10月23日(水)


快晴。

寄り咲きてりんどう華やかな青を  正子
はなやぎて竜胆咲きぬ陽が当たり  正子
唐辛子花束のこと括り売り     正子
唐辛子吊って飾るも普段なり    正子

●昨日が即位の礼で、祝日で休みであったことを、全く知らなかった。家族からも聞いていない。友人にも会ったが、どこからもその情報がなかった。新聞でも、いつもならある「明日は、○○で夕刊は休みます。」 の知らせを読んでいない。19号の災害をおもんばかってなのだろうか。自分だけが知らなくて、ちょっと腑に落ちない。

●「国民」という言葉を最近よく聞く。何度も、いつでも、どこでも、何かというと使われて、食傷気味。

●仕舞いこんでいた、手提げバッグのキットが見つかった。裁断して、接着心を張った。これで半分で来たようなもの。ミシンが必要なので、とりあえずミシンを押し入れから出す。

10月22日(火)


雨。

秋時雨折り畳み傘をちょっと差す  正子
秋時雨即位の礼の高御座      正子
秋時雨したたかに温帯低気圧    正子
インド美女秋の時雨に出でゆけり  正子

「即位礼正殿の儀」が行われる。一連の儀式で見られる奈良時代から伝わる高御座などがテレビで放映され「色」「配色」を実物の映像を通して見ることができた。儀式で着られる装束は、一人では着れないこと。そのため、着付けに衣文方がいると知った。外国へは、194か国に招待状を出したそうだ。

一昨日ビジネス英会話を聞いていたら、「tradirional」を「伝統の、普通の」、と講師の先生が訳された。普通の」という訳は、目からうろこであった。この「普通の」の訳は間違いではないと思う。「伝統」の意味を改めてよく考えなければ、いけないと思った。「traditional」をそのまま「伝統」と思ってはいけないのだ。

だから、俳句の伝統と言う場合、これをいったいどう考えればいいのだろうか。金子兜太亡くなって、1年半を過ぎ、兜太についても、兜太というより、「革新」について、革新とは、どういうことかについて、意見も出始めた。「俳句四季11月号」の鈴木六林男の特集記事の中に於いてだ。革新が華やかで、中心であってよいのかということを思う。革新がマスコミを喜ばせたことは事実だろう。マスコミの力の増大にともなって、革新が華やかな力をもったのだろうと思う。

10月21日(月)


曇り。

●デイリー句会の秀句とそのコメントが5日分まる。添削すべきかどうか、考えているうちに日が過ぎる。私はは、有季定型で俳句を作るが、一番難しいのは、季語。季語の勉強が足りないせいでもあるが、季語になると言えば、なんでも季語になる。死語のような昔の季語を持ち出されても(今使う理由は何だろうと思うが。花冠の俳句は、現代語で詠むを指標としてあげているのだが)非常にやっかい。季語の問題が出ると急所を突かれた感じがする。俳句と接するのが億劫になる。

破調や句またがり、リズムの問題は、説明がほぼ可能に思える。これは、詩の本質の問題だから。

●循環器のクリニックを変えて今日で4週間。クリニックには20分歩いて行く。先週、金曜日にふらついたことを話すと、そういうこともある、無理をしないように、とだけ言われた。脈が128/分打ったりすることがある。それで、一つ薬が増えた。

クリニックがくれた説明書を読むと、年配者は、急に血圧が180/120ぐらいになることがあるらしいが、慌てて救急病院にいかないこと。2,3日それが続けば、医師に相談、とある。コルステロールは薬が効いて素晴らしくよい値ですと。高血圧、コルステルール、少々食事に気を付けても改善しない。生活習慣病というけれど、原因は複数で、それが絡んで、自分では治しようがないと、あきらめている。

新発見。血圧はずっと低い血圧が続くようにするのではなく、高い血圧が続かないようにすることを目標としている。私は、ずっと低い血圧が続くようにするのだと思っていた。

10月20日(日)


