◆雛祭ネット句会清記◆

■雛祭ネット句会■
■清記/21名63句

01.薄雲のそれでも青き春の空
02.春暁の新しき水仏前に
03.インターネット画面に諸国の雛狩り
04.百年の酵母れんめん押絵雛
05.紅梅や浅間の雪の新たなり
06.かの町のうぐいす餅を買いに出づ
07.糸電話「もしもし」「はいはい」雛の客
08.女の子欲しかったよね雛祭
09.新参のマトリョーシカや雛の宴
10.桃の花一枝挿してひな祭り

11.散らし寿司飾りて雛の集いかな
12.雛祭り孫は早くも卒業生
13.夕映えのいつしか褪せし木の芽風
14.桃の日の記憶幾重も雛飾る
15.内裏雛面ざし凜として哀し
16.門跡の御所雛飾る宝鏡寺
17.ぼんぼりの灯り哀しき夜半の雛
18.桃の日の花舗を占めおり桃の枝
19.緑濃しお好み焼きの春キャベツ
20.曇天に淡く溶けこむ梅の花

21.早世の姉と飾りし雛いづこ
22.アロマろううそく灯して更ける雛の夜
23.雛あられテンプルちゃんもみまかりし
24.啓蟄や「羽虫が飛んでいましたよ」
25.花桃の透けたる氷雨のウィンドウ
26.雛の部屋と定め灯りをあたらしく
27.片寄せに雪の残りて月おぼろ
28.花好きがミモザ咲かせて西洋館
29.あしび咲く今日のこの刻はなやかに
30.吾子嫁ぎゆけり今日雛祭りの日

31.娘の干支の木の馬添えて雛飾る
32.雛あられ小箱に詰めて友見舞う
33.初蝶や不意に舞う黄の空に消え
34.桃の花胸に抱えた人と会う
35.懐かしや故郷偲ぶ雛あられ
36.今年また昔の雛を掌に
37.岩にもたれ鳥の声聞く梅まばら
38.桃の花部活帰りの娘のメール
39.春の菜の抜きしばかりをもらい来る
40.くっきりと石鎚霊峰梅咲ける

41.三月の水輪つぎつぎ雨の濠
42.硝子戸の日差しにこぼれ桃の花
43.大雪や厳しき生活垣間見て
44.残雪の竹林寂と暮れにけり
45.梅三分雪の山路を踏みしめて
46.花は咲くの歌流れてひな祭り
47.夜勤あけ心に雛の帰り道
48.誰のためにと寂し顔して雛の夜
48.誰のためにと寂し顔して雛の夜
49.クロッカス昼の陽光満杯に
50.山茱萸の開花に似合う空の青

51.二人して梅の香りの層に入る
52.春霰の転がる地へと明るき陽
53.春北風が沖の小島を際立たす
54.せせらぎを間近に聞いて紅白梅
55.帰り来る隣人桃の花束と
56.桃の花抱きし人と挨拶す
57.千代紙の雛に折られし花模様
58.長き弧の浜の風紋春うらら
59.祖母よりの雛一段を飾りけり
60.雪洞(ぼんぼり)の灯影映ろう雛の顔

61.桃咲いてひときわ明るき花売り場
62.花菜の黄揺れて香れる風の中
63.窯の名の札立つ雛市陶の里

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、3月3日(月)午後9時から始め、4日(火)正午までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、3月4日(火)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、3月4日(火)正午~3月5日(水)午後6時です。

※選句を開始して下さい。

3月3日(月)

★手渡されながら花桃散りいたり   正子

○今日の俳句
一枝の桃を活けたりひな祭り/河野啓一
一枝の桃の花で、ひな祭りがずいぶん円かになる。あかるく、あたたかく、かわいらしい桃の花は、やはり、雛の節句に相応しい。(高橋正子)

○桃の花

[桃の花/横浜日吉本町]

★故郷に桃咲く家や知らぬ人/正岡子規
★百姓の娘うつくし桃の花/正岡子規
★桃咲くや古き都の子守唄/正岡子規
★雛の影桃の影壁に重なりぬ/正岡子規

★両の手に桃とさくらや草の餅/松尾芭蕉
★葛飾や桃の籬も水田べり/水原秋桜子
★風吹かず桃と蒸されて桃は八重/細見綾子
★桃咲いて五右衛門風呂の湯気濛々/川崎展宏
★金貸してすこし日の経つ桃の花/長谷川双魚

 モモ(桃、学名は Amygdalus persica L.で[1][2]、Prunus persica (L.) Batsch はシノニムとなっている[3]。)はバラ科モモ属の落葉小高木。また、その果実のこと。春には五弁または多重弁の花を咲かせ、夏には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。中国原産。食用・観賞用として世界各地で栽培されている。
 3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつける。「桃の花」は春の季語。桃が咲き始める時期は七十二候において、中国では桃始華、日本は桃始笑と呼ばれ、それぞれ啓蟄(驚蟄)の初候、次候にあたる。淡い紅色であるものが多いが、白色から濃紅色まで様々な色のものがある。五弁または多重弁で、多くの雄しべを持つ。花柄は非常に短く、枝に直接着生しているように見える。観賞用の品種(花桃)は源平桃(げんぺいもも)・枝垂れ桃(しだれもも)など。庭木として、あるいは華道で切り花として用いられる。
 葉は花よりやや遅れて茂る。幅5cm、長さ15cm程度の細長い形で互生し、縁は粗い鋸歯状。湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければならない。
 7月 – 8月に実る。「桃の実」は秋の季語。球形で縦に割れているのが特徴的。果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれている。果肉は水分を多く含んで柔らかい。水分や糖分、カリウムなどを多く含んでいる。栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる作物である。また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、賞味期間も短い。生食する他、ジュース(ネクター)や、シロップ漬けにした缶詰も良く見られる。

◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)