11月20日(水)


晴れ、ときどき曇り。

●今日は冷え込んでいる。
俳句四季と俳壇の12月号が届いている。
京大の西村先生から出版のたびに著書を信之先生と私宛に贈呈いただいていているが、学者の文学研究の内容と、俳句についての文章の内容にあまりに違いすぎるので、俳句は、もう少しどうにかならないものかと思う。せっかく良い形式をもっているのに、ジャーナリズムに小突きまわされしすぎていないかと。賞の選者だって、ただの俳句のうまい主婦やおじさんではないかと思うこともある。

11月19日(火)


晴れ。時々曇り。

●岩波書店から贈呈本が信之先生と私宛に届く。どなたからかと。表紙はクリムトの「裸の真実」の画。
京大の西村雅樹先生編訳の『世紀末ウイーン文化評論集』(ヘルマン・バール著)。岩波文庫として出版されたのは驚いた。ヘルマン・バールは、19世紀末の同時代の人。「日本展」の章を読みかけたが、同時代の内側からの評論は面白い。ジャポニスムの受け入れ方、ウィーンの文学者や美術家や音楽家たちに、よい意味で切り傷を付けていった様子が、面白い。蕪村の逸話など、どこで、どうなったんだろうと思うほど。蕪村が寝ていて、どうも外は月が明るいらしいと気づき、月を見てみたいものと思う。そこで、蝋燭に火をつけ、天井や屋根を焼いて、その穴から月を見ようとした。そのせいで、辺りは大火になったと。この逸話が、日本展の展覧会のカタログ説明にあったとのこと。本質的な話は、そんなことではないが、こんなことも差し挟まれて、難解なようで、面白いところもある。

謝辞に宇和川雄氏という名前があったが、愛媛大学の宇和川さんのご子息かも。

●バナナが二本食べないまま。その一本で、バナナスコーンを作る。意外とうまくできて美味しい。砂糖は、黍砂糖を使ったのが良かったのかも。プレーン生地にシナモン少々とバナナを加える。砂糖は、黍砂糖。これがバナナに合うみたい。半分は職場にもって行く。

●昨日、インフルの予防注射を打ったが、腕が腫れている。

11月15日(金)


晴れ。

冬満月目を刺す光放ちけり   正子
冬満月雲遠ざけて輝けり    正子
月差しぬ大嘗祭の空の上    正子
大嘗祭火影天皇現しむ     正子

●きのう午後6時半から行われた大嘗祭は、今日未明3時ごろに終了したとのこと。大嘗祭に首相はじめ知事など、神事を行わない人たちが700人近く出席し神事を見守っていたとのこと。

●ついに風邪をひく。
●小葱だけのおこのみやきを作る。油を多めにしいて、小さめに焼く。結構いける。

11月14日(木)


晴れ。

べったらづけ提げて電車に市帰り   正子
べったらづけ電車に匂うままなりぬ  正子

風邪をひきそうな感じがする。

●季語「浅漬け」は、「べったらづけ」を差すが、二つの違う用法を見つける。作者の誤用かどうか調べているが、難しいところだ。この句以外は、状況からみてべったらづけとして使われている。
現在浅漬けはどの家庭でも年中作られる。そのときどきの野菜によって季節が決まると言える。

浅漬けや糠手にはさむ額髪   村上鬼城
男手の浅漬の菜の大盛りに   高橋悦男        

11月13日(水)


曇り。

●デロンギの暖房をつける。冬の寒さに強くなるには、11月に乾布摩擦などで肌を鍛えておくとよいらしい。

●『かえでがおか農場のいちねん』(アリス&マーティン・プロベンセン作・岸田衿子訳)と「ぐりとぐらカレンダー」をクリスマスプレゼントに注文。ぐりとぐらはねずみなので、来年の干支にぴったり。

11月12日(火)


晴れ。 満月。

こまごまと明るき花植え冬構え   正子
植えられてパンジーに土黒々と   正子
実南天まだ熟れ切らず啄まれ    正子
毛糸編む一目一目を確かにし    正子
子に編みしグレーの毛糸夫に編む  正子
冬満月頭上にありて勤務終ゆ    正子
初冬の月夜の風のやわらかし    正子

●インフルエンザの予防注射を受ける。今年は少し遅くなった。週末は冷え込むらしい。

●今日の朝日新聞。社会学者の大澤真幸氏、天皇陛下即位祝賀パレードを見られたようだ。当然お祝いの気持ちもであろうか、社会学者としての観察のためだろう。新聞での氏の意見の結論だけ書くと、「立場を超えて皇室に共感」「何となく」皇室を支持するという空気は危険だ。空気が変な方向にながれたときに、誰も責任がとれない。
これは私も感じだこと。女子学生が、初めて万歳を経験したが、戦争時代を経験したみたいで、いい経験になったと言っていた。若い子にしてそうだ。即位の儀式での一連の万歳に良くない記憶を呼び覚ました人もおられたであろう。昨日、今日のマスコミは、即位のパレードで、即位に関する一連の国事行為は終わったと念を入れ報道した。