晴れ。久しぶりの太陽にベランダに出ると、竜胆が一気に開花。この秋二度目の花。

 多摩川
台風の洪水跡を夜の電車     正子
鉄橋の秋灯にじむ夜の電車    正子

●「棒針編みの模様編み練習キット」が届く。来年3月まで、毎月20日頃届く。フランス式の編み方でこれまで、やって来た方法と変わりないので、まず安心。今回の練習項目は、ボーダー、縦じま、鹿の子編の模様。色変え。糸の色は、からし、オフホワイト、臙脂。編みやすい糸だが、メーカーはわからない。

役に立ったのは?とじ針の糸の通し方、②糸の後始末は、裏側の同色の糸のところで、上または下の目の糸の半分を割って5目ほど通すこと。③作り目を一段と数えること、④作り目をするときは、編む幅の4倍の長さを残して最初の目を作ること。どれも、基本の「き」。しかし、説明書を読むのも一つの読解力と思い知る。読み飛ばしと思い込みて、糸をほどきやりなおすこと数回。10センチ×10センチの4枚を作る。あとで、つなぎ合わせて、何かを作る。

セーターやベストなどよく編んで、見かけは上手くできたように見えるが、自分自身すっきりしない気持ちでいた。これで、気持ちもすっきり、迷うことなく、編める。

一案を思いついて(特許が取れるかもしれないと..)、キットについている棒針に5センチ間隔でマジックで印をつけた。これは、便利。物差しを持ち出さなくても、糸の長さが測れる、編ながらにして編幅がすぐわかる。

10月18日(金)


曇り。冷え込む。11月の気温らしい。

●もらったコーヒーのゲイシャ。水を測り、時間を計り、慎重に淹れる。ペーパーフィルターで入れたが、いつもなら、淹れているとふわっと膨らむのだが、膨らまない。粉がもう少し粗い方がいいのでは、と思った。味は、酸味がやや強い感じ。昨日淹れたときと、また違う味。冷めてもおいしいが、今日のは、気に障らない味。上等かどうかよくわからないが、貴重な(生産量の5~7%)珈琲を味わった経験は、貴重ということかも。

●信之全句集。あまり乗り気がしなくて、捗らない。300句と編集者は言ったけど、200句でいいのではと思う。
しかし、とにかく、仕事を進める。

●だれも、私に先はあるだろうが、未来があるとは思っていない。年を取ると誰も相手にしなくなる。これが快い。ひろびろとしている。一人未来を目論むのも面白い。

10月17日(木)


曇り。

農業祭青いレモンを片隅に      正子
春菊の育ちしばかりを抜きて売り   正子
   「ゲイシャ」
珈琲に香り立たせて秋深む      正子

●家を出て、UR内の道路を15分ほどまっすぐ歩く。綱島街道のバイバスに突き当り、ベンツの販売会社の横を通り過ぎ、さらに直進。綱島郵便局に行き当たる。そこより引き返す。時間にして50分。URの敷地の草は刈られて、萩や芙蓉、木槿が咲き残る。一番風情があるのは白萩、紅萩。

●スペシャル珈琲のパナマゲイシャを職場の友人がお歳暮代わりとくれた。100g3000円を超える。差しだされて驚いた。日吉の東急でゲイシャが売り出されたよ、と情報をいれたのは私だけに非常に悪い気がしたが、せっかくの厚意、ありがたく受け取った。自分で刺した刺し子の布巾をお返しにしようかな。今できているのは、梅紋。やりかけのはキッチン柄。そうだ、それにコーヒーの俳句葉書。

●これから、日本文学で、丁寧に読むべき本はなにかと、思う。俳句は、芭蕉一人で、結構だという話もある。せいぜい子規を入れるか、とも。大雑把に、万葉集、枕草子、方丈記、徒然草、花伝書、奥の細道。

10月16日(水)


曇り。肌寒い。

過ぎてより金木犀の鋭き匂い  正子
秋深む葡萄の粒のまばらにも  正子

金木犀が今盛り。いつもより少し遅いのでは。日吉本町6丁目の西量寺の前に金木犀の垣根。気づくと、金木犀の大木があちこちにある。

生協の配達。巨峰を頼んだが、甘さが増している。房の具合がいかにも秋の終わりの姿。

10月15日(月)


