font size=”3″>★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ 正子
暖炉の中の薪の炎がゆらゆらと燃え盛り、ほっこりとした優しい暖かさに包まれています。傍には新しく用意された薪も積まれ、一層何とも心豊かな安らぎを感じます。 (佃 康水)
○今日の俳句
満潮へ鴨の二陣の広く浮く/佃 康水
満ちて来る潮に向かって、二陣の鴨の群れが広がり浮かんでいる。豊かな潮と浮き広がる鴨の群れが色彩的にもよい風景である。(高橋正子)
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
★クロッカス塊り咲けば日が集う 正子
○今日の俳句
汽笛鳴るフェリーの後にゆりかもめ/高橋秀之
フェリーが汽笛を鳴らし港を出てゆく、その後を追って、真白なゆりかもめが飛んでゆく。ゆっくりとした明るい景色がよい。(高橋正子)
○楓の実(楓の種)
[楓の実(冬枯れ)/横浜・四季の森公園(2012年1月26日)]_[楓の花/横浜日吉(2011年4月13日)]
★花楓こまかこぼるる又こまか/皆吉爽雨
★苔あをし更に影置く若楓/水原秋櫻子
★沼楓色さす水の古りにけり/臼田亜浪
★花楓日の行く所はなやかに/小野房子
★通行手形持たずに通る花楓/御崎敏江
★池の面に梢ひろごる楓の実/加藤暢一
★楓の実みどりの風に乗る構へ/桐一葉
★楓の実寒禽の胸見えており/高橋正子
楓の実は、楓の花が咲くからこそ付けるものであるが、楓の花も、楓の実も見過ごされがちではないだろうか。若葉の色の中に紅暗色の小さな花をつける。若葉と花の色の対比が美しい。その実は、プロペラのようで、これもまた可愛らしい。落ちるときを目撃したことはないが、くるくる回りながら落ちるなら、まるで竹とんぼではないか。
カエデ(槭、槭樹、楓)とはカエデ科カエデ属 (Acer) の木の総称。モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。主に童、謡などで愛でられるものはそれである。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジ (A. palmatum) である。福島県以南の山野に自生しているほか、古くから栽培も行われている。園芸種として複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものや最初から紫色に近い葉を持ったものもある。一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデのように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの名称もこれに由来する。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は二つの種子が密着した姿で、それぞれから翼が伸びる翼果である。脱落するときは翼があるので、風に乗ってくるくる回って落ちる。
★さきがけて咲く菜の花が風のまま 正子
梅や水仙にさきがけて菜の花が咲いています。早春の風の中で揺れている趣のあるさまが目に浮かびます。(河野啓一)
○今日の俳句
雪消えて餌箱架ける昼下がり/河野啓一
雪の積むあいだ、小鳥たちは餌をどうしていたのか。小鳥たちを思いやって、雪が消えるのを待ってさっそく餌箱を取り付けた。 慈しみのある句。(高橋正子)
★日が射してもうクロッカス咲く時分/高野素十
★クロッカス天円くして微風みつ/柴田白葉女
★クロッカスときめきに似し脈数ふ/石田波郷
★髭に似ておどけ細葉のクロッカス/上村占魚
★クロッカス咲かせ山住みの老夫婦/見学玄
★クロッカス光を貯めて咲けりけり/草間時彦
★忘れゐし地より湧く花クロッカス/手島靖一
★クロッカス苑に咲き満つ朝の弥撒/羽田岳水
★朝礼の列はみ出す子クロッカス/指澤紀子
★膝に乗せ遊ぶ子が慾しクロッカス/安藤三保子
★忽然と地から湧き出すクロッカス/安井やすお
★クロッカスはや咲き初めぬパリの窓/桜井道子
