■8月月例ネット句会清記■
2020年8月9日
14名(42句)
01.夏行くや空蒼くして深深と
02.乙女らの脛を惜しまず水遊び
03.初秋やいよよ渓流透き通る
04.何処までも暗き地底や蝉の穴
05.行水の妻覗かばや草田男忌
06.赤き顔挙げて歓声夜振りの子
07.振り仰ぐ空の青さよ広島忌
08.炎昼の街に立ちたり日章旗
09.秋立つや青色深きトルコ石
10.夏日はじく鐘撞堂の鬼瓦
11.蝉を手にスケボー遊ぶ男の子
12.皮をむき夜は漬物初スイカ
13.鎮魂の歌しめやかに長崎忌
14.焼き唐黍醤油の匂ひ広がりぬ
15.遠富士の風新涼でありにけり
16.友と会うまずは注文冷奴
17.青き海広がる大空夏の虹
18.一輪の向日葵我より背が高く
19.食卓に西瓜が並ぶ日曜日
20.快方へとろろご飯と朝の風
21.手に取れば赤々光る初トマト
22.蝉の羽透ける木陰を歩き出す
23.旱道アイスティーの滴りて
24.白桃の冷えが占めてる頬一杯
25.湯の音に母思い出す夏夕べ
26.夜の秋机上に数字書き並べ
27.スタンドの明かりが照らす夜の秋
28.立秋の風に高々雲動く
29.萩を吹く風に出でけり試歩のため
30.みんみんの中の蜩水のごと
31.渓流に素足遊ばす石に座し
32.上布まだ仕付けも解かず夫逝けり
33.山風にひらく朝顔海の色
34.夜濯ぎの水汲むつるべ月の井戸
35.合歓の花てんでに触れて眠らせる
36.手花火の煙の中に子と居りて
37.山の端や梅雨の日暮れの穏やかに
38.朝蝉の空を鳴らして飛び立てり
39.朝顔のつぼみの先に明日の色
40.鷺草の群舞の構えに咲きそろう
41.天を指す芝生に一本ねじり花
42.梅雨明けや妻の顔も晴れやかに
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
曇り。
●8月月例ネット句会。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d/
【投句】
28.立秋の風に高々雲動く/高橋正子
今年の立秋は良く晴れていた。 雲も白く浮かんでいた。この様な空の動きを良く捕らえている。 (廣田洋一)
29.萩を吹く風に出でけり試歩のため/高橋正子
「萩を吹く風」の表現が気持ちよく、秋が来たことを優しく教えてくれている。季節の変わり目を肌に感じ、歩いてみようとする前向きの気持ちになったのであろう。季節の移り変わり、特に秋への移りは人の心をそうさせてくれるのだろう。 (吉田晃)
30.みんみんの中の蜩水のごと
●脚がかなりよくなった。はじめそろりと歩いた2丁目だが、今朝は、気になるところまで足を延ばした。山裾にあるお屋敷。農家のお屋敷が4件ほどある。こんもり茂った庭もよく手入れされ涼しそうだが、前にある畑が面白い。帚木がまばらに生えて、むらさきつゆ草が思い出したかのように一本咲いていたり、野菜があったり、植えられてない土が明るかったり。お盆の畑らしく、のんびりしていて、どこか秋めいている。
曇。
シャーベットひやひや匙に秋立つ日 正子
逃がしやるみんみん蝉の羽ばたく真似 正子
黄金虫みどり美し死ののちも 正子
●お茶を買いに日吉東急へ。「荒茶」というのがあったので買ってみた。ついでに天一書房により、山本健吉の『ことばの歳時記』を買う。文春文庫から1983年刊行されているが、今日買ったのは、角川ソフィア文庫平成28年初版、令和2年4版発行のもの。昭和を感じる。「国語と国土」がテーマのようだ。
●幸水のシーズン。そのままが一番だが、歯の悪い人用に、昨日はコンポートを作った。思いのほかおいしくできた。梨を切ってスチーム用のタッパーに入れ、はちみつとレモン汁をかけて、電子レンジにかける。梨大1個で500w10分。出来上がりの様子を見ようと蓋を開けたとたん、暑い蒸気が手首に。危ないところだったが、すぐに水道水を流して手首を冷やして無事。
コンポートの残りの蜜と梨一個でシャーベットに。それだけでは甘すぎるので水とレモン汁を加え、できあがり。さっぱり感は夢の中のよう。
