4月19日(月)

晴れ
●良く晴れているが、家の中はひんやりしている。近所のマンションの植え込みのおがたまの花が良く匂う。
●名古屋のYさんから添削依頼。3句ずつ。今回で4回目。あまりなおすところはない。間違いはない。添削はあまりしたくないが、ここを直せば、「心境ステージ」のレベルが上がるところはある。
●花冠2012年~2015年のうち、
今日は、2014年、2015年の句美子の句を抜きだす。
明日は2012年、2013年の予定。

4月18日(日)

くもり
●句美子のネット句会投句分から50句を選ぶ。『手袋の色』から100句選ぶ。花冠の2012年から2015年の掲載句を整理する必要がある。明日整理することにする。
句美子も自分でやっているが、最後突き合わせてみる必要があるので、念のためこの作業をしている。
●句美子が夕方来る。アンソロジーの件と、ニーチェアの件を話す。
●図書館から、英語の本を選んで借りて来てくれた。これも外出できないための慰み用。今回は
レベル0のMoby-Dick
レベル1のJourney to the West
レベル5のOthello
レベル6のThe Invisible Man
『Othello』 をぱらっとめくったが、当時の舞台の様子など、やはり現場の面白さという個所があった。役者がほかの役者に聞こえないように観衆だけに耳打ちすることもあったようだ。舞台と観客が近い。ちょっと楽しみにしている。
前回はJhon Lennon(伝記)
     Circle Games(シンガポールの話)
その前は、Agatha Christy (伝記)など。
一か月半ぐらい、いろいろ借りて来てくれたが、句美子が判断して、英語の本に落ち着いたようだ。薄くて軽くて、日本語では知ることのできない面白さがある。婦人雑誌や建築や植物,旅の写真集は重いし読後の面白さが限られるみたいということらしい。

4月17日(土)

曇ときどき雨
●NYchair が届いた。句美子がネットで手配してくれた。信之先生の卒寿の祝いに子供二人と私からのプレゼント。デザイナーの新居氏が設計したカンバス生地の椅子。白木の手すりに、座るところのカンバス生地は、去年秋に出た新色のグレーにした。
早速組み立てる。ネジが4本あるだけ。出来上がって座ってみると、いい座り心地。なるほど、グッドデザイン。カンバス生地がしっかりして支えてくれる。白木の手すりが手に優しい。座ったまま眠れそう。信之先生も大満足。
●句美子のネット句会への投句を2012~2021年4月分まで拾う。句集『手袋の色』から選んだら107句になった。

ご挨拶/4月月例ネット句会を終えて

4月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントもありがとうございました。
例年より季節が1週間ほど早く過ぎているようです。桜もはやばやと終わって葉桜、新緑の季節を迎えています。あまりに新緑がきれいなので、当季雑詠に「春の句」としたのも、ちょっとまずかったかなと思うほどでした。
気温の上がり下がりに体調を崩されたかたもおられるようですが、くれぐれもお大事に。
今回、個人的な感想として、内容がよくて、選に入れたいのに定型が崩れすぎて惜しいな、という句がいくつかありました。自戒も含めてですが、声に出して読んでみることも大いに大切なのだと思いました。初心忘るべからず、ですね。
これで4月月例ネット句会を終わります。来月の月例ネット句会は、5月9日(日)・母の日です。たのしみにお待ちください。
主宰・高橋正子

4月15日(木)

晴れ
かまずみの花、おがたまの花咲く。
●句美子の『手袋の色』から50句程度選句中。
●総合誌やネットなどで若い人の俳句を見る。一番の感想は、元気で燥いでいる。燥ぐ原因はなにかと。
●俳壇の占いコーナー、やぎ座は、運はふつう。5月は天体観測、自然の中を歩く。

4月14日(水)

●霧雨らしいので傘なしでゴミ出しにでて、すっか濡れてしまった。着がえる羽目に。それなりに降っていた。
●愛媛から毎月俳誌が数誌送られてくる。なにかしら絆のようなものを感じてありがたく拝読している。愛媛には愛媛特有の俳句への価値観があるように思える。愛媛俳句の伝統と言えるのだろう。吟行記などは特におもしろく読んでいる。
「灯4月号」に故青野子先生の「俳句は鶏の餌にもならないとある人は言う。しかし鶏の餌にもならない俳句が自分の人生をこれほどまでに豊かにしているのはまぎれもない。」と言われたという話。「鶏の餌」に例えたのは愉快。ついでに「俳諧ははくてもありぬべし。ただ世情に和せず、人情に達せざるひとは、是を無風雅第一の人といふべし(芭蕉)」を引いてあった。
●芭蕉の言葉が出たついでに芭蕉周りことをネットで見ていた。面白いことを発見。弟子の杉風関係で、亜浪が出て来るとは。亜浪の字を愛好する人も多い。ちょっと見てみたい。
<芭蕉の門弟であると同時に、芭蕉の有力な庇護者であった杉山杉風の墓は、東京都世田谷区宮坂2-24-5の築地本願寺派成勝寺本堂裏の墓地にある。上段には「杉風墓」と記されその下には、
     痩せがほに団扇をかざし絶しいき
と辞世が刻まれ、さらに線描きの杉風肖像が彫られている。揮毫は俳人臼田亜浪である。大正十二年震災に罹りて墓碑の破損せる為遺骨を此に改葬すると共に昭和五年十一月之を再建すと碑陰に刻まれている。傍らに立つ墓誌銘には芭蕉桃青居士元禄七年十月十二日とあり芭蕉の供養墓ともなっている。>
●明日が延長期限締切となっている税金の申告。やっと今日郵送した。

