■6月月例ネット句会/入賞発表■

■2021年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年6月14日
【金賞】
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
遠くの峰から郭公の声が聞こえる。峰にかかっていた夏靄だろうか、うすい雲だろうか、次第に晴れて来る。「晴れ来る」の時間の経過に洛西の風景が見える。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
梅雨のころ、風は湿りを帯びて重い。その風に梅の実が落ちる。日本の湿って重い梅雨時期の日本の風土が表現されている。(髙橋正子)
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
はなやかな花の鉢も静かに濡れている。その静かさは梅雨がもたらす、静けさ。しっとりとした奥行きある情趣がいい。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
梅の実には、みどりの色のいくつもの変化がある。落ちてもなお、鮮やかさを失わない梅の実にはっとさせられる。(髙橋正子)
★青梅を洗いし手の香目覚めても/柳原美知子
この青梅は少し色づき始めたものだろうか。梅独特の匂いが発っている。その梅を洗った翌朝も、梅の匂いが手についている。梅仕事のあとの充実。(髙橋正子)
★紫陽花の重たき毬は紫紺色/川名ますみ
紫陽花の花の毬が重そうに、垂れ気味に咲いている。その色は、紫紺色。しっかりと重みのある色だ。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★挿し木から紫陽花一つ初開き/高橋秀之
ご自身で挿し木されたのでしょうか。そこから今年の花が咲き始めたというのは新たな喜びですね。 (多田有花)
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
★立葵花びらがゆれ茎が揺れ/吉田 晃
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
★紫陽花の重たき毬は紫紺色/川名ますみ
【高橋正子選/7句】
★扇風機今年の風を送り初め/多田有花
電力で風を起こす器具の扇風機は、翼を回転させて風を起こす。今年初めて扇風機が回転して新鮮な柔らかい風を送っている。気持ちの良いゆったりとした景が見えてきます。(小口泰與)
★青梅を洗いし手の香目覚めても/柳原美知子
一晩明けても手に青梅の香が残っている、それに気づいて昨日の作業を思い出されたことでしょう。生活の実感に即した、経験者ならではの御句と感じます。 (多田有花)
★夕風呂を終えて今日から夏布団/ 西村友宏
急激に気温が高くなり、すっかり夏めいて来ました。未だ明るい夕方に入浴を済ませ寝室に入ってみれば、如何にも涼しそうな夏蒲団が用意されています。(桑本栄太郎)
今日から夏布団。それを楽しみにしながらの夕風呂。すがすがしくわくわくとした気持ちでお風呂を楽しむひとときです。(高橋秀之)
★山よりの重たき風や実梅落つ/小口泰與
★郭公の峰の遠くに晴れ来たる/桑本栄太郎
★花鉢の濡れて静かな梅雨に入る/吉田 晃
★落ちてなお色鮮やかな実梅かな/廣田洋一
【入選/13句】
★まっ青な海を遥かに花蜜柑/吉田 晃
海の深い青と蜜柑の花の白さのコントラストが綺麗な風景です。 (髙橋句美子)
★田水入る茅花流しの畦濡らし/柳原美知子
この時期特有の風が吹く。景色全体が湿り気の中にあって、田に入る水の揺らぎが想像される。田植えが終わったばかりだろうか。早苗も入る田水に揺れている。「田水」がこの句を動きあるものにしているように思う。(吉田晃)
★水けむり蛍火流る源流に/柳原美知子
人里離れた源流で蛍火を楽しんでおられます。遠い昔の思い出の一コマのようです。 (祝恵子)
★額の花昏るるごとくに藍深む/川名ますみ
紫陽花の藍色が深まる様を昏るるごとくと、夕方の青が深まる空に譬えたのが上手い。 (廣田洋一)
★昏れしごと藍を深める額の花/川名ますみ
額の花の色はさまざまありますが、これは濃い青のもの。それを昏れてゆく空にたとえられました。 (多田有花)
★立葵並んで空を仰ぎ見る/髙橋句美子
真っ直ぐ空へと咲き昇っていく立葵。何本か並んで咲いているときの咲き方はまさにこういうイメージです。 (多田有花)
★葭切や微塵もこびず川筋へ/小口泰與
★卯波立つ遥か沖行く船の影/桑本栄太郎
★バスの影植田にさっと動き消え/祝 恵子
★苦瓜の窓の高さに蔓は延び/祝 恵子
★夏の海隔てて淡路島淡し/多田有花
★南部鉄の重き風鈴軽き音/廣田洋一
★梅雨空にまっすぐ薄く飛行雲/高橋秀之
■選者詠/高橋信之
★黄の百合の大きな花が窓越しに
★笹百合が大きく咲いてすがすがし
★笹百合に朝空高し窓開ける
■選者詠/高橋正子
★若竹のみどり濃くなり雲放つ
若竹がぐんぐん伸びて緑も濃くなり、大空に白雲を放っているかのように煌めいています。明るくすがすがしい夏の景です。 (柳原美知子)
若竹の力強さがみどりの濃さや「雲放つ」という表現で一段と際立っています。 (西村友宏)
★夏鶯シーダの枝に長鳴きす
★山畑のすずしさ雉鳩啄みて
■互選高点句
●最高点(7点/同点2句)
★夕風呂を終えて今日から夏布団/西村友宏
★若竹のみどり濃くなり雲放つ/髙橋正子

