9月3日(土)


今朝は早起き。ベランダに出ると群青色の朝顔が一つ咲いている。もう咲きそうにない蔓に咲いて驚いた。

句美子の誕生日。砥部の家では、いつも白萩が咲き始めていた。今年は誕生日プレゼントを用意していない。何がいいかと聞くと、葡萄をとのこと。明日持っていく。今日は八芳園でちらし寿司で、夫婦二人でお祝いをしたそうだ。

午前11時に、町田市鶴川の墓地の契約がある。気の進むものではないが、止むを得ない。契約手続きは、シンプルだったが、緊張した。墓地は鶴川街道を真直ぐいったところ。途中武相荘への案内看板を見かけた。

鶴川から帰ったらぐったり疲れていた。少し頑張って、3歳の元希が葡萄が食べれるようになったので、送ることに。用心のため日吉東急の林フルーツで買って配送を頼んだ。お菓子はあまり食べたがらないようだが、桃や葡萄それにソーセージが好きとのこと。

●朝顔の紺色さやか低きに咲き   正子
●鉢やりの水が清水のごとあふる  正子

9月2日(金)


台風12号がまた近づいているらしい。
昨日の朝日新聞の夕刊。

政治学者中島岳志さん(1975年生まれ・東工大教授)を取材した記事「平凡に暮らせよ」の中から。
経済成長が終わった日本で、物質的な豊かさに代わる価値を探る「ロスジェネ世代」の政治学者として、ボース(インド独立を志した革命家で、亡命先の日本で病死した。老舗中村屋の長女と結婚)の「平凡」をどう定義できるか、と考えるようにもなった。

「たとえるなら、事業の拡大より継続が大切。縮小しても、次のせだいに手渡せるものをちゃんと残す。そういう価値観に移行できなければ、日本はもたない。劇的な解決を望むのではなく、部品を点検しボルトを締め直すように、一つ一つの問題に向かい合うしかない。そういう平凡な努力の積み重ねが非凡なんです。」

中島氏の考えは、リベラル保守だそうだ。

花冠も「拡大より継続。縮小しても次の世代に手渡せるものを残せるものを。」の路線で来ている。
伝統も螺旋形を描きながら継続するほかはない。一直線では伝統はつぶされるのではないかとも思っている。

○咲き残る朝顔数花野に置けよ    正子
○朝粥に梅干厄日の今日始まる    正子

9月1日(木)


今が日から9月。
今年は、ベランダの花がほとんんど全滅。葉が枯れる。葉が縮れたようになる。そんななかでも朝顔が咲き続けている。ちょっといい種を買ったので、花は小さいながらも、いろんな色を楽しませてくれる。支柱から外れて野原に咲く花のように、思い思いに咲いている。かえってこれがいいのでは。来年も朝顔と夕顔は植えよう。今年の夕顔は一つだけだったが、みずみずしい白い花を開いた。なにより嬉しい。

ベランダに花をいっぱいにしたかったが、年もとっていくから、思い切り鉢も処分して、少なくした。好きな花を1、2本植えよう。
食器も減らそう。5客そろいのどんぶりを2個処分して3個にした。食器棚に余裕ができたし、出し入れが楽になった。いいと思って買った食器も「いとじき」が高い感じで、ダサくなってしまった。5客揃。これも処分対象として考え中。最近買った手塩皿は、軽量でスタッキングしやすい。つい、こればかり使っている。

○窓に置ける机に鳴ける鉦叩       正子
○おとといから鳴いているよな鉦叩    〃

8月27日(土)


台風10号が近づいている。はじめは、北の方に生まれ、南南西に向かい、また北上するという。こんなのは初めて。週明けに北関東か東北に来るらしいが、台風圏は広がっているし、どこに上陸するか、はっきりしないらしい。

信之先生は風邪らしい。微熱あり。梨と握りずし、それにアイスクリームばかり注文を受ける。私も夏バテ気味で、一日家に籠る。

角川俳句年鑑に掲載するの信之先生の諸家自選5句を整理してもらって投函。投函に出て驚いた。ずいぶん涼しい風が吹いている。投函帰り、10分ほど散歩。帚木が黄ばみ始めている。

