■2022年/2月月例ネット句会ご案内■

■2022年/2月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(冬の句・春の句)3句
②投句期間:2022年2月7日(月)午前6時~2022年2月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月14日(月)正午~2月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
※都合で投句受付開始日より前に投句したい方は、期日前でも投句が可能です。

ご挨拶/1月月例ネット句会を終えて

2022年が始まり、はやくも2週間が過ぎました。日差しも明るさを増してよいことが起こりそうな雰囲気です。横浜は6日の雪のあとの寒さが去り、すこしあたたかいと思う日が続いています。
1月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。毎月、熱心にご参加いただきて、とぎれることなく句会が開かれるのは、嬉しく、ありがたいことです。
選とコメントをありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。今年も新鮮な俳句が生まれることを期待しています。来月の月例ネット句会は、2月13日(日)です。楽しみに、ご健吟ください。これで、1月月例ネット句会を終わります。ご協力ありがとうございました。
2022年1月15日
主宰 髙橋正子

1月15日(土)

晴れ
●正月の花で残っているのは千両と白い葉牡丹。千両の葉を鋏でチョキチョキ切って小ぶりに、葉牡丹の枯れた葉はどんどん毟って、合わせて、緑のガラスの花瓶に活けた。白い葉牡丹は薔薇のように、千両はかわいらしい別物に。千両の実は蒔くつもり。
●PTAの古紙回収の日。8時半に段ボールを出しに行ったら、回収は終わっていた。持ち帰って月曜日の通常回収日までベランダに置く。俳句の受贈誌は保存したいのがやまやまだが、どんどん増えてわが家が圧迫される。そこで遅まきながら、ルールをつくる。一昨年分は古紙回収に、昨年分は保管。それぞれ主宰の一句を花冠に掲載してそれで放免願うことにする。
●領収書や本を整理していて、思ったこと。高齢になってくると、世の中の動く方向が感じられる。「先」はあきらかに人々の意図が集約されて、既定路線のところが多い。下らないといえば、下らないが、若い時には「先」は不透明でわけのわからない、不安な、望みうすい未来でしかなかった。

1月14日(金)

晴れ
●鏡開き。鏡餅を開く。プラスチックの鏡餅の底を開いて、中の角餅を出す。これで一応、鏡開き。とは、いうものの、世の鏡開きはとうに済んでいる。年のせいとは言いたくないが、今日が鏡開きと思い込んでいた。14日は、故郷では、ちょっと名物のどんど祭があって、その日に鏡餅を割ったのをとんどの火にかざして、黒く焼けこげた餅を食べた。麦の芽を踏んで、畑にも刈り株だらけの田んぼにも入り込んで、桜の花や五色のテープで飾ったどんどを青年が担ぎ、どんどの中に乗った人が太鼓で囃す。そのどんど祭が体にしみ込んでいる。
少し日が永くなった。冬至をすぎてから、一日1,2分昼間が長くなるらしい。3週間になるので、20分から30分長くなったのだろう。それでも、気分が明るくなる。

1月13日(木)

晴れ
●「俳壇」四月号への原稿依頼。信之先生と相談して、五名を決める。午後、電話で返事を聞いて、くわしい情報をメールする。
●「松の花」(一月号)(松尾隆信主宰)に句美子の「俳壇11月号」掲載の
<コスモスのはじめの花の一二輪 句美子>の解説が掲載され、その号が送られて来る。
現代俳句管見ーー俳誌より (俳壇11月号より)
コスモスのはじめの花の一二輪 髙橋句美子
「コスモス」というと無数の花が咲き満ちている景が浮かぶが、「はじめ」には桜の開花などと同じように魁となるものが存在する。その「一二輪」を詠んでいる。(松尾清隆)
このごろ、私の句と、句美子の句が、ぽつぽつ取り上げられるので、そのたびお礼の返事は出しているものの、混乱しそうになる。

1月12日(水)

