7月18日(日)

晴れ
●「俳壇9月号」の「結社の声」初校。写真のキャプションをつけるので、また、アルバムをめくり、大会名、年月日、場所を確認。(この作業が大変。)
この原稿の校正が済むまで、部屋は片付けられず、資料は出しっぱなし。
●自由な投句箱、7月1日~9日までを操作ミスで消してしまったのを、今日復旧させた。その間も新しい投句があるので、16日から今日までの句に星印とコメント、秀句を選ぶ。
●7月月例ネット句会のコメントを張りつける。本来なら、月曜日には終えておかなければいけないのに、ワクチンでちょっともたついた。でも、とにかく終えた。
●美知子さんから電話。17日に句美子のアンソロジーにコメントをいただいているのに、返信しないでいたので、心配されたのかも。
●夕方句美子が来る。角川からの原稿依頼(8月16日締め切り)を渡す。アンソロジーの返事がどんどん来ていると話す。今日は、おにぎり弁当を持たす。
●8月結構忙しくなりそう。8月句会を休むかどうか。思案中。

7月17日(土)

晴れ
●暑いことかなり。夕方、信之先生を散歩に連れ出す。少しで止めようとしたが、もう少し先まで行くというので、公団の中を歩く。夾竹桃、百日紅の赤と白。公団の木陰は涼しい風が吹いていた。
●美知子さんからのコメント
(略)
モダンで上品な装丁も素敵で、16人もの作家の100句がおさめられ、重厚感もある立派な本ですね。親世代以上の年齢の方々の中で、若く知的で美しいお写真と共に、ひときわ目をひくエッセイと100句です。
「水煙」の創刊と同時に誕生された句美子さんの歩みは、「水煙」「花冠」の歩みと重なりエッセイを拝読しながら、感慨深いものがありました。
信之先生と正子先生のもとで、幼い頃から息をするように俳句を詠み、「明るくて深い現代語による俳句を、よい生活からよい俳句を」という「花冠」のモットーを肌で感じながら成長された句美子さんの真っすぐで、明るく、芯の強いお人柄と豊かな感性の感じられるエッセイと俳句は唯一無二のものだと感動を覚えます。自然体の俳句はサワサワと風が吹き、サラサラと水が流れるようです。
 好きな句
イースター青い卵の贈り物
寄せて来てきらめく波がヤドカリに
ひんやりとトマトが甘い祖母の家
旅立ちの車窓斜めに花ふぶき
雪山を見渡してから滑りだす
観覧車春の港の風が吹く
晴れやかに朝の光の梅の白
菜の花の黄の集まりて空に浮く
白壁に葡萄の蔓も黒い実も
朝顔のつるの螺旋がやわらかい
秋の星瞬く点を結んでみる
元日の新聞思いきり広げ
冬北斗追いかけっこでゆく親子
さわやかな風吹き始め嫁にゆく
ラムネ瓶君に渡せば音水色
ふきのとう明るいみどりに刻まれる
日傘買う母に合わせた花の色
風強しセーターの柄の明るさに
蝉の羽透ける木陰を歩き出す
晴れた日の階段あがれば桜咲く
(以下略)
 

7月14日(水)

晴れ
●コロナワクチン第1回目接種。打ったばかりのときは、腕がだるいだけだったが、3時間ほどして腫れて痛くなり、気だるくなった。お礼の葉書を2枚書いたが、家事はする気にならず、夕飯は、お弁当を買って済また。早々と床に就いたが、夜中、寝返りができないほど腕が痛いので、冷やしたが、直らず。

7月13日(火)

