小石川植物園
★やわらかに足裏に踏んで桜蘂 正子
あれほど心待ちにしていた桜の花もすっかり散り終り、今では葉も伸び、桜蘂がしきりに降っている・・・。移りゆく時の流れを足裏の感覚に惜しみ、葉桜の新緑となった木蔭の心地よさも愛でている作者の心情が垣間見えます。(桑本栄太郎)
?今日の俳句
●朝方雨。のち曇り、ときに、ぱらつく。
プランターのパンジーを抜き、夏の花の植え付けのために土を休ませる。古い土を蘇らせる土を混ぜる予定。これが意外と花にはいいようだ。カサブランカが茎をのばし60センチくらいに。
小型の電気ストーブ以外暖房器具はしまう。
○花水木

[花水木/横浜日吉本町(左:2010年4月27日・右:2012年4月29日)]
★一つづつ花の夜明けの花みづき/加藤楸邨
★アパートは新装アメリカ花水木/林翔
★松屋通りアメリカ花水木の盛り/宮津昭彦
★花水木街へ海光真直に/有馬朗人
★三郎の忌日埋めゐし花水木/高島茂
★女子寮に皿洗ふ音花水木/皆川盤水
★花水木手を空へ向け深呼吸/中村忠男
★独り居に慣れて明るき花水木/広木婦美
★定年はやがてくるもの花みづき/日下部宵三
★待ち合わす銀座の角の花水木/高橋正子
ハナミズキ(花水木、学名:Benthamidia florida)はミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。北アメリカ原産。別名、アメリカヤマボウシ。ハナミズキの名はミズキの仲間で花が目立つことに由来する。また、アメリカヤマボウシの名はアメリカ原産で日本の近縁種のヤマボウシに似ていることから。
ミズキ科の落葉小高木。樹皮は灰黒色で、葉は楕円形となっている。北アメリカ原産。花期は4月下旬から5月上旬で白や薄いピンクの花をつける。秋につける果実は複合果で赤い。庭木のほか街路樹として利用される。栽培する際には、うどんこ病などに注意する。またアメリカシロヒトリの食害にも遭いやすい。
日本における植栽は、1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄が、アメリカワシントンD.C.へ桜(ソメイヨシノ)を贈った際、1915年にその返礼として贈られたのが始まり。この話は、1981年海底版の日本の中学生向け教科書「NEW PRINCE」中3版でもエピソード的に取り上げられた。なお、2012年に桜の寄贈100周年を記念して、再びハナミズキを日本に送る計画が持ち上がっている。
ハナミズキの深刻な病害であるハナミズキ炭疽病の感染地域では、感染によってハナミズキの街路樹が枯死すると、ハナミズキ炭疽病に抵抗性があるヤマボウシまたはハナミズキのヤマボウシ交配品種に植え替える病害対策が行われることがある。
◇生活する花たち「いちはつ・藤・梨の花」(横浜市緑区北八朔町)

★春月の光りにも触る午前二時 正子
真夜中の春の月が明るく、またうるむように照り映えている。つと手を伸ばせば触れそうな気がするほど。神秘的で幻想的な気分に誘われる御句です。(河野啓一)
○今日の俳句
ムスカリのかたまり青く日溜まりに/河野啓一
ムスカリは白や薄水色などもあるが、青い色がかたまって咲いているのをよく見かける。日溜まりに咲き揃っているのを見るとかわいらしい。(高橋正子)
●一昨年、去年と、4月23日に鎌倉へ牡丹を見にでかけているが、今年はどこにも行かず。
●鎌倉に今年も行く。(2017年4月23)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/e2/b6e5becc9fc49a9c567163995e548a8a.jpg
●鎌倉に行く。(2016年4月23)
◆鎌倉の牡丹/2016年4月23日撮影:高橋正子(花冠主宰)◆
○あやめ


[あやめ/横浜日吉本町・西光院(2012年5月6日)][いちはつ/横浜日吉本町・西量寺(2013年4月16日)]
★あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべ/松尾芭蕉
★あやめ草足に結ばん草履の緒/松尾芭蕉
★鯉のぼり泳ぐよ下に花あやめ/高橋正子
★入学して校門内の花あやめ/高橋正子
アヤメ(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。アヤメは山野の草地に生える(特に湿地を好むことはない)。葉は直立し高さ40~60cm程度。5月ごろに径8cmほどの緑色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
○生活する花たち「三葉躑躅(みつばつつじ)・葱坊主・繁縷(はこべ)」(横浜日吉本町)