4月13日(火)

おがたまの花に雨粒ころがりぬ   正子
ラベンダー乙女ならずも嗅ぎにけり 正子
王配の喪中に買いぬラベンダー   正子
●「俳壇5月号」届く。本号の84ページの「俳句の杜2020アンソロジー作家作品集」に柳原美知子さんの「黄砂ふる」(5句)が載る。花冠の結社広告(隔月奇数号)が載る。広告最初のページ左隅の目立つところ。美知子さんに電話。美知子さんのところは、まだ5月号が届いていない。
●イングリッシュラベンダー2鉢買う。
●4月ネット句会に新緑の句を投句しようと思った。ところが、当季雑詠(春の句)として案内している。新緑の季語は夏。俳句は現場主義で行きたい。こんなにも新緑がきれいなのに、春の句と案内した手前、新緑の句は止める。今年はとくに季節がずれている。桜はとっくに葉桜。
●季語で思うが、ぴんとこなくなった季語もある。「種蒔く」。これは、籾種を蒔くこと。日本の農業もすっかり変わった。田舎にいけば、どの農家も小さい田んぼながら米を作っていた。籾種を蒔くことは生活のなかに深く入り込んでいた。ところが今は「種蒔く」でけでは、季語として弱い感じになっているように思える。新しい感覚の歳時記が要るのでは。

4月12日(月)

晴れ
●4月月例ネット句会入賞発表。正午発表の予定が、1時ごろになる。今回は内容がいい句が、問題句がまあ、あった。
投句に、定型にしようと思えばできいるのに、定型を崩している句が結構ある。内容はいいのに選に入れるにはちょっと無理。みんな句歴はそこそこで、
いまさら。初心に帰れということ。定型は、基本の「き」なのだが。厳しく言うか、ということであるが。主宰一人がきちっといい句を作ればそれだけのこととも言える。世間は、主宰の句しか見ていないような感じでもある。
●朝10時過ぎ敬二さんの奥さんから電話。昨日の小包がもう届いてる。大したお見舞いではないが、たいそう喜んでくださった。
●句美子のアンソロジー、4月のネット句会が終わり次第、編集の相談に乗る約束。あと、1か月。

