5月14日(土)

●私の「俳句添削教室」に「昆布」を使った俳句が投句された。
 「おにぎりの昆布に磯のかほりかな」
一読して、おにぎりの昆布は佃煮だから、昆布に季節を感じない。あるいは逆に昆布を夏の季語と知って無理やり夏の景色に封じ込めれば、それなりの季節感がないでもないような気分になる。
角川歳時記では夏の季語としての「昆布」はなく、「昆布刈る」「昆布干す」が夏の季語として載っている。「昆布」は夏の季語ではなく、「昆布刈る」「昆布干す」となってはじめて季語として成立するのではと思うが、どうなのか。ちなみに「海苔」は春の季語として角川歳時記に載っている。例句は海苔の採取にまつわる諸事の句が掲載されいている。昆布、海苔を季語としてよい場合は、季節を感じるようでなければ季語の効果はない。
ネット上には、「昆布」は夏の季語として載っている。ネット上の記事を挙げると、①のようにひどいものから、②から④までは何の意味があるのかわからないようなものがある。⑤の「筆まかせ」の例句はまともで参考にできる。
思うに、実際、海で昆布や海苔を見たことのある人が今は少ないので、こんなことが起こっているのだろう。もう一つには、歳時記をお題で経験もないのに想像して俳句を作る作り方に問題があるのだろう。
①夏の季語「昆布(こんぶ)」を使った俳句一覧 | 俳句の作り方 – 俳句入門 「お~いお茶新俳句」入選を目指して 俳句大学 (jhaiku.com)
  • 達磨忌の口とりは昆布に山椒かな / 加舎白雄
  • 滝行者今あつあつの昆布茶飲む / 川端茅舍
  • 掛け昆布や霜の名残の三棹程 / 河東碧梧桐
  • 竿昆布に秋夕浪のしぶきかな / 河東碧梧桐
②きごさい季語歳時記
例句無し
昆布(こんぶ)晩夏
【子季語】
ひろめ
【解説】
岩礁に着生する褐色の大きな海草。夏に船で沖まで出て刈り取っ たり、浅瀬で引いたりする。浜辺で乾燥させ、食料や調味料に利 用する。
【科学的見解】
昆布類は、コンブ科コンブ属の褐藻類であり、複数種が含まれている。マコンブは、北海道函館を中心に分布し、調味料や菓子などに利用されている。その変種としては、リシリコンブが挙げられ、北海道利尻島を中心に分布し、高級昆布として知られている。その他、ミツイシコンブ(別名:日高昆布)やオニコンブ(別名:羅臼昆布)など、北海道周辺に有用昆布類が分布している。(藤吉正明記)
③こども歳時記(長谷川櫂監修)
例句無し
④きごさい
昆布刈(こんぶかり) 三夏
【子季語】
昆布刈る/昆布採る/昆布干す/昆布舟
【解説】
夏に大きく成長した昆布を解禁日を待ち沖に出て刈り採ること。北海道や東北など冷たい海で採れる昆布は上質で珍重される。
⑤筆まかせ
昆布刈る
昆布刈る の例句(←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/22818741/
昆布刈る 補遺
さいはてや夏も荒れつぎ流れ昆布 鈴木真砂女 夏帯
たわたわと乳房揺るるや昆布干し 加藤秋邨
ときをりに昆布干し女の光りとなる 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
アイヌ部落沖に昆布の一扁舟 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
トラック唸る朝過剰に白い昆布積み 赤尾兜子 蛇
一心に見つむ寄せくる波の昆布 山口青邨
一木もなくて祠や昆布の浜 富安風生
三伏の幾野を越えて昆布の地 飯田龍太
児は遊ぶ昆布干場に何かして 山口誓子
入学や昆布ほしたる学びの舎 山口誓子
夏汐や磯に突き出し昆布小屋 高浜年尾
大浪の寄せては昆布もたらせる 山口青邨
子も犬も早起昆布漁の浜 津田清子
岬の日の一日分の昆布たたむ 岡本眸
岬の道昆布あふれて蝦夷桜 角川源義
帯のごとかがやかしては昆布とる 山口青邨
干昆布塩吹く日南笹鳴いて 村山故郷
引上ぐる昆布に波が蹤いてくる 津田清子
或る時は和布ばかりや昆布干場 阿波野青畝
放牧の馬と昏れゆく昆布小屋 松村蒼石 雪
昆布の村寒暁マッチ明りほど 鷹羽狩行
昆布の貨車と客車二輛の根室線 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
昆布ほす陽の青々と燃えにけり 西島麦南 人音
昆布干すや日高山系海に尽き 鈴木真砂女 夏帯
昆布干すソーラン節の記念碑に 阿波野青畝
昆布干す炎天海の紫紺なす 松崎鉄之介
昆布干す道の辺たまる女声 角川源義
昆布干す陰ゆ泳ぎ子をどり出づ 松崎鉄之介
昆布揚ぐ体も舟も傾きて 津田清子
曇り来し昆布干場の野菊かな 橋本多佳子
朝日が呼ぶ海の青さと昆布馬車 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
棹前昆布の舟いさましと岬に佇つ 角川源義
民宿が昆布干場を占めにけり 阿波野青畝
汐泡の段をなしては昆布育つ 阿波野青畝
波打つて昆布干されぬ尻屋岬 大野林火 雪華 昭和三十九年
海にうねられ激しく歩く昆布屋の前 永田耕衣
海猫群れ昆布生成の潮温るむ 飯田蛇笏 山響集
白波のレースふちどる昆布の浜 山口青邨
知床を楯として昆布揺れゐなり 阿波野青畝
短夜の念々昆布に執着す 水原秋櫻子 晩華
秋潮に必死の糧の昆布ひろふ 能村登四郎
竿昆布に秋夕浪のしぶきなき 河東碧梧桐
船鍛冶の谺と知りぬ昆布干場 阿波野青畝
花冷えや国訛りの駅に昆布くれぬ 角川源義
雨気こめて襟裳はるけき昆布拾ひ 飯田龍太
風筋に七輪炎立つ昆布浜 角川源義
鮫汁に昆布なめらかな凝りやう 河東碧梧桐
鶺鴒のいざなひ昆布の納沙布岬 角川源義
以上