4月ネット句会は、第2日曜日が8日でしたので、花祭りの日と重なりました。ご参加ありがとうございました。また、入賞の皆様おめでとうございます。
4月ネット句会から、高橋秀之さんのご長男の成哉さんが子花冠ども俳句会を卒業し、参加してくれました。4月に神戸大学に入学したばかりの若い学生さんです。「継続は力なり」を実践されているようで、将来がたのしみです。
入賞発表のコメントを整理するのが遅れましたが、4月22日に最終的に全てのコメントを発表することができました。ご覧ください。来月の句会は5月13日(日)の母の日となります。楽しみにおまちください。(花冠主宰/高橋正子)
★春月の光りにも触る午前二時 正子
真夜中の春の月が明るく、またうるむように照り映えている。つと手を伸ばせば触れそうな気がするほど。神秘的で幻想的な気分に誘われる御句です。(河野啓一)
○今日の俳句
ムスカリのかたまり青く日溜まりに/河野啓一
ムスカリは白や薄水色などもあるが、青い色がかたまって咲いているのをよく見かける。日溜まりに咲き揃っているのを見るとかわいらしい。(高橋正子)
●gooブログを使っているので、3月末ごろからgoo事務局からメールが頻繁に来る。これが、偽メールと気づく。この種類のメール、なかなか怪しいと気づかない。ITにあまり通じないので、操作をミスったかと思うのだ。被害はなかった。
ランドセルを連休中に予約するからと息子からメールが来た。納品は来年2月という。目当てのランドセルは7月には完売するらしい。それで、入学祝ののし袋(子どもにわかりやすいように、ランドセルを背負った男の子と女の子の図柄)を買ってきた。今ごろ入学祝いを送るのは、ちょっと間抜けた感じなのだが、世の中そうなっている。一回の入学祝ではすまないだろうが。
○あやめ


[あやめ/横浜日吉本町・西光院(2012年5月6日)][いちはつ/横浜日吉本町・西量寺(2013年4月16日)]
★あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべ/松尾芭蕉
★あやめ草足に結ばん草履の緒/松尾芭蕉
★鯉のぼり泳ぐよ下に花あやめ/高橋正子
★入学して校門内の花あやめ/高橋正子
アヤメ(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。アヤメは山野の草地に生える(特に湿地を好むことはない)。葉は直立し高さ40~60cm程度。5月ごろに径8cmほどの緑色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
○生活する花たち「三葉躑躅(みつばつつじ)・葱坊主・繁縷(はこべ)」(横浜日吉本町)

★学び舎にチャイムの鳴りてチューリップ 正子
休憩時間が終わって、校庭で遊んでいた子どもたちが校舎に戻っていく。校庭の花壇のチューリップが、新学年の子供たちを見守るように咲き誇っている様子が見えてきます。(高橋秀之)
○今日の俳句
大空へ初蝶くるくる舞い上がる/高橋秀之
「くるくる舞い上がる」と見た目は、童心そのもの。大空へ舞い上がる初蝶に元気があってかわいい。(高橋正子)
●自由な投句箱が利用できなくなっていたが、明日から利用できるようにする。
利用停止の原因は、4月7日から11日(USA時間)のメールの大量の送受信にあった。そのために、goo
メールのことをかなり時間をかけて調べるはめになったが、勉強にはなった。ここ10日はネットの油断ができなかった。
○牡丹

[牡丹/横浜日吉本町・金蔵寺(2013年4月15日)]_[牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮(2012年4月28日)]
★牡丹散ってうちかさなりぬ二三片/与謝蕪村
★寝床から見ゆる小庭の牡丹かな/正岡子規
★風止んで牡丹のかたち整いぬ/高橋正子
★古き家に牡丹の咲いてぼたん色/高橋正子
ボタン(牡丹、学名:Paeonia suffruticosa)は、ボタン科ボタン属の落葉小低木。 または、ボタン属(Paeonia)の総称。 別名は「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」「天香国色」 「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」「ぼうたん」「ぼうたんぐさ」など多数。 以前はキンポウゲ科に分類されていたが、おしべ・花床の形状の違いからクロンキスト体系ではシャクヤクとともにビワモドキ目に編入され、独立のボタン科とされた。 (ウィキペディア)
◇生活する花たち「藤①・藤②・石楠花」(横浜箕輪町・大聖院)

