7月15日(日)

★ひるがおのこの世に透ける日のひかり  正子
野原や道端で他の草や木にからみ、朝顔に似た小さな花を開き、日中に咲いて夕べにはしぼむ可憐な昼顔に日が射している素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

○今日の俳句
目高の子ぐいと水面を走りけり/小口泰與
平明な句で句意がはっきりしている。目高の子が水面を「ぐい」と蹴るように走る。目高の子の力強さが、生き生きとして涼しさを与えてくれる。命の涼しさ。(高橋正子)

●H30「俳壇8月号」の今月の秀句に多田有花さんの句が5句載る。コピーして会員に配布する準備。

自分の句は忘れがちで、句集を見てみようとしたら、自分の句集がない。みんなの句集は揃っている。
第1句集『月の樫』が一冊見つかったが、第2句集『花冠』はどこ行った?こんなに自分を粗末にしているとは。家じゅうを探そう。

7月14日(土)

font size=”3″>★なでしこの苗に花あり風があり  正子
なでしこの苗には花の色が分かるようにひとつ二つの花があり、そしてその花が風に揺れている様子が、涼しさを伝えてくれます。(高橋秀之)

○今日の俳句
せせらぎの木陰のめだか動かずに/高橋秀之
せせらぎの木陰はすずしそうだ。涼しさを喜んで、目高が活発に泳ぐかと思えばそうではない。じっとして、木陰の水の涼しさを体で享受しているようだ。(高橋正子)、

●ゴミ出しの日。とにかくゴミを搬出しなければ。クーラーを入れる。ゴミを出す。古新聞と段ボールを資源回収場所へ。Asahi Weeklyを買いにコンビニへ。それから洗濯。床の雑巾がけ。鉢の水やり。シャワー。
卵が溜まったので4個茹でる。アイスコーヒーを作って飲む。ここまでが起床後2時間の仕事。朝食までは至らない。主婦の雑用でござい・・だ。

先週広島の妹たちに災害の様子を電話で聞いて、その後メールしたが音沙汰なし。
今日また電話。

「子どもたちを有名にしたり、出世させようと思うな。有名になってはいけない。」これが髙橋の家訓。
今朝、俳句の話からこの話になった。

○巴里祭(パリ祭)

[パリ、モントルグイユ通り、1878年6月30日の祭日/クロード・モネ画]_[京都祇園祭/ネットより]

7月13日(金)

★ひまわりの黄色澄みしを供花にもす  正子
ひまわりが咲き始めました。ひまわりにも色々な種類がありますが、畑一面に黄色を振りまく小ぶりの花は、周囲のみどりとも相俟って、透き通るような黄色です。供花とすれば、明るい色にほとけさまも喜ばれる事でしょう。。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
茄子苗の花の咲きつつ売られけり/桑本栄太郎
茄子の苗が売られているが、はや、紫の花がついて、みずみずしく勢いがある。植えればすぐに根付き、よく実を結ぶそうだ。(高橋正子)

俳句界の9月号結社広告の句を送信。明日から3連休が始まる。去年も13日に原稿を送っている。
35度も暑さ。体調不良。

○胡麻の花

[胡麻の花/横浜緑区北八朔]

7月12日(木)

 鎌倉街道
★竹林に夏の真青な水打たれ  正子
禅寺の境内にある竹林の小道をゆくと、飛び飛びに続く敷石に打ち水がなされ、しっとりと濡れています。真青な竹の葉や幹を透して届く夏の明るい光によって、その敷石や土までもが緑がかって揺らめいています。色も水も、そして静けさもみな瑞々しく、涼しげに感じられます。(小西 宏)

○今日の俳句
緑濃き風に吹かれて書道展/小西 宏
緑濃き風が吹き抜け、心地よい会場の書道展。緑濃き風に、墨色もいきいきと浮き上がってくる。(高橋正子)

●連日梅雨豪雨の災害の報道。広島県が一番死者が多い。

○向日葵(ひまわり)

[向日葵/横浜市港北区箕輪町]        [向日葵/横浜日吉本町]

7月11日(水)

 箱根湿性花園
★湿原のはるかな水に未草  正子
実際に行ってみたことはありませんが有名な箱根の湿性花園です。湿原が遠くまでつづいて、可憐な睡蓮やその他の水草たちが点在する、広々とした景色が目に浮かびます。 (河野啓一)

○今日の俳句
隣家の窓に今朝より青簾/河野啓一
隣家の窓を見ると、今朝からは、青簾がかかって目にも涼しげ。隣家も夏支度が整って、夏本番を迎える。(高橋正子)

