10月17日(日)

渡り蟹まっかに茹り朝の家事   正子
渡り蟹記憶よみがえりつつ茹でる 正子
ガスの炎も灯もあわし栗を煮る  正子
●冬のような寒さ。渡り蟹を2つ買ったので、茹でる。大きい方が軽い。沸騰した湯にいれると大きい方がぷっかり浮く。多分、中身は空なのだろう。茹であがり甲羅を開けると、二つとも空に近い。月夜に獲った蟹なのか。身はわずか。渡り蟹を鑑賞するために買ったようなものだった。損した感じ。
●栗の渋皮煮を作る。皮が薄い栗のようで、渋皮に傷を入れないようにするのに神経を使った。灰汁を抜きすぎたようで、渋皮煮の色目がうすい。味は栗のほっくりした味が残っていて、こちらには満足。

10月16日(土)

●豊里さんに句集『ういるす籠り』の礼状を出す。
捨て石の島は石だって骨なのよ 友行
●日吉東急の魚屋を除く。烏賊の呼び込み販売。その隣に渡り蟹。ちょっと買って見たくなった。2匹買う。「たたき胡瓜のたれ」を八百屋で見つけ買う。老眼のせいでラベルをよく見ない習慣になっている。帰ってみると、中華風とある。そのつもりではなかった。ごま油とにんにく、唐辛子入り。

10月15日(金)

●「俳壇11月号」が届く。句美子の俳句5句「秋の虫」が掲載される。「俳句の杜2021」の掲載作者特集。18名のうちの1人。
●豊里さんの『ういるす籠り』に返信をと思いながら、読む。一回目読んだとき、これまでの句集で彼独特の句の表現を知ったつもりだったが、よくわからない句集だなあとまた思った。数句はいい句を見つけねば。何回かぺらぺら繰るうち、少年みたいな発想をする方と思った。
●スターレンズというのが発売された。値段は7000円ぐらい。性能はいいらしい。

ご挨拶

まだ所によっては、30度をこえる暑さとなる日もあるようですが、皆様のところは、実際いかかでしょうか。
10月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。今回は、コメントの無い句に私がコメントをつけました。一人が書きますと、似たようなコメントが並びはしないかと思いますが、率直な感想を書きました。コメントを入れたい方がおられましたら、句会は終わりとしますが、いつでも、お書込みください。
ここ数日は、急に秋が深まってきています。皆様のご投句からも、秋の深まりを詠んだ佳い句に出会い、四季の移り変わりのある日本のよさを感じたりしまうぃた。近所の庭の柿の実が熟れたり、鉦叩がよく鉦を打ったり、丘にのぼれば、横浜のランドマークタワーまで鱗雲やすじ雲が広がっている景色が楽しめます。新型コロナの感染を心配して、まだ不自由感はありますが、気持ちだけでも、自由に、リラックスして俳句に向かいたいと思います。これで、10月月例ネット句会を終わります。来月を楽しみに、ご健吟ください。
10月14日
主宰 髙橋正子

10月14日(木)

晴れ
●今日で月例10月ネット句会を締めくくる。今月はみなさんからの追加コメントがないので、コメントが無い句に私がすべてコメントをつけた。入選句が主で、気づいたのだが、コメントが書きやすいということ。これは発見だった。そこに、三賞や特選に入らない理由のひとつがある気がした。
ネット句会といいながら、投句から選、コメント、得点の集計、お礼など、ほぼ10日かけてやっている。一日で終わらそうと思えば終わるが、みんなを急かすことになる。家に居ながら、あるいは出先から、ちょこちょこ参加する。

10月13日(水)

小雨のち曇り。
●気温下がる19℃。一日霧雨が降ったり止んだり。
●月例ネット句会の入賞句へのコメントがない句に書き込む。
●沖縄の豊里友行さんから句集『ういるす籠り』(2200円/沖縄書房発行)が届く。2020年と2021年の句。
●ヒロタのシュー・クリームが届いた。それほど食べたいわけではないが、たまにはいいかも、とコープに頼んだ。食べて、改めて正統派カスタードだと思った。また、頼もう。最近は、いろんな味のシュー・クリームがあって、好きではなくなっていた。
●花園まんじゅうの、濡れ甘納豆もコープに注文。日吉でも以前は買えたが、店が無くなって結構久しい。妹が好きらしいので郵送。