クロッカス (Crocus) は、アヤメ科クロッカス属の総称、または、クロッカス属の内で花を楽しむ園芸植物の流通名。耐寒性秋植え球根植物。原産地は地中海沿岸から小アジアである。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、クロッカスは早春に咲き、観賞用のみに栽培されるため、春サフラン、花サフランなどと呼ばれる。球根は直径4cmくらいの球茎で、根生葉は革質のさやに覆われているが、細長く、花の終わった後によく伸びる。花はほとんど地上すれすれのところに咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなどがある。植物学上は、クリサントゥスCrocus chrysanthusを原種とする黄色種と、ヴェルヌスC. vernusを原種とする白・紫系の品種とは別種だが、園芸では同一種として扱われ、花壇・鉢植え・水栽培に利用されている。
◇生活する花たち「雪割草・さんしゅゆの花蕾・土筆」(横浜・四季の森公園)
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[さくらつつじの冬芽/東京・小石川植物園] [つつじの冬芽/横浜・四季の森公園]
★寒厨卵も餅も白ほのと 正子
寒中の空気には冷たさと同時に清浄さがあります。冷えた台所にあるお餅の白さにそうした清らかさを感じておられる様子がうかがえます。(多田有花)
○今日の俳句
大寒の薄き日差しのなか歩く/多田有花
「薄き日差し」は、大寒でなくても経験することだが、大寒であることで、清浄な日差しを感じる。(高橋正子)
○ミモザの花蕾
[ミモザの蕾/横浜日吉本町] [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]
★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波
葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス”mimos”(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を”mimosa”と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。
★雲刷かれ梅の冬芽の枝真すぐ/高橋正子
○今日の俳句
富士山と冬夕焼の中に居る/川名ますみ
富士山はいつもしっかりと座っている。さびしさもあるけれど、あたたかさのある冬夕焼けに包まれて過ごすとき、大きく、偉大なものといる安心感がある。(高橋正子)
○寒木瓜
[寒木瓜/横浜日吉本町(2013年1月23日)]_[寒木瓜/横浜日吉本町(2012年12月5日)]
★近江路や茶店茶店の木瓜の花/正岡子規
★木瓜咲くや漱石拙を守るべく/夏目漱石
★木瓜の花こぼれし如く低う咲く/大谷句仏
★寒木瓜の蕊のぞきたる花一つ/阿部ひろし
★寒木瓜の刺の鋭き女坂/増田栄子
★寒木瓜を見つけし後の足軽し/819maker(ブログ俳句の風景)
★丘晴れていて寒木瓜の赤の濃し/高橋信之
★今青空に冬木瓜の実の確とあり/高橋信之
★寒木瓜の紅色深きをいぶかしむ/高橋正子
ボケ(木瓜)は、バラ科の落葉低木。学名Chaenomeles speciosa(シノニムC. lagenaria)。花:3~4月に葉よりも先に開く。短枝の脇に数個つき径2.5~3.5cm。色は基本的に淡紅、緋紅。白と紅の斑、白などがある。実は花梨のように大きな黄色い実がつく。樹高:1~2m。枝:若枝は褐色の毛があり、古くなると灰黒色。幹:樹皮は縦に浅く裂け、小枝は刺となっている。葉:長楕円形・楕円形。長さ 5~9cmで鋭頭でまれに鈍頭。基部はくさび形で細鋭鋸歯縁。
寒木瓜と木瓜と同じ品種だが、ふつうは3月から4月に咲くのに対して、11月頃から咲き出す花は、春に開花するものと区別するため「寒木瓜(かんぼけ)」と呼ばれることがある。木瓜と同属の植物にクサボケ(草木瓜、Chaenomeles japonica 英名Japanese quince)がある。50cmほど。実や枝も小振り。本州や四国の日当たりの良い斜面などに分布。シドミ、ジナシとも呼ばれる。花は朱赤色だが、白い花のものを白花草ボケと呼ぶ場合もある。日本に自生するボケはクサボケといわれる同属の植物。果実はボケやカリン同様に良い香りを放ち、果実酒の材料として人気がある。減少傾向にある。
花言葉は「先駆者」「指導者」「妖精の輝き」「平凡」。原産地:中国大陸。日本に自生するボケはクサボケといわれる同属の植物。
★寒椿そよげる竹の葉にふれて 正子
年が明け少しづつ日が長くなるなるにつれ、寒椿も咲き初めます。寒椿と竹の葉のふれる景色は、冬ざれの寒くて荒涼とした中にも、ほのかな春の予感を想わせて風情を覚えます。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
<鴨川・四条大橋>
曇り来る遙か鞍馬や雪もよい/桑本栄太郎
