四国88ヶ所45番札所 岩屋寺
★月明の寺に湯浴みの湯をたまわり 正子
岩屋寺は一遍上人も修行された寺だということで、私も何回か行ったことがあります。月明かりの中での湯浴みは、心身ともに疲れを癒してくれたことでしょう。(井上治代)
○今日の俳句
廃屋の増えゆく里や白木槿/井上治代
廃屋が増えていく村里と白槿の寂しさとがよく呼応しています。(高橋正子)
●晴れ。気持ちよい天気。
今日は妹へ葡萄のお返しと、元希の敬老の日の絵と手紙のお礼の品を買いにそごうへ。
今朝の朝日新聞の俳壇・歌壇のコラム「短歌時評」の大辻隆弘氏の「誰に向けてうたうのか」は、短歌を俳句に置き換えてもほぼ当たる内容で、興味をひかれた。
<「読者一人一人の心の必然性によって得られたポプラリティであれば、理想的。」(東直子)という肯定的意見から、「短歌を公にするに当たって歌人は、ポプラリティを求めるべきではない。」(石井辰彦)とする意見まで、見解は多岐に渡っている。>これを読むと、現在東直子氏は、言葉通りに人気の歌人で、ポプラリティのある歌人と言え、穿つわけではないが、自分自身を肯定する意見と、読める。
結論としての大辻氏の意見あるいは感想は、「歌人たちがポプラリティに誘惑を感じる背景には、批評不足の状況にたいする漠然とした不安がある。が、もし多くの読者を獲得することだけが歌作の最重要課題となるなら、少し寒々しい。」である。
俳句や歌を作る人が「批評不足に感じる不安」は何だろう。批評不足はなぜ起きているのか。批評不足だけが不安なのか、という疑問も湧く。
一つは、俳句・短歌の大衆化・俗化。批評することを、大衆や俗世間は、悪口ととる。文芸上のことと捉えない。最近「今は戦争前の世の中と似てきた」というのをよく聞くが、他人と違う意見が言いにくい。一人が褒めると二人が褒める。二人が褒めると三人、五人と褒める人が増えていく。(ついに褒められた人はマスコミ界で著名になるのだが。)そのなかで、異を唱えることは、わざわざバッシングを受けるために名乗り出るようなものだ。そのように思える。
(去年)
俳句界10月号に橋本直氏が「俳句における「解釈」と「構造」」という文を書いておられた。夕べ読んだ。
<社会の中の言語実践の仕組みを思うとき、俳句のとあるひとつの構造に入りきることで一種の商況的情操を帯びるほうがわかりやすくなるだおう。大西*の用語を借りれば、それが「道」ということかと思われる。>
*大西:大西克礼(1888-1959)(『東洋的芸術精神』などの著者)
○オクラ(秋葵)
[オクラの花と実/横浜日吉本町] [黄蜀葵(トロロアオイ)/ネット(野平美紗子)より]
★口楽しオクラの種を噛むことも/中村文平
★薄刃もて刻むオクラの糸を引く/松下裕子
★陽を浴びるオクラの花を訪ひにけり/山元重男
★一晩の時間オクラのふとりかな/松田秀一
★黄蜀葵花雪崩れ咲き亡びし村/加藤楸邨
★市原野とろろあふひの花咲かす/加藤三七子
★空を謳歌するごと黄蜀葵/野平美紗子
★オクラの花と実と出会う小さな旅よ/高橋信之
★秋葵川は南へ流れ去る/高橋信之
★秋葵花は黄色を澄ましきる/高橋正子
★露消えしばかりの時間秋葵/高橋正子
オクラ(秋葵、Okra、学名:Abelmoschus esculentus)は、アオイ科トロロアオイ属の植物、または食用とするその果実。和名をアメリカネリと言い、ほかに陸蓮根(おかれんこん)の異名もある。英名okraの語源はガーナで話されるトウィ語 (Twi) のnkramaから。沖縄県や鹿児島県、伊豆諸島など、この野菜が全国的に普及する昭和50年代以前から食べられていた地域では「ネリ」という日本語で呼ばれていた。今日では当該地域以外では「オクラ」という英語名称以外では通じないことが多い。
以前はフヨウ属(Hibiscus)に分類されていたが、現在ではトロロアオイ属に分類されている。短期間で50cm-2mほどに生長し、15-30cmの大きさの掌状の葉をつけ、黄色に中央が赤色のトロロアオイに非常に似た花をつける。開花は夜から早朝にかけてで、昼にはしぼんでしまう。開花後、長さ5-30cmの先の尖った形の五稜の果実をつけ、表面に短毛が生えており、熟すと木質化する。原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)で、熱帯から温帯で栽培されている。エジプトでは、紀元前元年頃にはすでに栽培されていた。アメリカ州では、主に西アフリカから移住させられた奴隷によって栽培が始まり、現在でもアメリカ合衆国南部、西インド諸島、ブラジル北部など、アフリカ系住民の多い地域でよく栽培されている。日本に入って来たのは明治初期である。熱帯では多年草であるが、オクラは少しの霜で枯れてしまうほどに寒さに弱いために、日本では一年草となっている。
オクラは、刻んだ時にぬめぬめした粘り気が出るが、この粘り気の正体は、ペクチン、アラピン、ガラクタンという食物繊維で、コレステロールを減らす効果をもっている。日本では、生あるいはさっと茹でて小口切りにし、醤油、鰹節、味噌などをつけて食べることが多い。他にも、煮物、天ぷら、炒めもの、酢のもの、和えもの、スープ、すりおろすことによってとろろの代用にするなどの利用法がある。加工食品として、ソースやケチャップの原材料としても用いられる。種子は煎じてコーヒーの代用品として飲まれた歴史がある。
トロロアオイ(黄蜀葵、学名:Abelmoschu manihot )は、アオイ科トロロアオイ属の植物。オクラに似た花を咲かせることから花オクラとも呼ばれる。原産地は中国。この植物から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用される。花の色は淡黄からやや白に近く、濃紫色の模様を花びらの中心につける。花は綿の花に似た形状をしており、花弁は5つで、朝に咲いて夕方にしぼみ、夜になると地面に落ちる。花びらは横の方向を向いて咲くため、側近盞花(そっきんさんか)とも呼ばれる。
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