■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2021年6月13日
13名(39句)
01.葭切や微塵もこびず川筋へ
02.山よりの重たき風や実梅落つ
03.鴨の子の身過ぎ各おの水の星
04.大山の山開きとや夜見ヶ浜
05.郭公の峰の遠くに晴れ来たる
06.卯波立つ遥か沖行く船の影
07.タバコ屋の看板ありて七変化
08.バスの影植田にさっと動き消え
09.苦瓜の窓の高さに蔓は延び
10.扇風機今年の風を送り初め
11.海風を受けつつ夏のボードウォーク
12.夏の海隔てて淡路島淡し
13.花鉢の濡れて静かな梅雨に入る
14.まっ青な海を遥かに花蜜柑
15.立葵花びらがゆれ茎が揺れ
16.南部鉄の重き風鈴軽き音
17.落ちてなお色鮮やかな実梅かな
18.さくらんぼ食べたる証種の山
19.田水入る茅花流しの畦濡らし
20.水けむり蛍火流る源流に
21.青梅を洗いし手の香目覚めても
22.夕風呂を終えて今日から夏布団
23.打ち水や子らも仔犬も軒下へ
24.菓子箱の飴玉光る夏の夕
25.挿し木から紫陽花一つ初開き
26.出勤の電車の窓からヨット見ゆ
27.梅雨空にまっすぐ薄く飛行雲
28.黄の百合の大きな花が窓越しに
29.笹百合が大きく咲いてすがすがし
30.笹百合に朝空高し窓開ける
31.夏鶯シーダの枝に長鳴きす
32.山畑のすずしさ雉鳩啄みて
33.若竹のみどり濃くなり雲放つ
34.額の花昏るるごとくに藍深む
35.昏れしごと藍を深める額の花
36.紫陽花の重たき毬は紫紺色
37.夏服に風を通して洗濯す
38.立葵並んで空を仰ぎ見る
39.夏晴れて白い飛行機青空へ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

6月13日(日)

菜種殻雀すがればたわむなり   正子
蚯蚓の句師の句なりせば彷彿され 正子
五月闇りりと鳴くもの土におり  正子
尾をふりつつ鳴く老鶯のうまし声 正子
●6月月例ネット句会
木暮陶句郎著『薫陶』より好きな句(15句)
清流に大きく歪む跣足かな
春寒の芯となりたる置き手紙
まづ風が駆けのぼりゆく山開
十指みな吾の分身陶はじめ
水音を隙間に満たしつつ桜
湯たんぽの命と思ふ湯をそそぐ
デッサンの小指の汚れ卒業期
水が水明るくしたる新豆腐
リュック背負い自由な両手秋高し
風鈴の釘風道の芯に打つ
人降りて風より軽きハンモック
水音の透けてをりたる谷若葉
両の手は太古の器水の秋
夏帯を鏡の中に軋ませて
水と土ぶつけて轆轤始めかな
●今日、陶句郎さんへ『薫陶』の礼状を出した。

6月12日(土)

