1月6日(金)/寒の入り・小寒

★正月の山の落葉のかく深し  正子
実感です。暖かいところでは十二月半ばになってもまだ木の葉を落としきっていない木がいくつも見られます。それが、年を越すとすべて落葉を終えており、その落ち葉が山の道にたまって「かく深し」の情景になります。 (多田有花)

○今日の俳句
よく晴れて風の激しき寒の入り/多田有花
いい嘱目吟である。今年の寒の入りは、よく晴れて風が激しく吹いた、ということだが、自然は、刻々、折々に、さまざまの変化を見せてくれる。それに触れての嘱目は、自然への素直な観照として尊ぶべき。

○寒の入り
今日は寒の入り。寒の入りは例年1月5日か6日にあたるが、今年は、今日6日が寒の入り。小寒となる。この日から節分(立春の前日)まで、小寒、大寒をあわせた、およそ30日間を寒の内といい、寒さもますます本格的となる。寒に入って四日目を寒四郎九日目を寒九といい、水なども清浄感じがする。寒行や寒参りなど行事もいろいろある。

個人的に言えば、私はこの寒の季節から二月が終わるまでぐらいが、もっとも好きな季節である。そう思い出したのは、たぶん高校生ぐらいのときからであろう。もっとも静謐な季節である。

 焚火して林しづかに寒の入/水原秋桜子

○冬の苺

冬苺というのがあるが、これは冬に出回っている苺とは違うようだ。今我が家には、ベランダに蛇苺ほどの苺が生っている。白い花も咲いている。この苺は四季生り苺で初夏にはそれでも普通の苺の大きさの実をつける。この寒中に健気にも花をつけ、実を結ぶ苺には愛着が湧く。昨日日吉東急前の花屋で信之先生が求めてきた苺は、とちおとめで、きれいな実が七個ついてすでに赤く熟れたもの、まだ青いものがあって鑑賞用。雪の中へ苺を探しに行く話が西洋の童話にあったと思うが、日本では苺にまつわる物語は聞いたことがない。寒いときに春へのあこがれの気持ちが童話を生んだのかと思う。

◇生活する花たち「茶の花・侘助・ヒメムカシヨモギの絮」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 多田有花
    2012年1月6日 15:42

    お礼とコメント
    正子先生、
    「よく晴れて風の激しき寒の入り」を今日の俳句に
    お取り上げいただきありがとうございます。
    今日の寒の入りは穏やかで暖かです。

    ★正月の山の落葉のかく深し  正子
    実感です。暖かいところでは十二月半ばになってもまだ
    木の葉を落としきっていない木がいくつも見られます。
    それが、年を越すとすべて落葉を終えており、その落ち葉が
    山の道にたまって「かく深し」の情景になります。