★濃きお茶に春の灯しを入れて飲む 正子
濃いお茶は深い味わいとやわらかな渋みを含んでいます。ほっと一息ついた夕べ、濃きお茶とご家庭の暖かな春灯を感じながら喉を潤せば一日の疲労を優しく癒してくれる事でしょう。(佃 康水)
○今日の俳句
良き音を手元に鳴らし蕨摘む/佃 康水
蕨を折り取るときの、「ぽきっ」というみずみずしくて軽い音。それが「良き音」。次々にその音が鳴れば、うれしさもそれだけ増してくる。蕨採り、野山に遊ぶ嬉しさがさわやかに詠まれている。(高橋正子)
●俳壇追加注文の代金支払う。
晴れ。朝は肌寒かったが、午後は初夏の陽気。花屋を除く。
○西洋おだまき

[西洋おだまき//横浜日吉本町(左:2012年6月15日・右:2013年4月18日)]
★をだまきや乾きてしろき吉野紙/水原秋桜子
★をだまきやどの子も誰も子を負ひて/橋本多佳子
★をだまきの花に風吹く陵の道/石原八束
★おだまきの花の造形こまやかに/高橋正子
★玄関の水栓隠す花おだまき/高橋正子
★西洋おだまき深山おだまき植え揃え/高橋正子
西洋おだまきは、キンポウゲ科オダマキ属の耐寒性宿根草。花期4月ー6月。現在の日本で西洋オダマキと呼ばれているものは、ヨーロッパ原産のアクイレギア・ブルガリス(Aquilegia valgaris)と北米産の大輪の花を咲かせる数種との交配種をさすようになっています。オダマキの仲間はもともと雑種をつくりやすいこともあって、きわめて多数の園芸品種がありますが、多くの場合、国内では個々の品種名を明記せずに色別や混合種子の形で流通しています。いずれも丈夫な宿根草で、高さ30?50cmになり、株の中心からまっすぐ伸びた茎に赤、黄、青紫、白、桃色などの4?5cmの花を多数咲かせます。葉は根元にまとまってつきます。
本来セイヨウオダマキの和名をもつアクイレギア・ブルガリスの変種に八重咲きのフローレ・プレノ(A. vulgaris var. flore-pleno)があり、変種のステラータ(A. vulgaris var. stellata)は同じ八重咲きでも、距(花の後ろに突き出した部分)のないタイプで八重咲きのクレマチスのような形の花を咲かせます。
◇生活する花たち「木苺の花・藤の花・姫林檎の花」(横浜日吉本町)

★春ほのぼの棚にあげたる書の紙も 正子
冬には冷え冷えとした白さを覚える書の紙も、春ともなると、明るい柔らかさを醸しだしてくれるようです。棚に置かれた書の紙が、まるで出番を待っているかのように「春ほのぼの」としたあたたかさを感じさせてくれます。(藤田洋子)
○今日の俳句
柳青みて水に照り水に垂る/藤田洋子
「柳青みて」の上七に力強さがある。以下「水に照り水に垂る」の五・五と続く五音のリズムも力強い。柳はしなやかなものとして詠まれることが多いが、この句は柳を力強く詠んで成功した。
○苧環(おだまき)

