8月18日(火)


曇り。きのうは浜松で41.1度。

すすきの穂若きみどりのみずみずし  正子
葛の花山に向かえば匂いたち     正子
まんぜんとしていてつくつくほうし哉 正子

●うばゆりがよく咲いている。昨日のほうが多かったかも。今朝は、散った花もある。うばゆりは、目に涼しい。帰省の道すがら、松山から尾道大橋へいくまでに法面にたくさん咲いていた記憶がある。海が近いから海風に揺れている。山のうばゆりもいい。前に富士登山をしたとき、河口湖の周辺の松林だったと思うが、うばゆりがまばらに咲いて揺れていた。うばゆりはびっしり群生しないで、あちこちにちらほらと、しかも広く咲く。

●今朝、5丁目の丘へ。昨日とは別の家に、茄子の牛、きゅうりの馬を見た。いつしまうのだろう。胴に白い紙を括り付けている。お金を包んでいる感じだ。三途の川の渡し賃かも。

8月17日(月)


曇。今日も朝から31℃

●目が覚めたのは5時27分。この時間なら日差しを避けて散歩に行けると思い、5丁目の丘へ出かける。2か月ぶりの5丁目。道端に茄子と胡瓜の牛と馬が残っている。2件そんなところがあった。坂にさしかかると花のいい匂いがする。なんだろうかなあと歩き進むと、鯛ケ崎公園のはずれに木にからんで葛の花が見えた。たくさん咲いている。花を一つとってお土産にした。もうひとつと思って手繰り寄せると、花がちってしまった。

貸農園に行くと、野菜は青息、吐息。ミニトマトがすがるように生っている。この貸農園、茂っていたことがない。自然農法とはいえ、手入れをしているんだか。ただ、さつまいもだけが元気。小さい青いあさがおが、案内板に巻き付いて咲いていた。

暑くて、霞んで、みなとみらいも、富士山も全く見えなかった。そんなに歩かなかったとおもったが、40分ほど歩いていた。

●5丁目の丘でつくつく法師を今年初めて聞く。家の近くで鉦叩は数日前から。燕は帰ったらしい。

●午後井田病院へ。信之先生の半年に一回の検診日。

8月15日(土)


晴れ。

●朝顔が咲いているのを見るのが楽しみ。一日で終わる花は、翌朝には、きのうよりもたくさん花をつけている。猛暑つづきだが、朝顔の風情は秋。日陰に置いたら昼過ぎもしっかり咲いている。

●角川俳句年鑑2021年度の原稿依頼を受ける。これが、夏の一行事。年鑑の仕事は、①俳人住所録の確認(8月31日締切),②結社動向(9月8日締切)、③信之自選5句。(未着)④広告(9月25日締切)となっている。

●年鑑の原稿依頼に混じってもう一通原稿依頼がある。これも年鑑関係と思い、封を切らずにいたが、冷蔵庫にぶら下げた封筒、何か違う感じと思って封を切った。髙橋正子宛で、「今日の俳人」に7句の原稿依頼。晴天の霹靂。海野さんが編集長の時代は松山の自宅までお越しいただいたが、その後は全然縁がないのに。ましてや私など。

●生クリームをもらった。どうしようかとして思いついたのが、アイスクリームにすること。
牛乳と混ぜて1500mlくらい作って、プリンの空き瓶10個ばかりに詰めて冷凍庫にストック。まろやかで味しいです。

●将棋の藤井聡太棋聖がおやつに食べたという八雲の八丁みそまんじゅうを買ってきた。豊橋でつくられている。白あんに八丁みそが練り込んで、皮は黒糖。みそまんじゅうだけあって、塩味がきいて、夏場にはいいかもしれない。藤井棋聖は高校生ながら、和菓子、和食がお好きなようだ。

●下の妹がお茶漬けを送って来た。お茶漬けとは言うものの、たらこだの、鯛、鰯、穴子、河豚、などの魚が焼いたり味付けした薄い一切れが入っていてびっくり。主には鞆の浦の魚だが、工場も工夫が肝心と見える。海鮮出汁の尾道ラーメンを開発した珍味の会社。

8月14日(金)


