3月19日(木)


晴れ。四月上旬の気温らしい。21度。

葉騒より鴬よろと鳴き初め   正子
裏山に鳴く鶯のひとつ声    正子
日の中へ差し伸ぶ枝に初桜   正子
霞たり富士の遠嶺の形もなし  正子
恃むには遠きアルプス春雪嶺  正子

●四月上旬の気温。遠くは霞に包まれる。鴬が鳴くが、鳴きはじめがおそるおそるの感じ。よろよろ、ひょろひょろと鳴きだす。

●辛夷はすっかり散って、桜が咲きはじめた。菜の花も色褪せた。

●あすは彼岸の中日。5丁目の丘の墓地に線香の煙もないのに、線香の匂い。そばで鴬が鳴く。

3月17日(火)


晴れ。きのうよりはあたたかい。彼岸の入。

●『坊さんボーっとする』(白川密成著)の著者は、四国88か所札所の57番のお寺の坊さん。
この本に、「こせこせせんと一服せい」の言葉があるらしいが、これは禅語らしい。インターネットで俳句を始めた1996年、「投句された俳句のコメントや評価は24時間以内に返す。」をモットーに、日夜励んできた。反応の速さを喜んでもらった。インターネットの利点を活かしてのこと。
このいちいち反応を気にするのがいけないらしい。納得はするが、ちょっと次元が違う話の気もする。

今現在、「自由な投句箱」に投句された句は、特に印象に残る句があるとき以外、その中でどれが秀句かを決めるのはこれは、難題。結論がでるまで、数日置く。投句する側は、聞くところによると、俳句中毒があるらしく、毎日投句して、即反応が知りたい。「即反応が知りたい」が問題なのだろう。

●新型コロナウィスルの感染拡大でマスクがなくなり、それにつられてトイレットペーパーがなくなった。このことを「ゲーム理論」とかいう理論で説明している学者の話が今日の朝日に載った。結論は、「日常品は常にストックしておくこと」、だった。理論的にもそうなのだ。問題は、どのくらいストックするかだ。息子のところは、トイレットペーパーは、半年分ストックしているそうだ。娘もふるさと納税の返礼で、ティッシュやトイレットペーパーはたくさんあるとのこと。不用心なのは老親だけか。
午後、遠くのドラッグストアに出かけた。

3月16日(月)


曇り。夜は、冷え込む。

黄水仙誰がためなりぬ墓の花    正子
巻きずしに三葉芹こそかぐわしき  正子
勿忘草売られておりぬ卒業期    正子 
  
●「俳壇年鑑2020年版」の花冠広告の校正。訂正なしでFAX。3月発売予定。

●活けた薔薇の一本がしおれている。うん?と思い花瓶を見ると水が減っている。しおれたのは水につかってなかった。吸い上げる水の量に驚く。

3月15日(日)


晴れ。きのうほど寒くないが、空気は冷たい。

春の水たっぷり吸わせ薔薇を剪る    正子
ピザトーストパンの軽さは春らしき   正子

●バレンタインのお返しと言って、ゴディバのチョコレートクッキーロールをもらう。めったにないおいしさ。今年からバレンタインンのチョコはやめてだれにもあげていない。でもお返しがあったのだ。悪いので、句美子が送ってくれた薔薇を数本あげた。

●午前中ガスレンジとその周りを掃除。意外と短時間でできた。ガスレンジを買い替えようと決心して、午後日吉東急のヤマダ電機へ行く。ちょうどいいのを見つけて買うことにした。が、ガスホース60センチを頼むと、売り切れ。店員は、今あるのを使えばと言う。で、買う気をなくす。

3月14日(土)


雨のちみぞれ。

薔薇の箱春の霙に濡れおり    正子
春の霙バケツに薔薇をとりあえず 正子

●句美子が新潟の薔薇農家からの薔薇の花を送ってくれた。受け取りの判子を押そうとすると、冷たい雨のなか大きな箱を届けてくれたにも関わらず、宅配の人はにこにこしている。荷物が花とわかっていたからだろうか。色は、黄色とピンク、それぞれ10本。

花瓶に入りきらないので、バケツに入れて玄関の外に置いた。通路を行く人が楽しめるだろう。雨はみぞれに代わって薔薇がかわいそうでもあったが、みぞれの降るなかの薔薇は、めったに見れない。

3月12日(木)