●ずいぶん寒くなってきたが、台風の被害地は復興がままならない。

11月11日(月)


曇りのち晴れ。

●11月月例ネット句会の入賞発表を今朝する。いつもなら、前日の夜済ませるが、今朝発表。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d/

●「星空へ店より林檎あふれをり  橋本多佳子」
この時期、この句をいつも思い出す。女流では、杉田久女、橋本多佳子、星野立子がいいと思う。いい句は技巧がないように思う。

今朝は暖房が欲しくなった。電気ストーブとデロンギを出す。

■2019年11月月例ネット句会/入賞発表■


■2019年11月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年11月11日

【金賞】
08.大空に星の輝き冬立てる/高橋秀之
冬立つ日。大空に星が輝き、なんとも晴れやかな冬立つ日となった。厳しい寒さが訪れる冬に向かう第一日が曇りなく大らかであるのがいい。(高橋正子)

【銀賞/2句】
10.わが町に陽はさんさんと今朝の冬/多田有花
「わが町」の明るさがうれしい句だ。有花さんのわが町は白鷺城に象徴される、さんさんとした陽の明るさが届く町だ。「今朝の冬」に新しさと緊張感がある。(高橋正子)

25.林檎もぎ高原の陽を手に移す/柳原美知子
高原に遊ぶ日。林檎の木から林檎をもぎ取る。高原の陽に育まれ熟れた林檎は、まさに高原の陽と言えるほど。それを宝物のように大切に手に取ったのだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
30.桔梗咲く蕾を次々弾けさせ/祝恵子
桔梗は、小さな風船のような蕾を付ける。咲く時は、ふっくらした蕾を弾かせる。桔梗の花の愛らしさが、秋の空気にきれいに詠まれている。(高橋正子)

26.猫抱けば秋日の匂う草匂う/柳原美知子
なんと自由な猫なんだろう。秋草の中で遊んで、遊びあきて家に帰る。その猫を抱くと、秋の日の匂い、草の匂いがついている。秋の日だまりのようなほっこりとした猫。(高橋正子)

24.風強しセーターの柄の明るさに/高橋句美子
セーターを選んで着るのも冬の楽しみ。明るい柄のセーターを選んで着た日、風が強くて体を風が抜ける。今冬が確かに来ている。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
26.猫抱けば秋日の匂う草匂う/柳原美知子
屋外から帰ってきたばかりなんでしょう。秋の匂いを一緒に持ち帰ってきてくれて、ほっこりします。 (高橋秀之)

12.山寺に冬の紅葉の鮮やかに/多田有花
山寺を訪れると周りが鮮やかな紅葉に包まれている。本格的な秋を感じるひとこまです。
(高橋秀之)

08.大空に星の輝き冬立てる/高橋秀之
10.わが町に陽はさんさんと今朝の冬/多田有花
18.通帳をめくる右手のあかぎれや/西村友宏
25.林檎もぎ高原の陽を手に移す/柳原美知子
30.桔梗咲く蕾を次々弾けさせ/祝恵子

【高橋正子特選/7句】
24.風強しセーターの柄の明るさに/高橋句美子
いよいよセーターを着る季節となり、お気に入りの明るい柄のものを選んで着てきたけれど、思いのほか、風が強い。新たな季節を楽しむ弾む心持ちが感じられ素敵です。 (柳原美知子)

17.寒空へ鳩舞い朝のホットティー/西村友宏
しんしんと冷気を感じる朝。朝食のホットティーで温まりながら、青空に力強く舞う鳩を見上げると初冬の始まりの活力を感じ、励まされるようです。(柳原美知子)

25.林檎もぎ高原の陽を手に移す/柳原美知子
26.猫抱けば秋日の匂う草匂う/柳原美知子
30.桔梗咲く蕾を次々弾けさせ/祝恵子

【入選10句】
05.秋草や塩田平の無言館/小口泰與
無言館は1997年5月、信州上田市に戦没画学生慰霊美術館として竣工しました。世の中が平和であれば、もっと生きて絵を描き続けたかったであろう戦没画学生の絵画が展示されています。秋草との季語、塩田平、無言館との名詞のみの句の持つ哀しみは、深くて重いのです。(桑本栄太郎)

29.秋祭り鉦や太鼓や子等の声/祝恵子
太鼓は子らの担当とか、最近の秋祭りは子らの役割がきちんと決められている。そのお蔭で家族のみならず近所の人も楽しむ祭になっている様を上手く詠んだ。(廣田洋一)