晴れ。

●脚の痛みがほとんどなくなった。痛いと年寄りそのものだった。治るのに5か月かかるといわれていたのに、これは、どうした? 痛みがなくなったら、自然に体が動く。拭き掃除に、ついでに調子に乗って窓掃除。汗、汗、汗。

●会社がきょうは休みだと言って句美子がマカロンを持ってのぞいてくれた。お盆にみんなが集まらないので、梨やシャーベットなど美味しそうなものを持たせる。ごちそうはないので、炊き立てご飯のおにぎりと卵焼きを急いで作って持たせた。

8月12日(水)


晴れ。

●朝いちばんに涼しさを誘うのは、朝顔。ルドベキアの少し弱りかけた黄色い花を覆うかのようなトレニアの紫、風船蔓の白いたくさんの花。朝起きると温度計は30度。

●朝いちばんの仕事に残暑お見舞いを数枚書く。夏休みがどうなっているのかわからないが、孫にもカードを送る。

●このところ、世の中に漱石はずいぶん登場しているが、鴎外は話題になってないような気がする。今朝の朝日の広告で独文学者の小塩節先生の『随想 森 ?外』が青娥書房から出版されている。

●朝食は、だれも起きてこないので、昨日作って置いたコーヒーゼリー。ホイップしてある明治のクリームを少しかける。いつも水分不足を指摘されるので、自分で作っている水出し緑茶。7粒の錠剤。

8月11日(火)


晴れ。朝6時の室温30℃。下弦の月は明日。

初秋の朝の下弦の月の白    正子
朝顔の揺れてひらくと紅澄みぬ 正子

●神宮歴を見る。旧盆は9月2日。十五夜は10月1日。十三夜は10月29日。二百十日は8月31日。二百十日が8月で、ちょっと勘が狂う。

●ふうせんかずら、蔓がどんどん伸びるが、いっこうに実がならない。花は五弁で、3個ずつ。

●山本健吉著『ことばの歳時記』の「夜の秋」のところを読む。
<「夜の秋は、明治以来の季語だと書いたら、大野林火氏から、それは何に拠るのか、明治時代の主な句集に見当たらない言って、大正八年の
 尿(いばり)やるまもねむる児や夜の秋 飯田蛇笏
以下の句をあげ、大正以来とすべきかと言った。私は、明治以降の近代俳人が言い出した季語だという意味で、かならずしも明治に始まったと言ったつもりではなかったが、こう開き直られると、も少し古い用例はないか、という気持ちになった。
 楠本憲吉君が探し出してくれた古い例句は、
 粥すゝる杣が胃の腑や夜の秋 石鼎
という、大正二年の例である。明治にもう一歩である。楠本君はいろいろ博くさがしたらしく、これを初出とすべきか、と言っている。>

「明治以降の近代俳人が言い出した季語」の「明治以降」というのは、林火でなくても、私でもちょっと乱暴と思う。俳句の近代化のなかの大正という時代もあるでしょうし。

8月10日(月)


曇。山の日。

●8月月例ネット句会の入賞発表。いつもは、当日の夜、入賞発表するが、今回は、予定の正午発表の少し前の発表になった。昨日の夜に発表をするには思考回路停止状態で、
疲れ過ぎていた。

●ネット句会に「炎昼の街に日章旗立ててあり」の句があった。炎昼に日章旗を立てるのは、なんの国民の祝日かと考え込んでしまった。炎昼の祝日は、7月20日の海の日、8月10日の山の日なのだが、広島や、長崎の原爆の日にも立てる人がいるのかと、疑問に思った。「日章旗と言えば戦争」の図式だけでいいのか。前に国連の企画で山の日の山頂リーディングを富士山で行ったとき、海外駐在が長い花冠同人が日の丸を持ってきてくれた。私は思いつかなかったが、それは、「日本」をアピールする、日本の目印だった。平和的だと思う。

■8月月例ネット句会/入賞発表■


■2020年8月月例ネット句会■
■入賞発表/2020年8月10日

【金賞】
39.朝顔のつぼみの先に明日の色/川名ますみ
「明日の色」は、実際に明日朝開く朝顔の色でもあるし、未来の色でもある。この二つのことを思うと、朝顔のつぼみに期待と希望を抱く。「つぼみ」が漢字の「蕾」でなく、平仮名であることがいい。(高橋正子)

