ちた楪の葉は一年目 琴姫
★楪の葉のいれかはり新成人 征夫
★楪の赤きところが見ゆる庭/高橋正子
ユズリハ(楪、交譲木または譲葉、学名:Daphniphyllum macropodum)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。古名はユズルハ。雌雄異株。高さは10mほど。葉は長さ20cmほどで枝先にらせん状につく。花には花被がなく、葉腋から総状花序を出す。花の形態がトウダイグサ科に似るので古くはトウダイグサ科に含められたが、心皮が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから独立のユズリハ科(Daphniphyllaceae)とされた。APG分類体系ではユキノシタ目に入れられている。ユズリハの名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。クマリン系アルカロイドのダフニクマリンを含み、中毒の原因となる。日本では、本州の福島県以西、四国、九州、沖縄に、アジアでは、韓国、中国中部まで分布し、暖地の山地に自生する。
◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)

★年逝かす蘭の華やぐ丈見上げ 正子
○今日の俳句
年の瀬の遮断機上り街動く/藤田洋子
遮断機が上ると一斉に車が忙しく動き出す。年の瀬の街の風景をよい視点でとらえた。(高橋正子)
○フランス柊

[フランス柊/横浜日吉本町]
★落つことも降ることもなき赤き実は/高橋信之
★赤き実の一と日しっかと木に付ける/高橋信之
★雪冠るフランス柊我が庭に/高橋正子
ヒイラギモドキは、モチノキ科モチノキ属、別名 シナヒイラギ ヒイラギモチという。
たまたま訪れた県林業技術センターでシナヒイラギ、また延岡植物園でフランスヒイラギと標示されている木を見かけました。ちょうど真っ赤に熟した美しい実がついていましたので、園芸種と思いますが、載せることにしました。両方ともヒイラギモドキ 別名シナヒイラギと思います。セイヨウヒイラギは、葉が普通の楕円形で縁全体に鋭い鋸歯が取り囲んでいますが、ヒイラギモドキの葉は、葉の形そのものが大きな不整形の鋸歯を形成するような特殊なかたちをしています。
ヒイラギモドキも、セイヨウヒイラギも、ヒイラギの名がついていますが、モクセイ科モクセイ属のヒイラギとは無縁のモチノキ科モチノキ属です。モクセイ科のヒイラギには、赤い実をつけるものはないと思います。鋭くとがった歯牙のある硬い葉と赤い実をクリスマスの飾りとするお馴染みの植物で、欧米では、クリスマスホーリーと呼ばれているようです。欧米ヨーロッパ中南部からアジア西部の原産だそうです。多くの品種があり、果実を観賞するために庭に植えられる常緑高木です。モクセイ科のヒイラギに似た葉を持つモチノキの意で、ヒイラギモチともいわれています。なお、セイヨウヒイラギとヒイラギモチを別種としているもの、ヒイラギモチを別名シナヒイラギとしているもの、また、クリスマスに使うのはアメリカヒイラギとしているものなど、いろいろ名前については、扱いが一定していないようです。(HP「みやざきの植物散策」より)
◇生活する花たち「アリストロメリア・サンタンカ・ユリオプスデージー」(横浜・綱島)

横浜日吉本町金蔵寺
★侘助へ寺の障子の白き張り 正子
お寺参りをされたのでしょう。張り詰めた寒さの部屋に、只一つの侘助が挿されている。障子の白さが花を引き立てているようです。(祝 恵子)
○今日の俳句
庭師らは寺に冬苗運び入れ/祝恵子
何の苗か。正月を迎える葉牡丹などであろうか、あるいは苗木か。庭師が入って寺の庭が年末新たになる。(高橋正子)
○さるとりいばらの実