曇り。

露草と蓼と畑に露を帯ぶ     正子
合唱の響きとどきぬ野分あと   正子
朝顔に露あざやかに宿りたり   正子
台風一過金木犀の匂い出す    正子

台風のあとの今朝、5丁目の丘を歩く。道が洗われてさっぱりとしている。野原の朝顔の青が鮮やか。金木犀が匂わないと思っていたが、急に匂いが流れて来た。すぐ近所に大きな木がある。

●朝いちばんに電話。広報堂というが、新聞に俳句を載せないかと。産経新聞などの広告を請け負っているらしい会社。怪しくはなさそうだが、いくらか出して載せるのだろうと、断った。こういう誘いはよくわからない。

10月14日(月)


曇り。ときどき小雨。20度。急に気温が下がる。

●10月月例ネット句会のコメントの整理など。

●昼頃、金蔵寺まで信之先生と散歩。銀木犀が盛り。この木は横浜市の名木古木に指定されている。それほどは匂わない。法要が行われていた。寒いというので、帰りに、喫茶店プチアントルメに寄り、コーヒー。チーズケーキとスイートポテト。

●金蔵寺の境内の白萩がなよなよと雨露を宿して倒れ伏している。参道には、桜の大枝折れ、そのまま葉を裏返して身をなげだして横たわっている。落葉がかたよってたまる。清少納言ならばどう思うだろうかと、いうことがふと頭をよぎった。

10月月例ネット句会/入賞発表


■2019年10月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年10月14日

【金賞】
07.秋燕や朝の光に群れて飛ぶ/多田有花
夏の間、巣を作り、子育てに忙しかった燕も秋には、大海をわたり南へと旅立つ。旅立ちの前に、集まり群れ飛ぶ姿が、朝の光に眩しい。間もなく去ってゆくことを思うと淋しい。(高橋正子)

【銀賞/2句】
10.秋日和花に触れられ触れてゆく/祝恵子
秋の日和に外を歩くと、咲き乱れる花が触れてくる。触れられれば、また、花に触れてみる。花々のやさしい触感が身に伝わる。花に触れられ、触れる優しい時間だ。(高橋正子)

25.水一杯さらりと鉢のコスモスに/川名ますみ
鉢植えのコスモスに、水を一杯、まるで、人に飲ませるように、さらりと移した。「さらりと」が、さわやかで、優しい。コスモスの花がうれしくて揺れ出しそうだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
13.稲刈機規則正しき音一日/柳原美知子
稲刈機の規則正しい音が休みなく聞こえ、稲は刈り取られて刈田となってゆく。稲刈機の確かな音に豊かな稔りが重なる。(高橋正子)

16.虫の音が夜風と共に流れくる/高橋秀之
日ごと細くなる虫の声。涼しい夜風にのって、窓から聞こえてくるのだ。夜風に乗てくる虫の綴れる声がさびしさを誘う。(高橋正子)

21.富士山の青々そびゆ野分あと/廣田洋一
野分が塵をすっかり払い、富士山は青々として聳えている。長く裾を引く富士の優美な姿をあらためて、日本一の山と思う。私は、四国に住んでいた頃、富士山を日頃見ている人たちは富士山は彼らにどのように思える山なのであろうかと、妙な疑問をもったが、少し、疑問がとけたように思えた。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
10.秋日和花に触れられ触れてゆく/祝恵子
秋の快晴の日は空気が澄み渡って、天高くピクニックや遠足に最適で、コスモス畑でしょうか、その畑の中をコスモスに触れられ触れて歩く素敵な景ですね。(小口泰與)

07.秋燕や朝の光に群れて飛ぶ/多田有花
燕が飛ぶ綺麗な光景が目に浮かびます。(西村友宏)

16.虫の音が夜風と共に流れくる/高橋秀之
夜風にもやや寒さを覚えるころになり、虫の音を楽しめるのも後わずか。秋の深まりを感じ、その秋を愛でておられる様子が伝わってきます。(多田有花)

31.太鼓の音を空へ響かせ子供神輿/高橋正子
秋晴れの抜けるような青空へ響く太鼓の音、子供神輿の元気のよい掛け声、秋祭りならではの爽やかな心和む光景ですね。(柳原美知子)