四条大橋からの眺め。空が掻き曇る思えば遥か鞍馬は雪催いのようだ。鞍馬へと思いが馳せ、動きのある句となった。(高橋正子)
○梅開花
[紅梅/横浜日吉本町(2014年1月11日)] [白梅/横浜日吉本町(2014年1月22日)]
★竹柵の青き香りに梅開花/偕楽園好文亭
★梅開花一輪晴れのうれしさに/高橋信之
★開きたる梅一輪のかく尊とし/高橋正子
この寒中、花を探すが花はなく、何もかもが皆蕾。カメラを持って、蕾ばかりを撮っている。しかし、日脚も伸びた実感がするきのう今日、梅の蕾が白くなったのが、ちらっと見える。明日か、今日かと、花の開くのを期待して出掛ける。大方は、まだまだであろうと。ある日は、雨の降る前は、錯覚かもしれないが、蕾の梅を取り巻く空気が匂っていた。その後は、さっぱり匂わないが。けれども、期待はするものだ。一月二十七日、遠目に一輪梅が開いているのに気付く。横浜の梅の開花としては早い。梅一輪が咲いた場所は、後ろにお屋敷があり、民家に囲まれてはいるが、日当たりのよい風のさほど当たらない場所だ。南紀の温かさが保障されているのかもしれない。たった一輪の梅を方向をいろいろ変えたり、爪立ちしたりて映した。
梅の開花前線
和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。南北になが~い日本列島!あなたの処ではいつ頃かな?梅は百花に先駆けて咲き、桜などに比べ休眠が浅いために開花時期が天候によって大きく左右されます。
高温・適湿・多照の年は開花時期が早まり、乾燥の激しい年や気温の低い年はやや遅くなります。また、品種によって多少差があります。寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。
★手袋に手を入れ五指を広げみる 正子
礼装としても用いるが、冬季手や指を寒さから防ぐために愛用される手袋に手を通し、五本の指を力いっぱい広げてみる作者。今年の冬もこの手袋があれば寒さもものともせず、外出できると安堵している作者を見ることが出来ます。(小口泰與)
○今日の俳句
夕映えの湖へ着水大白鳥/小口泰與
夕映えの湖に大白鳥が羽を広げて、シルエットのように着水する。着水の水しぶきがきらめく。大白鳥の存在感に固唾を呑むような素晴らしい光景だ。(高橋正子)
○毬栗
[実の落ちた栗の毬/横浜四季の森公園(2012年1月26日)]_[青栗の毬/横浜市緑区北八朔(2011年8月7日)]
★誰も手に触れざる栗の毬置かれ 稲畑汀子
★毬栗を蹴つて日暮れの村となる/小澤克己
★毬栗や祖母に優しく叱られし/大串章
★毬栗に袋かぶせてありにけり/高橋将夫
★栗の毬そだちはじめし小ささよ/阿部ひろし
★毬栗の落ちてすとんと暗くなる/杉浦典子
★栗の毬心の毬と踏みしだく/中尾廣美
★峡の子の足もてさがす栗の毬/江頭信子
★栗の毬掌に水平にのせにけり/大東由美子
★毬栗を剥くに大事や鎌と足/田中英子
クリの雌花の集まりは雄花の穂の基部につきます。雌花は普通3個集まって鱗片のある総ほうに包まれています。受精が済むと総ほうが発達し雌花全体を包み込んだ、いわゆる「いが」になります。実が熟する頃になると四裂し実が現れます。“いがより栗”“いがも中から割れる”といった「いが」に関したことわざもあります。前者は“痛い「いが」より中のおいしい栗が良い”ということから、ガミガミ怒る人よりもご馳走してくれる人(甘いことを言う人)の方が良い、という意に、後者は実を固く包んでいる棘のある「いが」も秋になると自然に割れることから、人も年頃になると自然に色気が出て熟れることを意味しています。以前は栗の「いが」を天井に播いてネズミ除けにしていましたが、現在は「いが」に含まれるタンニンを利用した草木染めに使われるだけになりました。
font size=”3″> 早稲田大学
★学生喫茶ジャズと会話と暖房と 正子
楽しくなってきます。早稲田大学には 喫茶室があるのですね。、暖房の中で、ジャズを聴きながら、学生たちの話がはずんでいる様子が伺えます。 (祝 恵子)
○今日の俳句
ラディッシュの水を通せばなお美し/祝 恵子
ラディッシュの紅色はそれ自体で美しいが、水に放てば、さらに紅色がみずみずしく美しくなる。小さなことだが、これも生活の楽しさ。(高橋正子)
★寒菊や粉糠のかかる臼の端 芭蕉
★寒菊や古風ののこる硯箱 其角
★霜の菊杖がなければおきふしも 嵐雪
★寒菊やしづがもとなる冬座敷 土芳
★寒菊や村あたたかき南受 子規
★寒菊の小菊を抱いて今日ありぬ 亞浪
★寒菊やつながれあるく鴨一つ 水巴
★寒菊にいぢけて居ればきりもなし みどり女