10月11日(月)

晴れ
●新聞休刊日。カレンダーに今日11日は祝日の赤字となっているが、実際は平日だとのこと。
●10月月例ネット句会の入賞発表。
●たいして使っていないスマホの料金が高すぎる。いろんなものが設定されていたので、解除、解約。料金を気にしていたら、役に立たないものになる。料金を気にして使うなら、携帯でよかったということなのだ。

■10月月例ネット句会/入賞発表■

■2021年10月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年10月11日
【金賞】
20.草の実の簡素な色が野にあふれ/吉田晃
「簡素な色」は、抽象的なようだが、草の実の実物に触れたものには、リアルな色として感じ取れる。「簡素な色」が野にあふれ、やさしくも確かかな花野の景色を生んでいる。(髙橋正子)

【銀賞】
07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
朝、田んぼのほとりを歩くと、稲架に掛けられた稲穂が朝日に当たって、一粒一粒が輝いている。実りの豊かさが直に喜びとして伝わる。(髙橋正子)

23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
湧水を汲みに来て、傍にある芒の穂を折りとったのであろう。こんこんと湧く澄んだ水と、芒の出合いが自然の懐の深さを思わせてくれる。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
世界の注目を集めるショパンコンクールは、今年10月3日から20日までショパンの祖国ワルシャワで開催されている。コンクールの模様はYouTubeなどで配信され、遠く離れている日本でもネットを通して聞くことができる。「天高し」の空はつながり、ショパンコンクールが身近になった。ピアニストでもある作者の、ショパンコンクールに寄せる期待と高揚感が率直な表現で読み取れる。(髙橋正子)

31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
「稜線」という言葉の音が、山並の伸びやかさを感じさせてくれる。きっかりと引かれた稜線の上に、かぎりなく広く高い空がある。大きな句に悠久の自然を感じる。(髙橋正子)

36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子
新米を買って家路を急ぐ。夕飯となる新米だろうか。ずしりと重い。「ずしりと」の一語が、米の意外な重さを表している。(髙橋正子)

【高橋信之特選/7句】
20.草の実の簡素な色が野にあふれ/吉田晃
野に咲いていた色とりどりの草花もいつの間にか実となり、素朴で簡素な色合いの野となったけれど、それぞれの実もまた愛おしい。季節の移り変わりを実感し、生き物への優しい視線を感じます。 (柳原美知子)

07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
30.秋夕べ芋の葉半分ずつ陰り/髙橋正子
31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子

【髙橋正子特選/7句】
25.平らかに畝を盛り上げ大根蒔く/廣田洋一
初秋の爽やかな季節に蒔く大根です。畝を丁寧に盛り上げ、芸術品とも思える程の綺麗な畝に、大根の種を丁寧に蒔いて行きます。如何にも心地よさそうな初秋の畑が想われます。(桑本栄太郎)

07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
20.草の実の簡素な色が野にあふれ/吉田晃
23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子

【入選/16句】
01.一天の雲の無き日や秋高し/桑本栄太郎
秋の空には、一点の雲のない空があくまで青く広がる日が有る。本当に天が高く底知れぬ感じをうまく詠まれた。(廣田洋一)

08.芙容咲く朝日とすずめ降りてくる/祝恵子
芙蓉の花がひらくところに、朝日が注ぎ、すずめ達も舞い降りる。色も光も動きも、爽やかな秋の朝ですね。朝日とすずめが「降りてくる」という表現に、幸せな心地を感じます。(川名ますみ)

19.川漁の魚籠をこぼれる秋の水/吉田晃
獲れた魚は何だったのでしょう?川で漁をするくらいですから、それなりの大河で水のきれいなところかと想像しました。 (多田有花)
魚籠いっぱいに釣り上げた魚に利刀の例えにも言われている澄みわたった水が魚籠からこぼれている。満足の釣果である。(小口泰與)

27.参道の風白く見せ萩の花/廣田洋一
参道を行くと白萩が揺れている。揺らしている風が白く見えている風情がいいですね。 (祝恵子)