[さるとりいばらの実/東京白金台・自然教育園]
★炉なごりの小柴にまじる山帰来/石原八束
★やすらひてさるとりの花杖にあぐ/中村若沙
★何の実といふこともなく実を結び/山下由理子
★赤い実に猿近づきて山の秋 芝滋
★色染めて路傍の秋やサンキライ/夢夢ばあさん
★さるとりの実があかあかと平和なる/高橋信之
★さるとりいばら実は幼き日とおなじ/高橋正子
西日本ではサルトリイバラ(猿捕茨)の若葉で餡餅(あんもち)を包み、端午の節句の柏餅のカシワの代わりに用いられます。関東では一般的な柏の葉だが、柏の葉が手に入り難い関西で、いばらの葉を代用した事が始まりとの事でした。俳人の私には「いばら」と云うと野茨を思いますが、「いばら餅」に使う葉はサルトリイバラ(猿捕茨)の葉だそうです。サルトリイバラ(猿捕茨)を図鑑で引いてみると『西日本では柏餅のカシワの代用とする』とやはり書いてあります。またこの葉をサンキラ葉と言うらしく、「いばら餅」をサンキラ餅とも呼ぶとの事です。サンキラ? 聞きなれない言葉なのでこれも調べてみました。正確にはサンキライと言い、山帰来と書くそうです。 サルトルイバラの別称でした。山帰来の名の由来について 『昔は毒消しの実として使われていた。 山野に多く自生しているため栽培をおこなうことはせず、毒消しの必要がある時に山に入り実を食べて帰ってくるという利用をされていた事から』と環境gooの植物図鑑に載っていました。中部地方も柏の葉が入手し難かったようで、昔は専ら「いばら餅」だったとの記事も散見しました。 三重県も同様ですが、三重県在住の方々のブログには「いばら餅」が三重県独自のお餅のように思っておられる記述が幾つか見られました。確かにネットで「いばら餅・いばら饅頭」を検索してみるとブログや和菓子店のHPは三重県発信のものが殆どでしたから、現今でいまだ一般的に親しまれているのは三重県だけなのかも知れませんね。(「≪‘のぶ`のフォト俳句≫~from伊勢」より)
サルトリイバラ(猿捕茨、学名 Smilax china)は、サルトリイバラ科(またはユリ科)に分類される多年生植物(半低木)。漢語で??と書く。東アジア(中国、朝鮮半島、日本)に分布する。日本では北海道から九州までの山野や丘陵の林縁などに自生し、日が当たり水はけのよい場所を好む。草丈 70?350cm ほどで這うように伸び、茎は硬く緑色で棘が所々に生える。葉は互生し、円形または広楕円形で先端が尖り、基部は円く、硬く表面には光沢があり、3?5 本の葉脈がある。雌雄異株で、4?5月になると葉腋より散形花序を伸ばし多数の花を付ける。 花は淡黄で、6枚の花被片は先端が反り返る。雄花には雄蘂が 6本、雌花には子房が 3室・柱頭が 3本ある。果実は直径 7mm 程度の球形の液果で、秋に熟すと赤くなる。ルリタテハの幼虫が食草とする。
根茎は薬用に使われる。四国地方などの関西圏以南では、葉を柏餅を包むのに用いる。園芸用では、庭園の添景木や、赤く熟す果実は生花にも用いられる。繁殖は 3月頃に播種する。サルトリイバラの別称はサンキライ、がめの木、かから、がんだちいばら、からたちいばら、等
サンキライはサルトリイバラ(学名 Smilax china)の俗称だが、正確には別種(学名 S. glabra) で、本来、サンキライ(山帰来)は日本に自生しない。俳句ではサルトリイバラをサンキライと呼ぶ事が多い。
山帰来(サンキライ)は中国に産するユリ科のつる性木本である土伏苓(ドブクリョウ)を指す俗称とされてきたが、これによく似た同じくユリ科のつる性木本であるサルトリイバラの俗称ともなっている。しかし、山帰来の名前の由来に関するさまざまなパターンのストーリーを見かけるが、山帰来の名前の起源がどこにあるのかわからない。
◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
>

★南天の実も水音もかがやかに 正子
水音のするほとりにある赤い南天の実が目にうかびます。寒さの中にも、新しい年を迎えるよろこびが、かがやかしく、清々しく伝わってくるようです。(小川和子)
○今日の俳句
冬椿蕾結べりきっぱりと/小川和子
冬椿の蕾の固さが凛とした空気に「きっぱりと」した姿を特に印象付けている。(高橋正子)
●風は冷たいが良い天気。年末の買い物。慈姑の美味しそうなのがなので店を3店廻ったが、元に戻り、初めの店で買った。慈姑を普段に食べたのは昔のことになった。
歳暮にと山葵と山葵の花が荷に 正子
田の泥の鉄色なりし慈姑選る 正子
年暮れてベルガモットの風呂香る 正子
信号の色を眩しめ日と寒風 正子
正月の花の千両実をこぼす 正子
○ひいらぎ南天の花
[ひいらぎ南天の花/横浜日吉本町]
★天辺に花咲かせたり柊南天 遊雀
★朝日受く柊南天の花と 照れまん
★子ら遊ばせ柊南天逞しき/高橋信之
★柊南天花はミモザのような黄に/高橋正子
ヒイラギナンテン(柊南天、学名:Mahonia japonica)は、メギ科ヒイラギナンテン属の常緑広葉低木。中国南部、台湾、ヒマラヤ原産で、庭や公園などに栽培される。葉は、奇数羽状複葉で互生して付き、厚く皮質で光沢があり、葉縁には深い鋸歯がある。冬~初春、房状花序に沿って黄色い小花を咲かす。秋に黒熟する果実の表面には白い粉状のものが付着する。別名:トウナンテン(唐南天)。同属には約70種あり中国から北米・中米にかけて分布する。小葉の細長いホソバヒイラギナンテン M. fortunei もよく栽培されている。
◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・百両(たちばな)・冬紅葉」(東京白金台・国立自然教育園)