●夜中目が覚める。インターネットラジオを聞く。今朝は、フィンランドのタンペレのラジオ・クラッシック。バッハのサラマンドから始まって、いろいろ。今朝のシューベルトはよかった。これまで、オーストラリアのABCクラッシック、ドイツのクラッシック・アインスを聞いたが、選曲が楽しく、どれもいい。またも、睡眠不足が始まる。
●吉田晃さんに電話。花冠が届いているか、確認。365号はよかった、という返事。みんなの句が12句、ゆったりと掲載され、じっくり読めて勉強になると言うことだった。半年分の作品なので、それなりに充実した句が並んだためかもしれない。月刊が当たり前の俳句雑誌も、どのくらい間隔をあけるか、考え直す必要がありそう。
●亜浪先生の句を聞いた来た渡辺さんに電話。一昨日花冠創刊30周年記念号、花冠365号、句美子の句集『手袋の色』を送ったので、それらについていろいろ。30周年記念号には、信之先生が亜浪研究と題して文章を書いている。聞けば、それを読んで、亜浪の直弟子だった母の句を思うと涙が出たということだ。亜浪系統の俳句は解釈がむずかしいと仲間から言われていたらしいが、鑑賞の仕方がよく分かったということだった。

7月12日(月)

晴れのち曇り、雨。
●今日は前橋あたりが豪雨に。
●7月月例ネット句会の入賞発表。朝4時に目が覚め、それから、入賞発表の原稿などを書く。入賞発表後、8時ごろから少し眠ろうと寝たが、午後2時半まで眠ってしまった。少年みたいに爆睡。この前の徹夜といい、爆睡といい、ここ十年も経験しないことを経験した。
●小西昭夫さんから花冠を送ったお礼の葉書で、信之先生が卒寿に驚いたということを言ってきた。信之先生に言わせると、文面、彼はおとなしくなり過ぎた、と。
●林誠司さんからも花冠のお礼の葉書。今回の花冠、インパクトがあったのか、たくさん返事をいただいた。
●句美子がアンソロジーの送料、はじめは750円かかったけど、レターパックなら520円で済んだと言ってきた。少しでも安いほうがいい。

7月11日(日)

●7月月例ネット句会
今日の句会、みなさんの投句がはやばやと終わった。遅くなったのは私たち世話人の方。これではいけないと反省。
早朝、URの団地を一巡りした。寝静まって、人影はないが、小鳥が芝に下りて啄んでいる。蝉が木から飛び立つのを見た。初蝉。
投句
朝焼けて草の匂いの芳しき 正子
寝そびれて遠きしじまの梅雨の星 正子
みどりからみどりへ蝉の羽音がす 正子
●句美子がアンソロジーの出来上がったのを持参。昨日と、今日発送の準備をして花冠の同人も含めて22冊送ったとのこと。発送準備に思った以上に時間がかかったとのことで、疲れ気味。

