8月22日(月)

曇りときどき晴れ
鉦叩たたけばはっと峙つ耳  正子
鉦叩少し叩けり灯の陰に   正子
●夕方涼しかったので、コーヒーを買いに行くときに、信之先生を散歩に誘う。
暑いので散歩良い時間を見計らないといけないが、歩けば風が心地よい。
●諸家自選五句の信之先生宛の投稿葉書が遅れて今日届く。遅れた理由は不明。角川に広告を出すか出さないか、年鑑には出すとしても、迷うところ。
●結社俳句動向に正子も含めて9句掲載可能。誰の8句にするか書き出して検討する。俳句の巧拙よりも何年地道に俳句を作っているか、花冠に貢献してくれているか、を判断基準にする。

8月21日(日)

晴れ
●デザイナーの三宅一生さんが先日亡くなれた。私とは関係ないファッションの世界のことながら、晩年の意外にも柔和な表情と広島出身ということで、親しみを持った。テレビでLucieという陶芸家からプレゼントされた陶器のボタンを使った洋服を見た。一枚の切れを大きなボタンで留めてショールのような上着がなんとも魅力的で、モデルでなくても着れそうな服だった。
焼き物のボタンで思い出した。句美子が小さい時、オーブンで焼く焼き物でよく遊んでいたので、私はあまった材料で色とりどりのボタンをいくつも作った。その材料がなんであったか覚えていない。実際はなんだったのだろう。そのころは子供の洋服はよく手作りしていたので、そのボタンを洋服に付けた。
Lucieのボタンは、豆皿か箸置きとでもいう印象のもの。色は陶芸家らしい色でおどろかなかったが、そのボタンの大きさ。お皿かと思うほど大きいものもある。それを巧みに洋服に使って一枚の布を洋服として成り立たせている。さすがの二人。

8月20日(土)

晴れ
●今日も暑いのは暑いが、秋らしい空気。
●今日から31日まで自由な投句箱はお休みに。気分的にはちょっと一息つけて、他の仕事に時間を大きく使えてる。一年の締めくくりの年鑑の原稿、ブログ、ドメインに関すること、来年花冠創刊40周年を迎えるので、そのこと。例えば合同句集やオフ大会のことなど。今から考えないと間に合わない。

ご挨拶/8月月例ネット句会を終えて

8月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。ちょうど月遅れのお盆と重なり、なにかとご用がおありだったことでしょうが、大勢の皆様にご参加いただき、感謝いたします。選とコメントをありがとうございました。
入賞の皆さまおめでとうございます。
今日は、西からの高気圧が張り出して暑さのなかにも秋の爽やかさを感じる一日となっています。
ご投句の俳句を拝見しますと、一日一日移り変わる季節がとらえられているのにいまさらながら驚きます。日々たのしく俳句を作って行きたいと思っています。
8月月例ネット句会をこれで終わります。
来月9月月例ネット句会は9月11日(日)となります。暑さの折、ご体調に気を付けてご健吟ください。
8月19日
髙橋正子

8月19日(金)

晴れ
●西から高気圧がやって来て、今朝は爽やかな朝となった。久しぶりのからっとした空気。
●注文していた俳壇9月号3冊届く。明日注文の一人に発送。残りは姉妹に。
本阿弥書店は対応が早いので仕事が捗るので助かっている。
●数日前、ネットでLearn English through the story を見つけた。英語の勉強のではなくて、楽しみのため。読み聞かせのスタイルで本文(大きな字)が映し出されて捲られて、進行する。
昨夜はThe susupect。これは2時間ぐらい探偵もの。Jane Eyre 、The Bronteも読んだがブロンテ姉妹が住んだ牧師館や墓地、教会、ムーア、石の坂道のことなど、旅行を思い出して面白かった。このシリーズはイギリスの制作なので、イギリス文学や探偵ものが多いが、ロンドンの通りや、細かい地名がリアルに思える。
眼が悪くなって、集中力がなくなってしまった老人にはうってつけと思われた。レベルはレベル0からいろいろ。レベルにこだわることなく読める。レベル0でもレベル5でも文章の複雑さだけでそれほど変わらなく面白い。
実に不思議なことだが、2時間近くも見て聞いていると、パソコンに映し出される英語の文章は楽譜のような、読むスピードは普通だと思うが、聞いている英語はピアノを自分が弾いているような感覚があった。