★水仙の香を吸いながら活けており 正子
○今日の俳句
猪狩を外れし犬と出会いけり/多田有花
猪狩をしてきた犬と山道で出会った。「外れし」が犬をうまく言いえている。猪を追い、山中を駆け回った犬と、今は静かに山を下る犬との対比が読み取れるのである。(高橋正子)
●私の部屋の蛍光灯がきれて2日。今日も夜になって気づく。本も読めず、ひたすらラジオを聞いて眠る。点けっぱなしになって、6時半のラジオ体操で目覚める。第2放送に切り替えて、基礎英語3、英会話、ドイツ語の番組を聞く。英会話はナットキングコールのTHE CHRISTMAS だけ。ドイツ語はフランクフルトの美術館とライン下り、ゲーテの肖像画の話など。それから起き出す。すごく晴れて、冷え込む。
師走の朝日すでに明るく部屋を埋め 正子
新聞と紅茶の匂う年の暮 正子
ぴりぴりと空から冷えて冬菫 正子
寒波来てチーズスフレの空気感 正子
○ローズマリー

[ローズマリー/横浜日吉本町]
★文届くローズマリーの咲く朝/四ツ谷 龍
★残り香やローズマリーの胸にあり 華了
★ローズマリー日永の句座の眠くなる 暢一
★秋うららローズマリーの優しき香 チー
★わが街に花多しローズマリーも/高橋信之
★寒き日もローズマリーの花淡し/高橋正子
「ローズマリーの花」は、年に数回、冬の厳寒期を除いていつでも咲く。12月の「寒き日」にも咲く。それが「花淡し」なのであり、詩情のある句だ。(高橋信之)
ローズマリー(学名:Lamiaceae Rosmarinus R. officinalis)は、地中海沿岸地方原産で、シソ科マンネンロウ属の常緑性低木。生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用いられる。花も可食。属名Rosmarinusは「海のしずく」を意味する。愛や貞節の象徴とされる。様々な品種があり、立性と匍匐(ほふく)性種に分かれる。花の色は、青から紫色のものがほとんどだが、白や桃色のものもある。和名マンネンロウの漢字表記は「迷迭香」であるが、これは中国語表記と同一である。
◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)

★ようやくに伸びし丈なる田芹買う 正子
○今日の俳句
冬晴れて登ることなき山のぞむ/川名ますみ
冬晴れに高い山が望める。その山に自分は決して登ることはできないが、その山の姿のすばらしさに、登ることはかなわないが、せめて心だけでも登ってみたい思いや憧れがある。(高橋正子)
○きちじょうそうの実

[きちじょうそうの実/東京白金台・自然教育園]_[きちじょうそうの実と花/東京白金台・自然教育園]
★解夏草を持ちて僧来る海女の家/石原八束
★吉祥草咲き出でて世をおそるるや/青柳志解樹
★吉祥草日暮は早くなりにけり/佐久間耕
キチジョウソウ(吉祥草、学名:Reineckea carnea)は、百合(ゆり)科キチジョウソウ属の常緑多年草。日本国内では関東から九州、また中国の林内に自生し、栽培されることもある。地下茎が長くのびて広がり、細長い葉が根元から出る。花は11月頃に咲く。ヤブランにやや似た穂状花序で茎は紫色、花は白い花被が基部で合生し筒状となっている。果実は赤紫色の液果。花が咲くことが少なく、たまに花が咲くときにはよいこと(吉事)があると言われたため、吉祥草の名が付いた。実際には毎年秋に花を咲かせるのだが、生い茂った葉に隠され、葉をかき分けなければ目に付かないことが原因のようだ。解夏草はキチジョウソウの別称。
◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
★冬の雨窓打つ音のついに暮れ 正子
止みそうでなかなかやまない冬の雨。止んだら外出しようと思いながら向かう机だがついに止むこともなく夕暮れてしまった。「ついに暮れ」に雨上がりを待っていた気持ちがよく表現されていると思いました。 (古田敬二)
○今日の俳句
冠雪の富士山遠く旅の空/古田敬二
冠雪の富士山を遠くに見て、いよいよ日本を離れる旅の空にいる。海外の旅に出るとき、富士山を目に収めたいのは大方の人であろう。(高橋正子)
●クリスマス。朝外に出たら雨の降ったあと。夕方洗濯物を取り入れるとき、「記憶にある寒さ」に出会った。寒さが心地よいのだ。
さっぱりと雨のあとなるクリスマス 正子
夕方の寒さきよらかクリスマス 正子
ごつごつと牡蠣が詰められ荷となれり 正子
牡蠣に添え檸檬に残る青さよき 正子
○ミモザの花蕾
[ミモザの蕾/横浜日吉本町] [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]
★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波
葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス”mimos”(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を”mimosa”と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。
◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)