●夕べ仕事から帰っていると、すぐ傍を消防自動車が通り過ぎた。続いて救急車。わが家より100メートルほど北に行く感じだ。我が家にはいる角に来たら、別の消防車が来た。すると、先に行った消防車が道を間違えたらしく引き返して、角を曲がり、止まったのは、わがマンションの駐車場前。角を曲がるときに、「鍋を空炊ききしたらしい。」という声を聞いた。思わず「うちじゃなかろうか。」と言ったら、冗談と思ったらしく笑い声。家の前に来ると空気が暑い。どっきり。家に飛び込んだ。何事もなかった。消防車2台と救急車が15分か20分止まったまま。赤い誘導灯が振られている。どこが火事なのだろう。しばらく様子をみていたら、脳貧血状態になって気分が悪くなったので、家に入った。治まったので出てみると消防車はいなく、人もいない。赤い誘導灯を持った人が遠くへ歩いて去っていく。近所を歩いたが、街は全く何ごともない。消防車の停車したあとに水たまりがあっただけ。何があったのかな。

○金魚草

[金魚草/横浜日吉本町]

★金魚草よその子すぐに育ちけり/成瀬櫻桃子
★裏庭の色を集めて金魚草/稲畑汀子
★金魚草風に溺るることのあり/行方克巳
★裏庭に洗濯物干し金魚草/高橋正子
★金魚草金魚鉢には金魚いて/高橋正子

キンギョソウ(金魚草 Antirrhinum majus)はゴマノハグサ科(APG分類体系ではオオバコ科に入れる)キンギョソウ属の植物。南ヨーロッパと北アフリカの地中海沿岸部を産地とする。その名の通り金魚のような花を穂状に数多く咲かせる。花の色は赤・桃 ・白 ・橙 ・黄 ・複色。種は微細だが性質は強健で、こぼれ種でよく殖える。一般的には秋蒔きの一年草で、寒冷地では春蒔きにする。本来は多年草の植物であり、年月が経つにつれて茎が木質化する。金魚の養殖で有名な愛知県弥富市の市の花にもなっている。

◇生活する花たち「蛍袋・時計草・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)

7月10日(火)

★子が去りしことも静かや夏の歯朶  正子
子どもとともに楽しく過ごしていた時間がすぎ、部屋には静寂な空気が流れているばかりです。歯朶の清涼な感じとの取り合わせが洒落ていると思いました。(井上治代)

○今日の俳句
何かしら飛び出て楽し草取りも/井上治代
夏になると草が生い茂る。草取りの作業もたいへんだが、バッタが?ぴょんと飛び出したり、天道虫が飛び立ったりする。それが案外楽?しいのだ。(高橋正子)

●山鳩がよく鳴く。キャンプに来たような気分。朝4時に外へ出てみた。雲はもう白く、空もうっすらと青い。
夏暁の雲はや白く浮いており     正子
山鳩の声のつぎつぎ朝涼し      正子
山鳩や涼しき朝日昇り来て      正子
四国まで海を光らす夏霞       正子
雷鳴に驚くわが身老いたりし     正子

オウム真理教の死刑囚が7名7月6日に処刑された。いやな気分がするものだ。そして麻原が火葬にされたが、斎場がちらっと出たのテレビの写真に驚く。見たことがある。吐き気がする。
オウムの浮遊体験をテレビで見たことがある。なぜマスコミはこのとき報道したのかと、その時も、今も思う。俳句に関しても、マスコミの価値観で動いて、これもオウムと同じくらいいやな気分だ。現実はそうではない俳人の方が多いとは思うが。それが声として聞こえない。

○紅蜀葵(こうしょっき・もみじあおい)

[紅蜀葵(もみじあおい)/横浜日吉本町]

★紅蜀葵肘まだとがり乙女達/中村草田男
★沖の帆にいつも日の照り紅蜀葵/中村汀女
★黄蜀葵花雪崩れ咲き亡びし村/加藤楸邨
★市民アパート誰が咲かすか紅蜀葵

モミジアオイ(紅葉葵、学名:Hibiscus coccineus)は、アオイ科の宿根草。別名は、紅蜀葵(こうしょっき)。北米原産。背丈は1.5~2mくらいで、ハイビスカスのような花を夏に咲かせる。茎は、ほぼ直立する。触ると白い粉が付き、木の様に硬い。同じ科のフヨウに似るが、花弁が離れているところがフヨウと違うところ。和名のモミジアオイは、葉がモミジのような形であることから。
トロロアオイ(黄蜀葵、学名:Abelmoschu manihot )は、アオイ科トロロアオイ属の植物。オクラに似た花を咲かせることから花オクラとも呼ばれる。原産地は中国。この植物から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用される。花の色は淡黄からやや白に近く、濃紫色の模様を花びらの中心につける。花は綿の花に似た形状をしており、花弁は5つで、朝に咲いて夕方にしぼみ、夜になると地面に落ちる。花びらは横の方向を向いて咲くため、側近盞花(そっきんさんか)とも呼ばれる。

