明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
曇り
●裏千家の千玄室さんが102歳で亡くなられた。今朝は玄室さんを悼むかのようにしばらく咲かなかった朝顔がたくさん咲いた。青ばかりなのに少しずつ色がちがっている。一番きれいな色のを切り取って、仏前に挿した。思いついてもう一輪切り、千玄室さんを偲んだ。なぜそうするかというと、私が20代のころ習っていたお茶の先生が、戦時中兵役で松山にきた千玄室さんをお世話されたと言う話を、ときどき話してくれていたので、親しみを感じていた。家元のお世話をしたり、県知事さんにお茶をたてたりする方は、よほど裏千家でも地位の高い方だったのだろうが、髪型も身なりは地味だった。凛とされていたが、派手さはまったくなかった。これが茶人というものかと印象に残っている。
●今日は2,3日そのままにしていた手紙の返事を書かねばならなかった。「リルケの詩にふれて、その俳句」に興味を示していただいたので、
少し、資料をそろえて手紙にいれた。今日投函すると、来週の火曜日以降に届くという。急ぎはしないが、以前に比べると遅すぎないか。以前は中二日おいて届いていたところが6日かかる。
曇り
●ネット短信No.441を出し、花冠の新しいサイトを案内する。
●侑真君の世話に午後出かける。ちらし寿司を夕飯に持って行った。侑真君は予防注射を打って、部屋に入ったときはよく寝ていた。1か月会っていないうちにずいぶん大きくなって4か月半というのに9キロ近くなっている。くるくる寝返りをするようになっている。仕草も声も興味あることも男の子らしいもの。荒っぽく体をゆらすとケラケラ笑う。おみこしワッショイが一番好きらしいが、重くてとても上がらないと親が嘆いている
●7時前に帰って、花冠のブログの様子を見る。WordPress の使い方、少しずつ分かりかけている。何度もやっていれば、わかるだろう。
※当季雑詠3句(夏の句・秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
8月16日(2句)
★終戦日を積み重ねていく終戦日/多田有花
「終戦日」、つまり「戦争が終わった日」が積み重ねられていくことは、ずっと戦争がないことである。この句は、終戦日を具体的に語らず、読む人のそれぞれの終戦日が思えるようになっている。「終戦日」を二度繰り返すことによって「積み重ねていく」感じが表されている。(髙橋正子)
★とんぼ舞う駅で友との待ち合わせ/高橋秀之
とんぼうの舞う駅での待ち合わせのひと時に、さわやかな詩情がある。しずかな情景のなかに、小さな喜びや期待が読み取れる。(髙橋正子)
8月16日(7名)
上島祥子
玄関に藺草マットのよく香り★★★★
秋の雨辻の祠は木目濃く★★★
立ち話土付き南瓜貰い受け★★★
小口泰與
色鳥や我を和ます山住まい★★★★
無花果へそっと近づく野鳥かな★★★
端座せり秋の簗場の風音に★★★
土橋みよ
汐トンボ止まりて揺れるオクラの葉★★★
天からの玉虫一つ庭の石★★★
縦笛の近づく夏の登校日★★★★
広田洋一
初秋の木の葉そよげる雨上がり★★★
買わずとも西瓜をぽんと叩きけり★★★
終わったのねと母の声聞く終戦日★★★★
多田有花
戦争を知らぬ子ばかり終戦日★★★
終戦日より戦死者はなく八十年★★★
終戦日を積み重ねていく終戦日★★★★
高橋 秀之
とんぼ舞う駅で友との待ち合わせ★★★★
盆休み子らが揃いて窮屈に★★★★
終戦日サイレン響く大空へ★★★
川名ますみ
カラフルに匂える夏野菜カレー★★★★
ざくざくと氷菓に匙を挿し入れる★★★
友三人ソルベにスプーン突き刺しぬ★★★
【選者詠】髙橋正子
蓮の葉も花もテレビに蓮どころ
秋立ちて風は月より吹き来たり
秋簾夜風をとおしはじめたり