ご挨拶/5月月例ネット句会を終えて

 5月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。今月は11名の方が参加されました。入賞の皆さま、おめでとうございます。選とコメントをありがとうござました。
 今年の連休は、3年ぶりに新型コロナの規制もゆるくなり、少し日常が戻ってきている感じがしますが、横浜は、このとろこ梅雨の走りかと思うような天気が続いています。去年までは近くの山から鶯の声が聞こえましたが、今年は一度も聞いていません。そのかわり、思わぬところでオナガに出会ったりします。オナガは、関西にはいないそうで声は鴉の仲間らしくだみ声ですが、羽の色はきれいです。私はどこかへ行くこともないので、身辺の俳句になってしまいます。皆様の俳句を拝読して、皆様の生活のたのしさを分けてもらっています。
 これで5月月例ネット句会を終わります。6月月例ネット句会は、来る6月12日(日)となります。たのしみにお待ちください。
5月14日  髙橋正子

5月13日(金)

豆腐屋のラッパ響けり走り梅雨   正子
降る雨の雫に混じりえごの花    正子
咲きほこる薔薇にびっしり雨が沁む 正子
●一日雨。近所の薔薇、それぞれに工夫していて、素晴らしいと思いつつ、全然俳句にならない。どこをどう見ればよいのか。幻惑されているのかもしれない。

5月12日(木)

曇のち雨
●午前リハビリへ。帰りにURの団地の中でいろいろ野草の花を1本ずつ10種類ぐらい抜いて帰った。手もとの図鑑で調べようと思って抜いてきたが、調べたい花が載っていない。ひとつわかったのは、「ぺらぺらよめな」。名前が面白いが最近よく見かける。同じ茎の花ながら、色がすこしずつ違う。
●午後、センター北へ買い物。孫に頼まれている『まんが日本の歴史③』と『はじめてのげんそずかん』(セオドア・グレイ著 創元社)、『どっちが強い!?ハチvsクモ』を買う。『はじめてのげんそずかん』はきれいでシンプル。たしかに、副題が「せかいでいちばんうつくしい」となっている絵本。
●ランチョンマットを替えたいと思っているが、自分で縫ったものなので捨てがたい。それに、なかなか扱いやすいランチョンマットが売っていない。夏に向けてさっぱりしようと、ユザワヤで布を50センチ買って3枚縫った。角はこだわって額縁仕上げに、乾きやすいように一重。次出かけたときは色違いを買い、また3枚縫うつもり。

5月11日(水)

曇り
●今日は何とか信之先生を皮膚科のクリニックへ。2月に診察を受けて以来いってないので、「あれあれ、はじめから治療のやり直し」と言われる。病院へ来ること自体が一苦労。病院へ行くときは、何日も前からそろりと予告して、頭にしみ込ませておかねばならない。

5月10日(火)

●天気がよいのは今日までらしい。大物を洗う。明日より天気は崩れ、週末は雨。
●全身が固くなった感じ。煎餅蒲団のせいか、背中が痛む。多分、疲れがたまっていると判断して、今日は洗濯をすませたら、すぼらに過ごすことにした。こういうところが、高齢者なのだと、気づく。
●ロシアにいるピアニストが、動画でピアノを弾くときの手の格好を説明していた。ピアノの蓋に手を上向きに置いて脱力。その形をキープして鍵盤におろせばいいと。それをキーボードに応用したら、なんと、間違いなく、やわらかく、早く打てる。