03.汁物の夕餉うれしき冬隣る/桑本栄太郎
ついこの間まで暑い暑いとこぼしていたのに、気がつけば冬です。
寒さを覚える頃は温かい汁物が恋しくなります。(多田有花)

04.雨筋の定かや森の蔦紅葉/小口泰與
色づく蔦紅葉に雨がふりかかっています。彩りがまっすぐな雨の筋目を際立たせています。情景がはっきり浮かぶ絵画的な御句です。(多田有花)

23.青と白の光流れる冬の樹々/高橋句美子
街路樹のイルミネーションなんでしょうか。冬の澄んだ空気の夜の光は、きっと鮮やかに流れていたことでしょう。 (高橋秀之)

15.百合鴎源平池に陣なせり/廣田洋一
いつの間にか北方から百合鴎が飛来し、池の景色が一変した。きらきらと初冬の光を帯びた百合鴎
の白い姿が静かな池に浮かび上がるようです。(柳原美知子)

01.山里の夕の小径や石蕗の花/桑本栄太郎
06.里山の清し冷気や干大根/小口泰與
09.船橋で秋の夜明けて瀬戸の海/高橋秀之
27.かがり火の煙流るる里神楽/柳原美知子

■選者詠/高橋信之
19.卓上の甘納豆に冬が来る
20.冬が来る隣の部屋のテレビの声
21.食卓のバナナ五本へ冬灯

■選者詠/高橋正子
31.桜紅葉散りしあとには雲ゆたか
色を極めた桜紅葉も風雨にいためられて凋落する。その後の葉の無い桜の木の上に初冬の雲が豊かに浮かんでいる素敵な景ですね。 (小口泰與)
桜は花の時期には一斉に咲きますが、紅葉のころはいつのまにかちらほらと色づきいつのまにかまばらに散っています。散ったあとの枝の間に見える雲。冬の始まりを感じつつそれを見上げます。 (多田有花)

33.がまずみの赤色しずむ陽がかげり
がまずみの真っ赤な色が陽が落ちてゆけば、色がしずむ。美しい言葉ですね。(祝恵子)
がまずみの深い赤茶と夕方の色合いが重なる様子が秋を感じさせます。 (高橋句美子)

32.椋鳥の逃げて椋の実黒かりき

■互選高点句
●最高点(同点2句/5点)
08.大空に星の輝き冬立てる/高橋秀之
25.林檎もぎ高原の陽を手に移す/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■11月月例ネット句清記


■11月月例ネット句清記
2019年11月10日
11名33句

01.山里の夕の小径や石蕗の花
02.たそがれの頃の燈火や秋没日
03.汁物の夕餉うれしき冬隣る
04.雨筋の定かや森の蔦紅葉
05.秋草や塩田平の無言館
06.里山の清し冷気や干大根
07.休日に嵐山で見る初紅葉
08.大空に星の輝き冬立てる
09.船橋で秋の夜明けて瀬戸の海
10.わが町に陽はさんさんと今朝の冬

11.返り花に蝶が飛び来る正午かな
12.山寺に冬の紅葉の鮮やかに
13.冬日燦祝賀パレードの日和かな
14.散紅葉色重ね居る道の端
15.百合鴎源平池に陣なせり
16.信号が赤に変われば秋夕焼
17.寒空へ鳩舞い朝のホットティー
18.通帳をめくる右手のあかぎれや
19.卓上の甘納豆に冬が来る
20.冬が来る隣の部屋のテレビの声

21.食卓のバナナ五本へ冬灯
22.十一月半月明るい目黒川
23.青と白の光流れる冬の樹々
24.風強しセーターの柄の明るさに
25.林檎もぎ高原の陽を手に移す
26.猫抱けば秋日の匂う草匂う
27.かがり火の煙流るる里神楽
28.黄の花はオンブバッタを止まらせて
29.秋祭り鉦や太鼓や子等の声
30.桔梗咲く蕾を次々弾けさせ

31.桜紅葉散りしあとには雲ゆたか
32.椋鳥の逃げて椋の実黒かりき
33.がまずみの赤色しずむ陽がかげり

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

11月10日(日)


晴れ。

●11月月例ネット句会。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d
(投句)
桜紅葉散りしあとには雲ゆたか  正子
椋鳥の逃げて椋の実黒かりき   正子
がまずみの赤色しずむ陽がかげり 正子

●天皇陛下即位祝賀パレード。午後3時から30分。4.6キロ。テレビで初めの5分ほどを見る。

●今朝の8時からのラジオ、バッハを聞かせてくれた。クリスマス前のいい天気の11月。なにかバッハにぴったりのように思えた。