信之先生、正子、句美子さんの2015年の句と、2016年8月までの句を整理。それが済んだら、花冠会員の秀句を選ぶ。そして、年鑑に載せる句を選ぶ。「選句は労働だ。」普段の整理が大切と知ってはいるが、つい目先の仕事に追われる性分。句を整理しつつ、まんざら捨てたものではないと、慰めて、思い直して、頑張る。

★帚木に千日紅の赤が立ち      正子
★帚木を植えて書道具売り居たり   正子

8月13日(土)


俳句界に載せる結社広告10月号の原稿締め切りが明日となる。今夜中にメールで送信。先日「結社広告を見た、見本誌を送れ」と北九州の方から依頼があった。見ていただいているようだ。

今日も朝から晴れ。正午過ぎにクーラーのドライのスイッチを入れる。ドライモードで、ずいぶん涼しい。この暑さで、除湿だけでこれだけ涼しいのか、疑問でもあるが。

今朝のベランダは、アイビーゼラニュームがよく咲いている。

朝顔の咲きつつ種の実りつつ/正子
 まだ熟れ切らない桃をもらう
熟るる桃の熟度に日々のわずかの差/正子
桃熟るる硬さのとれてほの紅く/正子

16日に息子一家が来る予定。息子の蕎麦すきは3歳ごろから。3歳の孫も蕎麦好きという。ざる蕎麦の食べ方をみていると、よくわかるが、「さらさらと」食べる。したがって蕎麦の献立を考える。おやつはマドレーヌを焼こう。持ち帰りのお土産は家にあるもの。冷凍うなぎのかば焼きと冷凍ビザ、自家製梅シロップ、到来物の桃。コープの「ただの炭酸水」、ユーハイムのバウムクーヘン。一ヶ所にそろえて置かないと渡し忘れるので、今から、まとめて置く。孫には色鉛筆とペンシルケース、すこし上等の画用紙。7月に息子の家に行ったときは、絵を描いた画用紙を食卓テーブルの縁にぐるりとセロテープせ貼っていた。幼稚園では描いた絵を貼って見せているからか。おもしろいことをする。

8月12日(金)


立秋から数日。貧相な蔓ながら、朝顔がよく咲きだした。朝顔の季語は秋だが、それにつくづく納得している。日差しは、すこし黄色みを帯びて、確かに秋らしさが見える。

熱中症にならないように、クーラーをつけるように勧められる。今年は、クーラーをつけ始めて、ずっと「ドライモード」にしている。冷房モードにしていないのだが、冷房モードよりも涼しく快適に思える。温度の設定に悩むこともない。

朝顔の色は水色錆朱色/正子
朝顔を拝してよき朝はじまりぬ/正子

8月8日(月)

★おみなえし山の葛垂る庭先に  正子
共に万葉の昔から親しまれてきた2つの秋の七草を優美に詠い上げげられた御句かと思います。
山の葛垂る庭先」の措辞がこれらの植物の枕詞を兼ねた、生態描写のように感じられ、実に素晴らしいと思いました。(河野啓一)

○今日の俳句
黒光りして児の掌にかぶと虫/河野啓一
子ども、特に男の子は、虫の中ではかぶと虫がとりわけ好きだ。黒光りする胴体、たくましい角、決して敏速には動かない堂々とした様子。そのかぶと虫を掌に乗せて、王者の気分だ。(高橋正子)

今朝は、大変涼しい。台風5号が近づいているせいかもしれない。
ここ数日の炎暑とは打って変わって。

毎日毎日、ネットの日本語の俳句を読んでいる。小池百合子さんが、都知事になってよかったと思うこともあるせいか、「俳句民主主義」というようなことを感じてしまう。伝統文化と民主主義は矛盾しないか。
英語俳句でいえば、初期の英語俳句は、イマジストの詩人たちが作り始めた。まず、彼らの俳句の「言葉」の質が基本的にいまの英語俳句の言葉違うと感じる。

