Unknown (小口泰與/転記)2017-02-11 12:18:192017-02-11 09:28:12
★蒼空へ長き裾野や暮長し
★山裾の寸馬豆人牧開き
★目薬の日日の一滴冴返る
自由な投句箱 (廣田洋一)2017-02-11 16:13:00★顔ほてり体温測る春の風邪
★知らぬ間に眠りこけたる春の風邪
★待ちかねし旅を取り消す春の風邪
自由な投句箱 (満天星)2017-02-11 16:36:27◇幹の手は金剛のごと梅真白
◇銀色に輝くジェット風花す
◇雛鳥や春動きたる西ノ島
自由な投句箱 (桑本栄太郎)2017-02-11 19:56:41★日もすがら明暗しきりや春の雪
★父母の在りて故郷や磯菜摘む
★降る注ぐ日射しきらめく建国日
自由な投句箱 (多田有花)2017-02-11 21:14:42春の宵湯を囲みける伊勢の杜
海山の幸を味わう春の伊勢
春の朝バイキングで食ぶ手こね寿司
東海道53次川崎宿
★下萌えの六郷川の水青し 正子
川崎宿を歩かれたのでしょうね。萌え出した草の柔らかさ、六郷川に流れる雪解けの清らな水、春が訪れた喜びを感じます。(祝 恵子)
○今日の俳句
もてなさる一つに椀のあさり汁/祝 恵子
もてなしの料理が並ぶなかの一つの椀があさり汁である。春らしい一椀に、ほっと気持ちが解きほぐされ、主客ともに春をいただく気持ちが湧く。(高橋正子)
○木蓮の花芽

[木蓮の花芽/横浜日吉本町(2014年1月28日)]_[木蓮の花/横浜日吉本町(2012年4月12日)]
★木蓮に日強くて風定まらず/飯田蛇笏
★遊雀木蓮の花芽毛皮の冬構え/遊雀
モクレン(木蓮、木蘭、Magnolia quinquepeta もしくは Magnolia liliiflora、中国では、「辛夷」と表記する。)は、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。ハネズ、モクレンゲと呼ばれることもある。昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、これは花がランに似ていることに由来する。今日では、ランよりもハスの花に似ているとして「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになった。
小型で樹高3-5m程度。葉は互生で、広卵型、長さ8-10cm、先は尖る。花期は春(4-5月頃)。花は濃い紅色から桃色で、花弁は6枚、がくは3枚、雄しべと雌しべは多数が螺旋状につく。上品な強い芳香を放つ。ハクモクレンとは異なり、花びらは舌状で長い。実は赤い。
庭木、公園樹として中国、日本だけでなく、北米やヨーロッパ諸国で広く栽培されている。移植は困難であり、株分けによって殖やす。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では国花に指定されている。
ハクモクレン(白木蓮、学名:Magnolia heptapeta、シノニム:Magnolia denudata)はモクレンの仲間で白色の花をつける。しばしば、「モクレン」と混同され、そう呼ばれることがある。モクレン属の中では大型の種類で樹高は10-15m程度まで成長する、春、葉に先立って大形で白色の花が開く。
今近隣では、冬の寒さを凌ぐため冬芽(ふゆめ、とうが)を形成し、じっと耐えている木々の姿をよく見かける。特に、木蓮などは、毛皮のようなもので芽を覆いしっかりと身を守っている。
◇生活する花たち「満作・椿・蝋梅」(神奈川・大船植物園)
★梅の花遠きに咲きて白さ満つ 正子
遠くの梅の木が、花を咲かせました。その白さは、遠景の中、発光するような耀きを以ち立っています。浅き春、白梅に満ちた汚れなさ、逞しさに、離れていても力を分かたれる感触を抱くこと、深く共感いたします。向こうに望む白梅は、希望そのものです。(川名ますみ)
○今日の俳句
水仙の低きに咲くを見つけたり/川名ますみ
この句の生命は「低きに咲く」にある。低いところは、木の下か、道の下か、幾分の湿りもあるだろう。そういったところに咲く水仙には、日向の水仙よりも陰影を帯びた魅力がある。(高橋正子)
○三椏の花蕾