晴れ。
からまりて風のままなり風船かずら 正子
空蝉は耳にさびしき音であり 正子
空蝉の止まる萩の葉おもしろし 正子
老眼にはっきりもせず白芙蓉 正子
●朝、7時半。日は暑そうだが、URの緑地を歩く。木陰が多く風がよく吹く。景色が秋めいた感じなので、もしや立秋と思ったら、その通り。熊蝉を今年初めて聞く。空蝉、萩、百日紅、芙蓉、槿、柘榴の実を見る。
晴れ。原爆の日。
晴るる空けれど濁れる原爆忌 正子
皆午睡遠き蝉音を聞き集む 正子
昔ライン川で
空耳に蝉音湧きくるラインべり 正子
●今日の歩きは、URのコンフォール南日吉の中。芙蓉、槿、萩、紫式部の花がよく咲く。
●ちょっと頑張る癖があるようで、反省。「年寄りの冷や水」という諺があったなあ。
ほぼ同じ世代ながら、引っ越して来て原爆を知らない日本人に何人かであった。広島県生まれには、信じられないことだ。よその県ではどんな教育がされてきたのだろう。被爆二世の身ではあるが、原爆のことで落ち込むのはもうやめよう。数日前父のいた広島の被服廠の記事が朝日に載っていた。
曇りのち晴れ。
ほおずきの朱をくくりて盆の品 正子
一日の熱にトマトの真っ赤なる 正子
日の温みまだあるトマト一籠に 正子
●今夜は満月のようだった。
●生協の配達、葡萄、梨が不出来な感じ。産地変更とある。雨が多すぎたようだ。
尾花沢の西瓜は、お盆が近いだけあって、これまでで一番おいしい。暑くて果物に頼りがち。
●リハビリに行くが、今週、月火水金が病院とは。友人に子供のころのおけいこ通いみたいと言われる。歩くのは休み。
晴れ。
百合ひらく花粉の汚れひとつなく 正子
遠巻きの蝉音に耳の鋭く澄めり 正子
朝顔のくれいない白き雲が浮き 正子
●すかし百合が咲く。今朝は5時半から2丁目を歩く。きっかり30分。6時ごろ日が昇った。
曇。8月1日に晴れたのが、梅雨明け。
●今朝の朝顔は大きめ。2丁目を歩く。このごろ予定時間がぴたりと合う。これには、信之先生も感心するくらい。そもそもはじめから少し余分に、途中とろとろしてもいいように時間をとって仕事なり、外出なりしている。最後を整えるためには、ゆるみや遊びが必要と思うようになった。
●昨日のラジオで「伝統文化ジャーナリスト」と呼ばれるジャーナリストがいることを初めて知った。東山文化についての講演だが、その中で、「伝統は引き継がれなければ伝統にならない。」と言っていた。それはそうだ。引き継ぐための苦労がある。伝統は古いとおもうかもしれないが、新しくしていかないと引き継がれない。それに、勝手な自論だが、伝統はらせん状に繋ぐべし。螺旋ということは、坪田譲治も言っていたと思う。
●花火について。今年はコロナのせいで、花火大会が中止になっている。花火の季語はもとは「秋」。送り火と関係している。私の「遠花火草に座り子供らと」の句評に洋子さんが、「初秋の・・云々」と書いてくれた。花火にある幾分の寂寥感は、やはり秋のものと思う。彼女の句評をうれしく思った。
●「緑さす」について。ものが緑がかってみえたり、単に感覚的にそう思えたりすることがある。外の木陰もそうであるが、家の中にいても外の緑を感じることがある。木々が周囲にしげっている昔ながらの家。昔の家でなくてもいいが。風が通り抜ければ、緑がさす感じになる。「笊にあげ緑さしたる冷そうめん」の有花さんの句評は、家内にさす緑であった。同じような経験をされたのかと思う。これもうれしい句評である。
晴れ。
●昨夜一雨降ったもよう。ベランダの朝顔が咲く。赤紫。久しぶりに晴れたので、マット類を洗濯。
●2丁目を歩く。まだ右脚に少し痛み。金蔵寺の西側の谷ではじめて蜩をきく。2丁目のお屋敷に青栗。
●8月月例ネット句会の案内をアップ。
●お中元を送ったついでに天一書房で『フィッジェラルド短編集』(新潮社)を買ってくる。黄色
一色の装丁。関西の店は、お中元配送の無料期間が月遅れのお盆にあわせている。柿安の佃煮と坂角のえびせん。