32.秋の海フェリーの揺れが心地よき/高橋秀之
穏やかな海をゆっくりと進むフェリーののんびりとした雰囲気が感じられます。 (髙橋句美子)

35.秋晴の洗濯物に陽の香り/髙橋句美子
まさに今日の洗濯物で感じたところでした。夏でもなく冬でもなく、秋の陽の香りが幸せを感じるひとときです。 (高橋秀之)
02.白壁の民家背に入れ秋桜/桑本栄太郎
白壁と秋桜の取り合せ。いつ見ても心和む日本の風景が詠まれいる。(髙橋正子)

03.山里の早やも灯の点く秋入日/ 桑本栄太郎
山里の暮れは早い。秋の日が山に入るころには、もう人家に灯が点る。人恋しい山里の夕暮れの灯が暖かい。(髙橋正子)
05.紅葉や日向日影の山分かつ/小口泰與
紅葉した山が、日当たるところと、日影のところと明暗が分かれてはっきりしている。日当たれば輝き、日影になれば、落ち着いた色になる紅葉。どちらもあっていい。(髙橋正子)

09.新米を抱き上げ持ちく荷台より/祝恵子
新米を運んできたのは、何なんだろう。自転車、バイク、軽トラ。荷台から持ち上げ、抱きかかえて重そうに運んでくれた嬉しい新米の到着。(髙橋正子)

11.ワルシャワに灯火親しむノクターン/川名ますみ
今ちょうど、5年に一度開催されるショパンコンクールの真っ最中。ライブ配信もされ、コンクールの曲が聞けるようになった。灯の下に聞こえてくるノクターンに、演奏者への思い、またショパンへの思いを馳せる。(髙橋正子)

13.氏神の社に朝日豊の秋/多田有花
里に祀られる氏神の社を朝日が包むように差して、今スポットライトが当たっている。氏神を据え田んぼにも、畑にも、豊かな実りの秋となっている。(髙橋正子)

15.廃屋に始まる蔦の紅葉かな/多田有花
廃屋となった家に蔦がからんだ。けれど、まずその蔦が紅葉し始め、廃屋も存在感を増し、画になりそうな景色となっている。(髙橋正子)

16.やや寒し上着と共に朝散歩/ 西村友宏
少し寒くなった。朝の散歩に、上着を抱えて歩いた。上着は着なかったであろうが、ずっと一緒に歩いた。愛着上着。(髙橋正子)

18.お地蔵に紅葉がひらり朝の風/ 西村友宏
朝の風がさっと吹いてきて、紅葉がひらりとお地蔵に載った。ひらりと地蔵に舞い落ちる紅葉に「小さい秋」を見つけた。(髙橋正子)

21.風さやか薔薇の花びらゆれるとき/吉田晃
秋薔薇の花びらが揺れると、風のさやかさにはっと気づかされる。やや細い花茎の薔薇の花が揺れる姿が思われる。(髙橋正子)

■選者詠/高橋信之
37.金水引きらきら森の時しずか
小さく黄色い花が集まって咲いている様が、森の静家さによって一層きらきらとかんじられる美しい光景が浮かびました。(西村友宏)

38.かまずみの実の赤鳥の眼に吾に
先生の句「こおろぎ鳴く同じ地面にわが両足」を思い出す。こおろぎも先生も同じ地面にいる。鳥の目に映るがまずみの実は、同じ色で先生の目にも映っている。命が大切だとは一言も言っていないが、これらの句の中に流れているのは、平等な命に対する先生の思いなのだ。 (吉田晃)

39.大盛りの零余子ご飯の団欒に

■選者詠/高橋正子
30.秋夕べ芋の葉半分ずつ陰り
日の入りも早くなり、里芋畑も暮れつつある中、雲の動きで、日が差したりかげったりしている。遥かな空にはうっすらと夕焼けがひろがっている秋の山里の美しい夕景が目に浮かびます。(柳原美知子)

28.流れ吹く風に流され花芒
29.駅前に白がゆかしき貴船菊

■互選高点句
●最高点(6点)
27.参道の風白く見せ萩の花/廣田洋一