◇生活する花たち「あさざ・野萱草(のかんぞう)・山百合」(東京白金台・自然教育園)

7月9日(月)

 愛媛・久万中学校
★教室の窓に夏嶺の高々と  正子

○今日の俳句
赤味さす眉月七月の街に/川名ますみ
赤味を帯びた眉月はやはり夏の月である。街の灯の上に、広い夜空にはかなく、神秘的だ。(高橋正子)

○合歓の花(ねむのはな)

[合歓の花/横浜・四季の森公園]

★そのすがた人にうつすやねぶの花/加賀千代女
★雨の日やまだきにくれてねむの花/与謝野蕪村
★山風の暁落ちよ合歓の花/芥川龍之介
★花合歓や凪とは横に走る瑠璃/中村草田男
★旅多くなりし合歓咲きそめし頃/稲畑汀子
★雲運び合歓の花吹き風飽きず/宮津昭彦
★合歓の花南瓜の花と呼び交す/大串章
★川の辺に潮上りくる合歓の花/能村研三
★花合歓の光あふるる下に居る/高橋信之
★梅雨出水しぶくをねむの木ねむの花/高橋正子

ネムノキ(合歓木、Albizia julibrissin)はネムノキ科(広い意味でマメ科)の落葉高木。別名、ネム、ネブ。葉は2回偶数羽状複葉。花は頭状花序的に枝先に集まって夏に咲く。淡紅色のおしべが長く美しい。香りは桃のように甘い。果実は細長く扁平な豆果。マメ科に属するが、他のマメ科の植物とは花の形が大きく異なる。イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州に自生する。陽樹であり、荒れ地に最初に侵入するパイオニア的樹木である。河原や雑木林に生え、高さは10mにもなる。芽吹くのは遅いが、成長は他の木と比較すると迅速である。ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。温帯で広く栽培され、一部で野生化している。和名のネム、ネブは、夜になると葉が閉じること(就眠運動)に由来する。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものである。花言葉は「歓喜」。夏の季語であり、万葉集や松尾芭蕉、与謝蕪村の句に登場する。

◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)

7月月例ネット句会/入賞発表


■2018年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年7月8日

【金賞】
03.石段へ薔薇の崩るる朝かな/小口泰與
石段へ薔薇の崩れた花びらが散っている朝。散ったのは暁か。石段の清潔さ、華やかな薔薇の儚さが、一層薔薇を美しく思わせる。(高橋正子)

【銀賞/2句】
06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
楸邨忌は、7月3日。楸邨は、隠岐に流された後鳥羽上皇に思いを重ねるため、昭和16年隠岐に遊んだ。36歳の時。そのときの句に「隠岐や今木の芽をかこむ怒濤かな」がある。この句を下敷きとした句で、類想句とも言えるが、楸邨の忌日に隠岐へ押しせまる漁火に、作者もまた、隠岐への強い思い、楸邨への思いを重ねたのである。(高橋正子)

07.大和路を各駅停車夏の旅/古田敬二
大和路を各駅停車の電車でゆっくりと、時間を巻き戻したように旅をする。日がいつまでも高い夏だからこその各駅停車の旅なのだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
今年初めて食べる鮎。焼く火の加減、焼き色にも、どうか上手く焼けますようにと、細心の注意を払う。みんなが初鮎の焼けるのを楽しみにわくわくしているのだ。(高橋正子)

14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
いかにも涼しそうな夏のテーブルの景が見える。座って先ず、冷奴の冷たさを喉に通す。これでひとまず落ち着いてゆっくり食事をいただくのだろう。さっぱりとした句だ。(高橋正子)

28.まるまると桃が売られる帰り道/髙橋句美子
帰り道は、仕事の帰り道か。店頭には、桃がまるまるとして売られている。手にそっと取りたいような瑞々しい桃だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】 
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
まだかな、まだかな、とそわそわしながら焼き具合を覗き込む気持ちが、初の鮎の感じを引き立ててます。(高橋秀之)

06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
壱岐は流人の島、漁火を後鳥羽上皇たちも眺めたことでしょう。7月3日は加藤楸邨の忌日。人間探求派として活躍し、金子兜太、森澄雄らを育てました。(多田有花)

03.石段へ薔薇の崩るる朝かな/小口泰與
12.眼科受診思い立ちたり半夏生/河野啓一
14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
34.夜濯ぎの干す衣に近く大き星/高橋正子
36.百合の巨花わが胸丈に匂うなり/高橋正子

