9月15日(日)

★花オクラ空の次第に澄みてきし  正子
オクラの花がお天気も変えたようで、今までの曇った空もこの花のように澄みて明るく広がってきました。(祝恵子)

○今日の俳句
箱の荷の泥付き芋は地方紙に/祝恵子
届いた箱の荷を開けると、地方紙にくるまれた畑から掘り起こしたばかりの泥つきの芋が入っている。地方の便りも、合わせて届き、懐かしい思いだ。(高橋正子)

○玉珊瑚(たまさんご)

[玉珊瑚/東京白金台・国立自然教育園]

 ★玉珊瑚の実がつやつやと森の陽に/高橋信之

 玉珊瑚(たまさんご、英名:Jerusalem cherry)は、ナス科ナス属の常緑小低木で、学名は Solanum pseudo-capsicum。Solanum : ナス属、pseudo-capsicum : トウガラシに似た。Solanum(ソラナム)は、ラテン古名の「solamen(安静)」が語源。この属の植物に 鎮痛作用を持つものがあることから。
 玉珊瑚は、夏に白い小花を咲かせ、花後に成る小さな赤い球形の果実が ホオズキ(鬼灯) または、ミニトマト(Mini Tomato)” に似た果実を鑑賞する。高さは30~50センチほどになる。葉は披針形から長楕円形で、光沢があり互生する。夏に開花し結実することが多いので、別名の「冬珊瑚」は、違和感があるが、主に寒くなると色づきが良くなることや、冬でも成ることからネーミングされた。
 ブラジルが原産。わが国へは明治時代に渡来している。「リュウノタマ(竜の玉)」とも呼ばれる。

◇生活する花たち「犬蓼・吾亦紅・チカラシバ」(横浜下田町・松の川緑道)

9月15日

●小口泰與
秋ばらをほめそやされし朝かな★★★
吹きてきし湖風硬し秋桜★★★★
「湖風硬し」に、早も季節がこんなにも進んだかと、季節の移り変わりに灌漑深いものがある。(高橋正子)

寄りて来て指舐むチワワ夜長かな★★★

●小西 宏
振り返る金柑の黄の細い道★★★★
松虫の闇に繋がるガラス窓★★★
枝豆を固く茹でいて口唇す★★★

●桑本栄太郎
<夕暮れの散策より>
七段の堰落つ水や秋の川★★★
椋鳥の一斉飛翔の対岸へ★★★★
山里に灯が点き釣瓶落しかな★★★

●川名ますみ
橋を見る悲しいくらい澄む秋に★★★
両の手に茄子丸々と包まるる★★★
丸茄子の小さき畑よりてのひらに★★★★

●多田有花
台風の近づく沖の霞みおり★★★
台風接近少し遅めに起きる朝★★★
台風裡ハンドル握り帰宅する★★★

9月14日

●小口泰與
卓袱台を知らぬ子供ら良夜かな★★★
芙蓉咲く赤城榛名も靄の中★★★
田を囃す雀の羽音初穂かな★★★

●古田敬二
 京都太秦2句
泣き笑い澄まして並ぶ案山子かな★★★
稔田の向こうの遠山雲の影★★★

 書道展
秋の字が黒々生まれる太い筆★★★★
墨痕の鮮やかさが一番引き立つのは季節でいえば、秋ではなかろうか。太筆で黒々と書かれた字が力を得ている。(高橋正子)

●迫田和代
雨止んで庭の桔梗の花開く★★★

花野まで朝の散歩の行き帰り★★★★
花野には、様々な秋草の花が咲いている。すがすがしい朝の散歩を楽しくさせてくれる花野である。花野はやさしい。(高橋正子)

新月の優しい光に言葉なし★★★

●桑本栄太郎
どこまでも散策つつき萩の風★★★
木蔭より青空仰ぎ百日紅★★★
散策の釣瓶落しの家路かな★★★

●小西 宏
法師蝉知らず野分の近きこと★★★
秋暮れるメタセコイアの木々朱なり★★★
清らかな海であれかし秋刀魚焼く★★★★
焼こうとすれば、生き生きと輝きが美しい秋刀魚。清らかな海で育ったのであろう。海を映している。いつまでも海が清らかであれと祈る。(高橋正子)

●黒谷光子
川端に木の椅子二脚柳散る★★★
水澄むや能楽堂へ石の橋★★★
門跡へ石段上がり萩の花★★★

●高橋秀之
鳴き声はわずか一匹法師蝉★★★
虫の声堤防道をどこまでも★★★
延々と露店と子の列秋祭り★★★