[三椏の花蕾/横浜・四季の森公園]
★立春のピアノの弦のすべてが鳴る/高橋正子
春を迎える日の窓に聞こえてくるピアノ曲の軽やかな旋律を想像いたします。音階を緩急自在に走りゆき、和音をのびやかに膨らませて、すべての弦がふるえ響き、春到来を喜んでいるようです。(小西 宏)
○今日の俳句
枝ゆらし光ゆらして春の鳥/小西 宏
枝に止まった鳥が、枝移りをするのか枝が揺れる。それを見ていると、光も揺らしているのだ。枝を張る陽光に満ちた木、枝移りする鳥が、なんと早春らしいことよ。(高橋正子)
○立春
★立春の米こぼれをり葛西橋/石田波郷
★立春の海よりの風海見えず/桂 信子
★立春の夜道どこからか水の匂い/高橋信之(昭和四十八年作)
「立春」と聞くと、それだけで気持ちがほぐれる。厳しい冬の寒さと別れ、いよいよ春になる。夜道を歩けば、どこからか水の匂いがする。小川の流れか、水はいち早く温み始めたのだろう。夜道の暗さに水の匂いが春のはなやぎのように感じられる。(高橋正子)
陰暦では、1年360日を二十四気七十二候に分けたが、立春はその二十四気の一つで、陽暦では2月4日か5日、節分の翌日に当たる。節分は冬の季語となっている。節分を境に翌日は春となる。あくまでも暦の上だが、この切り替えがまた、人の心の切り替えにも役立って、立春と聞くと見るもの聞くものが艶めいて感じられる。冬木もいよいよ芽を動かすのだろうと思う。寒禽と呼ばれていた鳥も鳴き声がかわいらしく聞こえる。
★立春の朝は襖の白に明け/高橋正子
★立春の朝のデージー鉢いっぱい/高橋句美子
◇生活する花たち「草苺の花・著莪(しゃが)・姫林檎の花」(横浜日吉本町)

★枯木立星のあおさに揺れもせず 正子
冬になって、葉がことごとく落ちつくした落葉樹の群落の枯木立は真冬の厳しい夜の寒さにも負けず凛として立ちつくしている。雄々しい素敵な景ですね。(小口泰與)
○今日の俳句
群れ起つや羽音厳しき寒雀/小口泰與
小さい雀だが、一斉に群れて飛び立つときは、体に似合わないほどの音を立てる。「羽音厳しき」は、厳しい寒さのときだけに、強い実感となって一句となった。(高橋正子)
○老鴉柿(ロウヤガキ)

[老鴉柿/東京・小石川植物園(2013年1月20日)]
★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ 正子
暖炉の中の薪の炎がゆらゆらと燃え盛り、ほっこりとした優しい暖かさに包まれています。傍には新しく用意された薪も積まれ、一層何とも心豊かな安らぎを感じます。 (佃 康水)
○今日の俳句
満潮へ鴨の二陣の広く浮く/佃 康水
満ちて来る潮に向かって、二陣の鴨の群れが広がり浮かんでいる。豊かな潮と浮き広がる鴨の群れが色彩的にもよい風景である。(高橋正子)
○笑顔(はるさざんか)
[笑顔/大船フラワーセンター]
早稲田大学
★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み 正子
一種の間引きなのでしょうか。春に備えて梢を揃え、強く育つようにと枝打ちするのでしょう。落とされた枝にも冬芽が並んでいます。みな将に春の芽に育たんと密かに力を溜めていました。そんな姿を「地に弾み」とあえて明るく詠われました。頭上には未来を託された芽が空に輝いています。(小西 宏)
○今日の俳句
波近き風自在なり冬鴎/小西 宏
鴎が波に低く飛ぶ。風は自在に波をあそばせ 鴎をあそばせている。こんな渚の風景は屈託がなく楽しい。(高橋正子)
○栴檀の実(せんだんのみ)

[栴檀の実/横浜日吉本町]
横浜日吉本町・金蔵寺
★除夜の鐘鳴りはじめなる一の音 正子
年越しの準備も整い、家族がくつろいで新しい年を迎えようとするとき、近くのお寺から除夜の鐘がかすかに聞こえてきます。その一の音。すると家の外も中も、いっそうの静寂に包まれます。年を送り新たな年を迎え、また今あることの意味合いをしみじみと思います。(小西 宏)
○今日の俳句
乗り換えの国ざかい駅雪深し/福田ひろし
乗り換えで立ち降りた駅は国ざかい。思わぬ雪の深さに、国を境に、こんなにも雪の降りようが違うものかと感慨も深む。(高橋正子)
○ユズリハ