【高橋正子特選/7句】
07.大和路を各駅停車夏の旅/古田敬二
時間の制約を受けず、気ままに巡る旅。大和路であれば見所も多いことと思います。いまごろなら日も長く、ゆったり旅することができるでしょう。(多田有花)
古都、古寺を巡る明るい夏の旅。各駅停車の旅に、ゆったりとした豊かな旅の充足感が感じとれます。(藤田洋子)

31.石鎚を容れて夕虹くっきりと/柳原美知子
夕べにくっきりと出た虹。その半円の虹の中にくっきりと見えた石鎚山。「容れて」がいいと思います。(古田敬二)

24.雨雲の切れて日の差しオクラ咲く/藤田洋子
豪雨も止み、雲間から差す日差しに咲いたばかりのみずみずしいオクラの花が明るく浮かび上がります。安堵の気持ちと植物の生命力に励まされる思いがします。(柳原美知子)

06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
28.まるまると桃が売られる帰り道/髙橋句美子

【入選/12句】
15.無人駅ひとり佇み団扇風/高橋秀之
故郷の無人駅を思います。懐かしい人たちを、一人佇み昔のことを思い出しています。(祝恵子)
無人駅のひっそりとした静けさの中、柔らかい団扇の風が心地よく感じられます。 (髙橋句美子)

18.明易き夜を徹しての水防団/多田有花
先週からの梅雨豪雨では、水防団の活躍が目立った。防災や救助に夜を徹しての作業には敬服する。感謝の気持ちを込めた一句と思います。 (廣田洋一)

20.雨土のなだれるあはれ夏あざみ/廣田洋一
豪雨の度におこる土砂崩れ。今回もまた大雨特別警報の中、各地で多くの被害が出、胸が痛みます。一日も早い復旧をお祈りいたします。(柳原美知子)

26.向日葵は目立つ所へ店頭へ/祝 恵子
七月、梅雨はまだ続いていますが、店先では真夏の演出が始まっています。その象徴である向日葵が紫陽花に替わって店頭の目立つ場所に飾られ始めました。(多田有花)

27.雨に耐え百合の白さよ咲いており/祝恵子 
風雨のなか気高く美しく咲き続ける日本の美が目に浮かびます。(河野啓一)

33.豪雨止み農夫青田を巡回す/柳原美知子
今回の梅雨の大雨は3日間も降り続け、がけ崩れ、河川の氾濫などの緊急避難指示が全国至る所に出され、沢山の被害を齎しました。危険な豪雨が一段落すれば、農夫は真っ先に田圃を見回ります。 (桑本栄太郎)

08.大和路の苗田の曲線美しく/古田敬二
日本の原風景である大和路の苗田の緑の中に浸り、奈良の時代に思いを馳せながらの心豊かな旅が思われます。(柳原美知子)

10.幼子の昼寝覚めたり額の花/河野啓一
昼寝の覚めた幼子に、淡く優しい額の花の彩りを思います。幼子と額の花へ向けられる温かな眼差しの情景です。(藤田洋子)

16.橋脚を滔々とうつ五月川/多田有花
大河の橋脚に次々と濁流が押し寄せ、梅雨の豪雨の怖さを感じます。五月川の迫力と臨場感が感じられます。(柳原美知子)

19.青天にきりりと着たる白浴衣/廣田洋一
青天と白浴衣の鮮やかな色彩に、「きりり」と羽織る浴衣も好ましく、美しく清々しい日本の夏を感じます。(藤田洋子)

01.青りんご煙る浅間と千曲川/小口泰與
23.梅雨雲のたちまち雨の来る迅さ/藤田洋子

■選者詠/高橋信之
★花合歓の光あふるる下に居る
梅雨が上がると、夕暮れの薄明かりの中で、細かい糸を無数に集めたような淡紅色の美しい花を開く合歓の花の下にいる至福の時間を充分に満喫している作者。素敵な景です。 (小口泰與)

★梅雨の灯を受けて広がる広皿よ
★炎天の建築現場のヘルメット

■選者詠/高橋正子
★夜濯ぎの干す衣に近く大き星
暑い季節なので洗濯の回数が増えます。昼間に着たものを夜に洗い、そのまま干します。洗濯物を干しながら見上げると夜空に大きな星たちが見えました。(多田有花)

★百合の巨花わが胸丈に匂うなり
すっくと高く茎を伸ばし花開く百合と、傍らに立つ作者の姿がありありと思われます。ひときわ強い芳香を放つ、百合の巨花の存在感です。(藤田洋子)

★今日の衣を今日夜濯ぎに風うれし

■互選高点句
●最高点(6点)
31.石鎚を容れて夕虹くっきりと/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。