4月7日(土)

★花通草みどり透きたる葉のなかに  正子
私は道草の実は見たことがありますが、道草の花は見たことがありません。フェイスブックページ「俳句雑誌花冠」の写真を見ると可愛い花ですね。「みどり透きたる葉の中に」あるからこそいっそう花道草の可憐な姿が引き立って見えるのだと思います。 (井上治代)

○今日の俳句
楓の芽今開かんとして紅し/井上治代
楓の芽のかわいらしさと紅い色の美しさを端的に、みずみずしく詠んだ。「紅し」の言い切りが快い。(高橋正子)

●曇り。風強し。
昨夜の雨があがったので、午後1時過ぎにはなったが、横浜里山ガーデンフェスタに信之先生と出かけた。気温は20度ぐらいだったが、風が強いので、寒い感じだった。里山を切り開いて起伏のある花壇を作っている。大花壇の眺めは素晴らしい。びっしりと埋め尽くされた花々の色が絵を描くような色合いで植えられている。

その華やかさに続いて、東口からは谷戸の棚田に続いていて、菖蒲田が出来つつあった。菜の花が一面に咲いている。桜は小桜というのか、小型の桜が咲き残っている。蛙が田んぼによく鳴いている。中山の四季の森公園にはシュレーゲル蛙というアオガエルがいるが、その声とよくにている。なんとも心地よい蛙の声。紫雲英も数株咲いていた。

谷戸から正面入り口に戻る途中には、大きな桂の林があって、堂々とした新緑が素晴らしい。杉木立があって樹幹からは空の光が見えている。根本には大きな羊歯が若々しい緑の葉を拡げ始めていた。熱帯のような感じが少しする。

久しぶりの里山の散策だったが、ガーデンに居たのは一時間ほど。帰宅は3時半で、はやく帰れたのは、乗り物の乗り継ぎがスムーズだったせい。句美子と元希に桜クッキーをお土産に買った。

○烏野豌豆(カラスノエンドウ)

[カラスノエンドウ/横浜日吉本町] 

★畦道に豆の花咲く別れかな/星野 椿
★子供よくきてからすのゑんどうある草地/川島彷徨子
★子等帰るからすのゑんどう吹きながら/照れまん
★野球ボール飛び込むからすのえんどうに/高橋正子

 からすのえんどうは、小さいながらも、きっちり豆の花の形をしている。どう見ても豆の花のミニチュア版である。見るたびいつも、こう思う。

 ヤハズエンドウ(矢筈豌豆、Vicia sativa subsp. nigra[1])は、マメ科ソラマメ属の越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している(「野豌豆」は中国での名称)。
 本州から四国・九州・沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。秋に発芽し、春になると高さ60 – 150cmに達する。茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する。茎は全体に毛があり四角柱状。花期は3 – 6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。豆果は熟すると黒くなって晴天の日に裂け、種子を激しく弾き飛ばす。
 原産地はオリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られているが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている。そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできる。また、未熟な果実の両端を切り落し、草笛にすることができる。一見するとソラマメの仲間とは思えないが、よく見ると、茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を満たしている。
 史記で伯夷・叔齋が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビやゼンマイのことともいう。

◇生活する花たち「菜の花・片栗の花・山桜」(横浜・四季の森公園)


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