晴れ。

●散歩がてらブックオフに行く。澤田ふじ子の『花暦』があればと出かけたがないので『幾世の橋』にするつもりだったが、勘違いして『見えない橋』を買ってしまった。少し読みかけ、これは大垣藩が舞台。女性店員に会員カードをつくるように勧められ作る。メリットあるのかな。

3月11日(水)


晴れ。

●晴れたので、富士山を見ようと5丁目の端の丘に行く。けれど、富士山の見えるあたりにたくさんの雲が寄っていた。近くに住んでいるらしい白いTシャツとジーンズの60歳代ぐらいの男性が出て来たので、聞いた。富士山は、焼却炉の青と白の煙突の右側に見えるという。あそこに雲が集まると、風が吹くという。そしてポケットからスマホを出して、ここで写した富士山を見せてくれた。確かに青と白の煙突の右にあった。さらに右に雪山の連山が見えた。聞くと、南アルプスだな、という。伊那のあたりですね、と相槌まがいのことをいうと、さらに右は中央アルプスだという。アルプスが見えて、夢かと思うほどだった。風のことはどうかと思ったが、夜になって強い風が吹いた。

●5丁目の丘を歩くと、どこの家の辛夷も満開で、どこも大木。全面に光を浴びて眩しい。椿も時期を得てよく咲いている。まんさくの花もまだ健在。

●辛夷と椿とアルプスの雪嶺。なんと詩的な日。

3月10日(火)


霧雨。

●ハート内科で検査。やっと落ち着いたですね、と言われたが、薬の処方箋を見ると、前に具合が悪くなった薬(一般にはご普通の配合錠)が入っている。薬剤師がドクターに連絡をとってくれて、その薬は削除された。薬もしっかり自分で管理しなくてはいけない。

●内科のあるフロアーのくまざわ書店で、子供の本、『昆虫の迷路』を買う。『水の迷路』もおもしろそうだが、昆虫のほうがなじみやすいかもしれない。1430円也。

●澤田ふじ子の『宗旦狐』の「宗旦狐」編、利休の孫の宗旦に化けた狐の話だが、人の心理をついて、味があって面白い。読み進むうち、ブックオフの値段にしては高いかなと思ったが、その値打ちはあった。もう少しで読み終える。

●仕事は休む。『宗旦狐』を読んでいて、たまには仕事を休もうという気になった。

■3月月例ネット句会/入賞発表■


3月月例ネット句会/入賞発表

■2020年3月月例ネット句会■
■入賞発表/2020年3月9日
【金賞】
05.突堤に若布刈るなり少年ら/多田有花
春になると若布が海岸や突堤に寄せてくる。海岸で採れなければ、突堤まで出てゆく。少年たちが若布を刈っている珍しい光景だ。家業の手伝いか、ただ楽しみの若布刈りか。少年たちは春を呼び込んでいる。(高橋正子)

【銀賞/2句】
23.梅満ちし谷を貫く水の音/柳原美知子
谷あいの梅林には、梅が咲き満ちている。その谷を貫いて水音を立てて川が流れている。満ち満つ梅の香り、耳に快い春の水音。清らかな早春がここにある。(高橋正子)

15.小さき手の紙の切り絵に雛生まる/藤田洋子
小さな子が小さな手で、器用に鋏をつかい雛の切り絵を作った。まだ小さいながらも、さらに小さい妹を思ってだろう、雛を切り出した。ほほえましい。(高橋正子)

【銅賞/3句】
20.じゃが芋を地中に深く植えにけり/古田敬二
3月は、じゃが芋の植え付けシーズン。冬野菜の後に植えられることも多いが、地中深く、じゃが芋が寒さに当たらないよう、しっかり根を張るよう、地中深く植えた。作物に対するまず最初の愛情だ。(高橋正子)

30.菜の花の絵葉書明るい朝日射す/高橋句美子
菜の花の季節、菜の葉の絵葉書をもらった。ちょうど絵葉書に明るい朝日が射して、菜の花が生きてるように明るくなった。(高橋正子)

36.木蓮の芽のさみどりに春の雨/川名ますみ
木蓮の芽がわずかに覗いた。さみどり色の芽にやさしい春の雨が注ぐ。さみどり色には春の雨が似合う。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
09.一画の花菜明かりや丘の畑/桑本栄太郎
菜の花の黄色はまさに「明かり」というにふさわしい明るさです。よく晴れた日、丘の畑の一画で菜の花が咲いているのは春の明るさを最も感じる光景です。 (多田有花)

36.木蓮の芽のさみどりに春の雨/川名ますみ
モクレンの花芽も日ごとふくらんでいます。晴れの日は日差しが、雨の日は雨滴がその花芽の歩みを促すようです。 (多田有花)