8月17日(水)

晴れのち曇り
●午前中、信之先生の通院に付き合う。病院も薬局もひどく混んでいて、時間がかかった。
●角川年鑑2023年版の原稿依頼について、不思議なことがあるので、メールで尋ねることにした。
●きょうから気温が下がる予報だったが、夕方まではいつも通り暑かった。夕方曇って来て風も出て少し涼しくなった。

8月16日(火)

晴れ、風強し
●ハート内科受診。夏なのに血圧が高すぎて薬が増える。内科の先生が私の血圧管理は難しい。でも必ず治します、と言われる。血圧が変化しすぎる。普通の内科に通っていたら今頃どうなっていたんだろう。帰りのバスは、間が悪くて2回乗りそこなう。
●ニトリで茣蓙一畳を2枚頼む。出入り口の畳の汚れと日焼け防止のため。品名を見たら、上敷きとなっていた。昭和の30年ごろ、着物を着るときに茣蓙を一枚広げてその上で着ていなかったか?そんな記憶がふっと蘇った。
●大学時代「原理研究会」というのが大学にあった。大学内で立て看板も見た。「原理、原理」と言う声も実際聞いたし、活動している学生も知っていた。キリスト教の原理であると聞いていたが、キリスト教の原理てっ何よ、という感じでそれが実際は何であるか本当のところは知らなかった。今になって明らかになりつつある。「うーん。」と思うばかりでウッカリ言葉が発せられない。

■2022年8月例ネット句会入賞発表■

■8月月例ネット句会/入賞発表
■2022年8月例ネット句会■
■入賞発表/2022年8月15日

【金賞】
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
盆の客を迎えた家の情景がありありと見える。衒いのない表現がいい。盆のお参りにきた近い親戚、遠い親戚もこの日は睦まじく近況を語り合う。幼き日に戻れたような懐かしさを覚える。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
梅干しを作る作業では、暑い盛り、とくに土用の日に当てることが大事。笊に広げて乾かすと塩がきらきらと噴きでる。そのままを詠んで無駄がなくすっきりとしている。(髙橋正子)

39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修
生活の街として都心を少し離れて発展してきた世田谷。広広とした街空の日暮れに蜻蛉が横切る。世田谷ならではの生活感覚をもって上手く蜻蛉が表現されている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
久しぶりにお洒落な街へ出て来た嬉しさが、「素足にかるきハイヒール」に表現されている。素足の華奢な脚、細いハイヒール。街にあってこそ映える。(髙橋正子)

13.トマトの葉もぐ指先に同じ香が/吉田 晃
トマトの葉をもぐと指先もトマトの葉と全く同じ匂いが付く。そこまで強烈に付く匂いはトマト独特。夏を感じさせる青臭い生命力のある匂いだ。(髙橋正子)

18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
とんぼうの習性がよく観察されている。というより、幼いころのからの経験が「引けば寄るなり」という巧みな表現をいとも易く言ってのけた感じだ。夕べの原にニュアンスがある。(髙橋正子)
【髙橋信之特選/7句】
18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
夕方の原っぱでの蜻蛉との出会いと小さな発見。秋の訪れと涼しさのみなぎる心温まる句ですね。 (柳原美知子)

26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
 お盆に久しぶりに会った者同士が近況を語り合う姿が良く解ります。家族の話や健康の話など尽きることがないですね。 (小口泰與)

39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修
立秋後連日まだ残暑の厳しいものの、東京も都心を少し離れた世田谷ともなれば、夕暮れ時に微かに秋風が感じられ、蜻蛉が横切るようになります。「世田谷」との地名も入り、早くも秋の気配を感ずる作者です。 (桑本栄太郎)

04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
13.トマトの葉もぐ指先に同じ香が/吉田晃

【髙橋正子特選/7句】
11.植田見ゆ角をすぐると風にあう/祝恵子
「風にあう」という表現が新鮮だと思いました。植田から新しい生命力が吹いてくるイメージが出てきます。 (弓削和人)

35.稲穂出で夜風芳し星仄か/柳原美知子
稲穂の香りが漂う気持ちいいよ風とそらには星も瞬いています。のどかで綺麗な風景が目にうかびました。(西村友宏)