【銀賞/2句】
36.手花火の煙の中に子と居りて/吉田晃
手花火に興じる子どもといると、次から次に火を点けて煙がもうもうと立つ。それもおかまいなしの子とそれを見守る親の姿が温かい。(高橋正子)

33.山風にひらく朝顔海の色/柳原美知子
今朝顔は山から吹いてくる風に花びらを揺らしている。でも、その花の色は、海の青い色。「海」には、作者の思いがいろいろと籠められているのだろう。山がちなところに住まいながらも海近く暮らした生活が親しく思い起こされる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
04.何処までも暗き地底や蝉の穴/桑本栄太郎
蝉の穴の暗さにふと見入る。覗いて覗ききれるものではなく、どこまでも暗い地底に繋がっている。こんな暗い地底から生まれた蝉が夏を謳歌するのもひととき。(高橋正子)

05.遠富士の風新涼でありにけり/廣田洋一
富士山が遠くに見える。たしかに新涼の風は姿正しい富士山から吹いてくる。「新涼でありにけり」と風格をもって詠まれ、句の姿が美しい。(高橋正子)

10.夏日はじく鐘撞堂の鬼瓦/祝 恵子
昭和時代の夏を回想してしまうような句。鐘撞堂があって、どっしりと鬼瓦が座っている。その鬼瓦が夏日をはじき、まさに炎暑。人々の生活が暑さの中にも楽しく繰り広げられて、良き時代の生活が今も続いている。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
08.炎昼の街に立ちたり日章旗/多田有花
昭和20年8月15日は太平洋戦争に敗戦終了した年であります。それ以降、毎年8月は広島・長崎への原爆投下、15日の終戦日と多大な戦争犠牲者と被爆者を偲び、鎮魂と懴悔の月であります。それでも先人達の多大な努力の賜物により、我が国もここ迄立ち直りました。炎昼の街に翻る日章旗を見るたびに、感慨深いものを感ずる日本人です。 (桑本栄太郎)

28.立秋の風に高々雲動く/高橋正子
今年の立秋は良く晴れていた。 雲も白く浮かんでいた。この様な空の動きを良く捕らえている。 (廣田洋一)

29.萩を吹く風に出でけり試歩のため/高橋正子
「萩を吹く風」の表現が気持ちよく、秋が来たことを優しく教えてくれている。季節の変わり目を肌に感じ、歩いてみようとする前向きの気持ちになったのであろう。季節の移り変わり、特に秋への移りは人の心をそうさせてくれるのだろう。 (吉田晃)

39.朝顔のつぼみの先に明日の色/川名ますみ
明朝咲く朝顔。その色は何か、その色が蕾の先に既に見える。明日の確かな約束に生きる喜びが感じられる。 (古田敬二)
朝顔のつぼみはこれから花が開く期待に満ちてます。まさにつぼみの先に明日の色があります。 (高橋秀之)

04.何処までも暗き地底や蝉の穴/桑本栄太郎
06.赤き顔挙げて歓声夜振りの子/桑本栄太郎
36.手花火の煙の中に子と居りて/吉田晃

【高橋正子特選/7句】
15.遠富士の風新涼でありにけり/廣田洋一
遠くに富士山が見える晴れた日、それでもどこかから吹いてきた風には秋の香りがしました。晴れ晴れと富士を見ておられる作者、その背後に広がる初秋の空、頬を撫でる秋の風それらが感じられます。 (多田有花)

36.手花火の煙の中に子と居りて/吉田晃
庭先に消火用のバケツを用意し、家族そろって手花火に興する様は、素晴らしい家族の夏の風物詩ですね。有難う御座います。 (小口泰與)

06.赤き顔挙げて歓声夜振りの子/桑本栄太郎
10.夏日はじく鐘撞堂の鬼瓦/祝 恵子
32.上布まだ仕付けも解かず夫逝けり/ 柳原美知子
33.山風にひらく朝顔海の色/柳原美知子
39.朝顔のつぼみの先に明日の色/川名ますみ

【入選/17句】
02.乙女らの脛を惜しまず水遊び/小口泰與
楽し気な様子が伺える。脛を惜しまずは、水遊びに興じている屈託のない姿。作者も乙女らと同じ気持ちになっているのだろう。 (吉田 晃)