[おだまき/横浜日吉本町]
★おだまきや旅愁はや湧く旅のまへ/水原秋桜子
オダマキ属(オダマキぞく)は、キンポウゲ科の属の一つ。ラテン名のアキレギアやアクイレギア(Aquilegia)ということもある。本属の植物の総称がオダマキ(苧環)である。苧環は元来は機織りの際に麻糸をまいたもののことで、花の形からの連想である。日本、アジア、ヨーロッパに約70種くらい自生し、日本のものは山野草として愛好される一方、外国産のものには品種改良が行われ、園芸植物として広く市場に出回っているものがある。日本にはヤマオダマキ、ミヤマオダマキの2種が山地から高山にかけて分布する。ミヤマオダマキはむしろ山野草として栽培される。
花の外側の花弁のようなものは、じつは花弁ではなく萼である。花弁はその内側にあって、ややまとまって筒状になる。花弁の基部からは角状の距が伸び、萼の間から突き出る。根出葉は普通2回三出複葉で細かく分かれ、先端には丸っこい小葉がつく。茎が高く伸びるものでは、やや小型の茎葉が出る。全草が有毒。
◇生活する花たち「花水木・いちはつ・藤)」(横浜日吉本町)

★雉啼くや子二人育てつつ暮らす 正子
お子さんがまだ小さいころの御句でしょう。ふと鳴いた雉の声に耳をとめられました。
子育てに日々あわただしく過ごされている中にも、季節が巡り行くさまに感慨を覚えられた
ことと思います。(多田有花)
○今日の俳句
花びらの舞い散る中を山に入る/多田有花
花の舞い散る山は、花が終わりかけ、新緑に変わろうとする山で、季節の変わりざまが目に、体に感じ取れる。山には、いち早く季節がめぐって来ているようでもある。(高橋正子)
●俳壇5月号の追加注文3冊が届く。
○十二単衣(じゅうにひとえ)

[十二単衣/横浜・四季の森公園(2014年4月16日撮影)]
★汝にやる十二単衣といふ草を/高浜虚子
★日を浴びて十二単衣の草の丈/岡本まち子
★行く春の十二単衣の薄紅に/高橋正子
「ジュウニヒトエ(十二単)」は、シソ科キランソウ属の多年草で日本固有種です。学名:Ajuga nipponensis。開花時期:4月から5月。本州や四国に分布し、農道や山際などのやや湿った場所に生えます。草丈は15~20cmほどで、晩春に咲く唇形の花は茎の先に何段も輪生し、下から咲き上がってきます。
ジュウニヒトエ(十二単衣)の和名は、花が重なり合って咲く姿を宮中の礼装として着用した十二単衣に見立てて付けられたものです。
◇生活する花たち「もっこう薔薇・草苺・葱坊主」(横浜日吉本町)

<
font size=”3″>★岩に滾る水にかがやく猫柳 正子
猫柳は早春に咲く。川べりに多く、その花は銀色でやわらかである。。岩の間から滾る春の水に映って、その銀色がますます美しい。早春の川べりの情景が浮かんでくる。(古田敬二)
○今日の俳句
どの木々も根元まっすぐ春の影/古田敬二
「根元まっすぐ」がすっきりしていてよい。冬の間に寒風に晒され、雨雪に耐えた木々である。余分なものを落としての「根元まっすぐ」だ。その影が春の影として柔らかなのがいい。(高橋正子)
●俳壇5月号をメールで3冊追加注文。編集長の安田さんから、感謝のメールが返信で届く。
goo事務局からブログ「自由な投句箱」について、再開できる手続きがとれるようにしたとのメール。
○クレマチス(鉄線花)

[鉄線花/横浜日吉本町]
★鉄線を活けて有馬の筆作り/大坪景章
★クレマチス咲く中年は美しき/永井潮
★鉄線花みな平らかに空を向く/高橋正子
クレマチスはつる性植物の女王といわれるに相応しく、美しい大輪の花を咲かせる。しかも蔓は枯れることなく、毎年新しい枝を伸ばしては、その先に花を咲かせ続け、数年たつうちには、たくましく成長して大きな株になり、夥しい花を咲かせる。
クレマチスというと外来の花のようにも思われるが、今我々が普通に眼にしてい るものは、日本に自生していたものをベースにしている。日本人はそれを鉄線といって長い間愛でてきた。今日でもクレマチスの総称として、鉄線という言葉を使う人は多い。
詳しく言うと、日本のクレマチスには、鉄線と風車とがあった。鉄線は花びらが6枚で、風車のほうは8枚だから、容易区別できる。もっとも花弁に見えるものは、萼が発達したもので、本来の花弁は退化して存在しない。
風車の名は、その形状から来ている。八方に広がった羽のような花びらの形があたかも風車を思わせるのだ。一方鉄線は丈夫な蔓が鉄線のようだからだろう。こちらは中国伝来のものである。
クレマチスは北半球に広く分布している。欧米のものは花が小さい。そこで日本のように鉢仕立ては余り行われず、修景用に用いられることが多い。最近は日本のものとヨーロッパのものを掛け合わせて、多彩なクレマチスが作られている。
花言葉は美しさや高潔に関連したものが多い。花の持つ優雅さの現われだろう。
◇生活する花たち「藤①・藤②・石楠花」(横浜箕輪町・大聖院)