快晴
●はがきをポストに入れるために駅前まで。快晴の青空を見て、家に引き返すのはもったいなくなった。家を出て来たその足で、手ぶらの不用心な形で、今日の富士山はどんな様子が見に上る。何ももたない身が軽い。思えば、子どものころ遊びに行くときは何も持っていなかった。そんな感覚が蘇った。いつもの林に今日は鵯さえ啼いていない。ときどき緑の葉の塊から浮き立つように小鳥が飛び立つ。目白だろう。無患子の大振りの実が青空にくっきり。藪椿が控えめに咲く。
林をあとにして西へ道をゆくと富士山が見える。頂上は、厳格に雪を冠り、山襞が尖っている。今日の快晴はすばらしい。みなとみらいの小さい塔や煙突、ビルがこまごまおもちゃを置いたように見える。山もはるかまで、小さい山がぽつぽつあるのまで。富士山の手前の山は丹沢かもしれない。全展開の眺めだ。
●今日は郵便が遅い。夕方近くなって、「俳壇」から原稿依頼。4月号の企画「春を寿ぐーー四字熟語」。花冠に割り当てられたのは、五名一人一句で「落花流水」をモチーフに詠む。五名を候補に挙げてみた。四名は揺らがないだろう。あと一名が揺れる。重要な選択になった。今日はおく。
●敬二さんからの年賀状が届く。住所に3丁目を書き落としたために、もどって来たそうだ。敬二さんと奥さんの写真。敬二さんは脳こうそくの治療と合わせて食事療法をされたのか、顔だちがすっきりとしている。言語脳の損傷で、言葉が出にいとのことだったが、自力で頑張って俳句を書かれている。「俳句と合唱ははなさない。」と、New Year's Resolution.

1月11日(火)鏡開き

●パソコンを置いている机の上に、パソコンの脇に「俳壇」(9月号2021年)がある。花冠の「結社の声」が4ページにわたって掲載されている号。この記事をコピーして、元花冠会員からの年賀の返信に入れたが、仕舞わずにいる。
何気なく繰ると口絵の「ものがたりのある俳句 青木克人」
「朝顔や濁り初めたる市の空 杉田久女」が青い朝顔の写真と掲載されている。追って68ページにこの句の解説がある。ほんの一言、リアルに掘り下げて欲しいと思った個所がある。「濁り初めたる」空は、なぜ濁り初めたかということ。煮炊きの煙か。現実には八幡製鉄所の煙突は見えないが、煙突の吐く煙ではないだろうかと思う。清水哲男氏の鑑賞は詩人らしくこの句の美しさを読み取っている。
●清水哲男氏とあらきみほ氏の鑑賞がある。以下に引用。
①清水哲男
久女の代表作。昭和2年11月ホトトギス入選
小倉    既に二女の母だった三十八歳(1927)の作である。「市(いち)」は、彼女が暮らしていた小倉の街だ。このころの久女は、女学校に図画と国語を教えにいったり、手芸やフランス刺繍の講習会の講師を勤めるなど、       充実した日々を送っていた。そうした生活が反映されて、まことに格調高く凛とした一句となった。今朝も庭に咲いた可憐な朝顔の花。空を見上げると小倉の街は、はやくも家々の竃(かまど)からの煙で、うっすらと濁りはじめている。朝顔の静けさと市の活気との対照が、極めてスケール大きく対比されており、活者としての喜びが素直に伝わってくる。
朝顔は夏に咲く花だけれど、伝統的には秋の花とされてきた。ついでに言えば「ひるがお科」の花である。久女は虚子門であり当然季題には厳しく、秋が立ってから詠んだはずで、濁り初めたる市の空」にはすずやかな風の気配もあっただろう。まだスモッグなど発生しなかった時代の都会の空は、濁り初めても、かくのごとくに美しかった。
          
●あらきみほ
(あらきみほのはいくノートより)
 句意を考えてみよう。庭に丹精している朝顔を眺めている久女。朝顔の咲く早朝というのは朝曇りの濁った空の色である。「市の空」は小倉の町の空であり、久女は、わが庭から小倉の町の空まで、心遥かに眺めやっていたのであろう。

1月9日(日)

晴れ
●1月月例ネット句会
投句
凍星の光そろいて誕生日    正子
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

七草にふるさとの草混じりおり  正子
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

七センチ積もりし雪の中にも灯 正子

■1月月例ネット句会/入賞発表

■1月月例ネット句会/入賞発表
■2022年1月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年1月10日
【金賞】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
正月らしい清々しく勢いのある光景が詠まれている。河川敷の風を受けた正月の凧が、「いきいき」があがっている。正月のめでたさが句を明るくしている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
「寒」「濃き赤」が、情景をくっきり、迷いなく浮かび上がらせている。寒さの中の濃い赤のたった一輪に、小さくも強い生命力を感じる。(髙橋正子)

38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ
富士山がいつも見えるとろこに住んでいる人は、富士山をどんなに思うのだろうかは、四国に住んでいた私の思いだった。様々な富士の姿を目にするようになって、日常、富士を目にする人にとって、富士山は、親しみながらもやはり日本一の山である。その富士を真ん中に据えて撮られた初写真は父のような富士。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
棟上げの柱を組む木槌の音が、乾いた空気に響く。冬木にはたくさんの芽がついて、やがて来る春に備え命を溜めている。明るくて元気が湧いて来る。(髙橋正子)