■7月月例ネット句会/入賞発表■

■7月月例ネット句会/入賞発表■
■2021年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年7月12日
【金賞】
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
「群れて」「翔けて」そして「軽さ」と風の風景が巧みに捉えられている。大きく広がる青田の風の景色の躍動感がいい。(髙橋正子)
【銀賞】
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
海峡へと流れる夏潮の水脈の動きが見て取れるようだ。夏潮らしく水脈がきらめいている。「きらめく」に集約された感覚がいい。(髙橋正子)
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
静かな観察が、早苗田の水の平らな柔らかさをよく表すことに成功している。早苗田の畦を行く人は、ただ「影」とのみ表現され、これもうまい。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
去年の採種した朝顔。今年も蒔く準備として、発芽しやすいように種を水に浸けた。水に沈んだ種が、可愛らしくも思えるリアルさがいい。(髙橋正子)
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間/高橋秀之
人となりを表すような大柄な句。梅雨の晴れ間は、どっしりとして、大きく広がる。単刀直入な表現が爽快。(髙橋正子)
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
夕立が今、まさに来る様子がそのまま、リアルに表現されて、緊迫感がある。「一天暗く」に、講談の調子にあるような迫力がある。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
風がまるで少年少女のようです。笑いさんざめきながら何のくったくもなく駆けていく。青田を波打たせ通って行く風の心地よさが感じられます。(多田有花)
青々した田んぼに吹く様を「翔けて」「軽さ」と表現することで、より晴れやかな気持ちの良い光景が浮かびました。(西村友宏)
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
豊後水道を思い起こす。船が引く水脈が夏の光にきらめきながら九州へ伸びている。夏の海峡の逞しさが強く感じられワクワクさせてくれます。(吉田晃)
水脈のきらきらと美しい情景が夏らしいです。(髙橋句美子)
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
「取り置きし」というのがいいです。朝顔を愛おしく思われる優しさが溢れています。 (多田有花)
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
夕立の来る前、空は暗くなり風が吹き付けて来ます。木の葉がざわざわと揺れ、天が暗くなることで、すぐそこまで夕立が近づいている感触が伝わります。 (高橋秀之)
夕立がやってくる一瞬の様相を見事にとらえられています。風と空の急激な変化です。 (多田有花)
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間/高橋秀之
31.朝焼けて草の匂いの芳しき/髙橋正子
【高橋正子選/7句】
09.ひまわりやつのる豪雨にうなだれて/多田有花
向日葵も大分おおきくなってきた。そんな時に梅雨前線が動かぬ為に、狭い地域に豪雨が襲うこととなった。その雨に向日葵もうなだれてしまった。そう言う景色をうまく詠んだと思います。(廣田洋一)
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃
12.早苗田の水に畦行く人の影/吉田 晃
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす/柳原美知子
15.花南瓜濡れて咲く地を子ら登校/柳原美知子
17.取り置きし朝顔の種水につけ/祝 恵子
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来/廣田洋一
【入選/14句】
01.糸鳴りの響く渓谷大山女/小口泰與
万緑の渓谷での山女釣りの楽しさが伝わってきます。道糸が引っ張られる音が響き、さぞかし大きな山女が釣れたことでしょう。 (柳原美知子)
大山女魚の抵抗に竿が大きくしなり、それに耐えて糸鳴りを起こす。今は疎遠になってしまったあのヒュンヒュンという糸鳴りが何とも懐かしいですね。 (吉田晃)
02.D五一の汽笛の走る夏の川/小口泰與
蒸気機関車が川沿いを走っているのか、広々とした情景が浮かんできます。蒸気機関車の走る区間も少なくなりました。貴重な瞬間です。(高橋秀之)
06.たそがれの闇に香るやまんだらげ/桑本栄太郎
 喘息の薬にもなるというマンダラゲ。蒸し暑い夏の闇に香るという。曼陀羅華とは奇怪な名前ですが、ダチュラというと可愛らしく聞こえます。そんな可愛らしい香りがしたのでしょう。 (吉田晃)
08.梅雨深し雨音が夜明け連れてくる/多田有花
雨音に目覚める日々の梅雨の深さがよく表されています。豪雨の被害がこれ以上出ないことをお祈り致します。(柳原美知子)
夜中の雨が朝になっても止まない。夜明けは早いがからっとしない。まだまだ梅雨明けは来ない。そんな朝がしばらく続くのですね。 (吉田晃)
11.山門に阿吽の眼風青葉/吉田 晃
何処の寺の山門でしょう?山門に阿吽像のあるほどの名刹のようですが、かっと見開く阿吽像に青葉風が吹き以下にも爽やかな光景が想われます。 (桑本栄太郎)
14.棚田みな青田となりて空に澄む/柳原美知子
山峡の棚田は苗が伸び青青つらなる田の美しさを見事に詠いあげました。空に澄むが素敵な表現ですね。(小口泰與)
16.お待たせとメダカへ順に餌をやり/祝 恵子
人影を見ると餌をもらおうと寄ってくるメダカの群れ。きっといくつかの水槽があるのでしょう。順番に餌をやり、寄ってくるメダカを見ている様子がほほえましい一コマです。(髙橋秀之)
26.キッチンに母娘の小声梅雨の月/川名ますみ
 何ともほほ笑ましい台所での母娘の話、小声がいいですね。 (祝恵子)
25.日々草今日咲くつぼみやわらかに/川名ますみ
初夏から晩秋まで次々と咲いて長く楽しませてくれる日々草。日々の開花を楽しみにつぼみを観察されている様子が伝わってきます。 (多田有花)
28.朝顔の蕾かぞえて夕支度/西村友宏
夕方の朝顔をみて、「明日の朝はいくつ花が開くのかな」と楽しみに夕飯の支度をする。これも夏の楽しみ方の一つかもしれないです。(高橋秀之)
39.紫陽花の色移りゆき淡くなる/髙橋句美子
七変化とも言われる紫陽花の色の移り変わりは、見ていて飽きないですね。淡くなって咲き終わる紫陽花の名残りを惜しむ気持が感じられます。 (柳原美知子)
18.やっと咲くカサブランカは香を放ち/祝 恵子
21.全身で感じる薫風背伸びする/高橋秀之
27.梅雨晴間ひかる舗道を踏みしめる/川名ますみ
■選者詠/高橋信之
34.扇風機見ていて西瓜食べたくなる
35.団扇あおぐことを仕事としている
36.西瓜食らうことを今日の仕事とし
■選者詠/高橋正子
32.寝そびれて遠きしじまの梅雨の星
普段あまり仰ぐことのない明け方の梅雨空。その深い静けさとはるかな星のひそかな輝きが、寝そびれて疲れた心身を癒してくれました。しっとりとした
梅雨の星空に心惹かれます。 (柳原美知子)
31.朝焼けて草の匂いの芳しき
33.みどりからみどりへ蝉の羽音す
■互選高点句
●最高点(7点)
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ/吉田 晃

