4月13日(土)

晴れ
老年はとろんと落ちる春夕日 正子
濃縮の森の春からドラミング 正子
はちみつのような春の森時間 正子
●自由な投句箱の秀句について、AIがコメントをするとどうなるか、確かめる。
毎日しなければいけないコメントに、私に替わってAIにコメントをしてもらいたい気もする。ある俳句について、これが「平均より上か、中ぐらいか、下か」と質問すると、上質だとか、中程度だと判定する。AIのコメントを読むと、こちらの頭が少々おかしくなりそうだ。AIのコメントは良くても悪くても、読まないのが良い。
●『はじめて学ぶ ドイツ文学史』(柴田翔編著)の中世のなかに、フォーゲルバイデのミンネザングについて抒情詩概説がある。中世にかぎり抒情詩はリューリックではなくミンネザングと呼ばれるとある。ミンネザングはみな一様と思っていたが、フォーゲルバイデは上流貴婦人へのナイト精神からの愛ではなく農民の娘の愛を自然の人間の姿としてうたい新しいのだと言う。しかし言葉はローマ帝国時代から悦楽境をうたう伝統的な言葉、菩提樹、草原、花、草、水辺、小夜鳴鳥を使っている、という。中世よりあとになるが、芭蕉は、和歌の雅な言葉ではなく俗の言葉を使ったこと「俗語をただす」に功績がある。このあたり、面白いと思う。
フォーゲルバイデ(鳥の餌場)の詩はこの文学史にも、『ドイツの詩を読む』にも「リンデの木の下(Under der Linde)/ 「菩提樹の下」(Under der linden)」が引用されているが、経歴については、文学史が詳しい。辺境の宮廷巡りの彼は晩年ヴュルツブルクに土地を与えられ、そこで死に、石棺が墓となっている、とある。私がヴュルツブルクの教会の庭で見たのは、フォーゲルバイデの詩碑と聞いたが、いったい何だったのだろうか。
●文学史の本を読んでいて、2003年発行なので、「インターネット革命」と言う言葉が出て来る。グーテンベルクが印刷機を発明して社会が変わった同じ変化が起きていると、当時情報学者がよく言った。が、この文学史を書いた著者は、技術で社会が変わったわけではないと言う。気になる話。

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