2月16日(日)

★向こうからさざ波寄する猫柳   正子
ゆったりとさざ波が寄せてくる河畔に、ふくらみはじめた銀色の猫柳を思いうかべました。懐かしい感じのする早春の景です。(小川和子)

○今日の俳句
二月の陽を反射させつつバス来たる/小川和子
バスを待っていると、向こうから陽を反射させながらバスがやって来た。光は、早くも明るい二月の光。二月の光を連れて来たバスである。(高橋正子)

○雪割草

[雪割草/横浜・四季の森公園(左:2013年2月10日/右:2012年3月22日)]

★雪割草雲千切れとぶ国上山/朝妻 力
★雪割草佐渡がもつとも純なとき/中嶋秀子
★雪割草垂水の滝は巌つたふ/山口草堂
★雪割草風透き通るこの辺り/高澤良一
★日に飢ゑし雪割草と灯をわかち/軽部烏頭子
★森の空高し雪割草に吾に/高橋信之
★雪割草の色いろいろに咲く日向/高橋正子

○国営越後丘陵公園(新潟県長岡市)の雪割草まつり
○2013年3月16日(土)から4月7日(日)開催
○主なイベント:展示会講演会花苗・資材販売
平成20年3月1日に「新潟県の草花」に指定された雪割草。長い冬を耐えて可憐な花をつける雪割草の魅力を屋内展示や群生地にてご鑑賞いただけます。4月上旬には約9万株の雪割草の群生地が見頃を迎えます。「新潟県の草花」雪割草。
「雪割草」は、キンポウゲ科ミスミソウ属( Hepatica )の園芸名で、北半球に9種類の分布が知られています。日本にはその中の1種類( H.nobilis )から分かれたミスミソウ・スハマソウ・オオミスミソウ・ケスハマソウが自生しています。これら雪割草の中で最も注目される「オオミスミソウ」。自生地は新潟県を中心とする日本海側にあります。このオオミスミソウは、雪割草の中でも最も変異の幅が広く、さまざまな色や形が楽しめ、しかも性質が丈夫であるため交配に熱中する愛好家も増えています。また、個体もさることながら色とりどりの群生の素晴らしさも言い尽くせません。早春、木立の中で愛らしい花々が咲き乱れ、互いを引き立てながら調和しあう美しさは、出会った人々にすばらしい思い出を与えてくれることでしょう。
http://echigo-park.jp/guide/flower/hepatica/index.html

◇生活する花たち「福寿草・菜の花・紅梅」(横浜日吉本町)

2月16日-17日

2月17日

●小口泰與
単線の鉄路かがよう春スキー★★★
あけぼのの雪解の榛名輝かす★★★★
春の雲掲ぐ榛名や鳶の笛★★★

●祝恵子
樹に隠る春鳥を待つ日の温み★★★
まんさくや今来た道を振り返る★★★★
梅ふふむ一人占めする空のあり★★★★
青空に梅の蕾がふくらんでいる。梅のふふむ空の美しさにひとり見惚れている。一人占めして楽しんでいる。心の持ちようでこんなよい世界が生まれる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
梅ひらく一木のみの白さかな★★★★
あたりに先駆けて一木だけ梅が満開である。清潔で光に満ちた白さが目を惹く。「一木のみの白さ」が季節感と共に梅の花らしさをよく表現している。(高橋正子)

青空へ紅の一輪丘の梅★★★
、白梅の空の彼方へつづきけり★★★

●小西 宏
庭の雪芯の青みに解けゆけり★★★★
風に耐え雪に影置き春の光★★★
道に雪融けつつあるを跨ぎ行く★★★

2月16日

●小口泰與
春雪の花を咲かせし梢かな★★★
腰までの春雪降りし史上初★★★
ずぶずふと小犬消ゆるや春の雪★★★★
雪にまろび遊ぶのが好きな小犬ではあるが、このたびの春の大雪は、子犬が雪に溺れてしまうほどである。「ずぶずぶと」に水分を多く含んだ春の雪のやわらかさ、深かさ、子犬の重さなどが知れる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
吹きさらす風の野面や蓬萌ゆ★★★★
雲奔り日射し眩しき余寒かな★★★
蒼天の楽譜となりぬ銀杏芽木★★★

●多田有花
城跡より城跡を見る春早し★★★
一本の松が立ちたり春の空★★★
山に山重ねて山の朧かな★★★

●小西 宏
春の空青々と澄み雪垂(しず)り★★★★
雪融けて庭に如雨露の口立てり★★★
吹く風に木の芽襞なし空を指す★★★

●川名ますみ
春雪の角度保ちて降りそそぐ★★★★
さつさつと斜めに降る春雪の降り様を「角度保ちて」と表現した。「理」が買っているようだが、よいデッサン力だ。(高橋正子)

春の雪角度を守り降りきたり★★★
春雪を弾く樹花芽に載せる樹★★★★