15.拾いたての栗山の気配をいただきぬ/柳原美知子
21.富士山の青々そびゆ野分あと/廣田洋一
25.水一杯さらりと鉢のコスモスに/川名ますみ

【高橋正子特選/7句】
13.稲刈機規則正しき音一日/柳原美知子
黄金に稔った稲田が次々と刈田へと姿を変えていきます。その中で一日中響いている稲刈機の音。現代的な稲刈り風景がそこにあります。 (多田有花)

04.山柿へ山の光の重なれり/小口泰與
柿のつやつやした表面に光が重なる様子がきれいです。 (高橋句美子)

07.秋燕や朝の光に群れて飛ぶ/多田有花
10.秋日和花に触れられ触れてゆく/祝恵子
16.虫の音が夜風と共に流れくる/高橋秀之
21.富士山の青々そびゆ野分あと/廣田洋一
25.水一杯さらりと鉢のコスモスに/川名ますみ

【入選13句】
24.帰郷バス降車ボタンに秋夕焼/西村友宏
久しぶりの帰郷でしょうか。夕焼けてゆく中の降車ボタン、待ち人達の姿が見えてくるようです。 (祝恵子)

35.朝寒の早起きすれば太陽眩し/高橋句美子
秋になり日の出も遅くなってきましたが、それでも朝日の眩しさを感じるためには早起きが必要である。そして、早起きしてみる太陽の眩しさ爽やかな一日の始まりでもあります。 (高橋秀之)

27.幼名で耳澄まし待つ大颱風/川名ますみ
大型颱風の予報に、子供の頃の怖かったり、どきどきした記憶が呼び覚まされます。刻々と変わる風雨の音にも耳を澄まし待つ緊張感がうかがえます。 (柳原美知子)

09.秋晴れを眺めつついるベッドかな/多田有花
病院のベッドであろう。秋晴れを眺めつつ、その秋晴れの下へ外出したいという思いが伝わってきます。 (高橋秀之)

11.招き猫の切手貼り付け秋便り/祝恵子
切手の図柄が招き猫なんでしょう。その縁起よさげな切手を貼りつけての秋便りは、先方への温かい思いが詰まっていそうです。 (高橋秀之)

12.萩咲けり仏日和の寺の庭/祝恵子
「仏日和」というのが秋晴れの日のお寺の庭を象徴しています。柔和な仏像の笑みのような穏やかな日和、お参りしたお寺の庭には萩が咲きそろっていました。(多田有花)

26.列車の響き次第に減りて颱風来/川名ますみ
最近では、台風の襲来に備えてあらかじめ計画運休する交通機関が増えています。台風19号に備え、首都圏でも電車が次々運休していったのでしょう。それを敏感な耳でとらえておられます。(多田有花)

02.溝蕎麦や細川(ほぞ)を流るる水の音/桑本栄太郎
澄んだ細川の水音もやさしく、秋光にきらめく雫を帯びた溝蕎麦の可憐さが眼に浮かぶようです。(柳原美知子)

08.点滴の始まりを待つ秋の朝/多田有花
14.朝空へ畦を描ける曼珠沙華/柳原美知子
22.見送りし列車のドアに赤蜻蛉/西村友宏
34.秋晴れの光眩しくガラス窓/高橋句美子
35.朝寒の早起きすれば太陽眩し/ 高橋句美子

■選者詠/高橋信之
30.今日をたのしみに秋刀魚焼く匂い
今日一日のたのしみを思われる生活、季節のたのしみを思われ、秋刀魚を焼く匂いに満足感を覚えられる充実したお暮しぶりに心惹かれます。(柳原美知子)

28.さわやかな今日の始まる朝日の部屋
29.卓上の薄が風もなく揺れる

■選者詠/高橋正子
32.子供神輿小さき街の街筋を
子供神輿は、色々と支援してくれる家を回る。故に小さき街の街筋を、と言う12文字が良く実態を表しているのが上手い。 (廣田洋一)

31.太鼓の音を空へ響かせ子供神輿
33.台風の風雨の音に林檎剥く

■互選高点句
●最高点(同点3句/4点)
10.秋日和花に触れられ触れてゆく/祝恵子
21.富士山の青々そびゆ野分あと/廣田洋一
25.水一杯さらりと鉢のコスモスに/川名ますみ

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。