★欅若葉空をうずめて浅みどり 正子
山地や人家の庭に20メートルにも達する大木が新鮮でみずみずしい若葉で空一面をふさぐように萌え出る景はとっても素晴らしいですね。(小口泰與)
○今日の俳句
山風のこよなき匂い四月かな/小口泰與
春の山は萌え出る木の芽や落葉の匂いが混じって、「春の山の匂い」を特別に感じさせる。山風にのって運ばれる「こよなき匂い」は、四月こその匂い。(高橋正子)
●句美子の俳壇掲載句をコピーして、花冠同人に送る。ちごゆり、きんらんの写真を同封。珍しがられる人も中にはおられるので、当たりかまわず送る。
○豌豆の花

[豌豆の花/横浜日吉本町] [豌豆の花/横浜都筑区川和町]
★花豌豆大学生の下宿せり/高浜虚子
★花豌豆定年までの右顧左眄/品川鈴子
★豌豆の花の白さを見つつゆく/阿部ひろし
★豌豆の白花ばかりなりしなり/堀志皋
★花豌豆渚に潮の満つる音/成智いづみ
エンドウ(豌豆、学名:Pisum sativum L.)は、マメ科の一・二年草。広く栽培され、食用となっている。一般に、エンドウマメとも。別名にノラマメ、グリンピース(未熟の種子を食用とする場合の呼び方)、サヤエンドウ(莢豌豆・絹莢、未熟の莢を食用とする場合の呼び方)。日本での栽培種には、ウスイエンドウ、キヌサヤエンドウ、オランダエンドウ、がある。
古代オリエント地方や地中海地方で麦作農耕の発祥とともに栽培化された豆で、原種は近東地方に今日でも野生している P. humile Boiss. et Noo. と推察されている。もともとは麦類の間で雑草として生えてきたこの原種の野生植物を、種実を食用にしたり、根粒菌による土の肥沃化に効果があるなどの利用価値を発見することで、麦類とともに混ぜ植え栽培するようになり、次第に栽培植物として品種改良が進んだと考えられている。この地域では農耕開始期に、カラスノエンドウもエンドウと同時に同様の利用が行われ始めたが、こちらの栽培利用はその後断絶し、今日では雑草とみなされている。また、同じ地域に起源を持つマメ科作物としては、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメが挙げられる。麦作農耕とともにユーラシア各地に広まり、中国に伝わったのは5世紀、日本へは9-10世紀には伝わった。 また、メンデルが実験材料としたことでも知られている。
さやの硬さにより、硬莢種(こうきょうしゅ) P. s. ssp. arvense Poir. と軟莢種(なんきょうしゅ)P. s. ssp.hortense Asch. がある。硬莢種はその名のとおり莢(さや)が固く、主として完熟して乾燥した豆を収穫して利用する。花は紅色である。軟莢種は莢が柔らかく、未熟な莢をサヤエンドウとして利用したり、成長を終えて乾燥前の生の豆をグリーンピースとして利用する。花は白いものが多い。スナップエンドウは軟莢種の中でも豆が大きく成長しても莢が柔らかく、豆と莢の両方を野菜として利用できる品種である。
原産地が冬に雨が多い地中海性気候の近東地方であるため、夏の高温期は成長適期ではなく、麦類と同様に基本的には秋まきして翌春収穫する。冬の寒さの厳しい東北北部や北海道では春まきして初夏に収穫する。連作に弱く、一度栽培した土地では数年間栽培が困難となる。また、原産地が土壌にカルシウムなどが多い乾燥地帯であることから想像できるように、酸性土壌にも弱い。
◇生活する花たち「いちはつ・藤・梨の花」(横浜市緑区北八朔町)
