◆端午ネット句会清記◆

5月端午ネット句会清記
14名42句

01.薫風や遮るものなき山頂に
02.残雪の眩しきに沿い山頂へ
03.若葉山見え隠れしてシャトルバス
04.川風を腹いっぱいに鯉のぼり
05.鴨川に観光客と鯉のぼり
06.柏餅夜には揃う子らのため
07.「とんがり帽子」の歌に目覚めて子供の日
08.さくらんぼ熟れて輝く実となれる
09.菖蒲どさっと売らる店頭すがすがし
10.風無ければ鯉のぼりの尾をつかむ子よ

11.鯉のぼりの色鮮やかに空に浮かぶ
12.いちはつの一本立ちて晴れの日よ
13.嬬恋の雪間に泳ぐ幟かな
14.夏隣今朝の浅間山(あさま)は紫紺なり
15.行く春や川瀬にまじる鳥の声
16.広い空ゆったり泳ぐ鯉のぼり
17.花舗の前どっさり置かれた夏の花
18.夜の空明るく輝く星月夜
19.踏ん張って崖の葉摘みてかたら餅
20.父と児の連弾はずむ子供の日
     
21.細やかな雨に少女ら茶摘みかな
22.熟れ初めし麦サワサワと朝風に
23.鯉のぼり百を渡らせ川流る
24.堰落ちる水音若葉の山包む
25.テント張り河原の朝よこどもの日
26.夏雲雀ここよここよと宙で鳴く
27.夏帽子飛ばし吾影に帽子無く
28.菖蒲湯や父のかひなの中に居て
29.父が居て母が居てこそ子供の日
30.武具飾る写真のありぬ子は父に
28.菖蒲湯や父のかひなの中に居て
29.父が居て母が居てこそ子供の日
30.武具飾る写真のありぬ子は父に

31.暁(あかとき)の浮き葉の濠や白き鷺
32.こどもの日お惣菜屋の店開き
33.盲目の語り部の指白躑躅
34.子どもの日青空からの風が吹く
35.花屋に置かれ緑青々菖蒲の葉
36.鯉のぼり白い尾っぽがはたはたと
37.花園に座して紅茶を風薫る
38.空高く萌ゆる姿や楠若葉
39.新聞紙折りて兜に子ら勇む
40.しゃがむ背に飛び乗る少女青葉風

41.鯉のぼり尾まで丸々風のなか
42.商店街菖蒲を握る子と母と

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、5月5日(火)午後6時から始め、同日午後9時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、5月6日(水)午前10時
※2) 伝言・お礼等の投稿は、5月6日(水)午前10時~5月7日(木)午前10時です。

5月2日(土)

★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
八十八夜と言えば童謡「茶摘み」を思い起こします。この頃は柔らかな日差しと眼にも優しい若葉がそよぎ爽やかな風を心地よく感じられる季節です。また雀たちは日脚の伸びた明るいポプラに何時までもその喜びに囀っていたのでしょう。若葉と囀り、明るさに満ち溢れた夏の近づく音を感じます。また、「鳴きあそぶ」に可愛い雀に対して作者の優しい眼差しをも思われます。 (佃 康水)

○今日の俳句
筍を茹でつつ糠を噴き零す/佃 康水
筍を茹でるとき油断すると灰汁を抜き、柔らかくするために加えた糠が吹きこぼれる。鍋や釜の縁に吹きこぼれた糠がこびりつくこともある。しかし、こういう事に季節の暮らしがある。(高橋正子)

○八十八夜

★磧湯(かわらゆ)の八十八夜星くらし/水原秋桜子
★きらきらと八十八夜の雨墓に/石田波郷
★逢ひにゆく八十八夜の雨の坂/藤田湘子
★旅にて今日八十八夜と言はれけり/及川 貞
★八十八夜都にこころやすからず/鈴木六林男

 八十八夜(はちじゅうはちや)は、雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として88日目、つまり、立春の87日後の日である。21世紀初頭の現在は平年なら5月2日、閏年なら5月1日である。数十年以上のスパンでは、立春の変動により5月3日の年もある。
 あと3日ほどで立夏だが、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期である。一般に霜は八十八夜ごろまでといわれているが、「九十九夜の泣き霜」という言葉もあり、5月半ばごろまで泣いても泣ききれない程の大きな遅霜の被害が発生する地方もある。そのため、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られた。八十八夜は日本独自の雑節である。
 この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。茶の産地である埼玉県入間市狭山市・静岡県・京都府宇治市では、新茶のサービス以外に手もみ茶の実演や茶摘みの実演など、一般の人々も参加するイベントが行われる。
 「♪夏も近づく八十八夜…」と茶摘みの様子が文部省唱歌『茶摘み』に歌われている。
昭和7年(1932年)『新訂尋常小学唱歌 第三学年用』

茶摘/文部省唱歌
一、
  夏も近づく八十八夜、
  野にも山にも若葉が茂る。
  「あれに見えるは
  茶摘ぢやないか。
  あかねだすきに菅の笠。」
二、
  日和つづきの今日此の頃を、
  心のどかに摘みつつ歌ふ。
  「摘めよ、摘め摘め、
  摘まねばならぬ、
  摘まにや日本の茶にならぬ。」

○花蘇芳(はなずおう)

[花蘇芳/横浜日吉本町]

★いとしめば紅よどむ蘇芳かな/松根東洋城
★風の日や煤ふりおとす花蘇芳/滝井孝作
★花よりも蘇芳に降りて濃ゆき雨/後藤比奈夫
★街中の水に空ある花すおう/和知喜八
★花すおういつも縁側より見えて/高橋正子

 ハナズオウ(花蘇芳、Cercis chinensis)は中国原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の落葉低木で、春に咲く花が美しいためよく栽培される。高さは2-3mになり、葉はハート形でつやがあり、葉柄の両端は少し膨らむ。早春に枝に花芽を多数つけ、3-4月頃葉に先立って開花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花は紅色から赤紫(白花品種もある)で長さ1cmほどの蝶形花。開花後、長さ数cmの豆果をつけ、秋から冬に黒褐色に熟す。和名紫荊はその花の紅紫色が、あたかもスオウ染め汁の色に似ているからである。
 花蘇芳の紅紫色は古典的。よい色である。ハート型の葉も魅力。空の青色に似合う。生家には土塀のそばに一本の蘇芳が咲いた。子どもの目にはその花は少し暗く思えたが、つやつやとした絹地のように映った。
 ハナズオウ属は北半球温帯に数種が分布する。地中海付近原産のセイヨウハナズオウ (C. siliquastrum) は落葉高木で高さ10mほどになり、イスカリオテのユダがこの木で首を吊ったという伝説からユダの木とも呼ばれる。このほかアメリカハナズオウ (C. canadensis) などが栽培される。

◇生活する花たち「三葉躑躅(みつばつつじ)・葱坊主・繁縷(はこべ)」(横浜日吉本町)

◆端午(5月)ネット句会案内◆


◆端午(5月5日、端午の節句・子供の日)ネット句会のご案内◆
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠発行所にお申し込みください。
②当季雑詠(夏)計3句、子供の日・鯉のぼりなどの句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2015年5月4日(月)午前0時~5月5日(火)午後6時
④選句期間:5月5日(火)午後6時~午後9時
⑤入賞発表:5月6日(水)午前9時
⑥伝言・お礼等の投稿は、5月6日(水)午前9時~5月7日(月)午前9時