晴れ
シーダーに夏鶯の長鳴ける 正子
山畑のすずしさ雉鳩啄みて 正子
若竹のみどり濃くなる雲放ち 正子
夏霞鉄塔ばかり光るなり   正子
夏燕影を落とさず飛ぶ高さ  正子
六月の空を航く灯の明滅は  正子
●俳壇7月号が届く。多田有花さんの「桜咲く」7句が「今月の有力同人」のページに写真付きで掲載される。早速有花さんに電話。有花さんところには、まだ届いてないとのこと。
●今日は、信之先生のワクチン接種の日。体調を崩さないようにとにここ2.3日は気を遣ったが、問題なく第1回目接種が終わる。9時開院と同時に行ったので、9時45分には帰宅。
●早朝5丁目の丘を散歩。貸農園あたりから、鴬の声が聞こえてくる。鳴いている場所を探しに声の方へ歩いて行った。鳴いている木を見つけた。高田第5公園のヒマラヤスギ。ろうたけた美声。しばらくいたので、そこを後に帰っていると、竹やぶにまた鶯が来て鳴く。さっきのかもしれないが、枯れた竹の先に止まった。丸見え。スマホのビデオで鳴くところを撮影。鳴くときは尻尾を振っている。声もよく入っている。
ほかに、山鳩の番が荒れた畑で餌をたべているところもビデオに。電線に小綬鶏らしきものもいて、これはカメラに。藪で小鳥が鳴いているので、姿が見えないがビデオに録る。帰ってから見ると、盛んに鳥が藪を枝移りしたり飛び立ったりしている。
1時間ほどの散歩ながら、草の絮や実にやられたのかも。洋服から出ているところが、アレルギーぽく、かぶれてしまった。草の中に入ったわけではないのに、もう草の実や絮が空中を飛んでいるのだろう。

6月11日(金)

晴れ
咲き初めし梔子けさを純白に    正子
実南天出合い頭にすずしさを    正子
あじさいの毬やや錆びてピアノ鳴る 正子
●正子の俳句日記を必要があって読み返していたら、音楽のことを結構書いている。音楽は好きだけれど、全然詳しくないので書きようもないのだが書いている。眼がドライアイになって、本は読んでいてもすぐ眠気がさして、読みたいのに、目がかすんで本を閉じてしまう。目薬を差してしばらくは眠気が覚めるが、またすぐ眠くなる。けど眠れない。音楽を聞くことになる。
今はもっぱらインターネットラジオで、オーストラリアのABCクラッシクラジオを聞いている。聞きやすい選曲で、音がきれいなので気に入っている。たまに、尾崎忠明指揮のブラームスとか、日本の童謡の「月」などが懸かったりする。予想以上に親日的なのかも。日本人もオーストラリアへ結構移民として移住しているし、米作も日本人によってはじめられたとか聞く。

6月10日(木)

晴れ
緋めだかの細きも浮いてきたりけり  正子
紫陽花のうすき水色晴れ予報     正子
肩までに百合の丈伸びまだ蕾     正子
●近所の花好きの奥さん、しばらく焼き物の素敵な甕に水を張って水草を浮かせていた。塀もなく通りすがりに覗けるので、ちょっと覗いてみたら、緋めだかがいた。水草はあさざの小ぶりのようなもの。

6月7日(月)

●陶句郎さんの句集『薫陶』を読む。陶句郎さんも還暦らしい。初めてお会いした時は、40代だったが、そんなに時がすぎたかと。陶句郎さんは、事を運ぶ次第が丁寧で、いまだに主宰誌や句集をお贈りくださる。普通なら、私は信之先生の添えにすぎないが、まこと丁寧。毎年句集を出されるとかのうわさ。
●梅ジュース、2日目の朝になるが、ジュースが梅を浸すまであがった。。
●住まいの入り口に宅配ボックスが設置される。
●信之先生の病院から、ワクチン接種の日を変更して1週間延ばすとの電話。私は、かかりつけ医で打つようにと言われる。

6月6日(日)

曇、ときどき雨
青梅の黄ばみつつ沈みつつ漬かる  正子
●梅ジュース、少しジュースがあがったので砂糖が溶けるよう揺する。
●小雨が降るので、洗濯物を取り込むと、またすぐ薄日が差してくる。この繰り返し。
●昨日の信之先生の病院から留守に電話。もしかして、ワクチンを打つ日だったのかも。日にちの指定はされてなかったと思うが、勘違いか。明日の受診でいいでしょ。

6月5日(土)

晴れ
腰かけて傾く黄百合をガラス越し 正子
梅雨の灯に解かれいたる書生縞  正子
曇たる未明を咲きぬミニ薔薇   正子
●梅ジュースを漬ける。今日は3kg。4L瓶二つに1.5kgずつ。あと1kg冷凍にしてるのは予備。ずっとあとで漬けることに。梅は冷凍で1年もつらしい。
●梅干ショップで手作り梅ふりかけ、ゆかりを買う。ゆかりは大匙2杯ほどが500円。梅ふりかけは、ごま混じり。こちら1000円。
●信之先生の半纏の寿命がきたので、ほどいて表生地を洗って、アイロンをかけた。書生縞なので、座布団カバーにする予定。上手くいけば、2枚作れる。一枚でも、いい。秋には新調。柄のいいのがありますように。