[ユズリハ/横浜日吉本町]
★楪のしきりに殖ゆる古葉かな/原石鼎
★楪の日本の家明るき日/高島茂
★父とかはす年賀短かし共に主/高島茂
★枯れ落ちた楪の葉は一年目 琴姫
★楪の葉のいれかはり新成人 征夫
★楪の赤きところが見ゆる庭/高橋正子
ユズリハ(楪、交譲木または譲葉、学名:Daphniphyllum macropodum)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。古名はユズルハ。雌雄異株。高さは10mほど。葉は長さ20cmほどで枝先にらせん状につく。花には花被がなく、葉腋から総状花序を出す。花の形態がトウダイグサ科に似るので古くはトウダイグサ科に含められたが、心皮が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから独立のユズリハ科(Daphniphyllaceae)とされた。APG分類体系ではユキノシタ目に入れられている。ユズリハの名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。クマリン系アルカロイドのダフニクマリンを含み、中毒の原因となる。日本では、本州の福島県以西、四国、九州、沖縄に、アジアでは、韓国、中国中部まで分布し、暖地の山地に自生する。
◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)

★年逝かす蘭の華やぐ丈見上げ 正子
○今日の俳句
年の瀬の遮断機上り街動く/藤田洋子
遮断機が上ると一斉に車が忙しく動き出す。年の瀬の街の風景をよい視点でとらえた。(高橋正子)
○フランス柊

[フランス柊/横浜日吉本町]
★落つことも降ることもなき赤き実は/高橋信之
★赤き実の一と日しっかと木に付ける/高橋信之
★雪冠るフランス柊我が庭に/高橋正子
ヒイラギモドキは、モチノキ科モチノキ属、別名 シナヒイラギ ヒイラギモチという。
たまたま訪れた県林業技術センターでシナヒイラギ、また延岡植物園でフランスヒイラギと標示されている木を見かけました。ちょうど真っ赤に熟した美しい実がついていましたので、園芸種と思いますが、載せることにしました。両方ともヒイラギモドキ 別名シナヒイラギと思います。セイヨウヒイラギは、葉が普通の楕円形で縁全体に鋭い鋸歯が取り囲んでいますが、ヒイラギモドキの葉は、葉の形そのものが大きな不整形の鋸歯を形成するような特殊なかたちをしています。
ヒイラギモドキも、セイヨウヒイラギも、ヒイラギの名がついていますが、モクセイ科モクセイ属のヒイラギとは無縁のモチノキ科モチノキ属です。モクセイ科のヒイラギには、赤い実をつけるものはないと思います。鋭くとがった歯牙のある硬い葉と赤い実をクリスマスの飾りとするお馴染みの植物で、欧米では、クリスマスホーリーと呼ばれているようです。欧米ヨーロッパ中南部からアジア西部の原産だそうです。多くの品種があり、果実を観賞するために庭に植えられる常緑高木です。モクセイ科のヒイラギに似た葉を持つモチノキの意で、ヒイラギモチともいわれています。なお、セイヨウヒイラギとヒイラギモチを別種としているもの、ヒイラギモチを別名シナヒイラギとしているもの、また、クリスマスに使うのはアメリカヒイラギとしているものなど、いろいろ名前については、扱いが一定していないようです。(HP「みやざきの植物散策」より)
◇生活する花たち「アリストロメリア・サンタンカ・ユリオプスデージー」(横浜・綱島)

★冬の雨窓打つ音のついに暮れ 正子
止みそうでなかなかやまない冬の雨。止んだら外出しようと思いながら向かう机だがついに止むこともなく夕暮れてしまった。「ついに暮れ」に雨上がりを待っていた気持ちがよく表現されていると思いました。 (古田敬二)
○今日の俳句
冠雪の富士山遠く旅の空/古田敬二
冠雪の富士山を遠くに見て、いよいよ日本を離れる旅の空にいる。海外の旅に出るとき、富士山を目に収めたいのは大方の人であろう。(高橋正子)
●『鬣』という俳句雑誌で「・・水が咲く」という表現に出会った。目からうろこで唸った。すごいと、2,3週間は気になっていろんな場面を想像していた。しかし、やっぱり、自分の世界とは別の世界の言葉だと悟った。思いつかなかったのも無理もない。
○ミモザの花蕾
[ミモザの蕾/横浜日吉本町] [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]
★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波
葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス”mimos”(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を”mimosa”と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。
◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)