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2021年7月11日
13名(39句)
01.糸鳴りの響く渓谷大山女
02.D五一の汽笛の走る夏の川
03.雷鳴や風の物言い忽と黙
04.待つことの縁の下なり蟻地獄
05.一鉢の取り入れ愛でる月下美人
06.たそがれの闇に香るやまんだらげ
07.きりりと立ちぬ紅の立葵
08.梅雨深し雨音が夜明け連れてくる
09.ひまわりやつのる豪雨にうなだれて
10.風群れて青田を翔けてゆく軽さ
11.山門に阿吽の眼風青葉
12.早苗田の水に畦行く人の影
13.海峡へ夏潮水脈をきらめかす
14.棚田みな青田となりて空に澄む
15.花南瓜濡れて咲く地を子ら登校
16.お待たせとメダカへ順に餌をやり
17.取り置きし朝顔の種水につけ
18.やっと咲くカサブランカは香を放ち
19.早朝にセミの初鳴き目が覚める
20.青々と大空広がる梅雨晴れ間
21.全身で感じる薫風背伸びする
22.山裾にくっきり浮かぶ合歓の花
23.木の葉揺れ一天暗く夕立来
24.庭の草知らぬ間に咲き秋近し
25.日々草今日咲くつぼみやわらかに
26.キッチンに母娘の小声梅雨の月
27.梅雨晴間ひかる舗道を踏みしめる
28.朝顔の蕾かぞえて夕支度
29.食卓に鮎が並べば笑みこぼれ
30.風呂上がりファンに合わせて動く我
31.朝焼けて草の匂いの芳しき
32.寝そびれて遠きしじまの梅雨の星
33.みどりからみどりへ蝉の羽音がす
34.扇風機見ていて西瓜食べたくなる
35.団扇あおぐことを仕事としている
36.西瓜食らうことを今日の仕事とし
37.母の作る梅酒の瓶の薄緑
38.雷が一斉に響く休みの日
39.紫陽花の色移りゆき淡くなる
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
 選句は<コメント欄>にお書きください。