★木賊生う地より突き立つ濃き緑 正子
○今日の俳句
大らかな雪の浅間の二日かな/小口泰與
よい天気続きの正月。二日も雪を冠った浅間山が大らかに坐っている。浅間山を「大らか」と捉えた度量がよい。(高橋正子)
○水仙

[水仙/横浜日吉本町]
★水仙やホテル住ひに隣なく/久保田万太郎
★水仙やすでに東風吹く波がしら/水原秋櫻子
★あるだけ剪りあるだけ挿して水仙花/大橋敦子
★水仙や日本の詩の潔し/瀧春一
★水仙に昃り易さの日射なる/鈴鹿野風呂
★潮の香を海に返しぬ野水仙/稲畑汀子
★水仙や潮砕け散る烏帽子岩/朝妻力
★上げ潮や水仙のよく匂ふ街/今瀬剛一
★自画像の芙美子に会へり水仙花/神蔵器
★水仙や向き合ふ暮し取り戻す/井内佳代子
★向き合えば吾に水仙のみずみずし/高橋信之
水仙の花を「古鏡」といった俳人もいたが、向き合うことができる花である。向かうと、以外にもみずみずしい花である。(高橋正子)
★水仙の枯れし終わりを折りて捨つ/高橋正子
庭に咲いているのでしょうか、可憐な水仙花、でもいのちあるものには最後があるのです。ありがとうの気持ちでしょうか。(祝恵子)
★水仙の一花二花咲き正月へ/高橋正子
スイセン属(スイセンぞく、学名:Narcissus)は、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)の属のひとつ。この属にはラッパスイセンやニホンズイセンなど色や形の異なる種や品種が多くあるが、この属に含まれるものを総称してスイセンと呼んでいる。多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。狭義には学名Narcissus tazettaや、その変種であるニホンズイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)をスイセンということも多い。
原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種は30種類ほど知られている。また、園芸用に品種改良されたものが広く栽培されている。日本においては、ニホンズイセンが古くに中国を経由して渡来したといわれている。分布は、本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られる。越前海岸の群落が有名であり、福井県の県花ともなっている。
◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
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■新年ネット句会■
■清記/21名63句
01.水色の空の暮れゆき年惜しむ
02.鳶の舞う山河晴れゆく初御空
03.底冷えの京の町家の入日かな
04.悠久の利根の流れや初浅間
05.元旦や坂東太郎滔々と
06.初晴や長きすそ野の赤城山
07.やすやすとバイク追ひ越す師走かな
08.裏側の印字かすかに年深し
09.雑音の混じるラジオや年の暮5168
10.勝独楽のいまだ気負ふや仁王門
11.息白し襷を繋ぐ箱根山
12.広々と実朝の海初明り
13.ひっそりと葉に抱かれて枇杷の花
14.玄関に花整えて年明ける
15.一村を優しく包む雪化粧
16.明々と全てを照らす初日の出
17.真っ直ぐな角松の如竹の如
18.広い野に鐘の音拡がる年の暮れ
19.新年の和の味揃え乾杯す
20.世の無事を祈りしたたむ初日記
21.信貴生駒高く上がれる初日かな
22.境内の動く氏子の年用意
23.寒柝の拍子木合わせの音のずれ
24.破魔矢鈴参りの後は土手道へ
25.夜の更けていよいよ冴ゆる山の闇
26.三代の肌色違へ寒垢離
27.寒菊のうたかたの日を受け賜ふ
28.福袋開ける子達の笑い声
29.順々に鈴の音大きく初詣
30.僕ふたつ俺はみっつと雑煮餅
31.てのひらに海を掬ひて初あかり
32.やわらかき小筆で記す初硯
33.触れあえる肩あたたかし初詣
34.集う人みな初東雲に向う
35.砂浜に寄せ来る波へ初明かり
36.穏やかな瀬戸の島山初日の出
37.元日に空の碧さは極まれり
38.二日には喉の渇きとおせちかな
39.あたらしき心に年もあたらしく
40.大晦日の湯船香らす柚子ふたつ
41.新年の冷え込む闇へ投函す
42.この二日の空ののどかなちぎれ雲
43.元日青あお晴れ丸い世界に居る
44.二日も晴れて空一枚の青うれし
45.初詣の姿勢正して柏手打つ
46.穏やかに雲棚引ける今朝の春
47.連れ添いて人参赤き味噌雑煮
48.午後の陽にまだある氷割り遊ぶ
49.真っ先に日矢の射し込む注連飾り
50.娘(こ)の干支へ合わす柏手淑気満つ
51.孫姉妹柚子に興じて長湯かな
52.新年の賑わいを聞き背伸びする
53.冬北斗追いかける親子の夜の道
54.門松立つ首都の中心ひっそりと
55.新年の河滔々と蒼深む
56.去年今年子はたらちねの母となり
57.児を抱くに血潮のあつき今朝の春
58.栴檀の実の弾く陽も十二月
59.芝居後の福引もあり高潮す
60.今年又義母(はは)より伝授の雑煮炊く
60.今年又義母(はは)より伝授の雑煮炊く
61.初春の一番客のメジロ来る
62.枇杷の花の雨滴と香り引き寄せる
63.冬の実の全き赤さと丸さかな
◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、1月2日(木)午後7時から始め、同日(1月2日午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、1月3日(金)午前9時です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、1月3日(金)午前9時~1月4日(土)午後6時です。