○尾花(おばな・すすき)

[薄(すすき)/横浜日吉本町]

★何ごともまねき果たるすすき哉 芭蕉
★おもしろさ急には見えぬ薄かな 鬼貫
★山は暮れて野は黄昏の薄かな 蕪村
★夕闇を静まりかへるすゝき哉 暁台
★猪追ふや芒を走る夜の声 一茶
★古郷や近よる人を切る芒 一茶
★箱根山薄八里と申さばや/正岡子規
★一株の芒動くや鉢の中/夏目漱石
★金芒ひとかたまり銀芒ひとかたまり/高浜虚子
★穂芒のほぐれ初めの艶なりし/能村登四郎
★穂を上げし芒に風の触れはじむ/稲畑汀子
★薄野を来て一山の夕日浴ぶ/小澤克己
★今日を尋めゆく落日の川すすき/千代田葛彦

 薄について書こうと思えばありすぎる。いたるところにあるけれど、夏の青い薄が風になびくのもよい。城ケ島に4年ぐらい前だったか行ったときに、はるか大島の影が見える崖に青薄が靡いていた。月があがればどんなに素敵だろうかと思った。その青薄も真夏の暑さに鍛えられ、青々とした色が幾分か抜けると紅むらさきのつややかな穂が出る。出始めの穂の色、はらりとほどける穂の具合は、初秋の風情としては一品。秋も深くなると穂が白くほおけて、銀色金色に輝く。小諸の花冠フェスに出かけた折、追分のあたりから景色はぐっと高原らしくなるが、薄は金色だった。それから、鎌倉の二階堂の虚子記念館を訪ねたときに、薄原があった。虚子がこの薄原を詠んだのではないかと思わせる雰囲気があった。
薄について風情の良さばかりを言ってはおれないのだ。薄は、別な呼称で萱なのだ。生家には家の前に広い畑がある。両親がいたころは、いろんな農作物がよく育っていた。父が亡くなり40年がたち、母がこの5月に亡くなったが、畑の隅に徐々に萱が生え始めた。畑の手入れが行き届かない。おそらくこの萱が広がって、何年か経つうちに荒れた野に戻るだろうと、寂寥とした思いにもなる。

★追分の芒はみんな金色に/高橋正子

 ススキ(芒、薄)とは、イネ科ススキ属の植物。萱(かや)、尾花ともいう。野原に生息し、ごく普通に見られる多年生草本である。高さは1から2m。地下には短いがしっかりした地下茎がある。そこから多数の花茎を立てる。葉は細長く、根出葉と稈からの葉が多数つく。また、堅く、縁は鋭い鉤状になっているため、皮膚が傷つくことがある。夏から秋にかけて茎の先端に長さ20から30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける。花穂は赤っぽい色をしているが、種子(正しくは穎果・えいか)には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなる。種子は風によって飛ぶことができる。日本には全国に分布し、日当たりの良い山野に生息している。夏緑性で、地上部は冬には枯れるのが普通であるが、沖縄などでは常緑になり、高さは5mに達する。その形ゆえに、たまにサトウキビと勘違いする観光客がいる。国外では朝鮮半島・中国・台湾に分布するほか、北米では侵略的外来種として猛威をふるっている(日本にセイタカアワダチソウが侵入したのと逆の経路で伝播)。植物遷移の上から見れば、ススキ草原は草原としてはほぼ最後の段階に当たる。ススキは株が大きくなるには時間がかかるので、初期の草原では姿が見られないが、次第に背が高くなり、全体を覆うようになる。ススキ草原を放置すれば、アカマツなどの先駆者(パイオニア)的な樹木が侵入して、次第に森林へと変化していく。後述の茅場の場合、草刈りや火入れを定期的に行うことで、ススキ草原の状態を維持していたものである。

◇生活する花たち「山萩・鬼灯・蓮の花托」(横浜・四季の森公園)