10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
春着の模様に包まれた子どもが木漏れ日をあびて、まぶしく輝いている。春着の衣の匂いまでしてきそうだ。(髙橋正子)

33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
石鎚は四国の名峰であるが、それよりも、毎日目にする石鎚が、初詣のおりには特に雄々しく、霊峰として聳えている。それをわが子と仰ぎ見るとき、希望が見える。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
凧揚げの最初は、手に持ってかなり駆けて行きます。その為かなり広い場所が必要であり、河川敷などはぴったりである。正月ともなれば、親子連れで河川敷に出掛け、沢山の凧揚げの光景が見られます。如何にも正月らしい雰囲気ですね。 (桑本栄太郎)

28.凍星の光そろいし誕生日/髙橋正子
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり/髙橋正子
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

21.思ひ立ち買い求めたる七草粥/廣田 洋一
七草粥を買う予定は最初はなかったのでしょう。ところがふと何の拍子か買ってみようか、食べてみようかと気持ちが動かれました。その気持ちの揺れ具合が面白いです。 (多田有花)

18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【髙橋正子特選/7句】
10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
新年の喜ばしい日に神社の境内にある神々しい樹木から素敵な春着を着た女の子に木漏れ日が差している素晴らしい景が見えて来ている。嬉しい景ですね。 (小口泰與)

31.鳶の翼朝日に透けて冬岬/柳原美知子
朝の岬、上昇気流をとらえて天空高く昇っていく一羽の鳶の姿。大きな景色の中に鳶の姿の躍動をとらえられ、晴れやかな気持ちになる句です。 (多田有花)

36.初詣石畳を白く夜の灯り/髙橋句美子
まだ暗い中初詣に出かけ、灯に照らされた石畳を一歩ずつ踏みしめて社へと進むと新たな年を迎える実感と喜びが湧いてくるようです。 (柳原美知子)

01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【入選/11句】
13.初仕事まずはメールのチェックから/高橋秀之
 ITの時代ですから、初仕事は、正月休みの間に入ってきたメールのチェックから始まります。「まずは」と詠んだのが上手いと思います。(廣田 洋一)

16.枯れ果てり山のぬくもり幹は抱き/吉田 晃
落葉し枯れてしまった山にも、生命のぬくもりがありそれぞれの樹々の営みがある。自然に宿る生命の尊さが思われます。 (柳原美知子)

25.数の子のはじける音や朝の風/西村友宏
数の子が歯を鳴らす音、元旦の清らかな風、一読で五感に響きます。「はじける音」が嬉しいですね。きっと佳い一年になることでしょう。 (川名ますみ)

37.葉の陰の実もつややかに藪柑子/川名ますみ
かげになっている実にも艶が感じれ藪柑子の美しさが際立ちます。(西村友宏)

04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
元旦の光が差してくるのを東の空を見つめながら今か今かと待ち構えているそういう気持ちが伝わってきます。一年のうちで最も特別な夜明けです。 (多田有花)

14.嵐山二人で眺める冬景色/高橋秀之
ご夫婦でゆったりと眺める嵐山の冬景色は雪もようでしょうか。静かで豊かなかけがえのないひとときが思われます。(柳原美知子)

27.駅伝の観戦合間に餅を焼く/西村友宏
箱根駅伝のテレビ中継を楽しみながら、お餅を焼いて食べる。ゆったりと良いお正月を過ごされたようですね。お餅が焼ける芳ばしい匂いが伝わってくるようです。 (柳原美知子)

09.初日記四行のみで仕舞いけり/ 多田有花
04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
05.御降の天にきらめく日照雨かな/桑本栄太郎
12.振り向けば逆光まぶし冬の堤/祝 恵子
39.しらしらと初富士のより高きこと/川名ますみ

■選者詠/髙橋信之
22.ガラス戸を開けてたしかに雪が降る
ふだん雪を見慣れていないところに住む方の感覚です。年明けの寒波で東京をはじめとする関東圏など思わぬところで積雪がありました。その雪に対する驚きが伝わってきます。(多田有花)
アツ雪だ!とだれかの声、戸を開けてみて外を見た。確認してみた。初雪でしょうか。 (祝 恵子)

23.寺苑に花の色見せ木瓜の花蕾
24.梅蕾谷半分が陽にあたる

■選者詠/髙橋正子
28.凍星の光そろいし誕生日
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

30.七センチ積たる雪の中にも灯

■互選高点句
●最高点(8点)
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
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