04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修

【入選/21句】
12.向日葵のわが実の重さに耐えており/祝恵子
大輪の向日葵なんでしょう。実がなってくると頭を垂れる向日葵が多い中、頑張って正面を向いている向日葵が目に浮かびます。 (高橋秀之)
ぐんぐんと太陽に向かってのびたひまわりも花が終わる時期になると、種の重さで首をうなだれるようになります。ひまわりが人の姿に重なってユーモアを感じます。 (多田有花)

19.天高し丹沢望む露天風呂/廣田洋一
気持ちよさそうですね。青空の下、空を仰ぎながら入る露天風呂。よくぞ日本に生まれけり、という気持ちになります。 (多田有花)

20.田起こしの所作軽やかに風の盆/廣田洋一
踊りの中のふり、田起こしを軽やかに踊りながら、遠ざかってゆく風の盆、一度は見て見たいものです。 (祝恵子)
風の盆は、富山の八尾の盆踊りですが、よく知りませんでした。編み笠に顔が隠れて、手をしなやかに使う踊りに合わせた胡弓の音がさびしそうです。田おこしの所作があるのを初めて知りました。 (髙橋句美子)

23.梨の実の瑞々しさは今年初/高橋秀之
お盆のころに今年の初物として梨が店頭に並び始めます。今年も先日スーパーで見かけてお盆なんだと感じました。 (多田有花)

24.夕食に酒はなくとも冷ややっこ/高橋秀之
多分、作者が一人で頂く夕食だろう。酒はなくとも、冷奴のさっぱりした味を楽しんでいる様が良く見える。 (廣田洋一)

28.革靴を磨きつつ待つ流星群/西村友宏
革靴を磨くという日常の中で、流星群という非日常を待つわくわく感が伝わってきます。秋の訪れが実感される夜空です。(柳原美知子)

31.アイスティーインクの乾く間を繋ぐ/上島祥子
手紙を書かれているのでしょうか?万年筆でしたためる一筆。 (多田有花)

36.水路の水汲んで苧殻火尽きるまで/柳原美知子
 炊いた迎え火を消えるまで眺めている。いろいろな思いや思い出を感じておられるのだと思う。燃え尽きた苧殻を家の前の水路の水で消すのだが、それはご先祖様が生前親しんでおられた水路の水なのだ。ご先祖様はきっと喜んでおられることでしょう。(吉田晃)

46.夏草をかき分け進む植物園/髙橋句美子
学術的にラベル付けされた、植物園の展示。その通り道にも、自然の夏草が茂っています。エネルギーに満ちた夏草を「かき分け進む」という描写に、力強さを感じます。 (川名ますみ)

01.利根川の岩場へつつと石たたき/小口泰與
02.夕鵙や風雨に晒さる摩崖仏/小口泰與
05.ひぐらしや想い出よぎる吾が半生/桑本栄太郎
06.かなかなのかなの途切れし茜かな/桑本栄太郎
07.空色の切り絵をひらく戻り梅雨/川名ますみ
09.髪切って胡瓜どっさり冷や汁に/川名ますみ
14.買い物へ苧殻の人とすれ違う/吉田晃
16.祖母もぎる指の無花果やわらかき/弓削和人
25.祖父母の像下に新盆叔父の像/多田有花
29.真っ新な運動靴で夏雲へ/西村友宏
34.夏祓墨絵の灯篭裏参道/柳原美知子
47.真夏日の大樹風に靡くまま/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
40.茗荷二個よく洗われて光る
41.茄子三個洗われ雫がたくさん
42.梨・茗荷・茄子を揃えてバットに載せ

■選者詠/髙橋正子
44.はじめての虫音響けり居間の窓/髙橋正子
今年は梅雨明けも早く熱帯のような湿度と猛暑の夏でした。まだまだ残暑の続く中、夜になりはじめての虫音が聞こえて来た時の嬉しさは、ひとしおですね。暦どおり秋は着実にすすんでいると実感されます。(柳原美知子)

43.ほてい葵盆にあわせて花ひらく
45.台風の過ぎ行く夜を灯ともして

■互選高点句
●最高点(同点2句/5点)
12.向日葵のわが実の重さに耐えており/祝恵子
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花

集計:髙橋正子