5月9日(月)

曇り、一時雨。
●5月月例ネット句会入賞発表
入賞発表は、信之先生の選が遅れているので、正子選だけでとりあえず済ませた。
●秀之さんの俳句10句にぷらす2句が送られて来た。12句から5句選ぶ。真夜中になったが、添削と選をして、メールで返信した。

5月8日(日)母の日

晴れ
●5月月例ネット句会。
句会、いつもは13名だが、きょうは11名。
●今日は母の日ということで、句美子がケーキを持ってきてくれた。花はもういいからと断っていたので、ケーキになった。玄関にミニバラを花瓶にいっぱい活けていたら、「これじゃ、花はいらないわ。」と一言。去年母の日に句美子がくれたミニバラを植え替えて育てたら、あふれる程咲いた。意外と丈夫。
●ケーキは梨の入ったキャラメリゼしたケーキ。カシスのケーキ、苺のケーキ。日吉駅から矢上の方へ歩いて行った少し奥まったところのケーキ屋さんとのこと。
●夜、秀之さんから俳壇7月号へ投句のための10句が送られて来る。句を印刷して、眺めながら、添削しようとおもったが、疲れて頭がまわらない。考えないで、寝てしまう。

■5月月例ネット句会/入賞発表

■2022年5月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年5月9日
【金賞】
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
長年住んだ家に別れ、後ろ髪をひかれる思いで新しい家に越されたことだろう。そこに暮らした夫や子供たちとの歳月や思い出を置いて来るような気持ちになる。その気持ちを「夕牡丹」がすっかり引き受けている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
13.売れ残り茄子苗太り夏に入る/吉田 晃
茄子の苗が店に売れ残っている。捨てるわけでもないから、そのままにしておくと、育って太ってきた。太陽と風と水をもらって苗と言ど、元気でに育つ逞しさは変わらない。初夏の爽やかさがいい。(髙橋正子)

22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花
よく見かける光景を素直に詠んで、飛行機雲の伸び具合そのもののような感じの句だ。「ぐんぐん伸び行く」がすっきりしていて、よい。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.手を借りて鉢苗植えるみどりの日/祝 恵子
みどりの日は、夏の花苗や野菜苗を植えるのによい時期。みんなの手を借りて、たくさんの鉢に苗を植えた。夏へ向けて、忙しいが楽しい一日となった。(髙橋正子)

18.紫陽花の色変わりたり旅帰り/西村友宏
紫陽花は七変化とよばれるように、次第に色を変える。白みどりから青に、というふうに。旅の前に見た色と、旅から帰って見た色が違っている。
「旅をしていた時間」がワープしたような感覚で把握できる。(髙橋正子)

28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子
そのままの俳句。母の日にミニ薔薇が鉢を溢れるように咲いている。可愛いミニ薔薇が母の日を彩って、それで十分な母の日だ。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
4.父母が居て子の居てこその子供の日/桑本栄太郎
コロナ禍の折、子供が独立した後の世帯にとっては、子供の日というのは、少しさびしいものですね。子供たちと賑やかに暮らしていた頃が懐かしく思い出されます。(柳原美知子)

09.こいのぼり今年も青き大空へ/高橋秀之
三人の息子さんをお持ちの作者。今年もこいのぼりをあげられたのでしょうか。末息子さんもかなり成長されているので、他の家のこいのぼりを目にされてのことかもしれません。(多田有花)

11.春の種土もち上げて芽を伸ばす/祝 恵子
春に播いた種の成長を日々見守り、その生命力に感動の眼差しをむけられる詠者の姿が目に浮かぶようです。(柳原美知子)

19.花嫁が混じりておりぬ夏電車/髙橋正子
思いがけず同じ電車に乗り合わせた花嫁さん。初夏の光の中で眩いばかりに輝いており、幸せをおすそわけしてもらったような気分になられたことでしよう。(柳原美知子)

22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子

【髙橋正子特選/7句】
03.みかん咲き北限の地の浪やさし/小口泰與
みかんといえば温暖な地の植物。このみかんはどこで成長しているのでしょうか。一番端のものに興趣を覚えるのは人間心理の面白さです。(多田有花)

10.手を借りて鉢苗植えるみどりの日/祝 恵子
みどりの日に鉢苗を手分けして植えていく。家族でガーデニングでしょうか。素敵な一日です。 (西村友宏)

