5月9日(木)

★新緑の翳るときあり水があり  正子
新緑の明るさは特別です。燃え立つ生命力の明るさとでも言いましょうか。それがふと翳るときその新緑の陰にあった水の姿に気づかれました。あまりに眩しい戸外では空の青さと新緑の輝きに幻惑されます。(多田有花)

○今日の俳句
時はいまゆっくり流れ蝶の昼/多田有花
蝶の飛ぶ真昼。蝶の飛ぶ辺りは蝶の空間と時間となって、ゆっくりと時が過ぎている。春昼の気だるく長閑な時間が詠まれている。(高橋正子)

○芍薬

[芍薬/横浜日吉本町] 

★芍薬を画く牡丹に似も似ずも/正岡子規
★蕾日に焦げんとしては芍薬咲く/中村草田男
★芍薬の一ト夜のつぼみほぐれけり/久保田万太郎
★嫁ぎゆき芍薬の花咲きつづく/和知喜八
★そろひ咲く白芍薬よ朝の庭/阿部ひろし
★芍薬のピンクが白に近い色/高橋信之
★芍薬の白はふっくら日の溶けし/高橋正子

 (2012年の日記より)今日、5月28日は信之先生の81歳の誕生日。家族の都合で、昨日の日曜日に誕生祝いをした。四角な大きなケーキを句美子が作り、わたしは、たけのこ寿司を作った。ただそれだけの簡素なお祝い。芍薬の花を昼過ぎに買って花瓶に生けておいたら、夜には、蕾まで開きはじめて、開いていた花は、これ以上咲けないというほど開いた。花もちをよくする薬を入れたせいと、水切りがうまくいったのかもしれない。誕生日にふさわしく豪華に咲いた。砥部の庭には、臥風先生のお宅から移した芍薬があった。来年は、芍薬の根っこを買って鉢で育てようという話になった。
 花冠同人で今日の俳句に挙げた黒谷光子さんも、facebookで拝見すると、28日がお誕生日とのこと。光子さん、おめでとうございます。
 芍薬は牡丹が終わったころに咲く。牡丹ほど気取っていないので、砥部の庭にもあって、咲けば切って花瓶に挿して楽しんだ。小学生のころから芍薬は変わらずある。今はどうか知らないが、教室には教卓の近くに花瓶があって花が活けてあった。家に咲いた花を切って子どもたちが持ってきていたが、芍薬の咲く時期には、花瓶に挿しきれないほど芍薬が集まる。すると先生がバケツを用意してバケツに入れてくれる。このころは、芍薬だけでなく、あやめやいちはつなども次々に誰かがもって来ていた。

◇生活する花たち「黄菖蒲・睡蓮・芹の花」」(横浜都筑・ふじやとのみち)


コメント

  1. 多田有花
    2013年5月14日 7:43

    お礼とコメント
    正子先生、
    「時はいまゆっくり流れ蝶の昼」を今日の俳句にお取り上げ頂きありがとうございます。
    蝶がひらひらと舞い飛ぶ真昼、のどかでゆるゆるとした気持ちになる時間です。

    ★新緑の翳るときあり水があり  正子
    新緑の明るさは特別です。燃え立つ生命力の明るさとでも言いましょうか。
    それがふと翳るときその新緑の陰にあった水の姿に気づかれました。あまりに
    眩しい戸外では空の青さと新緑の輝きに幻惑されます。