05.突堤に若布刈るなり少年ら/多田有花
15.小さき手の紙の切り絵に雛生まる/藤田洋子
20.じゃが芋を地中に深く植えにけり/古田敬二
23.梅満ちし谷を貫く水の音/柳原美知子
30.菜の花の絵葉書明るい朝日射す/高橋句美子

【高橋正子特選/7句】
10.砂利舟のポンポンポンと春の川/祝恵子
明るい春の訪れを音で感じます。(髙橋句美子)

25.庭仕事終えて煎茶と春の鳥/西村友宏
もう一仕事すれば汗ばむような陽気になってきました。集中して庭仕事をこなされ、一段落。出された煎茶を楽しみつつふと気が付けば野鳥の囀りがあちこちから聞こえてきます。 (多田有花)

05.突堤に若布刈るなり少年ら/多田有花
15.小さき手の紙の切り絵に雛生まる/藤田洋子
19.葱坊主茎太ければ太く咲く/古田敬二
23.梅満ちし谷を貫く水の音/柳原美知子
30.菜の花の絵葉書明るい朝日射す/高橋句美子

【入選/12句】
01.春風や朝の光のグラデーション/小口泰與
春の朝、柔らかい風が吹き、朝日が昇ってくるが、時とともに光が強くなりそれを受けた
木の葉も色を変えていく。このような朝の景色をうまく詠んだ。(廣田洋一)

04.麗かや今日は異なる道をゆく/多田有花
日毎に春めき、日射しも暖かくなってまいりました。毎日の散策もとても心地良く、俳句
メモ帖を片手に今日はあそこ明日はあそこへと、場所を変えながら歩きます。 (桑本栄太郎)
春の日が輝きわたって、万象ことごとく柔らかに明るく美しく見え渡り、鶯の声の明るく
朗らかな気分で今日の新しい気持で探検心を持って新しい道に挑む作者の素晴らしい行動に
感動致します。 (小口泰與)

08.腹這いの子等の水面へ蝌蚪の紐/桑本栄太郎
元気な子供たちが遊んでいます。覗き込みたくなる景ですね。 (祝恵子)

11.子と摘みし穏やかな日よつくつくし/祝恵子
柔らかく野遊びの子と詠者を包んでくれる、かけがえのない春の喜びが感じられるひと時ですね。(柳原美知子)

13.手を離し始めの一歩雛の日/藤田洋子
伝い歩きだった子が初めて自分で一歩歩いた瞬間は印象に残ります。女の子だったのでしょうか。男の子であったとしてもそれはそれでめでたき第一歩です。(多田有花)

07.水底を見やれば揺るる蘆の角/桑本栄太郎
水中、地下茎から出でた葦の新芽。水辺に出会う確かな春の訪れに、季節の喜びを感じます。 (藤田洋子)

17.また一つ中止になりて春の闇/廣田洋一
様々な事柄が中止になり、今まさに人々が怖れを抱く「春の闇」ですが、一日も早く闇からの光を見出したいものです。 (藤田洋子)

29.河津桜青い葉っぱと青空と/高橋句美子
花の盛りの河津桜と開花後に見る「青い葉っぱ」、ともに鮮やかに青空に映えて、明るく清々しい春の到来を告げてくれます。 (藤田洋子)

35.千代紙の雛の迎える緩和ケア/川名ますみ
緩和ケアの細やかな心遣いが思われる千代紙のお雛様です。心和らぎ安らぐ雛の温もりです。 (藤田洋子)

06.海苔拾う日差し輝く浜辺にて/多田有花
14.初雛花麩ふっくら椀開く/藤田洋子
34.医師の手にバレンタインの紙袋/川名ますみ

■選者詠/高橋信之
31.曇り空見上げて見れば春の雪
32.窓外の遠くの空は春の雪
33.早春の晴れて元気に歩く子よ

■選者詠/高橋正子
38.雨空の白さに溶けて花辛夷
雨空に淡く白い辛夷のありようが美しく、その清純な白さ、春の初めの季節感が感じ取れます。 (藤田洋子)
今年は例年よりこぶしの開花が早い。春雨の空を見上げると花こぶしが雨雲に溶けて美しい。(古田敬二)

37.日暮れては菜の花灯るごときなり
39.雨降れば黄水仙のみなうつむき

■互選高点句
●最高点(8点)
23.梅満ちし谷を貫く水の音/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。