★寒菊は白き一輪狸汁 青邨
★わが手向け冬菊の朱を地に点ず 多佳子
★寒菊に憐みよりて剪りにけり 虚子
★冬菊のまとふはおのがひかりのみ 秋櫻子
★我に返り見直す隅に寒菊赤し 汀女
★弱りつつ当りゐる日や冬の菊 草城
★寒菊にふれし箒をかるく引き 立子
★寒菊に文字生きしまま灰の紙 静塔
★寒菊の臙脂は海の紺に勝つ 風生
★寒菊の雪をはらふも別かな 犀星
大辞林 第三版の解説では、寒菊は、冬に咲く菊の総称。霜に強く,花は小輪で観賞用に栽培される。冬菊。
デジタル大辞泉の解説では、寒菊は、菊の一品種。花も葉も小形。霜に強く、12月から翌年1月にかけて黄色い花を咲かせる。こがねめぬき。しもみぐさ。
web茶花歳時記の解説では、キク科の多年草。菊の一品種。中国原産。開花期によって春菊、夏菊、秋菊、寒菊とわけ、一般的に12月から1月に咲くものを寒菊と呼ぶ。花期が他のキクの仲間に比べて遅く、寒くなってから咲くので寒菊の名があり、秋咲きのコギクを改良したもので、丈も低く、花つきも少ない。霜にあって葉が色づいたものを照葉(てりは)といい、葉が紅葉した寒菊を、照寒菊(てりかんぎく)といい、風情があるのでその時を好んで使われる。 ただ、永禄7年(1564)に堺の茶人 直松斎春渓が筆録した 『分類草人木』 には 「花ニ不生花アリ、太山樒ナドノ様ナル盛リ久シキ花嫌也。花柘榴モ不入。寒菊ノ葉ノ紅葉シタル不入。」、貝原益軒の元禄7年(1694)『花譜』に「寒菊 葉も花も常の菊より細なり。十月に黄花を開きて、臘月に至る。花なきときひらく故、花賞するに堪たり。京都は寒き故、其葉もみぢして、葉もみるに堪たり。菊と同類なれども、花の時節かはる故に、別に記す。」とある。
font size=”3″> 石鎚山
★雪嶺の座りし空のまだ余る 正子
かなり大きな山塊と見受けられます。雪を被ってその山塊がさらに大きさを増し、晴れた青空の下に座っています。空の大きさと山の大きさ、姿の大きな御句です。(多田有花)
○今日の俳句
強霜のなか登校の児童たち/多田有花
児童たちは、雨の日も、風の日も、寒さ極まる日も、登校するのだが、強霜の朝も例外ではない。霜で道路も厳しい硬さ。その上をなにか浮いたように体も硬くなって歩く。(高橋正子)
○冬の梨園
[冬の梨園/横浜市緑区北八朔] [花の梨園/横浜市緑区北八朔]
★梨園の今寒中の静けさに/高橋信之
★梨棚に白とも言えぬ花咲けり/高橋正子
梨の花と林檎の花が同時くらいに咲いた。これは、瀬戸内にある生家の庭と竹藪の話である。梨は、多分鑑賞用に、長十郎が庭に、林檎は竹藪の端に、何のためかあった。梨は実を付けたが、林檎は花を咲かせるだけだった。冬はそれぞれ、雪が降る日も、氷雨の日も、木枯らしが吹く日も、枝ばかりであった。それでも冬の終わりを告げる節分のあと、子どもながら、これらの花が咲くまだまだ先の日を思って暮らした。私が冬が好きなのは、こういう春のことを思えることも一つである。
冬はもっぱら剪定です。剪定とは、古くなった枝を取り、来年実をならせる枝、樹が力をつけるための枝など、一本一本の樹の状態を見て決め、配置していくのです。みなさんもお気づきかと思いますが、梨園の天井には格子状に針金が設置されています。梨の樹は本来、上へ上へと伸びていくのですが、作業がしやすいように、針金の棚に縛っていくのです。剪定の手順としては、まず、電動の剪定ハサミとノコギリで、いらない枝を切り落とします。
あまりにも量が多いので、機械を使わないと疲れますし、腱鞘炎になってしまいます。そのあと、間隔を空けて枝を配置する場所を決め、棚に縛っていきます。使うひもは、植物性繊維の土に還るものを使用しています。縛った後は、樹の切り口に薬を塗っていきます。これは、菌が入らないようにし、癒合を早めるためです。剪定は時間がかかり、一日に5,6本できたらいい方です。梨の樹は400本…。これを3月いっぱいで終わらせなければいけません。冬の間も忙しいのです。こうして3月後半になると、花芽が開き始めます。(web「下田梨園*冬の梨園のお仕事*」より)
しょうぶの梨100年記念園(しょうぶのなし ひゃくねんきねんえん)は、埼玉県久喜市が設置、管理・運営する公園である。このしょうぶの梨100年記念園は1994年(平成6年)3月に完成した公園である。この公園は「菖蒲の梨」が歩んできた歴史を記念すると同時に、五十嵐八五郎の功績をたたえて整備されたものである。園内には旧南埼玉郡菖蒲町(現:久喜市菖蒲区域)の梨の歴史が彫刻された碑文や、俳句の碑・短歌の碑などが彫刻された石碑が所在している。このほかあずまやが所在しており、小規模な梨園も整備されている。(ウィキペディア)