18.紫陽花の色変わりたり旅帰り/西村友宏
何日ほどの旅だったのでしょう。戻ってみると庭の紫陽花が早くも色を変えていました。ふと季節の変化を感じられた瞬間をうまくとらえておられます。(多田有花)

25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
長年住み慣れた家から引っ越されることになりました。牡丹は家の庭に咲いているのでしょう。家というのは人生そのものを入れてきた器です。
一言では言い表せない感慨がおありのことと思います。(多田有花)
5月の初めの頃、芳香の大輪の花を梢上にひらく牡丹が夕日に照らされて豪華に咲き誇る家と分かれる辛さが出ています。丹精を込めた牡丹を新居に一緒に行けないつらさがありありとわかりますね。(小口泰與)

28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子
 溢れ咲くはお母さんへの溢れる愛情と感謝。そして、健康でいてくださいと願う作者の溢れる思い。溢れる優しさを感じた。(吉田 晃)

13.売れ残り茄子苗太り夏に入る/吉田 晃
22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花

【入選/10句】
01.葉の影の重く動きし蝸牛/小口泰與
葉の陰に見つけた蝸牛、揺れてる蝸牛、私も見つけてみたいです。(祝 恵子)

07.春月や寝起き眼に目玉焼き/高橋秀之
日毎に夜明けも早くなりながら、作者は朝の早い仕事の出勤です。未だ薄暗い暁闇に春の月が臨まれ、寝起き眼で朝食の目玉焼きを食べて居ります。日常の何気ない暮らしの中にも、ふと風情を垣間見る作者であります。(桑本栄太郎)

14.フリージア子の仏前へ菓子と添え/吉田 晃
咲いたばかりのフリージアを好きだったお菓子を添えてお子様にお供えする親心が思われます。心の中でどんなお話をされたのでしょうか。(柳原美知子)

16.新しきジャージで夏めく空の下/西村友宏
季節の変わり目に新しい夏服を身に着ける嬉しい気持ちが感じられます。 (髙橋句美子)

17.うたた寝より覚めてチャイムと岩燕/西村友宏。そのうたた寝を覚ます無粋なチャイムの音。玄関を開けると、岩燕が寝ぼけた気持ちをすっと晴らしてくれた。そんな情景を思い浮かべました。 (高橋秀之)

02.山百合や木道天へ迂回せり/小口泰與
06.メロディーの報らす湯張りや菖蒲の湯/桑本栄太郎
12.パンジーを抜いて野菜の鉢確保/祝 恵子
15.白む夜の空より白し初夏の風/吉田 晃
29.新緑の日陰を渡り坂下る/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
31.石楠花の大きな花を窓越しに
32.石楠花の花を見せくれ安楽椅子
33.誕生月五月朝日がよく差して

■選者詠/髙橋正子
21.ばら園は汽笛届きて消ゆる丘
初夏の明るい光とばらの香りに包まれて、遥かな汽笛の聞こえる丘での至福のひとときが想像されます。(柳原美知子)

19.花嫁が混じりておりぬ夏電車
20.谷戸口に樹齢いくばく栃の花
■互選高点句
●最高点(7点)
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
集計:髙橋正子
※コメントの無い句にコメントをお願いします。

■5月月例ネット句会清記■

 ■5月月例ネット句会清記■
2022年5月8日
11名(33句)

01.葉の影の重く動きし蝸牛
02.山百合や木道天へ迂回せり
03.みかん咲き北限の地の浪やさし
04.父母が居て子の居てこその子供の日
05.風薫るなんじゃもんじゃの咲く酒舖に
06.メロディーの報らす湯張りや菖蒲の湯
07.春月や寝起き眼に目玉焼き
08.母の日を気付かず普通に電話の子
09.こいのぼり今年も青き大空へ
10.手を借りて鉢苗植えるみどりの日

11.春の種土もち上げて芽を伸ばす
12.パンジーを抜いて野菜の鉢確保
13.売れ残り茄子苗太り夏に入る
14.フリージア子の仏前へ菓子と添え
15.白む夜の空より白し初夏の風
16.新しきジャージで夏めく空の下
17.うたた寝より覚めてチャイムと岩燕
18.紫陽花の色変わりたり旅帰り
19.花嫁が混じりておりぬ夏電車
20.谷戸口に樹齢いくばく栃の花

21.ばら園は汽笛届きて消ゆる丘
22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空
23.休日の真昼は静か赤き薔薇
24.路地抜けて小さき芍薬畑かな
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹
26.石鎚は寝釈迦となりて牡丹寺
27.ライオン立つ八十八夜の木洩れ日に
28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く
29.新緑の日陰を渡り坂下る
30.父母の家柏餅を一つ二つ

31.石楠花の大きな花を窓越しに
32.石楠花の花を見せくれ安楽椅子
33.誕生月五月朝日がよく差して

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。