■4月月例ネット句会/入賞発表■

■4月月例ネット句会/入賞発表■
■2021年4月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年4月11日
【金賞】
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
桜と水の潔さを強く感じさせる句。桜、噴水と季語が重なるが、主題は桜。都会的な桜の風景が新鮮に詠まれている。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
桜鯛は、3月~6月ころ鯛は産卵をひかえ内湾の浅瀬にくる鯛は鱗が桜色に染まるのでそう呼び、美味である。季節をたのしむ日本の食に、桜鯛があることはうれしいこと。鯛の鱗は固く、鱗をとるときには、鱗が顔に飛び散ることもある。「うろこ浴びつつ」であるが、それは生きの良さであり、桜の季節の心の華やぎでもあるのだ。(髙橋正子)
08.さらさらと音させ春の種を蒔く/古田敬二
春の種を蒔くのだが、蒔く手から離れるときさらさらと音がする。春の光りと混じりあった小さな種の音が快い。「種蒔く」は、春の季語で、籾種を蒔くこと。蔬菜や花の種を蒔くときは、物種蒔く、花種蒔くとするのが普通だが、「春の種」として、新しい感覚を呼び起こした意味がある。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
大きく捉えたられた港の景色。大阪の港の空を跨いで春の虹がかかった。それをずばり、そのままを詠んで大らかな春の虹となった。(髙橋正子)
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
桜が咲いているが、どんよりした空は冷え冷えとして、気分が重くなるような日、つまり花曇の日。こんな日は嗅覚が敏感になるのか、真新しい教
科書はインクの匂いがした。花曇が感覚的にとらえられている。(髙橋正子)
33.瓶立ての花一輪は透き通る/髙橋句美子
瓶に立てた桜の花の一輪。見る向きによって一輪が透き通っている。それだけのことだが、精神がきりっとしている。瓶の色は桜と合う昏めの透明な青い色か。静物画の小品のような一句。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
新しき教科書はどことなくインクの匂い漂う、まさに気分を新鮮にさせてくれるものを持っています。花曇りと相まって、4月初旬の新入生の雰囲気がありありと浮かんできます。 (高橋秀之)
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
真鯛は春の桜の咲く頃は、産卵のために内海に入って来ます。その時季の雄には腹回りが桜色に染まります。ピンク、青、白の混ざったうろこを浴びながら捌く心弾む作業です。(桑本栄太郎)
18.自転車は花のトンネル押してゆく/祝恵子
満開の桜の並木路を自転車に乗ったまま通り過ぎるのは、もったいないですね。ゆっくりと押して短く美しい桜の季節を味わいたいものです。 (柳原美知子)
32.桜散り若葉明るく一本道/髙橋句美子
桜が咲き始めると落葉樹の芽吹きも始まります。そして桜が散るころには若葉となってまばゆい緑が広がります。桜のころとはまた一味違う明るい一本道の姿です。 (多田有花)
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
33.瓶立ての花一輪は透き通る/髙橋句美子
【高橋正子選/7句】
08.さらさらと音させ春の種を蒔く/古田敬二
心地よい春の日差しの中、春撒きの野菜の種を軽快に畝にまかれている姿が眼に浮かぶようです。日々の生長が楽しみですね。(柳原美知子)
37.谷底まで花爛漫の峠ごえ/柳原美知子
桜が咲きそろった峠を越えていかれました。深い谷の下までいっせいに咲きそろった桜に彩られています。なんと贅沢なひと時でしょうか。 (多田有花)
13.桜咲く中へ噴水あがりけり/多田有花
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之
28.初めての教科書匂う花曇/西村友宏
32.桜散り若葉明るく一本道/髙橋句美子
39.桜鯛うろこ浴びつつ捌きけり/柳原美知子
【入選/17句】
01.客待ちの舟遊ばせている春の潮/吉田 晃
遊覧船か、あるいはボートかいずれにしても波静かな入り江です。日差しも風もやわらかく、客の姿は無くてもそれもまたよしの風情です。 (多田有花)
05.散る花の一つだに無き山上湖/小口泰與
桜が満開の頂点にあって山上湖を囲んでいます。すぐにその緊張が破れて花が舞い始めるのですが、その一瞬の貴重な瞬間をとどめておられます。 (多田有花)
12.御衣黄の浅黄咲き初む花の冷え/桑本栄太郎
桜の咲く花時は陽気が変わりやすく、薄ら寒さが訪れる事がある。御衣黄桜は淡い緑色、やがて花びらは赤く染まって行くその変化を的確に詠った素敵な句ですね。(小口泰與)
29.自転車のサドルを高く春の道/西村友宏
春を喜ぶ作者の気持ちが、サドルを高くに表現されている。背が高ければ当然サドルの位置も高くなるが、このサドルの高さは作者の心の位置であり作者の笑顔が想像されます。(吉田晃)
30.夕支度きらりと光る春大根/西村友宏
夕方、食事の支度を始めて、材料を色々取り出して並べる中に、春大根が白く光った。日常のさりげない光景だが春大根の光をうまく捉えた。 (廣田洋一)
31.木の芽摘む葉うら葉おもて濃い緑/髙橋句美子
木の芽が芽吹き、いつの間にか濃い緑になって、手の中にある感動が伝わってきます。口調もよく、みずみずしい生命力が感じられます。 (柳原美知子)
34.さくらさくらさくら人なき公園/川名ますみ
公園の桜が満開になっています。けれど公園に人影はありません。もったいないような光景です。このままとどめておきたい、と思いますが移ろっていくからまたいいのですね。 (多田有花)
35.その先のひかりを透かす花曇/川名ますみ
花曇の空にも透けてみえるひかりには、ほのかな香りや華やぎが感じられ、心がやすらぐようです。 (柳原美知子)
38.行く先を落花つぎつぎ染めゆける/柳原美知子
落花を浴びながらの花見、今年もいい花見ができましたね。 (祝恵子)
03.葉桜になりゆく日々の美しき/吉田晃
04.里山の錆びた改札桃の花/小口泰與
07.御嶽の遠くにかすんで桜咲く/古田敬二
11.見上ぐれば青空透かし花万朶/桑本栄太郎
14.山々の躍動はるか木の芽晴/多田有花
16.土を替え肥料を加え春の苗/祝恵子
20.八重桜川面に向かひ枝垂れけり/廣田洋一
36.春陰に小動物を照らす小屋/川名ますみ
■選者詠/高橋信之
25.卓上にいろいろあれどチューリップ
卓上にある一本のチューリップの存在感。お宅に咲いたものなのでしょう。春の明るさと愛おしさを感じさせてくれます。 (柳原美知子)
26.辞書開くことも明るく春の朝
27.赤きばら一輪立てて朝の卓
■選者詠/高橋正子
40.ふりあおぐ空に囀り雲もなし
雲一つない爽やかな春の空に、囀りが加わることで、美しい光景が際立ちます。気持ちのいい作者の心境も伝わってきます。(西村友宏)
42.野蒜咲く川の光を花に得て
川のきらきらした光を浴びた野蒜の生命力を感じます。 (髙橋句美子)
41.八重桜幼な木ながら花ゆたか
■互選高点句
●最高点(5点)
24.大阪の港を跨いで春の虹/高橋秀之