09.秋立つや青色深きトルコ石/多田有花
トルコ石に注ぐ作者の瞳がいい。秋の光の中のトルコ石の深い青。きっと美しいことだろう。深い青は、秋の色、作者の心の色でもあると思う。 (吉田晃)

13.鎮魂の歌しめやかに長崎忌/廣田洋一
コロナの影響で参列は500名ほどに絞られたようだが、参列できなかった人たちの、しめやかな唱和の歌声が聞こえてくる。作者の優しさが窺える。 (吉田 晃)

16.友と会うまずは注文冷奴/高橋秀之
冷奴は料理ともいえないような料理なのに、暑い季節には欠かせません。このあと、「とりあえずビール」となるのでしょうか。気の置けない旧友と会って美味しいものを食べるひとときの楽しさ、いいですね。 (多田有花)

17.青き海広がる大空夏の虹/高橋秀之
暑い夏だが、この句からは涼しさが伝わって来る。青い海、大空、虹、作者の開かれた心が感じられて読み手もいい気持ちになった。 (吉田 晃)

21.手に取れば赤々光る初トマト/西村友宏
作者自らが菜園に植えたものであろう。水をやりながら毎日成長を楽しみにしていたトマトを摘果した。だから一層トマトの 赤が映えるのだと思う。 (吉田晃)

22.蝉の羽透ける木陰を歩き出す/ 高橋句美子
 「蝉の羽透ける木陰」は好きな表現。緑陰と言ってもいいのではないかと思うが、この表現の方がずっといい。緑陰以上に涼しさを感じる。 (吉田 晃)

24.白桃の冷えが占めてる頬一杯/高橋句美子
白桃のとろけるような甘さ、香り、それを頬ばる楽しさ。旬の果物を思い切り味わうことのだいご味が感じられます。 (多田有花)

31.渓流に素足遊ばす石に座し/柳原美知子
気持ちよさそうです。渓流の音と水しぶきが涼しげで、こちらにまでその涼感が届きます。足を浸した渓流の冷たさ、心地よさも想像できます。 (多田有花)
石に座りながら、川の流れに足を入れ涼んでいる様子が楽しげです。 (髙橋句美子)

34.夜濯ぎの水汲むつるべ月の井戸/吉田 晃
つるべで水を汲む井戸の涼しさと水に映る月。昔ながらの日本情緒あふれる美しくも懐かしい光景です。 (柳原美知子)

40.鷺草の群舞の構えに咲きそろう/古田敬二
今にも飛び立とうと見える鷺草、群れが広がって咲いています。 (祝 恵子)

42.梅雨明けや妻の顔も晴れやかに/古田敬二
敬二さんとお会いしたのはずいぶん昔。お二人が 健在であることが句から伺え安心。 (吉田 晃)

05.行水の妻覗かばや草田男忌/桑本栄太郎
20.快方へとろろご飯と朝の風/西村友宏
35.合歓の花てんでに触れて眠らせる/吉田 晃
38.朝蝉の空を鳴らして飛び立てり/川名ますみ
41.天を指す芝生に一本ねじり花/古田敬二

■選者詠/高橋信之
25.湯の音に母思い出す夏夕べ
暑い夏の一日、家事を早めに終え、ゆっくりとお湯に浸かるのは、主婦にとってほっと安らげるひととき。お湯をつかう音にも涼しさが感じられ、湯上りの清々しいお母さまの姿が思い出されるようです。(柳原美知子)

26.夜の秋机上に数字書き並べ
27.スタンドの明かりが照らす夜の秋

■選者詠/高橋正子
28.立秋の風に高々雲動く/高橋正子
今年の立秋は良く晴れていた。 雲も白く浮かんでいた。この様な空の動きを良く捕らえている。 (廣田洋一)

29.萩を吹く風に出でけり試歩のため/高橋正子
「萩を吹く風」の表現が気持ちよく、秋が来たことを優しく教えてくれている。季節の変わり目を肌に感じ、歩いてみようとする前向きの気持ちになったのであろう。季節の移り変わり、特に秋への移りは人の心をそうさせてくれるのだろう。 (吉田晃)

30.みんみんの中の蜩水のごと

■互選高点句
●最高点(6点)
39.朝顔のつぼみの先に明日の色/川名ますみ

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